クラウドPBXの初期費用相場|ビジネスフォンと比較してどのくらい安い?

クラウドPBX

近年、企業向けの電話運用として新たに注目を集めている「クラウドPBX」をご存知でしょうか。

クラウドPBXは、多くの企業で一般的に普及していた「ビジネスフォン」の仕組みをクラウド環境に置き換えることで、ビジネスフォンよりも遥かに便利で柔軟な運用を実現した、まさに画期的と言える新世代の企業向け電話システムです。また、便利なだけでなく、ビジネスフォンよりも遥かに安い初期費用で導入可能なことも、企業の注目を集めるポイントと言えるでしょう。

今回は、クラウドPBXの初期費用にはどういったものがあり、ビジネスフォンと比較するとどれだけ安いのかを解説していきます。また、ベンダーが多数ある中での最適なクラウドPBXの選び方や、導入の際に意識すべきポイントも併せて解説しますので、導入を検討される際にはぜひ本記事を参考にしてみてください。

クラウドPBXの初期費用はいくら?

クラウドPBXは、まず大前提として「複数の電話機で電話回線を共有できる」という、企業向けの電話システムになっています。

これはビジネスフォンでも同じで、実際にビジネスフォンの仕組みがクラウドPBXのベースとなっており、大まかな仕組みはビジネスフォンと共通しています。しかし、初期費用を比較すると、ビジネスフォンと比べて大幅に安く導入が可能なのです。

ここでは、クラウドPBXの初期費用にはどういったものがあり、ビジネスフォンと比較してどれだけ安いのかを具体的に解説していきます。

クラウドPBXの初期費用相場

クラウドPBXの仕組みは、先述の通りビジネスフォンの仕組みを踏襲しています。ビジネスフォンは「主装置(PBX)」と呼ばれる構内交換機を社内に設置し、社内のすべての固定電話機と、電話回線を全て主装置に有線接続することで成り立っており、これによって主装置側が判断して固定電話機に回線を割り当てたり(外線着信)、別の電話機に切り替えたり(電話の取次ぎ)、社内の固定電話機同士を内線で繋いだり(内線通話)することができます。

クラウドPBXもこうした大まかな仕組みは同じですが、ビジネスフォンと違って主装置を社内に設置することはなく、通話や電話機との接続に電話回線を用いることもありません。クラウドPBXは、クラウド環境(インターネット回線上)に設置された主装置に対し、スマートフォンなどの端末を、インターネット回線を介して接続します。

こうした仕組みの違いを知っていただいたうえで、ここでは、クラウドPBXの初期費用の内容とその費用相場を紹介します。

ベンダーに支払う費用

クラウドPBXの初期費用は、クラウド環境にある主装置の設定作業など運用環境の構築にかかる費用として請求されるものです。ビジネスフォンと違って会社内に大規模な物理的設備の設置・配線等が必要ないので、工事費や主装置の購入費などは一切かかりません。

クラウドPBXの初期費用の相場は、かつてはベンダーによって大きく異なっていましたが、価格競争が進んだ結果、安くて1万円前後~高くて5万円程度の範囲に落ち着いています

デバイスの購入費用

クラウドPBXは、先述の通り、ビジネスフォンと違い物理的設備の設置が一切不要です。その為、導入に際して特別な設備の設置や工事などはないですが、通話に使うデバイスだけは自分で用意する必要があります。

クラウドPBXにはよく「手持ちのスマートフォンですぐに運用開始できる」といった宣伝文句がありますが、スマートフォンで運用するにしてもベンダーはデバイスを配布・販売していないので、自分で揃えなければなりません。また、クラウドPBXは様々なデバイスに対応していることも特徴的で、スマートフォンだけでなく、タブレット端末やノートパソコン・デスクトップパソコン、据え置き型IP電話機にも対応していますので、このうちのどれかを用意しておけばクラウドPBXを導入できます

デバイス購入費用の相場は、スマホ・タブレットを買う場合にはAndroidで1台あたり15,000円~50,000円、iPhone・iPadで1台あたり50,000円~100,000円ほどが相場です。PCでは1台あたり30,000円~20万円ほどと幅広い価格帯から選べます。なお、据え置き型IP電話機の場合は新品で1台あたり30,000円~50,000円、中古では10,000円~20,000円前後が相場です。

