ビジネスフォンは絶対に必要?スマホをビジネスフォン化する方法
電話はビジネスに欠かせないツールです。しかし番号の管理も含め運用が煩雑になり、頭を悩ませている企業様も多いのではないでしょうか。
近年では「ビジネスフォン」といって、複数の固定電話・回線を一元管理できるシステムも主流になっています。しかし今や社用電話も固定電話ではなく、1人1台スマートフォンが貸与される時代。従来型ビジネスフォンは早くも時代に合わなくなってきています。
そこで今回は、ビジネスフォンを導入するのではなく、「お手持ちの社用スマホをビジネスフォン化する」方法を解説していきます。「そんな方法あるの?」と驚く方も多いかもしれませんが、「クラウドPBX」というシステムを使えば可能です。ぜひともこの記事を参考にしていただき、固定回線から解き放たれたビジネスライフを実現しましょう。
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ビジネスフォンとは?
ビジネスフォンとは、わかりやすく説明すると、限られた回線を複数の電話機で共有できるシステムのことです。より具体的にいえば、複数の回線・電話機をまとめて紐づける装置(主装置)を社内に設置することで、数台~数百台分の回線を一元管理・運用できるというものです。
部署や個人単位で1回線ずつ割り振られていた時代には、限られた電話機・限られた回線でしかやり取りができませんでした。たとえば、内線を使った電話の取次ぎができなかったり、限られた場所の電話機でしか指定のコール受信ができなかったりなど、面倒事が多かったのです。
ビジネスフォンを導入することでこうした問題が解消されるだけでなく、主装置の管理下にある回線が繋がる電話機であれば、どこの電話からでも代表番号で発信が行えるなど、より合理的な運用が可能になります。
ビジネスフォンのデメリット
煩雑になりがちな企業の電話システムをすっきりとまとめ、救済したかに思えたビジネスフォンですが、実は多くのデメリットがあります。運用において便利な側面が沢山あるのは否定できないものの、それと同じくらい面倒だったり、導入を躊躇してしまうような問題点も浮き彫りになっています。ここでは、一見便利そうに見えるビジネスフォンのデメリットを解説していきます。
特に主装置が高価
主装置とは、ビジネスフォンの運用の要となる電話交換機のことです。
先ほども説明した通り、複数の外線・内線をまとめて管理する装置であり、特定の回線を回線の繋がった複数の電話機に振り分けるために必須となるものです。多くは小型で箱状をした筐体で、中に外線ユニット・内線ユニットをはじめ多くの機能が格納されています。
ビジネスフォンの第一のデメリットはこの主装置が高価であることです。ビジネスフォンの導入費用はざっくりいうと「回線・主装置のセット価格+工事費」で算出されるものですが、中でも主装置の価格が高いのです。工事費を除いた主装置単体の金額は、小規模店舗でも数十万円は覚悟しなければなりません。
ここまで高額である理由は、主装置がビジネスフォン運用を集約する優れた装置であることにあります。運用の頭脳というべき効率的な電話交換を行える装置であることから、さまざまなユニット機能をはじめとする、精密で正確かつ複雑な機能を求められます。そうした機能を小型の筐体にまとめて積む必要があるため、非常に高価になるのです。
リース契約は中途解約できない
リース契約とは、ビジネスフォンを購入するのではなく一定期間借りる契約のことで、新品のビジネスフォンシステムを数年間借りて、期限がきたら返却する形態をいいます。契約期間は5年~7年くらいが通常で、料金は月額払いとなります。
こうしたリース契約を利用することで得られるメリットは初期費用を大幅に抑えられることです。たとえば、買い切りの契約の場合に初期費用が50万前後かかるのに対し、リース契約の場合では月額1万円前後に抑えられます。
しかしながら、リース契約は「契約期間中の中途解約ができない」という大きなデメリットもはらんでいます。中途解約をする場合、高額な違約金または残債リース総額の一括返済義務が課せられます。しかもリース品の所有権はあくまでもリース会社が持っており、解約してしまうと主装置や電話機をすべて返却しなければならず、その後使うことができなくなります。お金を払っても資産として残りません。
