デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?身近なDXの例とは?

2020年10月28日電話業務の効率化

ITの急速な進歩によって、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が注目を集めています。この記事では、デジタルトランスフォーメーションの概念を説明するとともに、日本の経済産業省の報告やDXを取り入れた3社の実績についてご紹介します。また、DX推進の一環として電話のクラウド化を実現する「ナイセンクラウド」についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。

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デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

デジタルテクノロジーの進歩により、次々と新製品やサービス、ビジネスモデルが誕生する現代社会。そんな変化し続ける社会の中で、日本でも注目を集めているのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

2018年には、経済産業省がデジタルトランスフォーメーション(DX)のための研究会を組織し、レポートやガイドラインを次々と発表しました。ここでは、国家レベルで注目されているデジタルトランスフォーメーション(DX)の概要と、経済産業省の取り組みをご紹介します。

広義の意味でのデジタルトランスフォーメーション(DX)

デジタルトランフォーメーション(DX)とは、もともとスウェーデンのエリック・ストルターマン教授によって2004年に発表された概念です。広義には「進化し続けるデジタル技術を人々の生活に浸透させることで、その生活をより豊かなものへと変換すること」という意味があります。

デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)は直訳すると「デジタル変換」となりますが、「変換」と言うよりも「変革」の方が概念としては適しています。そして、デジタルトランスフォーメーション(DX)は単なる「変革」ではなく、「破壊的な変革」を意味する「デジタル・ディスラプション」として、すでにある枠組みや価値観を根底から覆すイノベーションです。

なお、「Digital Transformation」の略称は、英語圏では「Trans」を「X」と一般的に略すため、「DT」ではなく「DX」と記します。

経済産業省のデジタルトランスフォーメーション(DX)

2018年に経済産業省が設置した「デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた研究会」により、日本でも本格的に意識されるようになりました。

研究会を設置した背景には、例えばAmazon.comのようにインターネット上でプラットフォームを構築し、いつでもどこでも商品を注文できる新しい買い物スタイルの台頭により、店舗販売を中心としてきた小売業界が大打撃を受けたことが挙げられます。そこで経済産業省は、研究会を通して「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」を作成して報告書としました。

DXレポートでは、デジタルトランスフォーメーションを各企業が実現していくうえでのアプローチや行動指針を明確化する必要性を指摘し、実際の構成案について提示するとともに「DX推進ガイドライン」の策定も開始しました。DXレポートでは、企業の多くが既存システムの老朽化や、システムの構築者がカスタマイズしたプログラムが、担当者の退職後にブラックボックス化する問題を抱えていることを指摘しています。このような問題が、日々変わる環境の変化や新たな事業への対応力の欠如、コストが無為に増える問題を起こしているのです。

そしてDXレポートは、こうした既存システムの問題をこのまま解消できなければ、2025年以降に最大で年間12兆円の損失を出すことになるだろうとし、これを「2025年の崖」と呼んでいます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例

次に、実際にデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んだ3社の事例を見ていきましょう。

江崎グリコ株式会社の事例

総合食品メーカーの江崎グリコ株式会社は、マーケティングオートメーション(MA)の導入により、ほとんど得られていなかったWebからの顧客獲得・売上獲得を実現しました。MAを用いることで、顧客である企業がどのような会社か、またその会社の購買のタイミングはいつ頃かなど、さまざまなことを可視化することができるようになりました。MAによって顧客の状況を正確に把握してアプローチできるため、商談化が実現しやすくなったそうです。

 

また、潜在的な需要を抱えている見込み顧客(リード)に対してのリードナーチャリングも効率的に進められるようになりました。具体的には、MAの活用を前提としたペルソナの設計やターゲットの選定、カスタマージャーニーを策定してシナリオを作成し、MAに組み込むことでスムーズなリードナーチャリングを実現しています。

さらに、オリジナル名入れノベルティの販売を促進するために、「アメリカのIT企業に聞くノベルティ成功談」やノベルティに関する調査レポートをWebサイトにホワイトペーパーとして掲載し、ナーチャリング用のコンテンツの拡充にも努めています。

 

