ボイスワープ機能とは?メリットや設定方法を解説します
「不在の時にかかってきた電話にどうにか対応したい」と考えている企業は多いのではないでしょうか。特に社員の少ない企業では、電話対応のための人員を割けず、苦労していることもあると思います。そんなケースで役立つのが、ボイスワープ機能です。本記事では、ボイスワープの概要やメリット、設定方法や操作方法などをご紹介します。
ボイスワープ機能とは
ボイスワープ機能とは、自宅や事務所にかかってきた電話を、指定した電話番号に転送するサービスです。不在の際にかかってきた電話を取れるので、ビジネスチャンスを逃しません。ボイスワープ機能には、主に転送元の電話を呼び出さずに即座に転送する「無条件転送」と、転送元の電話を呼び出して、応答がない場合に転送する「無応答時転送」などがあります。また外出先の電話機からも、転送の開始や停止、転送先の変更などを行えます。主に以下のサービスがあります。
・自動転送
無条件転送と無応答時転送の設定ができます。無応答時転送では、転送元のベルが鳴っている間に電話を取れば、転送する前に伝送元で通話することができます。
・リモートコントロール
外出先から、リモートコントロールで転送の開始・停止、転送先の変更ができます。転送先は、あらかじめ登録してある電話番号の中で変更することが可能です。またFAXの転送も可能です。
・音声ガイダンス
転送時には音声ガイダンスを流し、転送元の電話番号をお知らせする機能です。電話をかけてきた人は、現在転送中であることが分かります。電話の発信者から転送元までの通話料金は、発信者の負担です。それ以降、転送元から転送先までの通話料金は契約者の負担になります。
ボイスワープ機能のメリット
ボイスワープ機能には、主に以下のようなメリットがあります。
ビジネスチャンスを逃さない
ボイスワープ機能を使えば、ビジネスチャンスを逃すことが少なくなります。オフィスを不在にしている場合でも、携帯電話に転送できるので、外出中でも電話に出ることができます。
また、たくさん名刺などを配る場合、プライベートの携帯電話番号を記載したくないケースもあります。ボイスワープ機能なら、会社の電話番号を書いておけば自動で転送されるため、携帯電話番号を記載する必要がありません。
急ぎの電話に対応できる
急ぎの要件の場合、オフィスに帰ってから留守番電話を聞いたのでは、せっかくのチャンスを逃してしまうケースもあります。ボイスワープ機能であれば、不在時でも転送できるため、急ぎの電話にもすぐに対応できます。
顧客満足度の向上につながる
社員が少ない企業の場合、業種によってはオフィスを不在にする時間が長い場合があります。そうなると、電話がつながりにくく、顧客の不満が溜まってしまうこともあるでしょう。ボイスワープ機能なら、顧客がいつかけても電話がつながるため、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
ボイスワープ機能の設定方法
ボイスワープ機能を利用するには、NTTに申し込む必要があります。NTT東西のうち、対応しているエリアで申し込みを行いましょう。
また契約中の電話サービスにより、ボイスワープの設定方法が異なります。ここでは簡単な設定例をご紹介します。
加入電話の場合
(1)転送を開始する
1.転送先の電話番号を設定する
142→ガイダンス→2→ガイダンス→転送先電話番号→ガイダンス→完了
2.呼び出し回数を設定する
142→ガイダンス→3→ガイダンス→呼び出し回数(0~9)→ガイダンス→完了
3.転送開始の設定をする
142→ガイダンス→1→ガイダンス→完了
ひかり電話の場合
(1)転送を開始する
1.転送先の電話番号を設定する
142→ガイダンス→2→ガイダンス→転送先電話番号→ガイダンス→1→完了
2.転送設定をする
無条件転送 142→ガイダンス→1→ガイダンス→1→完了
無応答転送 142→ガイダンス→1→ガイダンス→2→完了
話し中転送 142→ガイダンス→1→ガイダンス→3→完了
無応答および話し中転送 142→ガイダンス→1→ガイダンス→4→完了
INSネットの場合
(1)転送を開始する
1.転送先の電話番号を設定する
1422→ガイダンス→転送先電話番号→ガイダンス→完了
2.転送設定をする
無条件転送 14211→完了
無応答転送 14212→完了
話し中転送 14213→完了
無応答および話し中転送 14214→完了
ボイスワープ機能の操作方法
設定操作方法は、電話を使用する方法とインターネットを利用する方法があります。
・電話を利用する方法
転送元の電話から、音声ガイダンスに沿ってダイヤル操作を行います。また、外出先など別の電話から操作する「リモートコントロール機能」もあります。リモートコントロール機能を使う場合、外出先などの電話から、音声ガイダンスに沿って操作を行います。