設置・増設などのたびに工事が必要
ビジネスフォンは主装置を設置しなければ使うことができません。その為、主装置を設置する際に回線を引く工事を行う必要があり、導入の際にはただでさえ高額な主装置単体の導入費用に、設置工事費が上乗せされます。工事費の相場は、電話機1台あたり1万円~2万円かかり、企業の規模が大きいほど費用が嵩んでしまうことになります。
増設工事の場合は、主装置および電話機がいくつ増えるかによっても変わりますが、設置費用だけでも数万円~数十万円は覚悟する必要があるでしょう。特に社員の入れ替わりや異動の多い企業では頻繁に工事する必要があり、大きなコスト負担となっています。
定期的なメンテナンスや保守が必要
主装置は先述した通り、複雑な機構を持っている精密機器であるため、定期的なメンテナンス、保守が必要です。メンテナンスとは定期的に機器を点検することで故障が発生するリスクを抑えることを指し、保守とは故障が発生した際に修理などの対応を行って正常な状態を維持することを指します。
メンテナンスや保守を行うにはプロの手が必須になるため、メンテナンス会社・保守会社と定期契約し、専門の作業員を月に一度派遣してもらう必要があります。正常な運用を保つためとはいえ、毎月来てもらうのは受け入れ態勢も都度整えねばならず、会社としては手間に感じるでしょう。
オフィス内の席替えで内線番号が変わる
ビジネスフォンの最大のデメリットは「固定電話であること」でしょう。
オフィス内のオペレーティングをより効率的にするため、または気分を一新するためにオフィスの席替え・引っ越しを定期的に行っている企業は少なくないでしょう。そうしたオフィス内の席替え、もしくは引っ越しが発生してしまうと、内線番号が移動先の席のものに変わってしまいますので、席替えの度に内線の割り当てを確認する手間が発生します。
また、ビジネスフォンは物理的に主装置を設置して、複数の固定電話を一元管理するシステムであることから、運用場所が一定の範囲に制限されます。もし番号を変えたくない場合には、オフィスの引っ越しの度にビジネスフォンのシステムもまるっと引っ越さなければならなくなってしまいます。そして当然ながら、そのたびに撤去・設置工事が必要になり、回線も再び張りなおす必要が出てきてしまうのです。
クラウドPBXでスマホをビジネスフォン化する企業が増えています
「主装置を設置して、複数の固定電話を一元管理する」というのは、ビジネスフォンの大きなメリットであると同時に、大きな弱点ともいうことができます。便利なビジネスフォンも結局は「場所に制限される」システムだからです。
もし場所を問わず使えるスマホをビジネスフォン化することができれば、それが理想です。そしてその方法はすでに開発されています。
ここからは、スマホをビジネスフォン化する方法「クラウドPBX」と、そのメリットについて詳しく解説していきます。
スマホをビジネスフォン化するとは?
社用電話に携帯電話を採用することで場所の制限はなくなったものの、回線契約が個人単位では、ビジネスフォンのない時代と同じ問題がぶり返されることになります。もし、スマホでも会社回線を共有できれば、ビジネスフォンは不要になり「スマホをビジネスフォン化する」ことができます。これを実現できるシステムが「クラウドPBX」です。
クラウドPBXとは、簡単に説明すると、先述のビジネスフォンのシステムを、携帯電話とクラウドでの運用に転換したサービスです。つまり、ビジネスフォンの主装置をクラウドに、固定電話機を携帯電話やタブレットなどの端末に、それぞれ置き換えた形になります。ちなみにクラウドとは、その場にハードウェア・ソフトウェアがなくとも、インターネット回線さえあれば必要な時だけ必要なサービスを利用できる構造のことです。
要は、主装置と固定電話を設置することなく、ビジネスフォンと同等の運用、それ以上に便利な機能を利用できるシステムがクラウドPBXなのです。そして、スマホをビジネスフォン化するにあたっては、このクラウドPBXが必要です。
クラウドPBXでスマホをビジネスフォン化するメリット
それでは、クラウドPBXでスマホをビジネスフォン化することによってどのようなメリットが発生するのでしょうか。クラウドPBXは、従来のビジネスフォンの機能をスマホで使用できるだけでなく、それ以上に便利な機能を多数使うことができます。
