固定電話をWi-Fiで利用する方法を解説!メリット・注意点も

2025年5月9日ビジネスフォン

近年、ビジネス環境におけるコミュニケーション手段は大きく変化しています。従来の固定電話システムに代わり、インターネット技術を活用した新しい電話システムが注目を集めています。本記事では、固定電話をWi-Fi経由で利用する方法について紹介します。

 

固定電話をWi-Fiで利用する方法とは?

近年、ビジネス通話のあり方は大きな転換期を迎えています。従来の固定電話システムは、特定の場所に固定された電話機を必要とし、柔軟な働き方への対応が難しいという課題がありました。しかし、現在では固定電話回線をWi-Fi経由で利用できる技術が広く普及し、場所を問わず固定電話番号での通話が可能になっています。このシステムは一般的に「インターネット電話」とも呼ばれ、ビジネスコミュニケーションの新たな選択肢として注目を集めています。

固定電話をWi-Fi経由で利用するためには、主に二つの方法があります。一つはクラウドPBXを導入する方法、もう一つはPCやスマホのIP電話アプリを活用する方法です。それぞれの特徴を紹介します。

 

クラウドPBXを使う

クラウドPBXは、従来のビジネスフォンシステムをクラウド上で実現するサービスです。物理的なPBX機器を設置する必要がなく、インターネット環境があれば利用可能です。特徴的なのは、固定電話番号を保持したまま、スマホやパソコンから通話できる点です。

クラウドPBXの導入により、オフィスの固定電話番号をそのままスマホやパソコンで使用できます。また、通話の転送や保留、録音といった、ビジネスフォンならではの便利な機能も利用可能です。さらに、社内の内線通話や、複数拠点間での通話もできるようになるでしょう。

管理機能も充実しており、通話履歴の確認や、通話時間の管理、部署ごとの利用状況の把握なども簡単に行えます。また、多くのクラウドPBXサービスでは、顧客管理システム(CRM)との連携も可能で、より効率的な顧客対応を実現できるでしょう。

 

PCやスマホのIP電話アプリを使う

IP電話アプリを利用する方法は、特に小規模な事業者や個人事業主に適しているとされています。専用のアプリをインストールすれば、固定電話番号による発着信が可能になります。この方法の最大のメリットは、導入の容易さと低コストです。

IP電話アプリの利用では、スマホやパソコンにアプリをインストールし、必要な設定を行うだけで利用を開始できます。多くのアプリでは、通話履歴の管理や連絡先の同期といった基本的な機能に加え、メッセージング機能やビデオ通話機能なども備えています。

また、複数の端末で同じ電話番号を共有できる点も魅力です。例えば、オフィスのパソコンとスマホの両方で同じ固定電話番号を使用でき、状況に応じて使い分けられます。さらに、海外でのWi-Fi利用時も、日本の固定電話番号での発着信が可能なため、国際的なビジネス展開を行う企業にとっても有用なツールといえるでしょう。

 

固定電話をWi-Fiで利用できる仕組み

固定電話をWi-Fi経由で利用するシステムは、従来の電話網とは全く異なる原理で動作します。このシステムでは、音声通話をデジタルデータに変換し、インターネットプロトコル(IP)を使用して通信を行います。これにより、従来の電話回線を使用せずに、インターネット回線を通じて音声通話が可能になるのです。

音声データの伝送プロセスは以下のように進行します。まず、通話者の音声は専用の機器やアプリによってIPパケットに変換されます。この変換された音声データは、小さなパケットに分割され、インターネットプロトコルに従って送信されるのです。各パケットは独立して最適な経路を選択しながら目的地へ届けられ、受信側で改めて音声として再構築されます。

この過程では、音声品質を維持するためのさまざまな技術が使用されているのが特徴です。例えば、通信遅延を最小限に抑えるための優先制御や、パケットロスを防ぐための誤り訂正機能などが組み込まれています。また、音声データの圧縮技術により、通信帯域の効率的な利用が可能です。

 

Wi-Fiだけでなくスマホのモバイル回線でも使える

Wi-Fi経由の固定電話システムの大きな特徴は、Wi-Fi環境に限らず、スマホのモバイル回線でも利用できる点です。これは、システムがインターネットプロトコルを基盤としているため、インターネット接続さえあればどのような通信回線でも利用可能だからです。

 

例えば、オフィスでWi-Fiを使用して通話しながら移動した場合でも、外ではモバイル回線に自動で切り替わるため、通話を途切れさせず、継続できます。この機能により、移動中や通信環境が変化する状況でも、安定した通話品質を維持できるでしょう。

 

主な利用シーン

この技術は、ビジネスシーンから個人利用まで、幅広い場面で活用されています。では、ビジネス利用と個人利用に分けて、主な利用シーンを見ていきましょう。

 

ビジネス利用の場合

ビジネス利用では、本店と支店との間での内線通話が挙げられます。

Wi-Fiで固定電話を利用する場合には、支店でも本店と同じ電話番号を使用できます。そのため、本店と支店との間で内線通話が可能です。距離が離れていても問題ありません。内線通話は通話料がかからないため、料金を気にすることなく本店と支店間でスムーズに連絡を取り合えます。支店が複数ある場合には支店間の内線通話も可能です。特に海外に支店を持つ企業にとっては、国際電話を利用せずに済むため、通話料金の節約につながります。

また、営業に出ている社員や在宅勤務中の社員が、オフィスの電話番号を使って発着信することもできます。スムーズな顧客対応が可能で、個人の携帯番号を業務に利用する必要もありません。

 

