テレカンとは?種類やメリットをご紹介します

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近年では、対面ではなくオンライン上でのやり取りも増えたことから、「テレカン」が注目されています。テレカンとはテレカンファレンスのことで、遠隔会議を指します。コスト削減や感染症対策にもなるため、多くの企業が導入を考えているのではないでしょうか。本記事では、テレカンの概要や種類、メリット、選び方などをご紹介します。

テレカンとは

テレカンとは、テレカンファレンス(teleconference)の略称です。日本語に訳すと、遠隔会議ですが、テレフォン・カンファレンス(電話会議)の意味で使われることもあります。そのため、広義では遠隔会議全体、狭義では電話会議を指して用いられます。

テレカンの種類

テレカンは、「電話会議」「テレビ会議」「Web会議」の3種類に分けることができます。それぞれ複数のベンダーがサービスを提供しているため、サービスの内容に合わせて、自社に適したものを選ぶ必要があります。ここでは、テレカンの種類についてご紹介します。

電話会議

電話会議は、もっとも古くから用いられているテレカンです。今も現役で多くの人に利用されています。従来の電話だと1対1でしか話せませんでしたが、現在では音声のみですが複数人が参加して行うことができます。1ヵ所で複数人が参加する場合、一般的にスピーカーフォンを持ったシステムを利用することが多いです。近年では、ビジネスフォンやスマホでも、スピーカーフォン機能を持つものが登場しています。

テレビ会議

テレビ会議とは、遠隔地にいる相手とリアルタイムでやり取りができるツールを指します。電話会議と異なり、画面に相手の姿が映るため、相手の顔を見ながらやり取りができるため、社内の会議だけでなく、オンライン商談に使われることもあります。

テレビ会議は専用の機器を使用するため利用場所が限られます。そのため、高品質の映像と音声で会議が可能できるのが特徴です。機器を揃えれば、数百名単位の大規模な会議だったり、重要な会議を何度も行ったりする場合は、テレビ会議の方が向いているといえるでしょう。

Web会議

テレビ会議とよく似たシステムが、Web会議です。Web会議も遠隔地とリアルタイムでやり取りができる点では同様です。テレビ会議は「大人数が会議室に集まって会議をする」、Web会議は「自席(自宅)のパソコンからで打ち合わせを行うもの」と分類されるケースが多いです。

一般的にテレビ会議の方が規模の大きい会議に適しているとされます。またWeb会議は専用のアプリケーションをインストールするだけで利用できますが、テレビ会議はマイクやリモコンなど専用機材の導入が必要です。

テレビ会議とWeb会議の違いには以下が挙げられます。

テレビ会議 Web会議(有料)
特徴 大人数での会議

会議室に専用の機器を設置

高品質の映像や音声を利用可能

安全性を確保

コスト削減

1対1・多人数どちらのケースでも利用できる

利用シーン ・国際会議

・経営会議

・海外支部との打ち合わせ

・フォーラム など

・社内の打ち合わせ

・取引先との会議

・複数人での部署会議

・採用面接 など

利用可能人数 大人数(~数百人規模) 数名から数十人
コスト
安全性
利用場所 専用機器が設置してある場所 インターネット回線とデバイスがあればどこでも可能

テレカンのメリット

テレカンの導入にはさまざまなメリットがあります。ここでは、テレカンのメリットについてご紹介します。

複数拠点と通信が可能

テレカンを利用すれば、複数拠点との通信が可能になります。通常の電話の場合、2つの拠点間のコミュニケーションが一般的でした。しかし、テレカンを用いることで、3拠点以上の通信も簡単になります。

すぐ始められる

テレカンは自社や自宅からすぐに行えるので、緊急性の高い会議でも素早く対応ができるでしょう。たとえば、台風や豪雪、地震などの自然災害が起きた際にも、出社することなく素早く打ち合わせが可能になります。また、テレカンで映像を伴いながら社員に周知することによって、安心感を持たせることもできるでしょう。

交通費・宿泊費などのコストを削減できる

テレカンは、交通費や宿泊費、会場設置費、人件費などの移動・宿泊コストなどの削減が期待できるのが大きなメリットです。従来の対面方式では、会議のために参加者が1ヵ所に集まる必要がありました。そのため、全員が収容できる会場を探し、予約しなくてはいけません。さらに当日は、参加者が移動するための交通費も必要となります。また会場の場所や日程によっては宿泊費や、会議のための資料や製品などを運搬するための費用が必要な場合もあるでしょう。テレカンであれば、これらの費用がすべて不要です。大規模な会議を頻繁に行う企業であれば、年間数十万~数百万円のコストを削減が期待できるでしょう。

