ダイヤルインとは?直通や代表電話の違いなどをご紹介

2022年9月30日専門用語集

ビジネスで電話を使用する場合、何回戦も必要な場合があります。オフィスの規模や業種にもよりますが、数十、数百回線が必要になるケースもあるでしょう。そんな時に役立つのが、ビジネスフォンのダイヤルインです。本記事では、ダイヤルインの概要や仕組み、系や悪できる回線や注意点などをご紹介します。

ダイヤルインとは

ダイヤルインとは、加入電話の付加サービスの一つです。着信時に局側から加入者側に着信番号を通知することで、1つの回線で複数の番号を使い分けられます。回線契約時に割り当てられた番号以外に電話番号を取得して利用することが可能で、特定の機器に着信させたり、PBXを経由して特定の内線電話機に着信させることができます。

電話番号の数だけ回線を契約しなくてもよいため、複数の番号を低コストで運用できます。

たとえば、大きな組織で代表番号だけでなく、部署ごとに異なる番号を取得し、外部から直接着信できるように利用できます。5人の社員が在籍しており、5人全員がビジネスフォンを使用する場合、ダイヤルインが無ければ5回線契約する必要があります。ダイヤルインは手軽に回線数が増やすことができ、目的に応じて直通番号を設置できます。また必要性の高い電話のみを直通でやり取りすることが可能です。ダイヤルインで専用の電話番号を持っており、必要性のある電話のみを直通でかかってくるようにすれば、迅速な電話対応が金王になるでしょう。

NTT東西ではアナログ電話、INSネット、ひかり電話で利用することが可能です。

代表組とは

代表組は、ダイヤルインが登場する以前にオフィスで利用されていた方式です。

たとえば、代表番号0123と3つの番号(1234、2345、3456)があるとします。顧客からの着信は1234で受けて、発信は3456で行うことができるようになります。自分のデスク番号を教えられるため、不要な引き継ぎを減らせます。またよく利用される電話番号であっても、すぐに通話中になることがありません。

通常のビジネスフォンは、家庭電話機よりも利用頻度が高いため、顧客や取引先から多くの電話がかかってきます。また自社から電話を発信するケースも多いです。もし代表組の機能がなかった場合、以下の様なデメリットが発生する可能性があります。

頻繁に通話中になり、なかなかつながらない

1つの電話番号を複数の電話機で同時に利用できないため、他の顧客からの電話を受けている間は「通話中」になります。そのため、なかなかつながらない事態が発生してしまいます。

回線を増やしても手間がかかる

代表組を設定していない場合、回線数を増やしても、それぞれに別々の電話番号が付与されます。そのため、顧客に対して複数の電話番号を案内しなくてはいけません。また電話番号が使用中だった場合、顧客は別の電話番号に電話をかけ直す手間が発生します。そして、着信があった場合、電話番号に対応した電話機のみが呼び出されるため、社員が電話を取るためにデスクを移動しなくてはいけなくなります。そのため、円滑な業務進行が難しくなる可能性があるでしょう。また複数の電話番号があるため、顧客側は電話帳に登録しづらく、混乱の元となってしまうでしょう。

ダイヤルインの仕組み

ダイヤルインはNTT東西の交換機から、情報機器に着信先の電話番号を通知することで、PBX等の内線で直接電話を受けられるようになります。

1.発信者が「03-××××-××××」をダイヤル

2.着信側の交換機からユーザーの情報機器に「03-××××-××××」の番号を通知する

3.PBX等で内線電話機に呼出信号を送出

例えば、「××××1」は電話機、「××××2」はFAXに設定すれば、回線は同じでも着信させる機器を区別できます。ダイヤルインサービスを利用するには、情報機器がダイヤルインサービスに対応しており、あらかじめ番号を登録しておく必要があります。

代表ダイヤルインとは

ビジネスフォンでは、代表ダイヤルインという形式で用いられることがあります。代表ダイヤルインとは、複数の電話回線に複数の電話番号を設定し、グループを作ります。ただし、電話番の数を、電話回線より多くしなくてはいけません。

代表ダイヤルインは、複数同時の着信に対応するのに便利です。電話場何号を増やすと、着信自体も増えますが、一つの電話回線では一つの着信しか受けることができません。「着信が増えたが、回線が1つしかなくて混在してしまう」という状態を避けるため、回線を複数設定することで余裕を持たせることができるのです。

契約番号と追加番号とは

ダイヤルインには、契約番号と追加番号の2種類があります。

・契約番号…電話回線と紐づいている番号

・追加番号…電話回線と紐づいていない番号

 

