【例文】IVR(自動応答システム)のシーン別ガイダンス

顧客からの問い合わせの電話に対応する際にスムーズにいかず、改善したいと考えている企業も多いでしょう。問い合わせの電話が多い場合には、どうしても効率が悪化しがちです。電話に出る社員はその都度仕事が中断されてしまいます。問い合わせ内容に応じた担当者や担当部署につなぐ際に、顧客を待たせてしまうこともあるでしょう。
この対策として、IVR(自動応答システム)を導入する方法があります。電話の一次対応を自動化できるため、業務効率化につながる可能性が高いです。ただ、そのためには音声ガイダンスの設定をしなければなりません。本記事ではIVRのガイダンスのシーン別の例文や作成する際のポイントを解説していきます。
IVRの音声ガイダンスの主な流れ
IVRを導入している場合には、顧客から電話がかかってくると自動的に受電し、音声ガイダンスを流します。最初に挨拶をしてから用件の振り分けをするという対応が一般的です。用件の振り分けは質問を行い、その回答内容をもとにして行われます。
また、用件の内容によっては社員が電話に出なくても対応できる場合もあるでしょう。例えば、予約日時の確認をする場合には、顧客番号などをもとにしてデータを参照すれば確認できます。社員が直接電話に出なくてもIVRだけで完結可能です。一方、製品やサービスの内容に関する質問の場合には、社員が直接電話に出ないと対応できません。
IVRでは、社員の対応が必要かどうかを判断して、不要な場合にはIVRがそのまま対応します。社員の対応が必要な用件の場合には、担当部署に取り次いで社員が電話に出て対応するという流れです。
IVRの音声ガイダンスによる質問は1回だけでなく、枝分かれさせて複数回行うように設定することもできます。
【シーン別例文】IVRのガイダンス
IVRを導入する際は、顧客からの問い合わせ内容をあらかじめ想定し、ガイダンスの内容を設定しておく必要があります。では、主なシーンについてガイダンスの例文を見ていきましょう。
挨拶
「お電話ありがとうございます。○○株式会社でございます。お問い合わせ内容に合わせて番号ボタンを押してください。」
問い合わせ先の振り分け
「サービスをご契約中の方は1番を、新規での契約に関するお問い合わせは2番を押してください。」
「サービスの内容に関するお問い合わせは1番を、料金のお支払いに関するお問い合わせは2番を、解約に関するお問い合わせは3番を押してください。」
「ライトプランをご利用中の方は1番を、スタンダードプランをご利用中の方は2番を、ビジネスプランをご利用中の方は3番を押してください。」
予約の受付
「こちらは○○サービスの予約受付システムです。会員の方は6桁の会員番号を入力してください。初めての方は1と#を押してください。」
「ご希望の予約日を数字4桁で入力してください。例えば2月26日の場合には0226になります。」
「ご希望の時間帯を選択してください。午前9時から11時の場合には1番を、午後1時から3時の場合には2番を、午後5時から7時の場合には2番を押してください。」
「○月×日午後○時から×時でよろしいですね。よろしければ1番を、訂正する場合には2番を押してください。」
「○月×日午後○時から×時でご予約を承りました。初めての方は来店時に入会手続きを行いますので身分証明書をご持参ください。また、会員の方は会員証をご持参ください。」
混雑時の案内
「ただいま電話が大変混み合っておりつながりにくい状態が続いております。このままお待ちいただくか、しばらく時間をおいておかけ直しください。」
「ただいま電話が大変混み合っており、待ち時間は約〇分です。このままお待ちいただくか、後ほどおかけ直しください。」
営業時間外の案内
「恐れ入りますが、当社の営業時間は月曜日から金曜日の午前9時から午後5時までになります。ただいまの時間は営業時間外のためお電話をお受けすることができません。お手数ですが、営業時間内におかけ直しください。」
「現在、営業時間外のため、お電話をお受けすることができません。折り返しをご希望の方は、発信音のあとにお名前とご連絡先をお残しください。」
臨時休業の案内
「いつもご利用いただき、誠にありがとうございます。申し訳ございませんが、当社では○月○日から○月○日まで臨時休業とさせていただいております。営業再開は○月○日を予定しております。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。」
「誠に勝手ながら、当社では現在、臨時休業とさせていただいております。営業再開の日程が決まり次第、公式サイトでお知らせいたします。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。」
「ただいま臨時休業とさせていただいております。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承いただけますようお願い申し上げます。」
SMSへの引き継ぎやWebサイトへの誘導
「本件の詳細について、別途SMSにてお知らせいたしますので、今しばらくお待ちください。」
「この後、SMSにて詳細をご送付いたしますので、ご確認いただけますと幸いです。」
「詳しいご案内は、弊社Webサイトにて掲載しております。お手数ですが、そちらをご確認いただけますと幸いです。」
IVRの音声ガイダンスを作る際のポイント
IVRの音声ガイダンスを作成する際は、次のようなポイントを意識することが大切です。
手短に済ませる
電話で問い合わせをする顧客の多くは、困っていたり怒っていたりする可能性があります。できるだけ早く問題を解決したいと思っているため、音声ガイダンスが長いとイライラしてしまう可能性があるでしょう。また、フリーダイヤルでない場合には、顧客が通話料金を負担しているという事情もあります。