しかし、現在のような情報化社会のなかで会社をやっているのなら、社用PCは高確率で既に配布されているでしょうし、社用スマホを支給している会社も今ではかなり多いのではないでしょうか。クラウドPBXはビジネスフォンと違い、既に別の用途で用意していた資産を転用することも可能なので、既に社員に配布しているデバイスを転用すれば、無理に端末代をかけずとも導入できます

また、社用スマホがない場合には、私用スマホを仕事用に転用してもらうのも手です。これを「BYOD(BringYourOwnDevice)」と呼びますが、以上のようにやり方を工夫すればデバイス購入費用をゼロにすることも不可能ではありません。

ビジネスフォンの初期費用を比較すると?

ビジネスフォンの場合、先述した通り、「主装置」や「固定電話機」といった物理的設備の設置・工事が必要になります。また、そうした設備の購入も自社で行う必要がありますので、導入に際してかかる初期費用は「機器本体価格(主装置・電話機)+工事費」ということになります。

最も費用が大きいのは主装置の機器本体価格です。主装置はビジネスフォンの運用には絶対に欠かせないものですが、価格は安くても20万円からと高額です。そして、電話機接続可能台数などの基準によりS/M/Lの3つのクラスに分かれ、それに応じて価格が大きく変動します。ざっくりした相場の目安としては、小規模店舗や事務所の場合で20万円~30万円、従業員数30名前後の中小企業で80万円~170万円、コールセンターや営業会社など大規模な会社では430万円~670万円です。

なお、ビジネスフォンではこれに加えて、電話機代と工事費用がプラスされます。電話機代は新品で1.5万円~4万円ほどで、工事費用は電話機1台あたり1万円~2万円と電話機の台数に応じて加算されていきます。

中小企業で電話機が30台必要と仮定し、主装置が100万円・電話機が1台2万円・工事費1台1万円とした場合、ビジネスフォンの初期費用はざっくり計算して190万円となります。それに対して、先ほども説明した通り、クラウドPBXの初期費用は1万円~5万円ほどです。仮に初期費用3万円のクラウドPBXで3万円のスマートフォンを30台揃えるとしても、93万円となりビジネスフォンより100万円近く安くなります。

クラウドPBXの選び方

クラウドPBXはビジネスフォンに比べて非常に安くなることがわかっていただけたのではないでしょうか。毎日必要になる電話の運用に際して、ここまで安くなるのなら、とクラウドPBXの検討を始められる企業様もいらっしゃるかもしれません。

しかし、クラウドPBXはベンダーによってサービス品質も使える回線や機能も異なります。そのため、単純に料金が安いクラウドPBXベンダーと契約してしまうと、後々運用に問題が生じたり、トラブルが起きたりしてしまう危険性があります。更に言えば、クラウドPBXを導入するにあたっては、クラウドPBX特有の問題点や、環境・条件の違いから新たに検討しなければならない点もでてくるものです。

ここでは、そうしたクラウドPBXならではの、導入の際に確認しなければならない点を紐解きながら、クラウドPBXの選び方について詳しく見ていきます。

電話番号の変更が不要か確認する

クラウドPBXを適当に導入してしまうと、これまで会社で使っていた電話番号を変更しなければならなくなる場合もあることをご存知でしょうか。

クラウドPBXはアナログ電話回線ではなく、インターネット回線を使った通話技術(VoIP)を用いた電話システムであるため、ベンダーが使用している回線の種類によっては、特に「03」や「042」など市外局番付きのいわゆる「固定電話番号」が、発信先として引き継いで使えない可能性があるのです

会社組織にとって、電話番号というのは会社の看板であり、取引先や顧客にとっても大事なものです。また、いったん変更してしまうと、対外的に発表しているあらゆる媒体の修正作業や、取引先・顧客への連絡、社内全体への徹底した周知、資料やポスター・パンフレット・請求書等の印刷物の修正作業および新たな発注作業など多くの手間が必要になります。

