固定電話は2024年に廃止される?その理由と対策方法を解説

2023年6月14日ビジネスフォン

NTTは2024年1月に、電話回線をIP網に切り替えることを発表しました。この工事はNTT側で実施されるもので、固定電話を利用している企業は、手続きなどを行う必要はありません。しかし、アナログ回線からIP網への切り替えを行われることで、業種によっては影響が出てしまう可能性があります。本記事では、2024年の切り替えによって何が起こるのか、どんな影響があるのか、また廃止される理由と対策方法をご紹介します。

 

固定電話は2024年に廃止されるって本当? 

NTTは、2024年1月から電話回線をアナログ回線からIP網へ切り替えることを発表しました。これにより、2025年頃からPSTNの設備が切り替えられます。

 

現在利用している電話番号や電話機はそのまま利用可能

この切り替えによって、工事や手続きが発生することはありません。現在利用している電話番号や電話番号はそのまま利用することができます。急に利用できなくなることはないので安心しましょう。ただし、IP網に切り替わることによって、通話料金やサービスの一部が変更になります。

 

仕様変更もしくは終了になるサービスがある

IP網に切り替わっても、現在利用している電話機や電話番号はそのまま利用できます。ただし、仕様変更もしくは終了になるサービスがあります。ここでは、提供を継続になるサービスと変更になるサービスについてご紹介します。

 

提供を継続するサービス

サービス名 概要
公衆電話 NTTが設置した電話機を使用できる電話サービス
110 警察機関への緊急通報
118 海上保安庁への緊急通報
119 消防機関への緊急通報
117 時報につなぐ
177 天気予報
104 名称と住所から全国の電話番号案内する
115 電報受付につなぐ
ナンバー・ディスプレイ 発信者の電話番号を電話機等のディスプレイに表示する
ナンバー・リクエスト 電話番号非通知の相手に対し電話番号通知で発信するように音声メッセージで応答する
迷惑電話おことわり 迷惑電話を受けた直後にその電話番号を登録するとその後、その電話からの着信時に自動的にメッセージで応答する
キャッチホン 話し中に着信があった際に、話し中の通話を保留し、あとからかかってきた電話に応対する
ボイスワープ あらかじめ設定しておいた電話番号に転送する
ボイスワープセレクト ボイスワープの機能およびあらかじめ登録した番号を転送するかしないかを設定できる
フリーアクセス 着信課金サービス
#ダイヤル外部リンク #と数字4桁からなる電話番号で指定した電話に接続する
代表 代表電話番号を定め、着信があった場合に通話中でない回線に接続することを可能にする
ダイヤルイン 追加番号を付与し、着信時に交換機から電話番号を通知し任意の電話端末に着信する
硬貨収納等信号送出機能 硬貨収納等のために必要な信号を送出する

 

参照:NTT東日本「提供継続/終了サービス」

 

通話料金が変更となるサービス【2024年1月以降】

2024年1月以降、フリーアクセスの料金が変更になります。

 

変更後の通話料金

通話の種類 通話料
県内からの通話 区域内 全国一律9.35円/180秒

※NTT東日本・NTT西日本の切り替え後の加入電話・INSネット・「ひかり電話」「コラボ光ひかり電話」、他社加入電話、他社IP電話へ発信の場合

隣接・〜20kmまで
20kmを超え60kmまで
60km超え
県間からの通話 提供しない
国際からの通話 提供しない
公衆電話からの通話 62秒/11円
携帯電話からの通話 15秒/11円

 

参照:NTT東日本「提供継続/終了サービス」

 

一部仕様が変更になるサービス

サービス名 変更概要
117(時報) 時報通知後に通話が切断するタイミングが短縮される。
ナンバー・リクエスト ・ひかり電話と同様に、自動応答メッセージ内で着信者の電話番号伝は伝えないように変更。

・「ボイスワープ」の利用時、転送先の契約者が「迷惑電話おことわりサービス」、「ナンバー・リクエスト」を契約している場合、「ボイスワープ」による転送トーキのガイダンス終了後に、本サービスの自動応答メッセージを確認する必要がある。

迷惑電話

おことわりサービス

代表取扱サービス

(A/I混在代表)

グループを組んだ加入電話・INSネットの間で、着信時に自動的に空いている他の回線につなげる場合、一部のケースで子番号の変更が必要。
硬貨収納等信号送出機能 距離段階・時間帯別の料金から、全国一律料金に変更
フレックスホン(通信中転送機能) 通信中の呼を第三者に転送できる機能(通信中転送機能)が終了。
料金情報通知機能 携帯電話、050IP電話、他事業者料金設定との通信の場合、通信料金(概算)が非表示になる。
通信中機器移動 通話中に一時中断し通信機器を移動後に通話を再開できるサービスで「中断」・「再開」を通知しない仕様に変更。
ユーザ間情報通知 サービスの使用料が無料に変更。

 

