クラウドPBXのFAX機能とは?クラウドならではのメリットを解説します
クラウドPBXとは、これまでオフィスに設置していたPBXを、インターネット上のクラウド上に置き、ビジネスフォンの機能が利用できるようになったサービスです。クラウドにすることで、コスト削減や管理の手間がなくなるなど、さまざまなメリットがありますが、FAX機能をどうしようか考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、クラウドPBXでFAXを利用する方法や導入メリット、選び方などをご紹介します。
クラウドPBXでFAX機能を利用するための方法
ネットFAXを利用する
ネットFAXは、インターネット回線を用いてFAXを送受信する方法です。従来の電話回線を利用するFAXは、紙に書かれた文字を符号に変換して相手の受信機に送ることでやり取りを行います。インターネットFAXでは文字を相手の番号に送信し、サーバー内でFAXの符号に変換します。すると、相手の受信機ではFAXとして受け取れるのです。
一般のFAXから送られた紙の原稿を受信する場合は、まずは原稿をFAX符号に変換します。そのFAX符号をインターネットFAXのサーバーが受信することで、PDFなどの画像データに変換されて、パソコンなどに送ってくれるのです。
アナログ回線を残す
クラウドPBXを導入した後でも、全部の回線をクラウドPBXに変えずに、アナログ回線を残しておく方法です。アナログ回線をそのまま残しておくことで、複合機のFAX機能を引き続き利用することができます。すでにアナログ回線を引いている企業の場合、工事などを行わなくても良いため、手間が少なくて済みます。
光電話対応の複合機を導入する
複合機は、種類によっては光回線に対応しているものもあります。光回線・ひかり電話が使えるクラウドPBXを利用することで、FAXを引き続き使うことができるでしょう。アナログ回線を残さなくても良いですが、選べるFAX複合機の種類が限られるというデメリットもあります。
変換アダプタを使用する
アナログデータをデジタルデータに変換するアダプタを使う方法です。変換アダプタを使えば、これまで利用してきたFAX用の電話番号を変えなくて済みます。また、複合機をそのまま利用できるため、新しく操作方法を覚えるという手間もかかりません。
ただし、インターネット環境によっては遅延が生じ、スムーズなデータ送受信ができない可能性があります。その場合、使用している光回線の接続方式を確認しましょう。PPPoEの場合、通信速度の向上が期待できるIPoEに切り替えることで、環境が改善される場合があるでしょう。
クラウドPBXのFAX機能のメリット
ここでは、クラウドPBXでFAX機能を利用する際のメリットをご紹介します。
どこでもFAXが受信できる
クラウドPBXのFAX機能は、スマホやパソコンで受信することが可能なため、どこでもFAXの書面をチェックできます。通常の紙でやり取りするFAXの場合、送られてきた書類を確認するにはFAX機を設置してあるオフィスにいなくてはいけません。クラウド型FAXであれば、自身の端末上で確認できるので、わざわざオフィスに移動する必要がありません。また、外出中や出張中でもオフィスに帰らなくて良いため、すぐにレスポンスが可能です。
複合機が必要ない
FAXを送受信するための、高額な複合機を購入しなくて良いのも大きなメリットです。ビジネス用の複合機は、100万円以上する高額なものも珍しくありません。法人契約の場合はリース契約が一般的ですが、リース料やカウンター料金が発生します。そのため、利用年数によっては、複合機を購入したのと同じだけの費用が費用になります。クラウドPBXのFAX機能なら、パソコンやスマホでデータ受信が可能になるため、高額な機器の購入は不要です。
新規営業に活用できる
インターネット上でFAXを送受信する機能を用いれば、新規営業にも活用できるでしょう。たとえば、FAXを利用してカタログやDMの送付を行います。メール営業のように、相手のメールアドレスを知らなくてもアプローチが可能です。また、業種によっては、まだまだFAXを中心に業務を行っているケースが多いため、幅広い顧客に対して営業をかけることができるでしょう。また同報送信などの機能を利用すれば、効率よく営業をすることが可能です。
受信データがそのままPDFで利用できる
クラウドPBXのFAX機能の場合、受信データをそのままPDFで管理することが可能です。通常のFAXの場合、データを管理するのには、紙をファイリングする必要がありました。紙の資料は大量になるとスペースを取り、探すのにも時間がかかってしまいます。インターネットFAXなら送受信した内容をデジタルデータとして管理できるため、過去のデータを探す時でもデータなら簡単に検索ができます。また、時間的コストの節約にもなります。