同社は、災害用の備蓄食品の提案も行っていますが、以前はこの分野の売上はゼロでした。しかし、MAで得られた見込み顧客の反応に関する情報を生かしてWebサイトの改善を行った結果、問合せからの受注率が100%になりました。

さらに、メールの開封率やクリックレートの目標を設定し、その目標がクリアされているか評価したうえでメールの内容や配信のタイミングを改善しました。このように施策の結果がすぐに把握できるので、改善のアクションも取りやすくなり、大きな売上にも繋げられる手ごたえを感じているようです。

コニカミノルタ株式会社の事例

電気機器メーカーのコニカミノルタ株式会社は、RPA(Robotic Process Automation)の導入によって社員の労働を約24,000時間削減することに成功しました。

デジタルワーカーと呼ばれるRPAは、データの転記作業や紙媒体のデータ化など反復的な業務を担ってくれます。それにより処理スピードの向上とミスが減ったことで生産性が大幅に向上しました。同社でRPAが担当している部門は、製品開発や製造分野です。このRPAソフトウェアにより、社員の残業の削減、企画・戦略にかけるリソース(資料・資源)の拡張と充実、設計や製品品質の向上を可能にしました。

 

同社がRPAを選定する際は、グローバルに使用できること、導入先の製品開発・製造部門が自律的にBotを開発できて相性が良いこと、サーバー型で管理機能が充実している点をポイントにして導入したそうです。

また、同社は中期経営計画で示している課題提起型デジタルカンパニーへの変革と、その変革への意識を社員に根付かせて活性化を図ることを目指しています。そして、2018年から始まったRPAによる改革では、国内外にある19のビジネス部門で約200個のBotを稼働させるまでに至っています。

今後は欧州・アジア・中国の拠点でのRPAソフトウェアの導入を目指していくそうです。

東レ株式会社と日本電気株式会社(NEC)の事例

東レ株式会社は、日本電気株式会社(NEC)の提供する「品質DX(デジタルトランスフォーメーション)」の1つ「品質データ基盤」をもとに、品質保証体制の強化を行いました。品質データ基盤では、IoTやAIを活用した製品の品質管理をデジタル化することができます。

工場では、製品の品質の維持、チェックは重要な仕事です。品質が低い製品を提供してしまえば、クレームの元になってしまいます。さらに、化学メーカーや電機メーカーで製造される製品は他社の製品の原料や部品として使用されるため、欠陥のある製品を提供することは、それを使った取引先の製品の品質まで落としてしまうことになります。品質検査情報をサプライチェーン上で共有することが、製品の品質維持に欠かせないのです。

東レ株式会社と日本電気株式会社では、検査機器から品質検査情報をデジタルデータとして直接収集し、クラウドに保存できる仕組みを構築しました。こうすることで、工数を削減しながらも、いつでも品質情報を共有できるようになります。さらに、検査情報や管理情報が各社ばらばらだったのを、クラウドで共有するにあたって標準化することで、業界標準の信頼できる品質証明を実現できるようになりました。
品質保証業務の効率化、情報の信頼性向上の両方を、サプライチェーン上におけるデジタルデータの共有によってかなえることができたのです。デジタルトランスフォーメーション(DX)によって、企業間の連携を強めることのできた事例です。

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)。何ができる?

さて、デジタルトランスフォーメーション(DX)として、企業は具体的に何ができるのでしょうか。実現できる5つのことを詳しく解説します。

顧客管理のシステム化

顧客管理のシステム化によって、担当者それぞれが記憶している顧客情報はもちろん、メールやチャットなどの異なるツールに分散した問い合わせ履歴を一元管理することができます。社員の誰もが必要なときに情報にアクセスできるため、チームの連携がスムーズになります。また、分析機能を用いれば施策や業務パフォーマンスなどの改善点を分析し、分かりやすく可視化してくれます。 

勤怠管理のシステム化

社員の日々の出退勤の打刻や、有給休暇・残業などの届け出・承認処理などのフローを自動化することができます。そして、社員一人ひとりの勤怠実績データを給与管理システムへと連結できるので、給与計算に掛かる工数の大幅な削減が可能です。また、個々の従業員で異なる勤務形態や雇用契約に対し、人の手で計算しているとミスが発生する可能性がありますが、勤怠管理をシステム化することでミスの削減も実現します。さらに、スマートフォンで手軽にいつでも勤怠入力ができるシステムであれば、位置情報と連携させれば直行直帰での勤怠管理もスムーズに行えます。

