固定電話をWi-Fiで利用する方法を解説!メリット・注意点も

2026年2月26日ビジネスフォン

「固定電話はデスクに座って受けるもの」という常識は、今や過去のものになりつつあります。かつてはオフィスの壁際に張り巡らされた電話線に縛られ、受話器のある場所まで移動して対応するのが当たり前でした。しかし、デジタル化が進んだ現代では、固定電話番号をWi-Fi経由で運用するスタイルが、近年注目されています。

本記事では、従来のビジネスフォンが抱えていた物理的な制約をどのように解消し、Wi-Fiを活用した電話環境をどう構築すれば良いのかを具体的に解説します。

 


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従来のビジネスフォンの課題

多くのオフィスで長年利用されてきた従来のビジネスフォン(オンプレミス型)には、現代の多様な働き方と乖離するいくつかの大きな課題が存在します。

一般に、従来のオンプレミス型ビジネスフォンでは主に以下のような点が負担になりやすいとされています。

 

1.設置場所の物理的な制限

従来のビジネスフォンは、オフィス内に設置した主装置(PBX)と各電話機を「電話線」で直接つなぐ必要があります。そのため、デスクのレイアウト変更のたびに配線工事が求められ、電話機がある場所以外では着信に応答できません。この「場所に縛られる」仕様が、自由なオフィスデザインやフリーアドレス化を妨げる要因でした。

 

2.導入・維持にかかる高額なコスト

主装置の購入費用に加え、プロの業者による配線工事費、さらには数年ごとのメンテナンス費用が発生します。機器の更新には多額のキャッシュアウトが必要となり、経営上の固定費負担が無視できません。

 

3.テレワークへの対応が困難

物理設備が前提のため、社外から会社番号で発着信するには転送設定など追加の仕組みが必要になり、運用が複雑になりがちです。また、担当者が不在の際は折り返し対応となるため、タイムロスが生じ、ビジネスチャンスを逃すリスクも孕んでいます。

 

固定電話をWi-Fiで利用する方法とは?

固定電話をWi-Fiで利用するということは、従来の「アナログ回線」や「ISDN回線」ではなく、インターネット回線を利用して音声をやり取りする仕組み(VoIP技術)への移行を意味します。すでにインターネット回線が整備されていれば、大がかりな電話線工事なしで、既存のWi-Fi環境をそのまま活用してスマートフォンやPCを「会社の固定電話機」として機能させることが可能です。主な実現方法としては、次の2つの選択肢が挙げられます。

 

クラウドPBXを使う

クラウドPBXとは、従来オフィス内に設置していた主装置(PBX)の機能を、インターネット上のクラウドサーバーに集約したサービスです。

 

クラウドPBXの仕組みと特徴

インターネットを経由してクラウド上の主装置にアクセスするため、Wi-Fi環境さえあればどこにいてもオフィス内と同じように電話機能を利用できます。

 

特徴 内容
場所の自由 自宅、サテライトオフィス、外出先でも会社番号で発着信が可能
機器不要 物理的な主装置を購入・設置する必要がない
内線網の構築 離れた拠点間やスマホ間でも「内線通話(無料)」が使える
多彩な機能 自動音声応答(IVR)、通話録音、転送設定がブラウザで管理可能

 

テレワークが普及する中で、このクラウドPBXは「出社しなくても電話対応ができるインフラ」として注目を集めています。Wi-Fi環境下での利用はもちろん、移動中は4G/5Gなどのモバイル回線に切り替えて継続利用できる点も、ビジネスの現場では大きな強みとなります。

 

PCやスマホのIP電話アプリを使う

IP電話アプリとは、インターネットプロトコル(IP)を用いて音声通話を行うためのアプリケーションソフトウェアです。クラウドPBXを利用する際の「受け皿」となるほか、単体で契約できるサービスも存在します。

 

IP電話アプリの活用シーン

お手持ちのスマートフォンやノートPCに専用アプリをインストールするだけで、その端末が即座にビジネスフォンへと早変わりします。

 

・スマートフォンの活用

私物のスマホ(BYOD)にアプリを入れることで、仕事用の番号とプライベートの番号を1台の端末で使い分けられます。

 

・ソフトフォンの利用

PC上で操作する「ソフトフォン」なら、ヘッドセットを用いて顧客管理システム(CRM)と連携しながら効率的に発着信を行えます。

 

クラウドPBXとIP電話アプリの違いは?

