クラウドPBXはどんな電話番号が使える?引き継ぎ条件も解説します
テレワークなどが普及してきた現在、インターネット回線で使えるクラウドPBXが注目されるようになりました。また、企業や開店などで新しく電話環境を構築する場合も、クラウドPBXを選ぶ人が増えています。しかし、クラウドPBXを選ぶ際に、「どんな電話番号が使えるのか」「既存の電話番号は引き継げるのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、クラウドPBXで使える電話番号の種類や既存の電話番号を引き継げる条件などをご紹介します。
クラウドPBXで利用できる電話番号一覧
まずは、クラウドPBXで利用できる電話番号について見ていきましょう。
市外局番
市外局番とは、固定電話番号に割り当てられる番号の1つです。「0+市外局番+市内局番+加入者番号」の番号のうち、0の次に来る1~4桁の番号を指します。この番号は地域ごとに総務省告示で規定されています。ちなみに市外局番の1桁目については、南に行くにつれて数字が大きくなるのが特徴です。
市外局番は「市外にかける際に必要な番号」のため、市外局番が同じ固定電話にかける場合は省略可能です。
一方、市内局番は、市外局番の次に来る1~4桁の番号を指します。この番号は総務省が電話会社ごとに指定を行っているのが特徴です。市外局番と市内局番の桁数は合わせて5桁で、電話番号が多く必要な地域では市内局番の桁数が長くなります。
通常、NTTのアナログ回線で市外局番を発番する際には、電話加入権を購入する必要があります。クラウドPBXはインターネット回線を利用するため、電話加入権を購入せずに、市外局番を利用することが可能です。
050番号
050番号は、IP電話の番号を指します。IP電話は、インターネットを通じて通信や通話などを行えるサービスです。インターネットの接続を行うための、プロバイダが提供しているサービスで、固定電話とスマートフォンのどちらからでも利用できます。
IP電話は、インターネット回線を用いたVoIP(Voice over Internet Protocol)という通信技術を利用しているサービスです。VoIPゲートウェイと呼ばれる装置が音声とデジタルデータに変換し、相手側のVoIPゲートウェイに送信することで通話が可能になります。
着信課金の番号
着信課金とは、一般的には発信者が払うべき通話や通信などの料金を、着信者が払う番号のことです。知名度の高い着信課金サービスには、フリーダイヤルがあります。着信課金サービスを利用するには、固定電話番号が必要となります。「03」や「06」などの市外局番から始まる電話番号にオプション機能でつけることにより、利用できるようになります。
着信課金サービスは、さまざまな事業者が提供しています。着信課金サービスはいずれも、「0120」や「0800」という同じ番号から始まりますが、名称が異なるのが特徴です。これは電話番号を発行する事業者が違うからです。たとえば、「フリーダイヤル」というサービスは、NTTコミュニケーションズが提供するサービスを指します。さらに、KDDIが提供する「0120」から始まる番号は「フリーコール」と呼ばれます。
クラウドPBXでの電話番号取得方法
では、クラウドPBXで電話番号を取得するにはどうしたらいいのでしょうか。通常はクラウドPBXを申し込む際にサービス提供事業者が代行で電話番号を取得してくれます。会社を立ち上げたばかりの企業や、レンタルオフィスで事業を展開している企業は、固定電話番号を取得するのが難しいケースもあります。しかし、クラウドPBXの場合は、ベンダーが代行してくれるため、すぐに電話番号を取得できるのが大きなメリットです。
サービスによって異なりますが、クラウドPBXでは市外局番の番号も取得できます。市外局番は所在地のエリアによって決定します。また、こちらもサービスによりますが着信課金の番号やIP電話番号などを取得することもできます。「信頼度を上げたいから市外局番の番号を得たい」と考えている企業は、市外局番が取得できるクラウドPBXサービスがおすすめです。
既存の電話番号を引き継ぐ方法
既に固定電話番号を取得している場合、その電話番号を引き継ぎたいケースもあるのではないでしょうか。ここでは、既存の電話番号を引き継ぐ方法と電話番号が変わるケースなどをご紹介します。
電話番号が変わるケース
以下の場合は、クラウドPBXに変更することで電話番号が変わります。
・固定の電話回線の契約がNTT東日本/NTT西日本の範囲内にないケース
・固定の電話番号がIP電話に対応していないケース
NTT東日本/NTT西日本以外の契約であっても、電話番号をそのまま利用できるケースはありますが、業者の中にはNTT東日本/NTT西日本の契約以外には対応していない可能性があります。
