クラウドPBXは格安?電話コストを下げるには

クラウドPBX

近年画期的な企業向け電話運用として話題を集める「クラウドPBX」。クラウドPBXは、利便性のみならず、導入・運用コストの安さでも話題となっています。実際に、クラウドPBXは格安、とはっきり言われることも多々あります。しかし、その理由については具体的にはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、クラウドPBXの導入・運用にはどれくらいのコストが掛かるのか、ビジネスフォンと比較しながら解説したうえで、クラウドPBXが格安なのかどうかを紐解いていきます。また、クラウドPBXで電話のコストを下げるためにどういったことをするべきなのか、クラウドPBXの選び方についても解説しますので、既に導入済みの企業様や、これから導入を検討される企業様にとってもきっと参考にしていただけるはずです。

クラウドPBXが「格安」と言われる理由

クラウドPBXとは、従来のビジネスフォンの運用をクラウド環境に置き換えることで、会社という拠点に縛られずどこからでも会社の電話が使えるように改良された、まさに画期的と言えるサービスです。そうした画期的な運用が可能であるという評判と同じくらい、とにかく「クラウドPBXは格安」とよく言われるのを耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

ここでは、クラウドPBXの導入・運用にどういったコストがどのくらいかかるのか、一般的な相場を紹介することで、クラウドPBXがどれだけ「格安」な運用なのかを解説していきます。

初期費用

まずは、クラウドPBXの導入にかかる「初期費用」から紹介していきます。

クラウドPBXにおいては物理的設備の設置や工事など、従来通信インフラの導入に必要だった作業が不要で、手元に利用人数分のスマホさえあれば導入できます。そのため、初期費用は、ベンダーが行う環境構築・回線開通(クラウド環境の設定作業)に対してかかるもので、初期費用の一般的な相場は1万円前後~5万円程度となっています。

対して従来のビジネスフォンの場合は、物理的設備の購入や設置・工事を行わなければならないため、初期費用は高くなります。運用の中枢を担う主装置(構内交換機・PBX)の購入だけでも数十万円~数百万円かかり、それにプラスして工事費や固定電話機(主装置に対応した純正のもの)の購入費、主装置・電話機のメンテナンス・修理等の保守管理費を考慮に入れると、相場は安くても100万は超えてきます。

初期費用からして既に、いかにクラウドPBXが「格安」かがわかりますね。

月額料金

クラウドPBXは利用料を月額で支払うのが一般的です。クラウドPBXのほぼすべてのベンダーが、月々の利用状況に応じて変動する通話料等の利用料金のほかに「月額基本料金」を設定しています。この月額基本料金は、登録回線・内線の数(回線数)や利用デバイス・ユーザーの数(ID数)に応じて変動しますが、数が変わらなければ毎月一定額です。

クラウドPBXの月額基本料金の相場は、1回線あたり月額で1,500円~2,500円前後。1回線ごとの料金のみ設定されている(従量課金制)ベンダーも多いですが、「2回線5,000円」「5回線1万円」など一定の回線数ごとに定額の料金を設定している(プラン制)ベンダーも少なくありません。プラン制を選べば、回線数が多いほど1回線あたりの値段は安くなります。

買い切り型のビジネスフォンでは、提供する業者により月額料金は大きく変わりますが、月額基本料金を設定している場合も多く、提供サービスや環境に応じて回線使用料や屋内配線使用料などが加算されることもあり、月額基本料金だけで1回線あたり数万円することもあります。

なお、リース型のビジネスフォンでは、5年~7年の契約で機器のリース代や工事費等も含め月額での支払いとなりますが、リースの場合の相場はビジネスフォン4台で月額5,000円~7,000円ほどが一般的です。当然、台数が多ければその分加算されていきますし、保守契約費用がプラスされる場合もあります。

通話料

クラウドPBXやビジネスフォンといった法人向けの電話運用の場合、基本的に通話料定額プランなどはありませんので、使えば使うほど料金が高くなっていきます。また、加算される通話料は、固定電話・携帯電話・フリーダイヤルを利用する場合などで料金が細かく変動しますが、全国一律で3分8円ほどが相場となっており、固定電話から発信した場合に比べると3分の1~5分の1ほどと安めになっています。

ビジネスフォンの場合では、固定電話回線を利用することが多いので、通話料金は発信地域から受信地域までの距離に応じて高額になっていきます。たとえば、同じ市内での市内通話は3分8.5円ですが、市外通話(県内)は3分20円、県外通話(100km超)は3分80円といった感じです。海外拠点と連絡を取る場合は国際電話料金も加算されます。

端末費用

クラウドPBXには主装置など専門的な物理的設備の設置こそ不要ですが、通話に使う端末は自分で用意する必要があります。クラウドPBXは携帯電話やスマートフォン・タブレット・デスクトップPC・ノートPC・据え置き型IP電話機など多くの端末に対応していますが、もし仮に手元にない場合は、別途購入が必要です。

