無線LANの選び方とは?知っておきたいスペックの見方

専門用語集

無線LANを利用するためには、無線LANルーターが欠かせません。無線LANルーターにはさまざまな種類があるため、業種や人数など使用環境に合わせて選ぶ必要があります。では一体何を基準にして選べば良いのでしょうか。本記事では、無線LANの選び方と、あると便利な機能などをご紹介します。

無線LANルーターの選び方

ここでは、無線LANルーターを選ぶ上で覚えておきたいポイントをご紹介します。

使用環境で選ぶ

部屋の広さなどの使用環境によって選ぶ方法です。ルーターの電波の届く距離も確認しておきましょう。

一般的に電波はルーターを中心に円形に広がるとされています。そのため、オフィスの真ん中に設置することをおすすめします。オフィスが広く、アクセスポイントを複数台設置する場合も、エリアの中心ポイントに設置します。

通信速度で選ぶ

無線LANルーターの通信速度で選ぶ方法です。Wi-Fiの通信速度は「Kbps」や「Mbps」で表されます。ネットの通信速度は「bps」から始まり、1,000bpsで1Kbps、1,000Kbpsで1Mbps、1,000Mbpsで1Gbpsの通信ができます。

通信速度は上りと下りで表現されることもあります。「上り」はデータの送信、下りはデータの受信のことです。例えばメールを受信したり、動画を見たりする場合は「下り」の速度に注目します。ネットを使ったりゲームをしたりする時などは下りの速度が速ければ、快適にネットが使えるでしょう。

大容量のデータを送信することが多い場合は、上りの速度にも注目する必要があります。上りの速度が遅いと、メールの送信やSNSへの投稿、クラウドストレージへの送信などに時間がかかってしまいます。

快適な通信速度の目安は以下のようになります。

シーン 快適な速度の目安
メールやLINE 128~1,000kbps
Webページの閲覧 1~10Mbps
YouTube動画(720p)やSNS 1~3Mbps
YouTube動画(1080p)やスマホのオンラインゲーム 5~20Mbps
4K動画の再生やパソコンのオンラインゲーム 20Mbps~30Mbps

業種にもよりますが、大容量の動画やなどをスムーズにやり取りする場合は、20Mbps~30Mbpsがあると安心でしょう。

接続可能台数で選ぶ

無線LANルーターは、接続可能な台数に上限があるため、同時接続台数を確認しておく必要があります。近年では、1人で複数台接続するケースも珍しくありません。そのため、社員の人数だけでなく、誰が何台のデバイスを接続する予定があるのかなども確認しましょう。

家庭用の無線LANルーターは2~10台ほどですが、企業用のルーターであれば数10台から100台程度の同時接続が可能です。

またロードバランサ機能などもチェックしましょう。ロードバランサ機能は、負荷を分散する機能です。1つの無線LANで通信が混みあった場合、自動で別の無線LANに通信を振り分けてくれます。ロードバランサ機能があれば、多くのデバイスを接続しても、通信を安定させられます。

規格で選ぶ

無線LANの規格は、アクセスポイントを選択する上で重要な項目です。最新の規格になるほど性能が高いですが、その分価格は高くなります。そのため、コストと性能のバランスを見極める必要があるでしょう。

IEEE802.11ax(Wi-Fi6)

IEEE802.11axは「Wi-Fi6」とも呼ばれる通信規格です。最大通信速度は9.6Gbps、周波数帯は2.4GHz帯/5GHz帯です。同時接続・通信に強く、電波干渉があっても通信速度が落ちにくいなどのメリットがあります。

2021年に標準化された新しい規格で、これから買い替えを検討するなら、この新しい規格に対応しているものを選ぶことをおすすめします。

・IEEE802.11ac(Wi-Fi5)

最大通信速度は6.9Gbps、周波数帯は5GHz帯の規格で、2014年に標準化されました。5GHz帯は、無線LAN専用の周波数帯のため、他の家電などによる電波干渉を受けにくいのが特徴です。安定していることから、映像配信サービスにも向いています。

・IEEE802.11n(Wi-Fi4)

最大通信速度は300Mbps、周波数帯は2.4GHz帯/5GHz帯の規格で、2009年に策定されました。前の世代になりますが、安価な価格で利用できます。

アンテナの性能で選ぶ

無線LANの通信速度は、ルーターのアンテナ数によっても左右されます。通信速度にこだわる必要がある場合は、アンテナの性能にも注目しましょう。基本的にアンテナの数が多いほど通信速度が速く、遠くまで電波が届くといわれています。同時に多数の機器を接続したり、無線LANルーターから離れている場所でもできるだけ通信速度を落としたくない場合は、アンテナの数をチェックしましょう。

