総務省による携帯料金の見直し指示。企業にはどんな影響がある?
現在再び動きが活発化して話題となっている、総務省による携帯料金の見直し指示。2021年1月現在はあまり明確な成果が得られているとは言えない印象がありますが、docomo・au・ソフトバンクがそれぞれに新たな一手を発表する中、今後の動向が注目されています。
今回は、この一連の総務省による携帯料金の見直し指示について説明するとともに、企業にはどんな影響があるのか、企業は携帯料金の見直しに際してどのようなことをすればいいのかを具体的に解説していきます。なお、携帯料金の見直し、特にコスト削減に際して企業に役に立つ電話システム「クラウドPBX」についても解説しますので、企業のご担当者様はぜひ参考にしてみてください。
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総務省による携帯料金の見直し指示とは?
総務省による携帯料金の見直しは、2015年の安倍首相の発言を機に持ち上がりました。ここでいう見直しというのは、よく報道されている通り、「携帯料金の値下げを政府が主導する」というものです。
2015年当時官房長官であった菅義偉氏が「消費低迷が改善されない理由は、生活必需品となっている携帯電話の料金が家計を圧迫しているからだ」と考え、安倍首相に進言したのがそのきっかけといわれています。また菅義偉氏は、「携帯料金が高止まりしているのは大手キャリア3社の寡占状態が改善されないから」と考えたため、政府主導で利用料金の値下げを進めていくことで格安SIMも含めた携帯各社の競争を促す狙いもありました。
これまで、総務省による再三の指導によって、「SIMロック解除の条件緩和」「過度のキャッシュバックなど特定メーカーの端末を優遇するキャンペーンの停止」「端末料金と通信料金の分離化」といった一定の成果は出ています。しかしながらどれもが肝心の「値下げ」にはつながっていないというのが現状です。むしろ変にテコ入れしたことで逆に利用料金が値上がりしたユーザーもいるといいます。
とはいえ、2020年の菅政権発足後、再び急速に動きが加速しているのも事実です。中でもNTTdocomoが発表した「ahamo」プランは業界に衝撃を与えました。ある種携帯料金の見直しを「悲願」としてきた菅義偉氏が国のリーダーになったことで、これからさらなる強い働きかけが期待できますし、docomo以外にもまた大きな動きが次々に生まれていきそうです。
個人でも携帯料金を見直しましょう
携帯利用料金は安くなるなら安い方が嬉しいはず。その為に必要なことは、個人でも携帯利用料金をちゃんと見直すことです。下手に何かせず携帯利用料金の値下げを待つというのも一つのやり方ですが、それだといつまで高い料金を払い続けることになるか予想もつきません。
まずは自分で月々の請求書の内訳を確認して、「今契約しているプランは本当に自分に合ったプランなのか」を検証してみましょう。その中でも最もわかりやすい基準となるのが、月々の消費データ量です。消費データ量はdocomo・SoftBank・auそれぞれのマイページで月々・日々の利用データ量を確認することができますので、自分が月々に何GBのデータ量を消費しているのかをまず把握しましょう。
特に近年の大手キャリアは20GB、50GBなど軒並み大容量プランを売りにしており、「実質データ消費量無制限!」というように謳っています。そして、昔ガラケー時代に多くの人が「パケホーダイ」に契約をしたように、「大は小を兼ねる」的な意味合いで、「最もデータ量が使えるプランなら安心」という感覚だけで大容量プランを契約しているのではないでしょうか。そうした大容量プランは、それだけでも5,000円~7,000円と非常に高額に設定されています。
しかしながら、月々に20GB・50GBものデータを消費するような使い方をしている人は極めて少数というのが現実です。何故かといえば、普通にSNSやインターネットを利用している程度であれば、Wi-Fiもあるため月に2GBとか3GBなど、その程度しか消費しないものだからです。20GB以上ものデータ量を1ヶ月で消費するのは、よほど長時間高画質の映画を観たり、高画質なゲームや動画に熱中したりしないことには到底無理、と言い切ってもいいでしょう。
個人でも契約プランを見直すことで、携帯利用料金を下げることは簡単に行えます。政府の働きかけをただ待っているのではなく、個人でも現状のプランの中で最適なものを選ぶ努力をしましょう。総務省では、「携帯電話ポータルサイト」で、「今の料金プランは本当にあなたに合っていますか?」と呼び掛けています。
このサイトには料金プランの見方や見直す基準などが非常にわかりやすく丁寧に書かれていますので、ぜひ自分の契約プランの見直しの際は参考にしてみてください。
法人も携帯料金の見直しをすべき?