クラウドPBX に対応した据え置き型IP電話機の場合は1台あたり30,000円~50,000円が新品の相場で、中古の場合は10,000円~20,000円前後が相場となります。スマホ・タブレットを新たに買う場合には、Androidの格安~ミドルレンジモデルで1台あたり15,000円~50,000円、iPhone・iPadで1台あたり50,000円~100,000円ほどかかります。

パソコンが支給されていない会社は少数になるかと思いますが、仮にパソコンを新たに買うならWindowsのデスクトップパソコンで10万円~、Macのデスクトップパソコンで20万円~、Windowsのノートパソコンで2万~20万円、Macのノートパソコンで10万円~あたりが相場になります。

ビジネスフォンの場合は、端末購入費は初期費用に含まれます。それは、主装置に対応した純正の固定電話機でないと通話ができないためです。新品の固定電話機の場合、相場は1台当たり20,000円~40,000円ほどになりますが、1台当たり1万円~2万円の設置工事費もプラスされます。

クラウドPBXで電話のコストを下げるためのポイント

以上、クラウドPBXの導入・運用にかかるコストを一通り解説しましたが、特に通話料などの変動の大きなコストに関しては、工夫次第でかなり削減することができます。できれば、月々のランニングコストや導入コストなどかかる費用は安ければ安い方がいいでしょうから、どのように工夫すればいいかを導入前に知っておくことは大切です。

ここからは、クラウドPBXで電話のコストを下げるために意識すべきポイントを解説していきます。

内線を積極的に活用する

クラウドPBXの最大のメリットは、「社外でも内線が使える」「拠点間で内線が構築できる」といったように、会社外でも場所を跨いで内線ネットワークを構築できることです。

従来拠点間の通話は外線を使わなければなりませんでしたが、内線通話がどこでもできるということはつまり、遠く離れた拠点同士でも無料通話が行えるということ。このように拠点間の連絡において可能な限り内線通話を行えば、通話料を大幅に削減できます。

海外拠点でクラウドPBXを導入する

企業として規模が大きくなれば、国内だけでなく海外にも拠点を持つこともあるでしょうし、生産拠点だけを海外に移したりすることもあるでしょう。それと同時に、海外拠点と密に連絡を取っていると、国際電話や海外ローミングなども相まって通話料が非常に高額になるという頭の痛い問題もありました。

しかし、場所を問わずにどこからでも運用できるクラウドPBXの中でも、海外対応のクラウドPBXを選べば、国内だけでなく海外拠点とも内線が構築可能です。その場合、海外拠点との通話も内線通話になりますから、国際電話の料金がかからなくて済むため、通話料が大幅にカットできます

これから海外拠点を増やしていく視野があるなら、クラウドPBXを積極的に導入しましょう。

内線数・プランは定期的に見直す

クラウドPBXを無駄なく利用するために、契約しているプラン設定や契約台数・回線数は定期的に見直しましょう。

企業は流動的に経済活動を行っていく組織ですから、毎月のように、とまではいいませんが、少なくとも半年~1年スパンで考えたら、必要な内線数や台数は細かく変わっていくはずです。そうした時に使わないのに契約したままの回線やID等があると、それだけで無駄なコストが増えますし、リスクへの対応策の手間や負担が無駄に多くなってしまう事にもなります。

クラウドPBXは、ビジネスフォンと違って主装置の増設や配線工事などが不要なため、ビジネスフォンに比べれば比較的柔軟に契約数を増減できます。念のための予備分も含めた回線や端末の合計数は定期的に見直しを行い、都度必要な分だけに留めましょう。

BYODを取り入れてみる

ビジネスフォンの場合、設置する主装置に対応した純正の固定電話機でないと電話機が機能しないので、導入するにあたっては必ず電話機もセットで新たに購入しなければなりません。(中古の主装置と中古の電話機を用意することもできますが、それもセットで対応したものを購入する必要があります)

これに対しクラウドPBXでは、主装置に関係なく色々な端末を利用して通話が可能です。通話用端末として、携帯電話やスマートフォンだけでなく、ノートPCやデスクトップPC、タブレット端末、据え置き型IP電話機など幅広い端末に対応しているため、もし既に社用スマホや社用タブレット、社用PCなどが支給されていれば、それで代用できます。

もしそうした資産が会社にない場合には、BYOD(社員のスマホなどの私用デバイスを仕事用に転用すること)を取り入れるのも1つの手です。こうした工夫をすることで、導入コストをかけることなくクラウドPBXを導入できます。

格安のクラウドPBXを選べばいい?クラウドPBXの選び方

これまでの説明で、クラウドPBXにかかるコストはビジネスフォンに比べれば非常に「格安」であるということ、そしてそれだけでなく、工夫次第で更に安くなることがご理解いただけたのではないでしょうか。ここまでコストが格安で済むのなら、と早速クラウドPBXの検討を始められる企業様もいらっしゃるでしょう。

