通信障害とは?大手キャリアでも起こったその”原因”について
近年、大手キャリアでの通信障害の発生し、大規模な障害が発生しました。スマホが使えない時間が長かったことにより、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。通信障害が起きると、個人のスマホがつながらないという問題だけでなく、救急車につながらないなど、致命的な問題につながる可能性もあります。そのため、もしも通信障害が起こった時に備えて対策を知っておくことが大切です。本記事では、通信障害が起こる原因や通信障害の確認方法、通信障害に備える対策方法などをご紹介します。
通信障害とは
通信障害とは、一般的にインターネットや電話がつながらない状態のことを指します。目的のサーバーに到達できずに、サーバーがから処理されたデータを取得できない状態のことを指します。具体的な症状としては、「つながらない」「画面が真っ白のまま」「ページがスクロールしない」などが挙げられます。
また機器が故障することで、通信障害が発生する場合もあります。インターネットを接続するには、ルーター、モデム、ONUなど数多くの機器を経る必要があるため、故障すると通信障害が発生してしまいます。
通信障害の事例
2018年12月6日 ソフトバンクで起きた通信障害
2018年12月6日午後、ソフトバンクで大規模な通信障害が起こりました。ワイモバイルを含めた約3,000万回線が4時間半にわたり通話や通信ができない状態となりました。原因は交換機のソフトの不具合とされています。
2021年10月14日~15日ドコモで起きた通信障害
2021年10月14日~15日、ドコモで大規模な通信障害が起こりました。音声通話は約460万人、データ通信は約830万人に影響があったとしています。IoT機器向けの位置情報サーバーを新しい物へと切り替えている工事が原因とされています。
2021年9月11日 楽天モバイルで起きた通信障害
2021年9月11日に楽天モバイルで通信障害が起きました。11日昼に起きた通信障害は約4時間半後に復旧しました。影響を受けたのはデータ通信とWeb上の申し込みです。この間、音声通話は問題なく行えたとしています。
また2022年3月29日にも、一時的な通信障害が起きています。これはシステム障害が原因とされ、約30分で解消されました。
2022年7月2日~4日 KDDIで起きた通信障害
7月2日~4日まで起こった大規模通信障害です。7月2日午前1時35分から4日午後3時までの61時間25分にわたり、音声通話とデータ通信が利用しづらくなる状況が起こりました。KDDIで約3,043万人以上、グループ企業の沖縄セルラーが約48万人以上の影響を受けたとしています。また法人顧客にも、多大な影響が発生しました。
原因としては、コアルーターの経路設計ミスとされています。
通信障害の確認方法
スマホやインターネットが使えなくなると、デバイスや自社の回線に問題があるのか、通信障害が起きているのか分からないケースも多いと思います。ここでは、通信障害かどうか確認する方法をご紹介します。
通知サイトを確認する
利用しているキャリアやプロバイダのWebサイトやお知らせなどが掲載される、通知サイトを確認する方法です。通信障害が起きている場合は、多くの場合キャリアやプロバイダのサイトにすぐに掲載されます。スマホが使えない場合はパソコン、または他のキャリアのスマホで確認してみましょう。
また通信障害が長時間にわたると、「通信障害発生通知サイト」などが作られることがあります。このポータルサイトは多くの人がアクセスすることを前提としているため、つながりやすいとされています。
手元に1台のスマホしかない場合は、フリーWi-Fiや自宅の固定回線などを利用してみましょう。
・フリーWi-Fi
外出先で通信障害が起きた場合は、フリーWi-Fiを利用する方法があります。フリーWi-Fiは無線公衆LANの一種です。駅やビルなどの施設、レストランなどが提供しています。フリーWi-Fiは誰でも無料で使えるため、通信障害が起きた際でも自分でデータ通信量を消費せずにインターネットをすることができます。
ただし、フリーWi-Fiは誰でも使えるため、セキュリティ的に不安が残ります。そのため、ビジネスで重要なファイルを送受信したり、メールを送ったりするのは避けた方が無難でしょう。
また個人情報の入力は控えることが大切です。
・固定回線を利用する
自宅やオフィスにいる場合は、固定回線を利用しましょう。パソコンの場合は有線LANか無線LAN、スマホの場合は無線LANを利用すれば、インターネットに接続することができます。スマホ回線と固定回線の2つを契約していれば、どちらかで通信障害が起きた場合でもインターネットを使える状態を維持できます。プライベートでもビジネスでも有効な備えとなるので、おすすめです。