個人利用の場合

個人利用としては、個人事業主の人が固定電話をWi-Fiで利用しているケースが多いです。Wi-Fiで電話を利用できれば、コワーキングスペースなどで仕事をしているときでも、固定電話の番号で発着信できます。1台のスマホで仕事用とプライベート用の電話番号を使い分けもできるため、2台のスマホを持ち歩く必要もありません。

 

Wi-Fiで固定電話を利用するメリット

Wi-Fi経由での固定電話システムの導入は、企業に多くのメリットをもたらすでしょう。特に、コスト面での優位性と導入の容易さは、多くの企業が注目する重要なポイントとなっています。ここではこれらのメリットについて紹介します。

 

コストカット

Wi-Fi経由の固定電話システムは、従来の固定電話システムと比較して大幅なコスト削減を実現するとされています。まず、クラウドPBXの場合、初期費用は1万円程度に抑えられます。

物理的なPBX機器の購入や設置が不要なため、設備投資費用を大幅に削減可能です。機器のメンテナンス費用や更新費用も不要となり、長期的な運用コストの削減にもつながります。通話料金についても、インターネット回線を利用すれば、特に長距離通話や国際通話のコストを大きく減らすことができるでしょう。

また、電話機器に関しては既存のスマートフォンを使用可能です。これまで社用のスマートフォンを社員に与えていた企業なら、そのまま専用アプリをインストールして使用できます。Wi-Fi環境があれば利用できるため、使用する社用スマートフォンはキャリアなど通信回線事業者との契約がされていないものであっても使用できます。

社員個人が持っているスマートフォンを使用することも可能です。この場合は社用のスマートフォンを準備する必要がないため、新しく電話機器を購入する必要がないという点でもコストカットにつながります。

オフィス外でも使用するのであれば、通信回線事業者との契約が必要です。しかし、IP電話やクラウドPBXでの通話でデータ容量はそれほど多くは消費しません。そのため、通信契約が必要な場合でもデータ容量の少ない安いプランで済みます。

 

手軽に導入できる

Wi-Fi経由の固定電話システムのもう一つの大きなメリットは、導入の容易さです。従来のビジネスフォンシステムでは、専門業者による機器の設置や複雑な設定作業が必要でしたが、Wi-Fi経由のシステムではそれらが大幅に簡素化されています。

クラウドPBXの場合、必要なのは安定したインターネット環境のみです。物理的な工事や配線作業が不要なため、導入までの時間を大幅に短縮できます。また、システムの設定もWebブラウザ上で直感的に行うことができ、専門的な知識がなくても管理が可能です。

ユーザー数の増減にも柔軟に対応できる点も重要です。従来のシステムでは、増設時に追加の工事や機器の購入が必要でしたが、クラウドPBXでは管理画面上での操作だけで対応が可能です。これにより、事業規模の変化や組織の改編にも迅速に対応できます。

 

Wi-Fi環境下であれば場所に縛られない

通常の固定電話機でビジネスフォンを使用する場合、通話の際に自席にとどまっていなければなりません。着信に出たり発信したりする際にも自席にいる必要があります。

これに対して、Wi-Fi環境下で電話を使用すれば、自席にいなくても発着信や通話ができるのもメリットです。職種や仕事内容によっては、社内で場所を移動することもあるでしょう。電話がかかってきたときに自席に戻るのは時間のロスになってしまいますが、Wi-Fi環境下ならそのようなことはありません。廊下を歩いているときなどにも通話できます。

また、電話を使用するのに場所に縛られない環境なら、フリーアドレス制にもしやすいといったメリットもあります。Wi-Fi環境下で利用できるIP電話やクラウドPBXの導入をきっかけにフリーアドレス制を導入するのもよいかもしれません。

 

配線が不要となりオフィス内がすっきりする

通常の固定電話を使用している場合、電話機に配線をつなぐ必要があります。オフィス内に設置されている電話機の数が多いと、それだけ配線も複雑になりやすいです。配線が多すぎて、オフィス内がごちゃごちゃした印象になっているところもあるかもしれません。

その点、Wi-Fi環境下でIP電話やクラウドPBXを使用するのであれば、配線は不要です。電話の配線がなくなるだけで、デスク周辺はすっきりとした印象になります。管理が必要な配線が減り、オフィスレイアウトの自由度を高められることもあるでしょう。

 

Wi-Fiで利用する固定電話に注意点はある?

Wi-Fi経由の固定電話システムは多くのメリットがある一方で、導入や運用にあたって考慮すべき注意点も存在します。

 

・通話品質が安定しない場合がある

まず、最も重要な注意点は通信品質に関する課題です。Wi-Fi環境の状態が通話品質に直接影響するため、安定したインターネット回線の確保が不可欠です。特に、同時に多くの端末が接続される環境では、通話に必要な帯域を確保できず、音声の遅延やノイズが発生する可能性があります。

 

・かけられない電話番号があるケースがある

一部のサービスでは、特定の番号(例:フリーダイヤルや緊急通話)への発信ができない場合があります。さらに、FAX通信についても、専用のオプションサービスが必要になることがあり、追加のコストが発生する可能性があるでしょう。これらの制限事項については、導入前に利用予定のサービスの仕様を十分確認しましょう。

 

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まとめ

働き方の多様化が進む中、固定電話のWi-Fi利用は、ビジネスコミュニケーションの新たな可能性を開いてくれるでしょう。クラウドPBXやIP電話アプリを活用すれば、場所を問わない柔軟な電話対応が実現でき、コスト削減にも貢献します。導入の手軽さも魅力的ですが、通信品質の確保やセキュリティ対策には十分な注意が必要です。自社の業務形態や規模に合わせて適切なソリューションを選択し、より効率的なビジネスコミュニケーションを実現しましょう。