ですが、一つ注意点があります。それは、クラウドPBXは提供しているベンダーによってサービス品質も機能も異なってくるということです。単純に料金が安いという理由だけで「格安」なクラウドPBXベンダーと契約してしまうと、通話が使い物にならなかったり、故障時の対応が杜撰だったりといったトラブルに見舞われる可能性があります。そのため、結論から申し上げますと、格安のクラウドPBXを選べばいいかという問いの答えは「NO」です。

ここでは、クラウドPBXのベンダー選びに欠かせない比較基準を含めた、クラウドPBXの賢い選び方について解説していきます。

機能性を比較する

クラウドPBXはビジネスフォンと同じように長期的な運用を前提として契約するものです。そうした長期的な運用に際して最も大切になってくるのは「機能性」。企業向けに色々役立つ機能の内容だったり、そうした機能が安定して提供されるかどうかの安定性といった基準を持つことが非常に重要です。

クラウドPBXにおける場所を問わない運用がどの程度可能なのか、海外でも使えるのかといったことは勿論、提供している機能の内容、たとえば「自動音声応答機能(IVR)」「自動通話録音機能」など、自社で使いたい機能が揃っているか。欲を言えば、その使いたい機能が「基本機能」として追加料金なしで使える形式で提供されているかどうか。オプション機能だったら、オプション料金はどのくらいなのか。

こうしたことをパンフレットなどの資料やWebサイトなどに載っている情報と照らし合わせて慎重に比較検討していきましょう。時間がない場合でも、自社で使いたい機能が提供されているかどうかだけは最低限確認すべきです。

操作性を比較する

クラウドPBXを長期的に運用していくにあたり、もう一つ大事なのは「操作性」です。すなわち、システム的に扱いやすいか、端末上の動作は快適かといったこと、 更に付け加えるとするなら、幅広い端末に対応しているか、端末の切り替えに面倒な手間が発生しないか、導入時の設定作業が複雑でないか、などの目線も持ちましょう。

クラウドPBXは基本的にスマートフォンやパソコンに「ソフトフォン」と呼ばれるアプリをインストールして使う形式が多く、固定電話のようにアナログ的な操作ではなく、ソフトウェアの設計に操作性が直結するパターンが多いです。もし、使用しているソフトウェアの操作性が悪かったり、対応OSが制限されていたりすると、思うように使いこなせないことも多くなってしまいます。

理想を言えば、事前にデモ機などで操作感を確認して、誰にでも操作が理解しやすく扱いやすいかどうかは慎重に確認しましょう。クラウドPBXは使用する環境によって操作性が左右されることもあるため、実際の利用環境との相性を確認することも大切です。

最後に料金で比較する

料金については、できる限り上述した確認事項をしっかりと確認し終えた後、最後に検討しましょう。新たなサービスを導入しようという時は、どうしてもわかりやすい料金面を第一において検討してしまいがちになってしまいますが、既に述べた通り、契約後にトラブルになってしまう危険性があるため、料金設定のみでベンダーを決めるのはやめましょう。

特に最もわかりやすい初期費用に関しては、どこも大して差はありません。価格競争も落ち着いてどのベンダーも1万円前後が主流になってきています。クラウドPBXを提供するベンダーによって利用料金は勿論異なりますが、比較するのなら「初期費用以外の費用」に着目するべきです。「月額基本料金」「通話料」「オプション料金」など、契約後にランニングコストとなる費用こそがコストを考えるうえで最も重要になりますので、資料を隅から隅まで読み、料金設定やプラン設計、オプションの内容や価格など、細かく検討していくことをおすすめします。

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電話コストを格安にするならクラウドPBX

以上、クラウドPBXの導入・運用にどれくらいの費用がどのくらいかかるのかを見ていくことで、クラウドPBXが「格安」と言われる理由を掘り下げました。また、更にクラウドPBXのコストを下げるためにやるべきことや、クラウドPBXの選び方も含めて解説しました。

確かに、クラウドPBXは他の類似サービスに比べると遥かに安く、その安さに目を引かれてしまうことが多いのも事実です。実際に、「安さ」を全面的に売りにしているベンダーも存在しますし、「格安」であることに魅力を感じた企業様も多いでしょう。しかし、本記事でも解説したように、安さだけで選ぶのは却って危険です。

ベンダーにより機能や品質に大きな差があるクラウドPBXにおいては、料金よりも「機能性」「操作性」に着目して比較検討するべきです。環境により使い勝手が変わる可能性もあるクラウドPBXでは、世間的な評判もあまり当てになりませんので、本記事で解説した選び方におけるポイントを参考に、自社にとって最適なベンダーを慎重に検討しましょう。