契約番号は、電話回線と紐づいた電話番号のことを指します。たとえば、2つの回線と4つの電話番号で代表ダイヤルインを設定しているとします。2つの電話番号は回線と紐づいた契約番号です。複数の電話と電話回線を利用していますが、電話番号1つに1回線という原則は守られています。

追加番号は、契約番号のほかに追加できる電話番号です。物理的な電話回線は保有していませんが、電話番号としては存在しています。

ダイヤルイン契約ができる回線

ダイヤルイン導入時には電話回線の種類の確認を行いましょう。アナログ回線、ISDN回線、IP回線などでダイヤルインの導入が可能ですが、設定方法が異なります。ここでは、ダイヤルイン契約が可能な回線の特徴などをご紹介します。

アナログ回線

アナログ回線でダイヤルインを追加する場合、以下の2つの方法があります。

・モデムダイヤルイン…モデム信号を利用

・PBダイヤルイン…プッシュ信号を利用

アナログ回線を用いて代表ダイヤルインを行う場合、グループを組む回線の数と、追加する番号分の合計契約数が必要なので注意が必要です。

ISDN回線

ISDN回線は、Dチャネルという通信制御用の回線を用いてダイヤルインを行います。大容量のデジタル通信サービスの「INSネット1500」で内線と外線を束ねることで、発着信を制御します。

ただし、ISDN回線とアナログ回線を混在させる際には注意しましょう。混在させる場合には、必ずアナログ回線から着信を行います。またナンバー・ディスプレイを導入していない場合は、着信まで数秒のタイムラグが生じます。さらに着信者の電話番号は表示されません。

IP回線

法人用のIP回線を利用する方法です。VoIPアダプタに設定を加えて、モデムダイヤルイン機能を使う場合もあります。IP回線のダイヤルインは、固定電話回線の番号とIP電話番号を併用することができません。どちらかの番号を選択する必要があるので、注意しましょう。

ビジネスフォンには追加ダイヤルインという方法も

ビジネスフォンでは代表ダイヤルインが主流ですが、「追加ダイヤルイン」という方法もあります。追加ダイヤルインとは、自社のビジネスフォンの設定を変えることで、相手から特定のスタッフを呼び出してもらう機能です。

各内線電話機には、内線番号があります。これを代表番号と合わせることいで、呼び出しを行います。たとえば、代表番号が0001、内線番号が002だったとします。顧客側が0001に電話をかけると、主装置側が「内線番号を…」というメッセージが流れます。そのメッセージに従って顧客が002を入力すると、対応した内線電話機が呼び出されます。

追加ダイヤルインは、「ダイヤルイン」のサービスに申込まなくても利用できるのが特徴です。契約しても利用できるため、月額費用がかかりません。デメリットは、相手に毎回内線番号を入力してもらう手間が発生することです。

また追加ダイヤルインと似たシステムとして「サブアドレス着信」があります。代表番号に続けて内線番号を入力すれば、特定の内線電話機を呼び出すことができます。たとえば、代表番号が0001、内線番号が002だったとします。顧客が「0001・002」と入力することで、対応する内線電話機を呼び出すことができます。ただし、サブアドレス着信は追加ダイヤルインと同様に、ビジネスフォンの種類によっては対応していない場合もあります。そのため、あらかじめ業者に確認しておくことをおすすめします。

ダイヤルインを利用する際の注意点

ここではダイヤルインを利用する際の注意点をご紹介します。

市内局番と電話回線は統一する

ダイヤルイン導入時には、市内局番と電話回線は統一しましょう。混在させてしまうとダイヤルインを利用できないだけでなく、動作自体に問題が生じる場合があります。また効率的な運用に支障をきたしてしまうでしょう。そのため、できるだけ統一して、ダイヤルインが利用しやすい体制を構築することが大切です。

電話機や回線の数は余裕をみておく

電話機や回線の数などにも注意しましょう。数が少なすぎると発着信に問題が生じますし、多すぎると無駄なコストが発生します。繁忙期や将来的な人員拡張があるかどうかなどを検討し、少し余裕をみておくことをおすすめします。

ダイヤルインについて知っておこう 

ビジネスフォンを運用する際には、オフィスの規模や業種に合わせた回線や内線電話機の管理が必要です。しかし、回線の本数を増やせばコストや管理の手間が発生してしまいます。ダイヤルインは1本の回線に、複数の追加番号を付与することが可能です。代表番号を1本かできるため、回線数を減らしてランニングコストを抑えられます。また内線電話機ごとに番号を付与することもできるため、引き継ぎの手間も発生しません。回線数がどのくらい必要なのか、どのようにグループを組んだら効率的なのかは、会社ごとに異なります。社内に導入する際には、どのように導入するのかを検討することをおすすめします。