以上のように個人でも契約プランを見直すことで携帯料金を見直せることがわかりました。それでは、法人の場合はどうなのでしょうか。ここでは、法人も携帯料金を見直すべきなのか、そしてどのような見直しを行うべきなのかを詳しく解説していきます。
法人の携帯料金と個人の携帯料金
まず大前提として、法人と個人とでは料金設定が全く違うことを把握しておきましょう。法人プランでも基本料金と通話料金、オプション料金が加算される点は個人向けプランと同じですが、法人プランには法人ならではの特殊なシステムがあります。
たとえば、会社の人員規模に応じて契約台数がある程度決まっていたり、端末の一括管理やキッティングなどのサービスがついてきたり、端末交換や遠隔サポートといった法人向け独自の機能やサポートがあったりする点などが代表的な違いです。これらの機能は個人向けには提供されません。また、レンタルやリースなど買い切り以外の契約や、契約時の価格交渉といったことも、法人契約でしかできません。
そして何より、先ほどまで取り上げていた携帯料金の見直し指示は主に個人のものが対象で、この度発表されたdocomoやau、SoftBankの新プランについても個人向けのものであることに注意が必要です。実際、個人向けに関してはここ数年だけでも色々な動きがありましたが、法人に関しては表立って目立った動きはほぼありません。
法人に関しては、実質自分たちで見直すしか方法はないと考えるのが現状最も確実といえそうです。
法人は「クラウドPBX」の導入から始めるべき
法人の場合、携帯会社との契約ではプランの多少の見直しこそできるものの、あまり大幅なコスト削減には繋がらないのではないかという向きもあります。何より政府が主導する見直し指示の対象にならなそうですし、契約台数も含めてそれなりに多くの負担が求められるプラン設計的にも、現状では大きな値下げは期待できないのではないかと考えられます。
そこで、法人におすすめしたいのが「クラウドPBX」の導入です。クラウドPBXは、簡単に説明すると従来オフィスの電話環境を担ってきたいわゆる「ビジネスフォン」の仕組みをクラウド環境と携帯電話で置き換えてしまおうという画期的なシステムです。詳しくは次章で説明しますが、現状、法人にとって大きなコスト削減につながるのはクラウドPBXのみといっても過言ではないでしょう。
クラウドPBXとは?法人の電話料金が安くなる?
クラウドPBXという言葉を聞いたことはあるでしょうか。もしかしたら、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、法人にとって非常に合理的かつ大きなコスト削減につながる画期的なシステムとして近年話題を集めています。クラウドPBXは具体的にどのようなシステムで、どのようなコスト削減効果があるのでしょうか。
ここからは、クラウドPBXとはどういうものなのか、従来型のPBX(=ビジネスフォン)との違いにも触れながら解説していきます。そのうえで、クラウドPBXのメリットと、クラウドPBXでカットできる電話関連の費用にはどういったものがあるのかについても具体的に紹介していきますので、企業担当者の皆様はぜひご参考にしてみてください。
クラウドPBXと従来型のPBXの違い
クラウドPBXがどういうものかを理解するには、まずは従来型のPBXについて理解していただく必要があります。従来型のPBXというのは、いわゆる「ビジネスフォン」のことです。ビジネスフォンの仕組みを簡単に説明すると、社内に小型の構内交換機(PBX)を設置し、社外へ繋がる外線と、社内の複数の固定電話機をそれぞれPBXに有線接続したものです。
複数の外線・内線をPBXに集約させることで、会社代表番号などある特定の電話番号を、複数の固定電話機で共有して使えるようになります。これによってたとえば「会社代表番号に対する複数の着信を、複数の電話機で受け取る」ことができ、「社内の複数の固定電話機間で着信を切り替えたり、内線通話をしたりする」ことができるのです。社内での電話の取次ぎの際には欠かせない構造になります。
クラウドPBXは、このビジネスフォンの仕組みをそのままクラウド環境に移したものになります。より詳しく説明するとすれば、ビジネスフォンにおいては社内に物理的に設置されていたPBXをクラウド上の仮想環境に移し、ビジネスフォンにおいては「物理的なPBX」に複数の「固定電話機」が「有線で接続」されているという構造を、クラウド上の「仮想的なPBX」に複数の「携帯電話機などのデバイス」が「無線で接続」されているという構造に置き換えたものです。
クラウドPBXのメリット
上記のような構造を取ることで、クラウドPBXには様々なメリットが生まれます。