ここでは、クラウドPBXでスマホをビジネスフォン化する場合の6つのメリットについて詳しく解説していきます。
外出中やテレワーク中でも会社の電話番号で発着信や電話取次ぎができる
従来のビジネスフォンでは、「会社の電話番号で発着信をするためには、主装置の設置場所である会社にいなければいけない」という制限があります。しかし、クラウドPBXを使えば、外出中やテレワーク中でもスマホを使って会社名義の電話番号で発着信・取次ぎができるようになります。これは先ほど説明した通り、主装置の役割をクラウドが担っており、どこにいてもスマホがクラウドに常時接続されているからです。
現在、世界的に新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、感染拡大防止の為にテレワークが推進されています。せっかく感染予防の為に会社に出勤させないようにしているのに、出社しなければ会社名義の番号が使えないというのは非常に大きな損失となりかねません。クラウドPBXを採用することで、この問題はたちどころに解決します。
移動しながらの通話も可能
クラウドPBXを採用すれば、スマホでの場所を問わない通話が可能ですので、会社の電話番号を使って移動しながらの通話も可能になります。たとえば、在庫確認の必要が出てきた際、事務所と倉庫を行き来しながら通話を続けることができます。
新たに電話機を購入する必要がない
クラウドPBXの大きなメリットとして、新しく電話機を購入する必要がないことが挙げられます。ビジネスフォンの場合では電話機を増やす際には固定電話を新たに購入したりリースしたりする必要がありましたが、クラウドPBXなら指定のアプリやソフトをインストールするだけで、社員のスマホをそのままビジネスフォン化することができます。
工事、メンテナンス・保守の手間も不要
クラウドPBXでは、従来のビジネスフォンで必須となっていた「設置工事」「メンテナンス・保守」の手間がかかりません。そもそもメンテナンスや保守をする対象となる装置や設備自体を設置する必要がないからです。その為、ビジネスフォンに比べると運用時におけるランニングコストも大きく抑えられます。
オフィス内の席替えやフリーアドレス制の導入にも対応しやすい
クラウドPBXは運用のインフラとしてのハードウェアが不要なので、場所による制限を受けません。つまり、たとえオフィス内の席替えや引っ越しが発生したとしても、内線番号を変えたり、回線の撤去・再設置の手間をかけたりする必要がないということです。
場所を問わずに会社回線を利用できるため、フリーアドレス制(社員が固有のデスクを持たず毎日自由にデスクを選択できる体制)にも対応可能です。クラウドPBXは、こうした新しい働き方に合ったシステムといえるでしょう。
電話機の数の増減に対応しやすい
リース契約のビジネスフォンの場合、回線や電話機の数に応じてプランや料金が分かれていることが多いです。そして、原則として途中解約もできないので、回線を新たに増やしたい・減らしたい場合でもプラン変更ができないなど制限があります。
しかしクラウドPBXであれば、電話機はスマートフォンで固定電話回線は不要ですから、設定を変えるだけで回線を共有するスマホの数も気軽に増減できます。
スマホをビジネスフォン化するだけでないクラウドPBXのメリット
クラウドPBXのメリットは、単純に「スマホをビジネスフォン化する」だけではありません。クラウドPBXは、従来のビジネスフォンでは持ちえなかった便利な機能を使うこともできます。ここでは、従来のビジネスフォンにはなかった、クラウドPBXならではのメリットを紹介していきます。
スマホだけでなくパソコンやi Pod touchなどの端末でも利用可能
クラウドPBXは固定回線がスマホに置き換わるというように説明してきましたが、実はスマホ以外でも利用が可能です。たとえば、パソコンやiPod touchなどSIMカードが挿し込めない端末でも、インターネット回線に繋ぐことさえできれば、クラウドPBXのソフトやアプリをインストールすることで、クラウドPBX用の端末として利用できます。
国際電話を使用せずに海外でも通話が可能