コスト削減になる
クラウド型FAXは、インターネットに接続された端末があれば利用できます。そのため新たな機器を導入する必要がなく、導入コストが安く済みます。
また通常のFAXを利用するには紙やトナーが必要ですが、クラウド型FAXはそれらが不要です。ランニングコストも安く済むため、通常のFAXより大幅なコスト削減につながります。
ペーパーレス化につながる
ペーパーレス化による環境への配慮もできます。クラウドPBXのFAX機能は、送信内容をパソコンやスマホで簡単に作成しさらに受信もできるので、紙を使わなくても良いためです。またパソコンなどで作成した文章を印刷し、さらにそれをFAXするなどの無駄な作業を行わなくても良いので、紙の節約につながるでしょう。またオフィスを引っ越すと電話回線は新たに契約する必要がありますが、基本的にインターネットFAXなら番号はそのまま使えます。
BCP対策としても利用可能
BCPとは「Business Continuity Plan」の略称です。直訳すると「事業継続計画」となります。 これは新型コロナウイルスなどの感染症や自然災害など、事業の継続が困難な事態が発生した場合、いかにして事業を継続させるかという計画や工夫のことを指します。万が一の事態が起こった際に、損害を最小限に抑えながら事業を継続するには、多拠点化、分散化が効果的とされています。特に日本では台風や地震などの災害リスクが高いとされています。
クラウドPBXのFAX機能を利用できれば、社屋がダメージを受けたとしても、インター-ネットがつながってさえいれば、FAXの送受信ができます。また音声通話も従来通り利用が可能です。
FAX機能のあるクラウドPBX選びのポイント
ここでは、FAX機能を搭載したPBX選びのポイントをご紹介します。
導入費用・利用料金
クラウド型FAXサービスはさまざまなプランが用意されています。そのため、ベンダーごとに初期費用や月額料金がいくらになるのか確認しましょう。
送受信可能な枚数
ベンダーによっては、送信数などに応じて費用が変わるものや、「月に〇〇枚まで無料」などと設定されているものもあります。月々の送受信枚数が多い企業の場合は、「月に〇〇枚まで無料」などのプランがあると安心して利用できるでしょう。
逆に送受信枚数が少ない企業の場合は、「使った分だけ費用を払う」プランだと、無駄なコストが発生しません。さらに送信だけでなく受信にも費用がかかるケースもあります。送信だけでなく、受信も何枚まで無料なのかも確認しましょう。
対応機器
クラウドPBXのFAX機能に対応している機器一覧もチェックしましょう。古いパソコンやスマホはサポートされておらず、対応できない機種や機器が存在する場合もあります。使用したいと思っている機種や機器が対応しているのか、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
対応している市外局番
現在すでにFAXを導入しており、手持ちのFAX番号をそのまま使いたい場合は注意が必要です。クラウドPBXのFAXは基本的に新たに番号を割り振るため、既存の番号が使えないケースもあります。FAX番号を変えたくない場合は、番号移転のサービスなどを提供しているサービスを選びましょう。
また、サービスごとに市外局番が利用できるもの、全国共通の「050」とどちらも選べるものなど、使える番号が異なります。ビジネスの場合「市外局番の番号が欲しい」ケースも多いため、適したサービスを選ぶ必要があります。
光回線型かIP回線型か
クラウドPBXのFAX機能には、光回型とIP回線型がありますが、光回線型の方がおすすめです。光回線型は、一般的にIP回線型よりも高品質で、通信が安定しています。また、現在利用している複合機も、そのまま使い続けられる可能性が高いでしょう。
無料トライアルがあるかどうか
自社に適しているか、使いやすいのかどうかは、実際に使ってみないと分からない部分もあります。使用感が分からずに導入してしまうと、現場に浸透しない可能性もあるでしょう。導入後のトラブルを防止するためにも、無料トライアルで事前に確認しておけば安心です。
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FAX機能のあるクラウドPBXの導入を検討してみよう
一昔前に比べて重要度は下がったとはいえ、FAXはまだまだ現役です。特に一部の業種では利用頻度が高いため、完全になくなることはしばらくないと考えられています。そのため、今後は、インターネット回線で送受信ができるクラウドPBXのFAX機能の導入を検討してみてはいかがでしょうか。