まず、従来型のPBXでは会社内に設置されていた交換機がクラウドにあるということによって、「場所の制限を受けない」ということが絶対的なメリットです。このメリットによって、たとえ担当者が出先にいたとしても、そのまま担当者の携帯電話に着信を繋ぐことができます。現在時勢的に推奨されているテレワークの導入も、クラウドPBXがあれば少なくとも電話応対に関しては不都合がありません。自宅でも出先でも、自由に電話を共有できます。
また、場所の制限を受けずに内線環境を構築できるので、東京と大阪のような異なる地域間でも、場所を跨いで内線設定ができます。それどころか、海外支社の番号とも内線環境を構築できるので、海外支社と連絡を取る際に国際電話をする必要がありません。
その他にも、パーク保留といって、保留した電話とは別の電話で保留を再開できる機能があり、これを使うことで取次ぎが一層簡単になります。会社の代表番号に対する着信をいくつかの設定した電話でのみ鳴らすことができ、それらの電話で着信を受けられない場合には全員の電話を鳴らすといった「鳴らし分け」もできます。
クラウドPBXでカットできる電話の費用
クラウドPBXを導入すれば、以上のようなメリットによって、費用的にも色々な恩恵を受けられます。
まず、従来型のPBXでは必要だった物理的なPBX本体の購入と設置工事にかかる費用、および、PBXへ接続する複数の固定電話機の購入およびその設置工事にかかる費用が、クラウドPBXの場合は一切不要となります。クラウドPBXの場合はサービスに契約するだけでクラウド上のPBXを自由に使用できるからです。購入も不要ということは、継続的なメンテナンスや故障による買い替えもまた不要ということです。
また、従来型のPBXでは、PBXに対応した固定電話機がないと電話が繋がりませんでしたが、クラウドPBXはお手持ちの携帯電話やタブレット、PCなどのデバイスにアプリを入れて登録すれば、そのままクラウドPBXに接続された電話端末へ早変わりするので、既に社用携帯を支給している場合は新たな電話機の購入費用もまるまる必要なくなるのです。社用携帯がない場合でも、従業員の個人のスマホにアプリを入れて利用することもできます。
ちなみに、物理的なPBXを購入するとなると安く見積もっても5万円~20万円はかかります。そして複数の固定電話機は設置工事費込みで1台あたり2万円~4万円はかかってしまいます。一般的な会社規模であれば数百万円はくだらない高額なコストが、クラウドPBXであれば一気に削減できるということです。
また、近年ではビジネスフォン+社用携帯という運用も増えていますが、社用携帯を1台1回線で契約すると台数分のプラン料金や通話料、オプション料金を都度負担することになります。しかしクラウドPBXにすることで特定の回線を複数の携帯電話で共有できるので、そのぶんだけ回線契約費用も削減できるのです。
「ナイセンクラウド」で携帯料金を見直してみませんか?
クラウドPBXのメリットについてご理解いただけたでしょうか。
クラウドPBXを導入するのであれば、是非弊社の「ナイセンクラウド」をご検討ください。ナイセンクラウドは多くの企業で導入されており、TVで取り上げられたこともあるクラウドPBXです。
まずはナイセンクラウドの機能を紹介する1分の動画をご覧ください。
このようにナイセンクラウドは複数のPCやスマホ、タブレットなどで使用できるクラウドPBXです。実際に海外拠点を持つ企業様や在宅勤務を導入している企業様、個人経営のクリニックなどで利用されています。豊富な基本機能と便利なオプションにより、従来型のPBXを使用していた時よりもはるかに柔軟な電話環境を構築します。
全国の局番、0120・0800、050番号に対応しており、最短即日で利用を開始できます。また、内線数に応じてお得な割引率も適用されます。ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
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総務省の指示を待つより、法人自ら見直しましょう
総務省による携帯料金見直し指示について解説するとともに、この動きが企業にどのような影響を与えるのかを解説しました。決定的な値下げがまだ実現していない以上、個人の場合でも法人の場合でも、まずは自分自身に見合ったプランで契約できているのかを検証する必要があるのは確かです。
そして結局この政府主導の携帯料金値下げの動きが法人契約にはあまり関係のない動きである以上、法人が電話運用にかかるコストを減らしたいと思うなら、法人自身で運用手段を考えなければなりません。本記事では法人のコスト削減方法の例としてクラウドPBXを取り上げました。
クラウドPBXは従来のビジネスフォンの仕組みを非常に低コストで再現できる上に、場所の制限を受けない非常に便利かつ画期的なシステムで、今のように誰も予想できなかった未曽有の事態に対しても有効です。この記事を読んでクラウドPBXが気になった企業担当者様がいらっしゃいましたら、ぜひ導入をご検討ください。