初期設定や接続のしやすさで選ぶ

無線LANルーターは、製品によっては初期設定や接続までの手続きが煩雑なものもあります。初期設定に手間取っていては、本来の業務に支障が出る可能性があります。そのため、初期設定や接続がしやすいものを選びましょう。

無線LANルーターにあると便利な機能

無線LANルーターを選ぶ時には、機能にも注目してみましょう。無線LANルーターには、より快適な通信を行えるよう、便利な機能がいくつか搭載されています。ここでは代表的な機能についてご紹介します。

MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)

MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)機能は、複数の端末を使用する場合でも通信速度を安定させてくれる機能です。MIMO(マイモ)は「multiple-input and multiple-output」の略称で、データの送受信を行う無線通信技術のことです。MU-MIM0はMIMOをさらに発展させて技術で、複数の端末に1つの送信機から同時にデータを送信できます。

これまでは端末1台ごとに順番を切り替えながら通信が行われてきました。MU-MIM0は、通信の順番待ちを発生させないため、通信速度を落とさずに安定した通信が可能になります。

ビームフォーミング機能

ビームフォーミング機能とは、反射しながら飛んでいる複数の電波をお互いが強くするように計算・調整する技術です。子機の位置を自動で判別し、最適な電波を届けてくれます。無線LANルーターから離れた場所や障害物がある場所など、これまで電波が届きにくかった場所でも快適に使用できるようになります。

メッシュWi-Fi

メッシュWi-Fiは、ルーターから離れた場所でも安定した通信が可能になる機能です。無線LANルーターは同じ働きをするサテライトルーターを設定することで、安定して通信環境を実現できます。

バンドステアリング

バンドステアリング機能は、電波状況に応じて周波数帯を切り替えてくれる機能です。無線LANルーターと接続するデバイスの電波状況に応じ、使用する周波数帯を自動で切り替えてくれます。例えば、5GHzの周波数帯が混雑している場合には、2.4GHzに自動で切り替えることで、快適な通信を行えます。無線LANルーターが、1つの周波数帯にしか対応していない場合には、この機能は使えません。

無線LANルーターの主なメーカー

ここでは無線LANルーターの主なメーカーをご紹介します。

BUFFALO(バッファロー)

BUFFALO(バッファロー)は家庭用から企業用まで幅広い製品を取り扱っているメーカーです。オフィス環境に最適化できるアンテナや、縦置きや壁掛けなど自由な配置が可能なルーターなど、多彩なラインナップが魅力です。また、ビームフォーミング機能など、あると便利な機能が搭載された製品も多数用意されています。

NEC(日本電気)

NEC(日本電気)は、企業向けの製品を多数取り揃えており、実績が豊富なメーカーです。また小規模オフィス向けの製品も展開しています。通信の安定性に優れており、複数の端末を同時に接続したい場合にもおすすめです。

ASUS(エイスース)

ASUS(エイスース)は台湾のメーカーで、パソコン、タブレット、周辺機器などを取り扱っています。家庭用から企業用まで幅広い製品ラインナップがあります。高い通信機能を備えており、さらにランサムウェアやウイルスなどの感染対策もしっかりと行われています。

ELECOM(エレコム)

ELECOM(エレコム)は、パソコン周辺機器などを主に取り扱っているメーカーです。家庭用から企業用までさまざまな無線LANルーターを提供しています。初期設定が簡単で、設定に慣れていない人でも比較的使いやすい機種が豊富です。また訪問サポートもあるなど、サポート体制もしっかりしています。

TP-Link(ティーピーリンク)

TP-Linkはネットワーク機器の製造・販売を行う中国に本社を置くメーカーです。日本でも家庭用から企業用まで幅広いネットワーク機器を展開しています。通信速度が安定しており、コストパフォーマンスが良い製品が多いのが特徴です。

IODATA(アイ・オー・データ)

IODATA(アイ・オー・データ)は、パソコン周辺機器やネットワーク関連アプリなどを主に取り扱っているメーカーです。ネットワーク内を監視する法人向けのサービスなど、独自のサービスがあります。

無線LANルーターの選び方を知っておこう

無線LANルーターは、さまざまな方法から選ぶことができます。特に同時接続台数や部屋の広さ、通信速度は重要です。自社が同時にどれだけのデバイスを使うのか、電波を届けたい部屋の広さはどのくらいなのか、通信速度はどの程度を求めているのかなど、あらかじめ洗い出しておくことをおすすめします。条件を洗い出した後で、条件に合致するルーターを選びましょう。