・インターネットを利用する方法
インターネット回線につながっているパソコンやスマホで設定ができます。
ボイスワープ機能の注意点
便利なボイスワープ機能ですが、注意事項もあります。加入電話やINSネットの付加サービス「ボイスワープ」とは一部機能が異なるので注意が必要です。
・一般電話番号、携帯電話番号、ポケベル番号、PHS番号は転送先として利用できますが、携帯電話番号の前に事業者識別番号をつけて登録できません。
・通常の通話に比べて、転送する場合は電話をかけて顧客から転送先につながるまで時間がかかります。
・110番などの3桁の番号、フリーアクセス、フリーダイヤル、国際電話の番号は転送先として利用できません。
・IP電話事業者などを経由した通話の場合は、ボイスワープ機能を利用できない場合があります。また、転送元の電話番号が通知されないケースもあるので注意が必要です。
・通信機器の種類によっては、ボイスワープ利用できないまたは設定の変更が必要な場合があります。
ボイスワープよりも優れたクラウドPBXへ
ボイスワープ機能の導入ではなく、ビジネスフォンそのものをクラウドPBXに置き換える方法もあります。クラウドPBXとは、ビジネスフォンの機能をインターネット上に設置できるサービスです。クラウドPBXは通常のPBXのような配線工事がいりません。従来のPBXの場合は、オフィス内に機器を設置し、電話回線工事も必要でした。そのため、導入までにコストも時間もかかっていたのです。しかし、クラウドPBXであれば、機器の設置が不要なためそれに伴う工事なども必要ありません。サービスごとに違いはありますが、申し込み確定後約3日~1週間程度で利用開始できます。
・インターネット回線があれば利用できる
クラウドPBXはインターネット回線があればどこからでも利用できるのが大きなメリットです。たとえば、スマホでも利用できるため、外出中や出張中の社員でも、電話対応ができたり、簡単に電話を取り次いだりできるようになります。
また、テレワークも可能になります。これまで、コールセンターなど電話業務が必須の職種では、テレワークは難しいとされていました。クラウドPBXなら、インターネット環境さえ整っていればどこからでも業務が可能になるため、テレワークの導入が可能になります。在宅勤務中で自宅にいても、顧客の電話に対応することも可能です。
・コスト削減につながる
クラウドPBXを導入すれば、コストの大幅な削減ができるでしょう。クラウドPBXは物理的な機器の導入が不要なため、高い導入コストが必要ありません。また、これまで外線でスマホにかけていた電話を無料の内線に変えることができれば、通話コストも抑えられるでしょう。ボイスワープ機能を利用する場合は利用料金がかかりますが、それも不要になります。
またスマホを活用すれば、コストパフォーマンス向上も期待できるでしょう。たとえば、Wi-Fiなどを使いスマホを子機として利用できるようになれば、テレワーク中の社員も無料通話が可能です。さらに、クラウドPBXなら個人のスマホを利用しても、社員が料金を払う必要はないため受け入れられやすいことが考えられます。クラウドPBXはインターネット環境があればどこでも利用できるため、Wi-Fiがない場所でも4G/5G回線があれば電話として使用できます。そのため、ビジネスチャンスを逃すことがなくなるでしょう
・電話対応件数の増加が期待できる
クラウドPBXを導入すれば、機能によって電話対応件数の増加も期待できるでしょう。たとえば、機能の一つである「自動音声案内機能」では、顧客からの着信時に録音・設定した音声を流すことが可能です。
「○○の方は0、○○の方は1を押してください」などの音声案内を流せば、顧客は自分の問い合わせ内容に合ったボタンをプッシュすることができます。自動で音声案内が流れることで、最初から問い合わせ内容に適した担当に電話を回せます。また以下のようなメリットもあります。
・担当者に直接つながるため取り次ぎの手間が省ける
・電話内容が分かっているので迅速な対応が可能になる
・顧客の保留時間が少なくなるので、顧客満足度向上が期待できる
できるだけ多くの着信を効率的にさばきたい業種に向いているでしょう。
ボイスワープ機能を使いこなそう
ボイスワープ機能は、電話を転送できるため、オフィスに不在でも顧客からの電話に対応することができます。ビジネスチャンスを逃さず、顧客満足度の向上のも期待できます。また、さらに利便性を向上させたいなら、クラウドPBXを利用する方法もあります。クラウドPBXは、インターネット回線があれば利用できるため、オフィスだけでなくスマホでの利用も可能です。その結果、コスト削減や電話対件数の増加などが期待できるでしょう。ボイスワープ機能とクラウドPBXが比較して、自社に適したサービスを導入してみてはいかがでしょうか。