クラウドPBXを多拠点企業で利用するメリットは?

近年、企業の働き方が多様化し、複数の拠点を持つ企業が増加しています。このような状況下で、従来型のPBXシステムからクラウドPBXへの移行を検討する企業も増えてきました。本記事では、多拠点企業におけるクラウドPBXの活用メリットについて紹介します。
クラウドPBXが多拠点企業におすすめの理由
クラウドPBXは、インターネットを介して電話システムを提供するサービスです。地理的な制約を超えて、複数の拠点を一つのシステムで統合できるため、多拠点企業の業務効率化に大きく貢献します。ここでは、具体的なメリットを紹介します。
内線通話ができる
従来のPBXシステムでは、拠点間の通話に外線を使用する必要がありましたが、クラウドPBXでは全拠点間で内線通話が可能です。例えば、東京本社の社員が大阪支社の同僚に連絡する際も、内線番号だけで即座につながります。この機能により、拠点間のコミュニケーションがよりスムーズになり、業務効率が大幅に向上するでしょう。
コストの削減につながる
従来のシステムでは拠点ごとに電話回線を契約する必要がありましたが、クラウドPBXでは全拠点を一つのシステムで管理できます。そのため、拠点間の通話料金が内線扱いとなり、通信コストを大幅に削減できるでしょう。また、各拠点にPBX機器を設置する必要がないため、初期導入費用や保守費用も抑えられます。
休みの拠点があっても別の拠点で対応できる
休業日や営業時間外の対応も、クラウドPBXなら柔軟に行えます。ある拠点が休業していても、他の拠点が営業していれば電話対応が可能となるのです。例えば、台風で西日本の拠点が休業となった場合でも、東日本の拠点で着信を受けられます。これにより、天候不良や災害時でも顧客対応を継続できます。また、時差のある海外拠点との連携も容易になり、24時間体制のサポート体制構築も可能です。
同じ電話番号を使うこともできる
全拠点で同一の電話番号を使用することができ、発信者の地域に応じて最寄りの拠点に自動的に転送する設定も可能です。着信の優先順位も細かく設定でき、各拠点の営業時間や対応可能な人員数に応じて、最適な転送ルールを設定できます。一方で、地域性を活かしたサービス提供のために、拠点ごとに異なる電話番号を設定することも可能です。
オフィスの移転が手軽
従来型のPBXでは、移転に伴う電話工事に多大な時間とコストがかかりましたが、クラウドPBXではインターネット環境が整えば、すぐに利用を再開できます。電話番号も既存のものを継続して使用できるため、顧客への影響を最小限に抑えられます。また、急な引っ越しや一時的な移転にも柔軟に対応できます。
管理の手間が少ない
システム管理の面でも大きなメリットがあります。従来は拠点ごとに管理者を置く必要がありましたが、クラウドPBXでは全拠点のシステムを一元管理できます。システムのアップデートやメンテナンスもサービス提供者が一括して行うため、社内のIT部門の負担を大幅に軽減可能です。設定変更やユーザー管理もWeb上で簡単に行えるため、急な組織変更にも迅速に対応できるでしょう。
柔軟な採用戦略が取れる
採用戦略においてもメリットがあります。例えば、地方にコールセンターを設置したり、テレワーカーを雇用したりなどが容易になるでしょう。人材確保が困難な都市部でも地方の人材を活用できるため、人件費の削減と優秀な人材の確保を同時に実現可能です。
また、在宅勤務者でも社内の電話システムを利用できるため、働き方改革の推進にも貢献します。特に近年は、感染症対策や災害時のBCP対策としても、このような柔軟な勤務体制の構築が注目されています。
クラウドPBXの企業にとって嬉しいメリットとは
クラウドPBXは、多拠点企業に限らず、あらゆる規模の企業にとって魅力的なメリットがあります。従来型のPBXシステムからクラウドPBXへの移行を検討している企業が増加している背景には、システムの柔軟性や運用面での優位性があるとされています。ここでは、企業規模や拠点数に関係なく享受できるクラウドPBXのメリットについて紹介します。
オフィス内でのレイアウト変更が簡単