また、固定電話番号は一定の社会的信用を担保してくれます。なぜかというと、取得に一定の手間と費用が掛かり、発信地域がある程度わかる市外局番により、会社所在地が地域レベルではありますがある程度示されているという点から、世間一般のイメージとして「ちゃんとした実在する会社」と思ってもらえるからです。

しかし、こうした固定電話番号が引き継いで使えないベンダーと契約してしまうと、無料で取得可能かつ社会的信用という意味ではどうしても価値が落ちてしまう、IP電話番号(いわゆる050番号)に変更を余儀なくされます。ベンダーを選ぶにあたっては、既存の、特に固定電話番号が利用できるかどうかはしっかり確認しましょう。

必要な機能があるか確認する

クラウドPBXには企業向けに色々役立つ機能が用意されています。たとえば、問い合わせ内容の切り分けや、時間外のアナウンスに使える「自動音声応答機能(IVR)」、通話記録が可能な「自動通話録音機能」、電話の取次ぎをスムーズにする「保留転送機能」などです。その他、モニタリング・ウィスパリング・電話会議機能などより高度な機能も搭載されています。

しかし、これらのような機能は、どのベンダーにも搭載されているとは限りません。クラウドPBXの機能はベンダーによって提供されている機能の内容も違えば、基本機能なのかオプション機能なのかどうかも違いますし、有料のオプション機能だったとしてその価格も異なります。自社で必要な機能がそもそも提供されていなければ元も子もないですから、必要な機能がちゃんと提供されているかは必ず確認しましょう

操作しやすいか確認する

長期的な電話運用において、実は他の何よりも大切になってくるのは「操作しやすいかどうか」です。

クラウドPBXはスマートフォンやパソコンでの運用を想定して設計されているものが多く、固定電話とは色々使い勝手が異なるものです。特にスマートフォンやパソコンでの運用ではソフトウェアをインストールしてクラウドPBX用の通信環境を整える場合が多いですが、使用しているソフトウェアの操作性の悪さなどが原因で使い勝手が悪ければ、社員は疲れてしまいます。

事前にデモ機などで試して、操作しやすいかどうかは必ず確認しましょう

最後に初期費用以外の費用を計算して比較する

費用面については、できる限り上記の確認事項を確認し終えた後、最後に確認しましょう。導入前のサービスを調べているとどうしても費用面を第一に確認してしまいがちですが、費用面だけで決めるのは絶対にやめた方がいいです。既に述べた通り、契約後にトラブルになってしまう危険性がありますし、契約後にトラブルになると契約期間の関係で動きづらくなります。

初期費用も実はベンダーによって異なりますが、最近では価格競争が落ち着いてきており、おおむね1万円~3万円前後のベンダーが多くなっています。そのため、クラウドPBXベンダー同士を比較する際は初期費用にはあまり差がないので「初期費用以外の費用」に着目するべきです。それは、「月額基本料金」「通話料」「オプション料金」などです。そしてお察しの通り、クラウドPBXでは、こうした初期費用以外の費用についてもベンダーによって細かく異なります。

月額基本料金は1回線あたり2,000円~3,000円程度での従量制、ないしは回線数に応じたプラン制で毎月一定額が課金され、どのベンダーでも回線数が多ければ多いほど、1回線あたりの値段が安くなる傾向にあります。

「通話料」は基本的にベースとなる料金(たとえば「3分8円/1回線」)が設定されているのでそれを比較すればいいでしょう。なお、かけ放題プランなどはなく従量課金になるので、内線通話をどれだけ構築できるかにより通話料を減らすことも可能です。

「オプション料金」は使いたい機能がオプション機能に設定されていた場合に、利用するオプション機能に対して、月額基本料金とは別に毎月一定額が加算されます。

比較するところが多くて混乱してきそうですが、これまでに見てきた要素を比較したうえでなら、適した費用の比較も比較的簡単に行えるはずです。

クラウドPBXを導入する際のポイントは?