そのため、音声ガイダンスはできるだけ手短な内容で済ませるようにしましょう。
難しい表現や専門用語は避ける
音声ガイダンスに難しい表現を使用すると、顧客が内容を理解するのに時間がかかってしまう可能性があります。専門用語を使用した場合だと、よく分からず困惑してしまうこともあるかもしれません。そうなると正しく回答できません。
その結果、適切な振り分けができず、対応に時間がかかってしまうおそれがあります。音声ガイダンスでは難しい表現や専門用語の使用はできるだけ避けるようにしましょう。誰でも理解できる表現のみで作成すると、顧客にとっても分かりやすいため、迷わずに回答できます。
選択肢は多くても4つまで
音声ガイダンスでは質問と選択肢を提示しますが、選択肢はあまり多くしすぎないようにしましょう。選択肢が多すぎると一度に覚えることができません。音声ガイダンスを聞き直さなければならないため、時間がかかってしまいます。
ほとんどの人は3〜4つ程度までなら覚えられますが、5つ以上になると一度で覚えるのは難しい場合が多いです。そのため、選択肢は多くても4つまでにとどめておきましょう。
階層を深くしすぎない
質問の階層を深くすれば、細かく分けられるため、より適切な部署や担当者につなげられるのがメリットです。しかし、階層が深いと、それだけ顧客が回答する質問の数も多いため時間がかかります。顧客にとってはストレスに感じてしまうことも多いです。
そのため、階層はあまり深くしすぎないようにしましょう。
オペレーターにつながる選択肢を設ける
音声ガイダンスの案内内容がわかりづらく、困ってしまう利用者は少なくありません。すべての選択肢を最後まで聞いても、自分の用件がどれに該当するのか判断できないこともあるでしょう。
せっかく時間をかけてガイダンスに従って選択を進めても、最適ではない担当者につながってしまえば、再度正しい部署へ回されることになり、さらに待たされることになります。これでは、利用者のストレスが大きくなるのは当然です。
こうした問題を防ぐためには、どの質問項目にも「オペレーターに直接つなぐ」という選択肢を必ず設けておくことが重要です。適切な選択肢がわからなくなった場合でも、オペレーターを通じて正しい部署へ取り次いでもらえるため、利用者にとって安心感があります。誤った対応を防ぎ、スムーズな応対にもつながります。
IVRの音声ガイダンスを使うメリット
IVRの音声ガイダンスを導入することで次のようなメリットが得られます。
顧客満足度の向上
電話の一次対応を社員が行う場合、顧客はまず用件を伝え、その後担当者へ取り次いでもらう流れになります。しかし、内容によってはスムーズに対応できず、複数の社員が電話を代わりながら応対するケースもあり得ます。そのたびに顧客は同じ説明を繰り返すことになり、煩わしさを感じてしまうでしょう。
一方で、IVRを活用すれば、顧客自身の操作によって用件に合った部署へ直接つながることができ、結果として迅速な対応が可能になります。これにより、顧客の不満やストレスを軽減し、満足度の向上が期待できます。
社員の負担軽減
オフィスにかかってきた電話に出るのは主に内勤の社員です。電話がかかってくるたびに、業務が中断されてしまい、なかなか集中できないこともあるでしょう。問い合わせの内容からどこの部署の担当なのか判断するのも、ある程度の知識も必要であり、担当者にとっては負担が大きい作業です。
IVRを導入すれば、音声ガイダンスによる一次対応が可能となり、社員が電話応対に追われる時間を大幅に減らすことができます。業務の中断が減ることで集中しやすくなり、本来の業務に専念できるようになります。結果として、業務全体の効率化にもつながります。
機会損失の回避
IVRは24時間稼働できるため、営業時間外や休日にかかってきた電話にも自動で対応可能です。たとえば予約受付や簡単な案内などであれば、社員が対応できなくても問題はありません。音声ガイダンスで営業時間外であることを伝えたり、公式Webサイトへ誘導したりすることもできます。適切な案内があれば「また営業日にかけ直してみよう」と考える人も多く、競合他社への流出リスクを軽減できるのも大きなメリットです。
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IVRを導入するには、専用の装置をオフィスに設置する方法とクラウド型のサービスを利用する方法があります。専用の装置を設置する場合には初期コストが高いため、クラウド型のサービスが主流です。月額料金制のサービスがほとんどで、手軽にIVRを導入できます。
そして、クラウド型のサービスの中でもおすすめなのはクラウドPBXです。クラウドPBXは、クラウド経由で電話を利用できるサービスで、IVRの機能も備わっています。スマホやPCを電話機として使用したり複数の電話番号を運用したりできて機能が豊富です。
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まとめ
IVRは、電話の一次対応を自動で行えるシステムです。音声ガイダンスで顧客に質問をして、その回答をもとにして担当者に振り分けます。予約の受付や確認など簡単な用件ならIVRのみで対応することも可能です。社員が電話対応に割く時間を削減できるため業務効率化につながります。
音声ガイダンスを設定する際は、手短に簡単な表現だけで作ることが大切です。その上で選択肢は少なめで階層もあまり深くしないように設定すれば、スムーズな対応を実現できます。
クラウドPBXを導入すればIVRの機能も利用できますので、ぜひ導入を検討してみてください。




