クラウドPBXは回線機能がクラウド上にあるので、固定電話と違って場所による制限を受けません。その為、従来の固定電話とは違って、国際電話を使わずとも海外との通話が可能です。
たとえば海外から日本に通話する場合、通常であれば海外現地の携帯会社を経由しての通話になり、国際電話扱いで非常に高額な通話料金となります。しかしクラウドPBXならクラウド上の主装置を経由しての通話になるため、国内・市内通話の扱いで電話のやり取りが可能です。実際に年間300万円以上かかっていた国際電話の通話料を、クラウドPBXの導入によって3分の1以下まで抑えられた事例もあります。
複数拠点で同一の電話番号を共有できる
ビジネスフォンでは主装置のある特定の拠点でしか同一の電話番号を共有できませんでした。しかしクラウドPBXは複数拠点で同一の電話番号を共有できます。これも、主装置がクラウド上にあるからこそのメリットです。
これは国内外問わずで、たとえば海外支店を拠点として登録しておけば、まるで国内の同じビル内で内線通話をするのと同じように、海外支店との通話も内線電話扱いで無料で通話が可能になります。また、東京本社と大阪支社で電話番号を共有することで、東京本社が研修で電話に出られないときに大阪支社が代わりに対応することもできます。
複数電話番号も一括管理できる
クラウドPBXでは、複数の電話機や電話番号(DID)を一括管理する事が可能です。DIDとは同じ回線上で複数の電話番号を一定範囲内で割り当てられるシステムのことですが、クラウドPBXの場合、この割り当てた複数の電話番号を一括で管理できます。電話番号や内線の付け替え、同時呼び出しする端末の設定などもブラウザ上で行うことが可能です。
ビジネスフォンだと別途契約が必要な便利な機能が標準装備されている
ビジネスフォンでは、電話転送サービス(かかってきた電話を指定の番号へ転送する)や、IVR(自動音声ガイダンスによる希望部署への誘導)といった機能は別途契約が必要になることが少なくありません。しかしクラウドPBXの場合、そうした機能が標準で搭載されています。
また、取引先を一覧にまとめた会社用の共有電話帳も無料でついてくるサービスが多く、取引先の番号が変わっても全員でその情報を共有でき、一台ずつ設定しなおす手間が要りません。
スマホをビジネスフォン化するなら「ナイセンクラウド」
スマホをビジネスフォン化することで多くの恩恵を受けられるクラウドPBXですが、その中でも「ナイセンクラウド」をご紹介します。
ナイセンクラウドはスマホやパソコンなどの端末で利用できるクラウドPBXで、それらの端末や海外を含む複数の拠点で電話番号を共有することができます。使用できる電話番号は東京03や大阪06などの全国の局番と0120や0800のフリーダイヤル、050番号です。2020年4月の緊急事態宣言を受けてテレワークを導入する企業が増え、テレワークの導入と同時にナイセンクラウドを導入する企業も増えています。累計6,000社以上に導入されています。
標準機能として、
- 複数端末での一斉着信機能や特定の端末だけを呼び出す機能
- 電話の相手をディスプレイに表示する機能
- 留守電データをメール送信する機能
- 対象時間別の着信ルール・アナウンス設定機能
- 非通知電話や特定番号に対するブロック機能
- 発着信の見える化機能
を備えています。その他にオプションとして、自動通話録音機能や電話会議機能、IVR機能などを追加することも可能です。
詳しくは紹介動画やサービスサイトをご覧ください。
またサービスサイトでは自動見積もり、個別見積もりが可能です。お気軽にお問い合わせください。
スマホをビジネスフォン化して、コストを抑えて業務効率をアップさせましょう
スマホをビジネスフォン化する方法であるクラウドPBXについて、その仕組みやメリットを解説しました。従来のビジネスフォンから置き換えられる機能だけでなく、クラウドPBXならではの便利な機能についても多数ご紹介しましたが、クラウドPBXがいかに便利か理解していただけたでしょうか。
クラウドPBXは国内外を問わず、場所や拠点を問わずに回線を一元管理できます。拠点が多ければ多いほど、企業の規模が大きいほどメリットが大きいといえるでしょう。日々の仕事に必須となる電話のやり取りをより低コストで効率的に運用したい企業様は、ぜひクラウドPBXの導入を検討してみてください。