従来の固定電話システムでは、オフィスのレイアウトを変更する際に大きな課題がありました。電話機の移動には専門業者による配線工事が必要で、工事費用の発生や業務への支障が避けられませんでした。
一方、クラウドPBXではインターネット環境さえあれば、電話機を自由に移動できます。Wi-Fi環境を活用すれば、配線工事も不要です。これにより、組織改編や業務効率化に伴うオフィスレイアウトの変更を、迅速かつ低コストで実施できます。また、フリーアドレス制など、新しい働き方に対応したオフィス環境の構築も容易になるでしょう。社員の座席配置も柔軟に変更でき、コミュニケーションの活性化にも寄与します。
人数の変動に対応しやすい
企業活動において、社員数の増減は日常的に発生します。新入社員の入社、部署の統廃合、プロジェクトチームの編成など、さまざまな場面で電話システムの調整が必要です。クラウドPBXでは、管理画面での簡単な操作で利用者の追加や削除が可能です。ライセンス数も必要に応じて柔軟に調整でき、従量課金制のサービスも多いため、コストの最適化を図れます。
また、繁忙期の一時的な人員増強にも迅速に対応できます。短期アルバイトやパート社員の追加、季節性の高い業務への対応など、ビジネスの変動に合わせた柔軟な運用が可能です。これにより、人件費の無駄を削減しながら、必要な時に必要な分だけの通信環境を確保できます。
IVRなど便利な機能が使える
クラウドPBXの大きな特長として、多彩な付加機能を活用できる点が挙げられます。その代表的な機能がIVR(自動音声応答)システムです。着信時に「お客様のご用件によって1から4の番号を押してください」といった音声ガイダンスを流し、顧客を適切な部署に振り分けられます。これにより、電話対応の効率化と顧客満足度の向上を同時に実現できるでしょう。
また、時間外の自動応答メッセージや、混雑時の順番待ち案内など、きめ細かな対応も可能です。さらに、通話録音機能や通話履歴の管理機能が標準で搭載されている場合も多く、品質管理や業務改善に活用できます。スマホアプリとの連携機能も充実しており、外出先でもオフィスの電話として使用できるため、営業職や在宅勤務者の業務効率化にも貢献します。これらの機能は、従来型のPBXでは別途高額な設備投資が必要でしたが、クラウドPBXでは追加コストを抑えながら利用できます。
多拠点でクラウドPBXを利用する場合の注意点
クラウドPBXは多拠点企業に多くのメリットをもたらしますが、導入や運用に際して考慮すべき重要な点があります。各拠点で快適にシステムを利用するには、事前の十分な準備と適切な対策が必要です。
まず、最も重要な検討事項はインターネット環境の整備です。クラウドPBXでは通話品質がインターネット回線の速度に大きく依存するため、各拠点で安定した高速回線の確保が不可欠です。特に、多くの通話が同時に発生する時間帯では、十分な帯域幅が必要となるでしょう。また、通信障害に備えて、バックアップ回線の導入も検討しましょう。
セキュリティ対策も重要な課題です。クラウドサービスを利用するため、データの暗号化や通信の安全性確保が必須となります。特に、機密情報を含む通話を扱う部署では、より厳格なセキュリティ対策が求められます。また、各拠点のネットワークセキュリティポリシーとの整合性を確認し、必要に応じて調整を行いましょう。
さらに、導入時には従業員への十分な研修も必要です。新しいシステムの操作方法や機能について、全拠点の従業員が適切に理解し、活用できるようにする必要があります。特に、緊急時の対応手順や、システムトラブル発生時の連絡体制などは、事前に明確にしておきましょう。
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まとめ
クラウドPBXは、多拠点企業のコミュニケーション基盤として優れた選択肢です。内線通話による拠点間連携の強化、コスト削減、柔軟な電話対応など、従来型のPBXでは実現が難しかった多くの利点があります。また、レイアウト変更の容易さや便利な付加機能など、企業規模に関係なく活用できるメリットも豊富です。ただし、導入に際してはインターネット環境の整備やセキュリティ対策など、いくつかの重要な注意点があります。これらの点に適切に対応すれば、クラウドPBXは大きなメリットをもたらしてくれるでしょう。