また、テレカンによって遠隔地との会議が社内で行えるようになれば、時間的コストを削減もできるでしょう。たとえば、本社が東京、支店が大阪にある場合、移動するだけで新幹線を利用しても往復約5時間かかります。さらに会議の時間が2~3時間かかると計算すると、日帰りがギリギリの時間です。支社が複数ある場合は移動する人数も多くなり、コストはそれだけ増大します。テレカンを導入すれば、自宅からオフィスまでの移動、顧客との打ち合わせをする際の移動などの時間コストを削減できるでしょう。減らした時間的コストは、別の生産活動に充てられます。

多様な働き方が可能になる

テレカンを用いれば、いつでもどこにいても連絡が取れるようになります。オフィスに集まる必要がなくなるため、テレワークなど多様な働き方が可能になるでしょう。必ずしもオフィスに出社する必要のない業種であれば、地方在住の方の勤務も可能になります。そのため、居住地に関係なく、優秀な社員を確保できます。社員側もライフワークバランスを重視でき、自由に働ける企業を選べるようになります。

多種多様なメンバーと仕事ができる

テレカンは、多種多様なメンバーと仕事できるのも特長です。今後、多様な価値観や得意分野を持ち寄り、ビジネスを作り上げることが、企業価値を高めるのに必要とされています。テレカンを活用すれば、国や文化を超えた多彩なメンバーと仕事を行うことが可能です。円滑な会議や意志疎通が可能になるため、プロジェクトの進行がしやすくなるでしょう。

テレカンの選び方

では、自社に必要なテレカンはどのように選べばいいのでしょうか。ここでは、テレカンの選び方についてご紹介します。

どの種類を選ぶのか

テレカンには「電話会議」「テレビ会議」「Web会議」の3種類のどれが、自社に適しているのか選ぶ必要があります。

・電話会議

電話は、電話機と電話回線があればすぐに導入できるのが特徴です。コストも安いため、手軽に利用できるのがメリットでしょう。ただし、電話の場合は相手側の表情や資料などが見られないというデメリットがあります。そのため、重要な会議や大人数の会議は向いていないといえます。

「手軽に導入したい」「軽い会議に使いたい」場合は、電話会議がおすすめです。

 

・テレビ会議

テレビ会議は、映像が共有されるため、相手の表情を見ながら会議ができます。専用の機材を利用するため、通信が安定するのが特徴です。ただし、機材の導入が必要なため、導入コストが高めになります。「重要な会議に使用したい」場合におすすめです。

 

・Web会議

Web会議はテレビ会議よりも導入が手軽なのが特徴です。パソコン、タブレット、スマホがあれば、アプリケーションをインストールするだけで始められるため、導入コストを抑えられます。

「映像付きで会議をしたい」「手軽に利用したい」という場合は、Web会議がおすすめです。

動画も必要か

音声のみで十分なのか、動画も必要な会議なのかを見極める必要があります。動画があれば、参加者の表情や雰囲気、資料やホワイトボードに書かれた図などを示しながら説明ができます。会議の性格に合わせて適切なサービスを選ぶ必要があります。

さらに、「全画面表示が必要」「同時発言が可能なシステムが欲しい」など、欲しい機能が明確であれば、その機能が搭載されたシステムを選びましょう。

料金プランを確認する

テレカンを提供する業者は複数あるため、料金プランを比較することも大切です。業者ごとに料金プランが異なるため、比較検討を行いましょう。また同じベンダーでも、接続する拠点数や映像品質、同時接続数などによって、料金プランが細かく分かれているケースもあるので確認が必要です。

サポート体制のしっかりしているサービスを選ぶ

サポート体制も確認しておきましょう。万が一、トラブルが起こった際に、ベンダーがしっかりサポートしてくれるかどうかも重要です。導入時はもちろん、導入後にどのようなサポートを行っているのかを確認しましょう。

特にオンプレミスの製品は、トラブルが起こった際の対応を自社内で行わなくてはいけません。そのため、24時間・365日対応など、すぐに対応をしてくれるベンダーであれば心強いでしょう。

また、業種によっては土日祝日などにテレカンを行うケースもあります。その場合、ベンダー側が土日祝日が休みだと、トラブルが起こっても対応してもらえません。サポートの対応日時もしっかりチェックしておきましょう。

高品質な回線を選ぶ

テレカンは、音質や画質が重要です。自社が求めるレベルの音質や画質が実現できる回線であるかを、しっかり確認する必要があるでしょう。たとえば、ホワイトボード機能などを利用したい場合、画質が十分でないと文字がしっかりと認識できない場合もあるでしょう。音質もクリアでなければ、スムーズに会議進行ができません。回線が不安定で途切れたり、乱れたりすると、会議の主催者や参加者のストレスにつながってしまいます。

テレカンについて知ろう

テレカンを導入することで、コスト削減や働き方の幅が広がるなど、さまざまなメリットがあります。ただし、新しくシステムを導入するにはコストがかかるため、自社に適したものをしっかり選ぶ必要があるでしょう。自社に必要な機能を洗い出し、最適なものを選択してみてはいかがでしょうか。