参照:NTT東日本「提供継続/終了サービス」

 

提供終了になるサービス

以下のサービスは、2024年1月で提供が終了されます。

サービス名 概要
INSネット(ディジタル通信モード) 電話回線を介してデータ通信ができる。
マイライン/マイラインプラス あらかじめご利用になる電話会社を登録することで、「00XY」などの電話会社の識別番号をダイヤルが不要。
割引サービス 毎月の電話料金を安くできるプラン。
ビル電話 内線通話や短縮ダイヤルなどの各種付加機能をNTT交換機側で提供する。
支店代行電話 指定する地域の電話番号を付与し、その電話番号にかかってきた電話に接続する。
着信用電話 着信のみ可能。
有線放送電話接続電話 有線放送電話設備とNTT交換設備との間に電気通信回線を設置し、同一MA内の通話を可能にする。
短縮ダイヤル 契約回線を介して交換機に登録した電話番号について、2桁の簡易発信を実現する。
キャッチホン・ディスプレイ 最初の着信だけでなく、通話中に着信があった場合に割込者の電話番号をディスプレイに表示する。
ナンバー・アナウンス 「136」をダイヤルすると、着信した呼の日時と電話番号を5件まで案内する。
でんわばん 1契約で複数着信に対し時間外案内等を行う。
トーキー案内 録音再生装置を電話網に接続し、電話回線を介した情報案内を行う。
発着信専用機能 契約回線を発信専用または着信専用にする。
ノーリンギング通信 センターユーザから各家庭に設置されているメーターを効率的に検針できる。
二重番号サービス 電話番号(主)に電話番号(副)を付与し、電話機の操作により主で不在メッセージを流し、副で電話を受ける。
トリオホン 通話中にフッキング操作により、第三者を呼び出し、三者間通話を可能にする。
なりわけサービス 登録した電話番号からの着信した場合、通常と異なる短い着信音で呼び出す。
114(お話し中調べ) 相手方の電話番号が話し中か受話器外し等かを調べる。
空いたらお知らせ159 相手が通話中の場合、「159」+「1」のダイヤル操作によって、相手の通話が終了次第、音声通知する。
ナンバーお知らせ136 「136」+「1」のダイヤル操作により、直近の着信呼の日時・発信者電話番号を音声で知らせる。

 

参照:NTT東日本「提供継続/終了サービス」

 

固定電話が廃止される理由

固定電話が廃止される理由には以下が挙げられます。

 

固定電話サービスへの加入件数が減少

利用者の減少し、固定電話サービスの加入件数が減少しているのも終了理由の一つです。近年では、より安価なIP電話やひかり電話などの契約数が増えため、固定電話やISDNの契約者が減少傾向にあります。そのため、維持が困難になったことが理由と考えられます。

 

中継交換機の老朽化

電話サービスのためにも散られている公衆交換電話網(PSTN)の設備である中継交換機と信号交換機が、老朽化により、2025年頃になると機能の維持が難しくなると発表されました。そのため、NTT東西は従来の設備をIP網へ切り替えるとしています。

 

固定電話廃止による問題 

IP網に切り替わり、固定電話が廃止されると、どのような問題が起こるのでしょうか。ここでは、固定電話の廃止に伴う問題についてご紹介します。

 

ISDNディジタル通信モードの提供が終了

NTT東西が提供しているISDNは、2024年1月をもってディジタル通信モードが終了します。これは、2024年1月には固定電話網がIP網へと切り替えと同時に「ディジタル通信モード」と「一部のサービス」の提供が終了するためです。ISDNはインターネット回線はもちろん、POSレジや保険請求、EDIなどさまざまな用途で利用されていました。そのため、自社システムにISDNを利用している企業や店舗は、固定電話だけでなく、POSレジやEDIなどのサービスの乗り換えが必要です。

 

ただし、ディジタル通信モードが終了しても、ISDNサービスそのものが終了するわけではありません。ISDNには「ディジタル通信モード」と「通話モード」があり、2024年1月で終了するのはディジタル通信モードのみです。そのため、通話モードは引き続き利用が可能です。

 

一部の電話サービスの提供が終了

固定電話網からIP電話網に切り替わると、一部の電話サービスの提供が終了します。終了するサービスを確認し、自社で高頻度に使っているものであれば、代替のサービスを探す必要があるでしょう。

 

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固定電話の切り替えも検討しよう 

固定電話の廃止といっても、すぐに電話が使えなくなるわけではありません。しかし、一部のサービスが使えなくなることから、電話の切り替え先を探している企業も多いのではないでしょうか。おすすめなのが、クラウドPBXです。クラウドPBXは、インターネット回線があればどこでも利用できるため、業務効率化や利便性向上につながります。スマホからでも利用できるようになるため、外出の多い営業マンや在宅勤務者も使用できます。ぜひ、クラウドPBXの利用を検討してみてはいかがでしょうか。