SNSを確認する
キャリアやプロバイダの公式SNSで確認する方法です。普段からSNSをよく使うという方は、SNSで確認する方が早い可能性があります。
またSNSで「障害」「トラブル」などと検索する方法もあります。SNSはリアルタイムな情報が飛び交っていますので、多くの人が障害に合っていることを確認できるでしょう。ただし、公式ではない情報はデマの可能性もあるので注意しましょう。
緊急時を除き電話は避けた方が無難
通信障害が発生していると、電話で確認したくなることも多いと思います。しかし、通信障害が発生している場合、問い合わせが殺到しているためコールセンターにつながりにくいこともあります。そのため、緊急な場合を除き電話での問い合わせは避けた方が無難です。
通信障害の原因
ここでは通信障害の原因についてご紹介します。
ハードウェア障害
ハードウェア障害は、サーバー本体の故障やルーター、スイッチングハブなどの装置の故障やLANケーブルの断絶などが挙げられます。特に24時間稼働しているサーバーは、パーツが劣化しやすいため、故障が起きやすいとされています。また負荷が大きいサーバーは、ハードウェアの寿命が短いといわれています。
また地震や火災、落雷などの災害がもとで、ハードウェアがダメージを受ける可能性もあります。こうした災害の場合は、復旧に時間がかかることもあります。
人的ミス
ネットワーク機器のコンフィグ設定やケーブルの配線間違えなどが、人的ミスに数えられます。ネットワーク機器は、設定や配線を間違えるだけでも、意図通りにネットワークに接続できなくなる場合があります。
設定ミスや配線間違いなどの人的ミスは、機器が故障しているわけではないため、一見して原因が分かりにくいのが特徴です。そのため、原因特定に時間がかかり、通信障害が長引きやすいといわれています。
帯域の占有
同一のネットワーク回線では、一度に送受信できるサイズに限界があります。複数のユーザーが同じネットワークを利用している場合、ユーザーが大容量のデータを一度に送受信すると、回線がそのデータの送受信でいっぱいになることがあります。そのため、そのネットワークで他のユーザーが通信できなくなる場合があります。
インターネット・SaaSなど外部の障害
インターネットサービスプロバイダ(ISP)側の問題が発生し、外部のWebサービスに接続できなくなったり、サービス自体が利用できなくなったりするケースがあります。
通信障害に備える対策方法
デュアルSIM
デュアルSIMとは、1台のスマホに2枚のSIMカードを挿入し、通信を使い分けられる機能です。デュアルSIMを利用することでメインとして使用する回線だけでなく、予備の回線を用意できます。そのため、どちらかを、通信障害時の予備回線として利用することもできます。たとえば、通信障害が起きた最、別の回線であれば快適な通信が可能なケースもあります。災害時には通信網自体がつながりにくくなりますが、信頼性の高いキャリアの回線を複数用意していれば、連絡が取れる可能性が高くなるでしょう。
またデュアルSIMであれば、1台のスマホで済むため、複数台のスマホを持ち歩かなく良いのもメリットでしょう。
サブ回線のスマホを契約しておく
デュアルSIMでなく、2代目のスマホを用意しておく方法です。1つのスマホで通信障害が起きても、サブ回線で契約したスマホがあれば、連絡が取りやすくなるでしょう。
たとえば、1つ目のスマホは大手キャリア、2つ目はMVMOなどのキャリアを利用する方法です。格安SIMを提供しているキャリアであれば、月額料金を抑えながらサブのスマホを持つことができます。
また2台あれば、仕事用とプライベート用で使い分けたい場合にも便利でしょう。
公衆電話の位置を把握する
緊急時に備えて公衆電話の位置を把握しておくことをおすすめします。たとえば、外出時にスマホが利用できないが、電話を掛けたいという場合は公衆電話が便利です。近年では数が減りましたが、大規模な通信障害が起きた際の連絡手段として役立ちます。
そのため、生活圏内にある公衆電話の位置は事前に把握しておくのがおすすめです。
通信障害についての知識をつけよう
ひとたび通信障害が起きてしまうと、スマホやインターネットがつながりにくい、もしくはつながらない状態になってしまう可能性があります。復旧するまでの時間が分からないため、もし起きてしまった場合に備えて対策を練っておく必要があるでしょう。特にビジネスの場合は、仕事自体が滞ってしまう可能性があるため、サブ回線を用意しておくのが有効です。通信障害が起きた際にも焦らず、情報収集しながら、復旧を待ちましょう。