以上のように、クラウドPBXのベンダー選びに際しては、電話番号・機能・操作性といった事項を確認したうえで最後に料金を比較することで、コスパに合った最適なベンダーを導きやすくなります。このように導入前に検討することも多いですが、実際の導入・運用に際して意識するべきポイントもあります。

ここでは、実際の導入・運用においてやっておくべきことや、運用をどのように活用していくかなど、「クラウドPBXを導入する際のポイント」を解説していきます。

使用時のルールを明確にしておく

クラウドPBXは場所に関係なく会社用番号での発着信が行える、通話用デバイスをどこへでも持ち運べるなど便利な反面、紛失・盗難のリスクやセキュリティ対策の必要性などの問題も起きやすいものです。コンプライアンス違反や情報漏洩のニュースが増える中、こうした問題は無視できない大きなリスクです。また、自由に発信元の電話番号を切り替えられるクラウドPBXは、盗難や紛失により犯罪者に悪用されるケースもあります。

便利なシステムだからこそ、使用時にルールを明確に定めることで、ある程度しっかり引き締めておく必要があるでしょう。たとえば、出張中や外出中、在宅勤務中でもスマホの使用は勤務時間帯だけに留める、完全週休二日制の会社なら休み前には全員から端末を預かって所定の保管場所に鍵付きで保管する(その際、出し入れの帳簿をつける)、管理コンソールで使用時間や発信状況等を細かく確認するといった、備品管理や使用に際するルールを明確に決めておきましょう

MDM(モバイルデバイス管理)など遠隔で端末管理できるシステムを導入するのもいいかもしれません。

プランや台数は定期的に見直しを

クラウドPBXの多くは、ある程度柔軟に回線数を変更できるように、料金体系は非常にシンプルになっています。せっかく柔軟に変えられるようになっているのですから、電話運用に際してのプラン設定や契約台数は定期的に見直しましょう。

企業は常に流動的に動いていくものですし、一定台数の契約だと余ってしまうこともあるでしょう。しかしそうした宙ぶらりんの端末が増えると無駄なコストが増えますし、それこそセキュリティ対策などのリスクへの対処を無駄に多くしなければならないことにもなります。予備も必要ではありますが、予備分も含めた合計数は定期的に見直しを行って、必要な分だけに留めましょう。その際にプラン変更が必要な場合は、将来的な動向も見据えてプランを維持するか、プラン変更するかを決めるようにしましょう。

フル活用して働き方の改善に繋げる

クラウドPBXのメリットは、会社という場所にとらわれず、インターネット回線さえ繋がれば世界中どこででも運用ができるということです。スマートフォンなど無線環境で通話ができ、物理的に持ち運べる端末を利用する場合は、このメリットをフル活用しましょう。

クラウドPBXは会社内外を問わず柔軟で便利な運用がどこででも行えるので、当然ながら在宅勤務でもクラウドPBXが使えます。新型感染症が猛威を振るい始めた2020年以降、急速に世間で話題になった「テレワーク」「在宅勤務」「サテライトオフィス」などの多様な働き方は、感染拡大防止策になるだけでなく、社員それぞれが最も働きやすい環境で業務に集中できるため、働く環境の改善にも役立ちます。

クラウドPBXがあれば、会社にいなくても会社の電話番号を使った運用が行えますし、勿論オフィスに出勤しても問題なく行えます。人それぞれが最も働きやすい形で働くこともまた、ワークライフバランスの改善や業務効率の改善に直結する意味でも非常に重要です。クラウドPBX導入は、「まずは電話業務から」多様な働き方への一歩を踏み出す手段にもなり得るでしょう。

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クラウドPBXの初期費用はいくらぐらいで、ビジネスフォンと比較するとどれだけ安いのかを解説しました。安くて数十万円~高くて数百万円の規模でコストが減らせるクラウドPBXに大きな魅力を感じた方も多いのではないでしょうか。

また、ベンダーによって品質や料金や機能が異なるという特徴を持つクラウドPBXならではの選び方や、実際に導入数際のポイントについても併せて解説しました。クラウドPBXは便利で画期的ではありますが、固定電話とは大きく異なる環境や条件が関係してくる新しいシステムなので、ベンダー選びの際はより慎重に比較検討する必要があります。

本記事で紹介した選び方・ポイントを参考に、ぜひともクラウドPBXの導入を検討してみてはいかがでしょうか。