IVR×AIで電話対応を自動化!仕組みやメリットを解説

顧客から電話での問い合わせが多いと、電話対応に時間や手間が割かれて本来の業務に手が回らなくなることもあるでしょう。IVRを活用している企業もありますが、なかなか上手くいっていないケースも少なくありません。
そこで、生成AIとIVRを組み合わせたAI IVRを導入する方法があります。通常のIVRでは対応が難しい内容の問い合わせでも、AI IVRなら対応できることが多いです。社員が電話対応する機会が減り、本来の業務に集中して取り組めるようになります。本記事ではAI IVRについて仕組みやメリットなどを中心に解説していきます。
そもそもIVRとは?
最初にIVRがどのようなものなのか確認しておきましょう。IVRというのは音声自動応答システムのことで、以前から多くの企業で導入されています。IVRが導入されている企業に電話をかけると、自動で受電して機械による音声案内が流れます。用件を尋ねてプッシュボタンで回答するように促す内容の音声案内です。そして、回答をもとにして、担当者への取り次ぎが行われます。
音声案内での質問は1つだけでなく、複数設定することも可能です。これにより、細かい振り分けもできるようになります。
しかし、従来型のIVRでは上手く対応できない場面もありました。
従来型IVRの限界
IVRが行う質問は、あらかじめ想定されているシナリオに基づいて作った定型文です。電話をかけてきたユーザーの状況が想定されているシナリオをかけ離れた状況の場合には、上手く対応できません。これでは、顧客が不満を抱いてしまう可能性があります。
また、定型文を読み上げて質問して振り分けをするだけのため、柔軟に対応することもできません。ユーザーは質問を最後まで聞いて、どの選択肢が自分の状況に該当するのか判断して回答する必要があります。ユーザーの操作負担が大きくストレスに感じる人も少なくありません。面倒に感じられて途中で諦めて電話を切ってしまうユーザーもいるため、シナリオ次第では離脱率が高くなってしまう可能性もあり、機会損失につながるおそれもあります。
AI IVRとは?従来型との違い
AI IVRとは、生成AIの技術をIVRに組み込んだシステムのことです。従来型のIVRでは柔軟な対応が難しいなど不便な点も多いですが、AI IVRなら人間に近い対応ができます。
AI IVRと従来型のIVRとの違いは、AI音声認識ができるかどうかと、自然言語処理を活用しているかどうかという点です。
AI音声認識
AI音声認識とは、人間がしゃべった音声から情報を認識するものです。電話をかけたユーザーが用件を話すと、その内容を理解した上で対応できます。ユーザーは自分の状況に該当する選択肢を選ぶ必要はありません。プッシュボタンで回答する必要もないため、従来型のIVRと比べると、ユーザーの操作負担を大幅に削減できます。
自然言語処理
自然言語というのは、日本語や英語のように人間が普段コミュニケーションをとる際に使用している言語のことです。自然言語処理は、コンピュータが自然言語の意味を理解する技術を指します。
ユーザーがしゃべっている内容を理解するのはもちろんのこと、ユーザーに対して回答や説明をすることも可能です。一語一句正しい文法で話す必要はなく、通常の話し言葉でも理解できます。そのため、ユーザーにとっては、人間と会話をしているのとほとんど変わらない感覚で問い合わせができるのです。定型文で質問をして振り分けるだけの従来型のIVRと比べると、対応できる範囲が大幅に広がります。
AI IVRを導入するメリット
AI IVRを導入することで、次のようなメリットが得られます。
顧客体験の向上
従来型のIVRを使用している場合には、IVRだけで用件を済ませられることは少なく、社員による対応が必要です。IVRから社員に取り次ぐ際に、どうしてもある程度は待たされてしまいます。待ち時間が長いとストレスに感じてしまうこともあるでしょう。
その点、AI IVRなら大半の問い合わせに関して、社員に取り次ぐことなくAIだけで対応可能です。待たされることなく、スムーズに対応してもらえるため、顧客にとってはストレスに感じることはありません。顧客体験の向上につながります。
オペレーターの負担軽減・業務効率化
AI IVRを導入していれば、オペレーターが対応しなければならないのは、複雑な内容の問い合わせのみです。そのため、従来型のIVRを使用する場合と比べて、オペレーターの負担が軽減されます。
また、これまで簡単な問い合わせ対応に費やしていた時間や労力を、他の業務に回せるでしょう。業務効率化につながるのがメリットです。
24時間対応が可能に
従来型のIVRを使用して問い合わせを振り分け、オペレーターが電話対応をする場合だと対応可能な時間が限られてしまいます。多くの企業では平日の午前と午後の時間帯しか対応できません。遅い時間帯や土日などに問題が発生した場合には、翌営業日まで待つ必要があるため、不便に感じる顧客も多いです。
これに対して、AI IVRなら、曜日や時間帯を問わず24時間対応できます。ユーザーにとっては、夜間に問題が発生した場合でも翌日まで待つことなくすぐに問い合わせできて便利です。
AI IVRのデメリットとは?
AI IVRはメリットが大きいですが、実際に導入する際には次のようなデメリットも考慮しておく必要があります。
コストが高額
AI IVRを導入する際には通常のIVRと比べて高額なコストがかかるのがデメリットです。さらに、導入費用だけでなく利用開始後には運用費用もかかります。
また、AI IVRでは通常のIVRとは異なりチューニングも行わなければなりません。チューニングというのは、生成AIの精度を高めるための調整作業のことです。例えば、パラメータを調整したり新たなデータを取り込んだりします。チューニングは1度行って終わりではなく、定期的に継続して行うため、それだけコストもかかります。
シナリオ設計が必要
AI IVR導入の際には、最初の段階で会話のシナリオ設定が必要です。問い合わせのデータをもとにして、顧客のニーズを分析して生成AIが適切な受け答えができるように設定します。シナリオ設定が上手くできていないと、回答も不完全なものになってしまうため注意しましょう。
また、AI IVRのソリューションによっては、自社でシナリオ設定を行わなくても利用できるものもあります。ただし、そのようなソリューションは料金が高めのためコストがかさむ点に注意しましょう。
ナイセンクラウドではIVRの設定も可能!
ナイセンクラウドは、クラウドPBXのサービスです。オフィス内に専用の装置を設置せず、ビジネスフォンを使用できます。PBXがクラウド上に設置されている仕組みのため、インターネット回線さえあれば、どこででも利用可能です。電話機だけでなくスマホやPCなどでも発着信できて、接続している端末同士での内線通話にも対応しています。営業で外出中の社員やテレワーク中の社員も、オフィスにいるときと変わらない環境で電話を使用できます。
他にもさまざまな機能が備わっており、オプションでIVRも利用可能です。一次受けをする必要がないため業務効率化につながります。また、オフィスにいる社員以外にも振り分けできるため、より迅速な対応ができるでしょう。IVRを活用したいと考えている場合には、ナイセンクラウドを検討してみてください。
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まとめ
AI IVRは生成AIを活用したIVRのことで、従来のIVRとは異なり、人間に近い受け答えができます。従来型のIVRでは用件による振り分けをするだけでしたが、AI IVRなら生成AIだけで顧客の用件に対応することが可能です。そのため、オペレーターの負担を軽減できます。スムーズな対応が可能になるため、顧客体験の向上にもつながりやすいです。
しかし、導入の際にシナリオ設定が必要でコストが高額になりがちな点がデメリットとして挙げられます。それでも電話対応の多い企業にとっては、AI IVRを導入するメリットは大きいです。AI IVRによる電話対応が主流となる時代もそう遠くはないかもしれません。