「クラウドPBX」と「IP電話アプリ」は混同されやすい言葉ですが、その役割と規模感には明確な違いがあります。

IP電話アプリは、あくまで通話を行うための「端末側のソフト(インターフェース)」を指すケースが一般的です。一方、クラウドPBXは、複数の電話機を束ねて外線・内線を制御する「システム全体(インフラ)」を指します。

 

比較項目 IP電話アプリ(単体利用イメージ) クラウドPBX(組織利用イメージ)
主な対象 個人事業主、小規模利用 法人、中〜大規模オフィス
代表番号の共有 難しい(1対1の契約が多い) 容易(複数人で1つの番号を共有)
内線転送 基本機能に含まれない場合が多い 社員間でのスムーズな転送が可能
管理機能 端末ごとの設定が中心 全社員の設定を一元管理可能

 

個人で手軽に「050番号」などを持ちたい場合はIP電話アプリだけでも十分かもしれません。しかし、会社全体の電話機能を統合し、代表番号への着信を複数の社員で取り合ったり、外出先の担当者へ内線でつないだりといった「ビジネスフォンの利便性」を求めるのであれば、クラウドPBXの導入が適しています。

企業としての信頼性を維持しつつ、業務効率を最大化させるなら、クラウドPBXを基盤とし、各社員のデバイスにIP電話アプリを導入する形が最も合理的といえるでしょう。

 

固定電話をWi-Fiで利用できる仕組み

固定電話をWi-Fi経由で利用するシステムは、従来の電話網とは全く異なる原理で動作します。このシステムでは、音声通話をデジタルデータに変換し、インターネットプロトコル(IP)を使用して通信を行います。これにより、従来の電話回線を使用せずに、インターネット回線を通じて音声通話が可能になるのです。

音声データの伝送プロセスは以下のように進行します。まず、通話者の音声は専用の機器やアプリによってIPパケットに変換されます。この変換された音声データは、小さなパケットに分割され、インターネットプロトコルに従って送信されるのです。各パケットは独立して最適な経路を選択しながら目的地へ届けられ、受信側で改めて音声として再構築されます。

この過程では、音声品質を維持するためのさまざまな技術が使用されているのが特徴です。例えば、通信遅延を最小限に抑えるための優先制御や、パケットロスを防ぐための誤り訂正機能などが組み込まれています。また、音声データの圧縮技術により、通信帯域の効率的な利用が可能です。

 

Wi-Fiだけでなくスマホのモバイル回線でも使える

Wi-Fi経由の固定電話システムの大きな特徴は、Wi-Fi環境に限らず、スマホのモバイル回線でも利用できる点です。これは、システムがインターネットプロトコルを基盤としているため、インターネット接続さえあればどのような通信回線でも利用可能だからです。

 

例えば、オフィスでWi-Fiを使用して通話しながら移動した場合でも、外ではモバイル回線に自動で切り替わるため、通話を途切れさせず、継続できます。この機能により、移動中や通信環境が変化する状況でも、安定した通話品質を維持できるでしょう。

 

主な利用シーン

この技術は、ビジネスシーンから個人利用まで、幅広い場面で活用されています。では、ビジネス利用と個人利用に分けて、主な利用シーンを見ていきましょう。

 

ビジネス利用の場合

ビジネス利用では、本店と支店との間での内線通話が挙げられます。

Wi-Fiで固定電話を利用する場合には、支店でも本店と同じ電話番号を使用できます。そのため、本店と支店との間で内線通話が可能です。距離が離れていても問題ありません。内線通話は通話料がかからないため、料金を気にすることなく本店と支店間でスムーズに連絡を取り合えます。支店が複数ある場合には支店間の内線通話も可能です。特に海外に支店を持つ企業にとっては、国際電話を利用せずに済むため、通話料金の節約につながります。

また、営業に出ている社員や在宅勤務中の社員が、オフィスの電話番号を使って発着信することもできます。スムーズな顧客対応が可能で、個人の携帯番号を業務に利用する必要もありません。

 

個人利用の場合

個人利用としては、個人事業主の人が固定電話をWi-Fiで利用しているケースが多いです。Wi-Fiで電話を利用できれば、コワーキングスペースなどで仕事をしているときでも、固定電話の番号で発着信できます。1台のスマホで仕事用とプライベート用の電話番号を使い分けもできるため、2台のスマホを持ち歩く必要もありません。

 

Wi-Fiで固定電話を利用するメリット

Wi-Fi経由での固定電話システムの導入は、企業に多くのメリットをもたらすでしょう。特に、コスト面での優位性と導入の容易さは、多くの企業が注目する重要なポイントとなっています。ここではこれらのメリットについて紹介します。

 

コストカット

Wi-Fi経由の固定電話システムは、従来の固定電話システムと比較して大幅なコスト削減を実現するとされています。まず、クラウドPBXの場合、初期費用は1万円程度に抑えられます。

