クラウドPBXとオンプレミス型PBXを徹底比較!
近年、クラウドPBXを選択する企業が増えていますが、あえてオンプレミス型を採用する企業もあります。これは事業の形態や利用人数によっては、オンプレミス型の方がメリットが多いからです。本記事では、クラウドPBXとオンプレミス型PBXの違いそれぞれのメリット、デメリット、どちらが向いているのかなどをご紹介します。
クラウドPBXとオンプレミス型PBXの違い
一般的なクラウドPBXとオンプレミス型PBXの違いは以下の通りです。
オンプレミスPBX | クラウドPBX | |
セキュリティレベル | 自社のコストやリソースが許す限り高めることが可能 | 一定以上のセキュリティが担保される |
ランニングコスト | 固定費
システム保守費用を自社で負担する必要がある |
従業課金制が一般的
使用した分だけ支払う |
調達期間 | 数週間~数ヶ月 | 数営業日 |
カスタマイズの柔軟性 | 自社で自由なカスタマイズができる | ある程度のカスタマイズは可能
フルカスタマイズは不可 |
初期コスト | 設置費用、回線費用、機器購入費用など自社で用意する必要があるため高額 | 機器設置や回線費用が不要なためオンプレミスと比較して安価 |
障害対応 | 自社で行う | ベンダーが行う |
人的リソースの負担 | システム部門と専門的なスキルを持った技術者が必要 | 担当者は必要だがリソースは多くなくても良い |
スケールの拡張・縮小 | 自由に行えるが部品を調達する必要がある | オプションを選択できる |
最新性 | 自社でメンテナンスが必要
数年で入れ替えが必要な場合もある |
ベンダー側が常に最新システムにアップデート |
「クラウドPBX」とはインターネット上のサーバーにPBXの機能を持たせるタイプです。インターネット回線を利用しているため、回線工事や物理機器の設置が不要です。
オンプレミス(On-Premises)は、企業内で情報処理基盤を保有し、自社設備として管理・運用するシステム形態のことです。オンプレミス型PBXは、従来のオフィス内に設置するPBXを指します。従来はオンプレミス型が一般的で、オンプレミスとクラウドに分かれていませんでした。しかしクラウドPBXが登場したため、対比する形態を表現する言葉として生まれたといわれています。
オンプレミス型PBXのメリット・デメリット
ここでは、オンプレミス型PBXのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
オンプレミス型PBXの大きなメリットが、独自のセキュリティ対策ができることです。クラウドPBXはインターネット回線を用いますが、オンプレミスは基本的にシステムを社内に構築します。自社内で構築できるため、自社のセキュリティレベルに合わせた対策を施せます。安全な経路でやりとりができ、情報漏えいやハッキングなどのリスクを最小限にすることができるでしょう。設置場所の選定やアクセス制限の設定、アンチウィルスソフト、不正アクセスの監視など、自社に最適なセキュリティを確保することもできます。
また、オンプレミスはカスタマイズの自由度が高いのもメリットです。リソースの許す限り、管理画面やセキュリティレベル、機能のなどを自社に合わせた設計が可能です。さらに、自社で設計・開発するだけでなく、ベンダーに依頼することも選択できます。そのため、自社に運用形態に合わせて自由にカスタマイズしたい場合は、オンプレミスが向いているでしょう。
デメリット
オンプレミス型は、自社ですべて構築するため、クラウドと比較すると導入費用が高額になります。さらに、運用する上で管理するための場所、空調などの電気代、専門のスタッフも必要です。また、機器が老朽化したり、故障したりなどのトラブルがあった場合は、すべて自社で対応しなくてはいけません。
さらに、オンプレミスはすべて自社に合わせて構築するため、使用できるまでに時間がかかります。規模にもよりますが、回線工事なども併せれば導入まで数週間~数ヶ月が必要です。カスタイマイズ部分が多ければさらに長くなる可能ですがあるでしょう。そのため、オンプレミス型PBXを導入したい場合は早めに導入計画を立てましょう。
さらに、オンプレミスは自社内にPBXを設置するため、スマホなどをビジネスフォン化することはできません。そのためリモートワークや外出中・出張中の社員が、社内にかかってきた電話に対応することができないでしょう。また取り次ぐ際には、外線通話で行われるため、通話料金が発生します。
クラウドPBXのメリット・デメリット
ここでは、クラウドPBXの主なメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