単純作業の自動化

RPAの導入により、データ入力や集計業務などの単純作業を既存のシステムを変えずにソフトウェアロボットに記憶させ、自動化することができます。これにより、業務の質の向上・スピードアップが実現し、生産性の向上が目指せます。

例えば、月末月初に必ず行わなければならない大量のデータ入力業務を、従来は残業をして処理していたとします。そこで、RPAを導入すれば大量のデータ入力を迅速に処理することができ、業務全体のフローがスムーズに流れるようになり、残業時間を削減できるのです。

RPAによって社員の負担が軽減されることで、ライフワークバランスを実現したり、クリエイティブな業務に集中してもらったりと、ルーティン業務に縛られない働き方を実現します。

クラウドを使ったデータの共有

クラウドサービスとは、ハードウェアを購入したり、ソフトウェアをわざわざインストールしたりしなくても、インターネット上で利用できるサービスのことです。例えば、メールソフトをわざわざインストールしなくても利用できるクラウドメールサービスが代表的なサービスです。

従来は自社の情報システム担当者が担っていた、インストール作業やメールサーバーの構築などの手間を削減できます。また、インターネット環境があればいつでもアクセスできるので、外出中やテレワークでもオフィスと変わらない環境で仕事を進められるようになります

電話のクラウド化

多くの企業で利用されているビジネスフォンは、PBXという物理的な機器を社内に設置することで電話機の内線化、各電話機への外線の振り分けを可能にしていました。

一方、電話のクラウド化とは、PBXの持つ機能をインターネット回線があれば利用できるクラウドPBXを活用して実現できる仕組みです。そのため、離れた拠点間を内線として繋げるほか、従業員のパソコンや個人が所有するスマートフォンなども内線化することができます。これにより、スマートフォンで代表番号宛ての着信を受けられることはもちろん、代表番号で発信することが可能となります。社員の外出が多い企業や在宅勤務者の多い企業で特に効果を発揮します。

さらに、機器を設置するための工事は不要なうえに、設定変更もWebの管理画面上から行えるため、初期費用を大幅に削減して柔軟な運用が可能です

電話のクラウド化ならナイセンクラウド

デジタルトランスフォーメーション(DX)と聞くと、何か難しいことをしなければいけないように思ってしまいがちですが、「できることからまずは始める」ことが重要です。

 

前述したデジタルトランスフォーメーション(DX)の具体例の中でも、特に電話のクラウド化は簡単で、実施ハードルが低い施策です。電話のクラウド化に興味を持たれた方は、ぜひ弊社が提供するクラウドPBX「ナイセンクラウド」の導入をご検討ください。

 

▼1分でわかるナイセンクラウド

ナイセンクラウドは企業内の電話業務のあらゆる困りごとを解決します。例えば、海外拠点との通信コストが高いという悩みには、ナイセンクラウドで拠点間を内線化することで、年間数百万円ものコストダウンすることに成功した事例もあります。

 

ナイセンクラウドは、機械をレンタルする必要がなく、機材の購入の必要や設置工事を行う必要もありません。そのため、起業や新しい部署の立ち上げにもスピーディーに対応します。また、企業規模や利用シーンに応じてプランを選択することができます。サービスサイトでは自動見積もりが可能です。もちろん個別見積もりにも対応しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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デジタルトランスフォーメーション(DX)で生産性を向上させましょう

経済産業省も推進し、近年その需要が高まりを見せていくデジタルトランスフォーメーション(DX)。実際にさまざまな企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を取り入れたことで自社の商談化率を高めたり、労働時間を大幅に削減したりすることに成功しています。なかでも、電話業務はどのような企業においても発生する業務です。電話のクラウド化を検討している企業は、ぜひナイセンクラウドにお任せください。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を取り入れる方法や、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって実現できることは多岐に渡りますが、自社に合った施策を実施してデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めていきましょう。