物理的なPBX機器の購入や設置が不要なため、設備投資費用を大幅に削減可能です。機器のメンテナンス費用や更新費用も不要となり、長期的な運用コストの削減にもつながります。通話料金についても、インターネット回線を利用すれば、特に長距離通話や国際通話のコストを大きく減らすことができるでしょう。

また、電話機器に関しては既存のスマートフォンを使用可能です。これまで社用のスマートフォンを社員に与えていた企業なら、そのまま専用アプリをインストールして使用できます。Wi-Fi環境があれば利用できるため、使用する社用スマートフォンはキャリアなど通信回線事業者との契約がされていないものであっても使用できます。

社員個人が持っているスマートフォンを使用することも可能です。この場合は社用のスマートフォンを準備する必要がないため、新しく電話機器を購入する必要がないという点でもコストカットにつながります。

オフィス外でも使用するのであれば、通信回線事業者との契約が必要です。しかし、IP電話やクラウドPBXでの通話でデータ容量はそれほど多くは消費しません。そのため、通信契約が必要な場合でもデータ容量の少ない安いプランで済みます。

 

手軽に導入できる

Wi-Fi経由の固定電話システムのもう一つの大きなメリットは、導入の容易さです。従来のビジネスフォンシステムでは、専門業者による機器の設置や複雑な設定作業が必要でしたが、Wi-Fi経由のシステムではそれらが大幅に簡素化されています。

クラウドPBXの場合、必要なのは安定したインターネット環境のみです。物理的な工事や配線作業が不要なため、導入までの時間を大幅に短縮できます。また、システムの設定もWebブラウザ上で直感的に行うことができ、専門的な知識がなくても管理が可能です。

ユーザー数の増減にも柔軟に対応できる点も重要です。従来のシステムでは、増設時に追加の工事や機器の購入が必要でしたが、クラウドPBXでは管理画面上での操作だけで対応が可能です。これにより、事業規模の変化や組織の改編にも迅速に対応できます。

 

Wi-Fi環境下であれば場所に縛られない

通常の固定電話機でビジネスフォンを使用する場合、通話の際に自席にとどまっていなければなりません。着信に出たり発信したりする際にも自席にいる必要があります。

これに対して、Wi-Fi環境下で電話を使用すれば、自席にいなくても発着信や通話ができるのもメリットです。職種や仕事内容によっては、社内で場所を移動することもあるでしょう。電話がかかってきたときに自席に戻るのは時間のロスになってしまいますが、Wi-Fi環境下ならそのようなことはありません。廊下を歩いているときなどにも通話できます。

また、電話を使用するのに場所に縛られない環境なら、フリーアドレス制にもしやすいといったメリットもあります。Wi-Fi環境下で利用できるIP電話やクラウドPBXの導入をきっかけにフリーアドレス制を導入するのもよいかもしれません。

 

配線が不要となりオフィス内がすっきりする

通常の固定電話を使用している場合、電話機に配線をつなぐ必要があります。オフィス内に設置されている電話機の数が多いと、それだけ配線も複雑になりやすいです。配線が多すぎて、オフィス内がごちゃごちゃした印象になっているところもあるかもしれません。

その点、Wi-Fi環境下でIP電話やクラウドPBXを使用するのであれば、配線は不要です。電話の配線がなくなるだけで、デスク周辺はすっきりとした印象になります。管理が必要な配線が減り、オフィスレイアウトの自由度を高められることもあるでしょう。

 

Wi-Fiで利用する固定電話に注意点はある?

Wi-Fi経由の固定電話システムは多くのメリットがある一方で、導入や運用にあたって考慮すべき注意点も存在します。

 

・通話品質が安定しない場合がある

まず、最も重要な注意点は通信品質に関する課題です。Wi-Fi環境の状態が通話品質に直接影響するため、安定したインターネット回線の確保が不可欠です。特に、同時に多くの端末が接続される環境では、通話に必要な帯域を確保できず、音声の遅延やノイズが発生する可能性があります。

 

・かけられない電話番号があるケースがある

一部のサービスでは、特定の番号(例:フリーダイヤルや緊急通話)への発信ができない場合があります。さらに、FAX通信についても、専用のオプションサービスが必要になることがあり、追加のコストが発生する可能性があるでしょう。これらの制限事項については、導入前に利用予定のサービスの仕様を十分確認しましょう。

 

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まとめ

働き方の多様化が進む中、固定電話のWi-Fi利用は、ビジネスコミュニケーションの新たな可能性を開いてくれるでしょう。クラウドPBXやIP電話アプリを活用すれば、場所を問わない柔軟な電話対応が実現でき、コスト削減にも貢献します。導入の手軽さも魅力的ですが、通信品質の確保やセキュリティ対策には十分な注意が必要です。自社の業務形態や規模に合わせて適切なソリューションを選択し、より効率的なビジネスコミュニケーションを実現しましょう。