クラウドPBXは導入コスト、ランニングコストなどさまざまなコストの削減が期待できます。従来のオンプレミス型PBXを導入するには、電話機本体や配線・設置工事費用など多額のコストが必要でした。しかし、クラウドPBXの導入は非常にシンプルに済みます。クラウドPBXは、スマホやパソコンなどのデバイスで操作が可能なので、電話機本体を導入する必要がありません。そのため、従来のように電話機やPBX本体などの購入コストや回線工事コストを削減することができます。
また、クラウドPBXはインターネット回線があればどこからでも利用できます。これまで、コールセンターなど電話業務が多い職種では、テレワークの導入は不可能だと難しいとされていました。しかし、クラウドPBXは、インターネット環境さえ整っていれば、自宅でも業務が可能なため、テレワークを推進できます。在宅勤務中で自宅にいても、会社の電話番号を使い、顧客の電話に対応することも可能です。さらにクラウドPBXはスマホでも利用できるため、外出中や出張中の社員も、電話応対ができるようになります。
さらに、席数の変動にも対応しやすいのが特徴です。従来のシステムの場合、対応できる電話機の数はあらかじめ定められていました。そのため、社員の増減があれば頻繁にPBXを入れ替える必要があり、電話機などを新たに購入しなくてはいけません。クラウドPBXであればプラン変更などをするだけで、簡単に増減が可能です。席数の変動に柔軟に対応したい場合もクラウドPBXがおすすめといえるでしょう。
デメリット
クラウドPBXは一般的にオンプレミス型に比べてコストを削減できますが、利用人数によってはクラウドPBXの方が高くなる可能性があります。特に大規模企業であれば利用人数が多いため、利用人数に応じたプラン制になっているクラウドPBXだと、結果的にオンプレミス型の方が安くなる場合もあるでしょう。そのため、導入時には自社の利用人数をしっかり洗い出しておく必要があります。
また、クラウドPBXはどうしてもオンプレミス型と比較してカスタマイズ性が落ちてしまいます。自社に適した機能だけを搭載したいのであれば、オンプレミス型の方が向いているでしょう。
PBXの選び方
オンプレミスとクラウドはどちらが優れているということではありません。「どちらにも優れている点がある」というのが正しいため、自社が必要としている機能や運用形態によって選ぶべきでしょう。ここでは、PBXの選び方についてご紹介します。
オンプレミス型がおすすめの企業
高いセキュリティレベルを求めているのであれば、オンプレミス型が適しているといえます。クラウドも一定水準以上のセキュリティ対策を施していますが、インターネット回線を利用するという特性上、どうしてもオンプレミス型よりは劣ってしまいます。そのため、金融業界や業界を代表する大手企業など、一定水準よりも高いセキュリティ基準を達成しなくてはいけない企業では、オンプレミス型の方がおすすめです。自社内にPBXを設置することで、クラウド型PBXよりも高いセキュリティレベルを設定することができます。
一方でオンプレミスであれば、自社の環境や求める機能に応じたカスタマイズができます。技術的に問題がないのであればあれば、無限にカスタマイズできるでしょう。自社システムと統合したり、他のシステムと連携させたりすることも可能です。たとえば、適切な窓口に誘導したり、通話録音をしたりなど、自社に合わせたきめ細やかな電話機能をつけることができます。
ただし、クラウド型にも、さまざまなオプション機能がつけられるものもあります。どんなカスタマイズができるのか、事前に確認することをおすすめします。
クラウド型がおすすめの企業
コストを削減しつつ、柔軟な通信環境を構築したのであれば、クラウド型がおすすめです。クラウド型はオンプレミス型と比較して導入費用がかからないため、小規模企業やスタートアップ企業に向いています。また、同じサービスを利用している機器同士なら内線扱いになるため、通話料金が無料にできます。
たとえば、小規模企業で社員がオフィスを留守にすることが多い場合、電話を転送する費用が必要でした。クラウド型であれば、スマホをビジネスフォン化できるため、どこにいても電話対応ができるようになります。営業職の社員が多い企業も同様でしょう。また、テレワークなど柔軟な働き方にも対応できるようになります。
クラウド型は、企業だけでなく自治体でも導入する事例が増えてきました。従来のオンプレミス型PBXのみの場合、自社や庁舎が被災してしまうと、連絡手段が断たれてしまいます。クラウド型であれば、インターネット回線がつながっていれば、連絡をつけることが可能になります。特にスマホは携帯電波を利用できるため、災害対策としても優秀でしょう。
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クラウドPBXとオンプレミス型の違いを知ろう
クラウドPBXとオンプレミス型PBXは、コストや柔軟性、セキュリティなどの面で大きな違いがあります。どちらが自社に適しているかは、利用人数や環境、導入目的などで異なります。そのため、まずは自社の電話対応の環境を洗い出し、どちらが適しているのかしっかり確認する必要があるでしょう。