また、IP電話に対応していない電話回線の場合、クラウドPBXを利用する際に、IP電話に対応した電話番号を新たに取得しなくてはいけません。
電話番号を引き継げるケース
電話番号を引き継ぐには、以下のいずれかの方法を採る必要があります。
番号ポータビリティ(LNP)を利用する
番号ポータビリティ(LNP)は、固定電話の番号を変えずに利用する通信事業者を変えられる制度のことです。LNPは、「Local Number Portability」の略称で、制度自体は、2001年3月から行われていました。クラウドPBXの他、光コラボへの転用や通信サービスの変更、光コラボ事業者間の乗り換えを行った際に、同じ番号をそのまま利用できるのが特徴です。
ただし、すべての電話番号が番号ポータビリティ(LNP)制度を利用できるわけではありません。
NTTと契約して発番された電話番号であれば、番号ポータビリティが利用できます。アナログ回線やISDN回線を利用したアナログ番号は、NTT発番しているため可能です。メタル線は光回線に収容できるため、インターネット回線を利用するクラウドPBXにも引き継ぐことが可能です。
一方、NTTの光回線「フレッツ光」に契約している場合は、番号ポータビリティが利用できる場合とできない場合があります。最初から、光専用帯番号として発番している場合は、番号ポータビリティを利用することができません。光回線の固定電話を利用している場合は、現在契約している業者かNTTに問い合わせることをおすすめします。
また、IP電話で取得した番号は、番号ポータビリティ(LNP)を利用することはできません。
ゲートウェイを使用して引き継ぐ方法
番号ポータビリティ以外に電話番号を引き継ぐ方法として挙げられるのが、ゲートウェイを利用する方法です。ゲートウェイとは、異なるネットワーク同士をつなぐ、橋渡しをする機器を指します。たとえば、アナログ電話網とIP電話網をつないで使用する場合は、「VoIPゲートウェイ」を利用します。
ゲートウェイを利用した場合、アナログ回線を残したまま利用可能です。そのため、「クラウドPBXを利用したいが、アナログ回線も残しておきたい」という場合におすすめです。ただし、ゲートウェイ機器を設置する費用が別途必要になります。また、クラウドPBXとアナログ回線の費用をそれぞれ支払う必要もあるので注意しましょう。
電話番号を引き継ぎたいなら「ナイセンクラウド」がおすすめ
ナイセンクラウドは、スマホ、パソコン、従来の電話機など、さまざまな種類の端末をビジネスフォン化できるクラウドPBXです。サービスを利用している端末間の通話は内線扱いになり、外出先でも海外からでも利用料は無料になるので、社内コミュニケーションのコストカットにつながります。また自動録音や音声ガイダンス、電話会議など豊富な機能が搭載されているのが特徴です。
さらに、ナイセンクラウドでは、以下の範囲で既存の電話番号を引き継ぐことが可能です。
・NTT発番の電話番号
NTT東日本・西日本の契約がある場合は、同じ電話番号で利用可能です。(全国対応:北海道011~沖縄098)
・楽天コミュニケーションズ社発番の電話番号
FUSIONIP-phoneのご契約がある場合は、同じ電話番号が利用できます。(03/06/050 /0120/0800)
・0120/0800のフリーダイヤル番号
0120/0800のフリーダイヤル番号を持っている方は、FUSION社に番号ポータビリティをすることで同じ電話番号で利用できます。
・その他
KDDI社、SoftBank社、その他事業社発番の電話番号でも、そのままの電話番号で利用できる場合があります。利用できるか分からない場合は、問い合わせてみましょう。
楽天コミュニケーションズ社のFUSION IP-Phone(03/06/050/0120/0800)との併用ができるので、着信はNTT番号、発信はフュージョンという利用も可能です。
ナイセンクラウドの詳しい機能については次の動画やサービスサイトをご覧ください。
▼1分でわかるナイセンクラウド
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クラウドPBXの電話番号の仕組みを知ろう
クラウドPBXで新しく電話番号を取得する際には、ベンダーが行ってくれるので、特別な手続きは必要ありません。しかし、既存の電話番号を引き継ぎたい場合は、その電話番号が引き継げる番号であるかどうか確認する必要があります。
引き継ぎ方法には、番号ポータビリティ(LNP)とゲートウェイを利用する方法があるので、自社に合った方法を選びましょう。引き継げる番号かどうか分からない場合は、現在の通信事業者やクラウドPBXベンダーへ問い合わせをすることをおすすめします。