クラウドPBXはAndroidでも使える?スマホアプリでの使い方
従来の企業向け電話システムでは考えられなかったような柔軟かつ利便性の高い運用が可能な、まさに画期的な電話運用として近年注目を集める「クラウドPBX」。従来型のビジネスフォンの仕組みを踏襲しつつ、ビジネスフォンでは不可能だった「場所に関係なくどこからでも使える運用」を可能とし、Androidをはじめとしたスマートフォン等、どこへでも持ち歩けるデバイスにも対応しています。
今回は、コロナ後の新時代を見据えた効率的なシステムとしても話題の「クラウドPBX」を「Androidスマホで活用する」を主要テーマとし、Android端末でクラウドPBXを利用するまでの流れや、Androidで使えるメリットについて解説していきます。
クラウドPBXとは
「クラウドPBX」とは、文字通り「クラウド環境上にあるPBX」を意味する言葉です。
クラウドPBXは、「複数の電話機で通話回線を共有する」ことを根幹の目的として設置されており、その目的を実現するためのシステムの頭脳として主装置(PBX)が用いられます。主装置によって電話回線と電話機が一元管理されるという仕組みを作ることで、会社で一般的に行われている「電話の取次ぎ」や「内線通話」などの電話業務が滞りなく行えるのです。
そのため、「会社内にいなくても、手持ちのスマートフォンを通して会社の電話を使うことができる」「場所を問わずにどこからでも使える」のがクラウドPBXなのです。
クラウドPBXはスマートフォンからも使用可能
クラウドPBXには「多様な端末に対応している」という、従来型のビジネスフォンにはない特徴があります。ビジネスフォンの場合では主装置に対応した純正の固定電話機にしか使えませんでしたが、クラウドPBXでは電話機の範疇を超えた様々な端末で通話が可能です。
クラウドPBXに対応している端末は、先ほども触れたようにAndroidやiPhoneなどのスマートフォンをはじめ、Huawei MediaPadやSurfaceなどSIMカードのささらないタブレット端末にも対応しています。それだけでなく、デスクトップパソコンやノートパソコン、「SIPフォン」などの据え置き型IP電話機にも対応しており、非常に幅広い端末が使えます。
専用アプリを用いて行う
電話機の枠を超えた多彩な端末で通話が利用できるのは、クラウドPBXは電話回線ではなくインターネット回線を利用した通話技術(VoIP)を採用しているからです。また、多くのクラウドPBXでは、「ソフトフォン」と呼ばれる専用アプリをスマートフォンやパソコンにインストールすることで、本来VoIPによる通話機能を有していない端末でもVoIPによる通話が可能になります。
なお、多くのクラウドPBXサービスでは、AppStoreやGooglePlayストアなどで公式に配信されているスマホアプリ(ソフトフォンアプリ)からでも利用できますが、中には専用アプリを独自に設けているベンダーもあります。
Android端末で利用するまでの流れ
クラウドPBXはスマホアプリでの利用も可能で、Androidをはじめとしたスマートフォンによる運用をメインとすることで、「場所を問わずにどこからでも使える」クラウドPBXのメリットを最大限に生かすことができます。
ここからは、Android端末でクラウドPBXを利用するまでの流れを簡単に解説していきます。
事前準備
クラウドPBXは、小難しい専門用語が沢山出てきそうな高度な設定作業や環境構築を事前準備としてやらなければならないようなイメージで躊躇してしまうかもしれませんが、そのような難しい作業は一切ありません。専門的な設備を社内に設置する必要もなく、事前に手元に用意するのは、Androidスマホのような通話用デバイスだけです。
もし社用スマホや社用PCが転用できればそういったデバイスすらも新たに買わなくていいので、事前準備として必ずやるべきは、「契約するベンダーを選び、契約する」ことだけといっても過言ではありません。
まずはクラウドPBXのサービスを提供している多くのベンダーの中から、契約するベンダーを選びましょう。とはいえ、ある意味ではこのベンダー選びが一番大変かもしれません。クラウドPBXは、ベンダーによってサービス品質や提供する機能、通信の安定性などが大きく異なるものだからです。
単に料金の安さだけでベンダーを選ぶと失敗する可能性が高まります。自社の使いたい機能をまずはしっかりと明確にしたうえで、口コミなども参考にしつつ、予算とも照らし合わせながら、慎重に比較検討しましょう。
契約するベンダーが決まったら、早速申し込みを行います。携帯電話のキャリアと同じく、必要な書類を添えて契約手続きを完了させればOK。契約さえ完了させてしまえば、回線開通やクラウドサーバー・主装置側の設定作業はベンダー側ですべて行ってくれます。あとは開通手続き完了のお知らせを待ちましょう。
アプリをダウンロードする
クラウドPBXのベンダーから開通手続き完了のお知らせが届いたら、通話に使用するアプリを、Androidスマートフォンにダウンロードします。何のアプリをインストールするかは、ベンダー側から指示書が送られているはずなので、指示通りのアプリをインストールしましょう。
これはシステム管理者が一括して行ってもいいですが、実際に使うのは社員なので、できれば実際に使う社員自身でアプリインストール作業をやってみてください。もしGooglePlayストアからインストールできるアプリであれば、プライベートでゲームアプリをインストールするのと同じ手順で行えますのでとても簡単です。もしストア以外のアプリであっても、ベンダー側からダウンロードリンクが送られてくるはずですので、そこからダウンロード&インストールするだけ。なお、指示書に記載はあると思いますが、事前にAndroidの「設定」から「提供元不明のアプリのインストールを許可」をオンにする必要がある場合もありますのでそこだけは気をつけてください。これはセキュリティにかかわる重大な設定項目ですので、インストールが終わったら速やかにオフにしましょう。
初期設定を行う
おそらくベンダー選びの次に面倒に感じるのが、アプリインストール後からのアプリ側の初期設定でしょう。とはいえこれも、アプリを起動し、マイク等の権限を許可した後、通信設定を行うだけでよく、通信設定も指示書通りに文字列を入力するか、アカウント登録をするかくらいですので、そこまで大変な作業ではありませんのでご安心を。
権限の許可は自動でポップアップが出ますが、端末によっては手順書通りに出てこない場合もあります。そうした時はスマホに詳しいシステム管理者等に聞きながら設定をいじったほうがいいかもしれません。
Android端末で使えることによるメリット
「場所に関係なくどこからでも使える運用」であるクラウドPBXは、Android端末などスマホで運用してこそ、その真価を発揮します。どこからでも使えるシステムと、どこへでも持ち運び可能なデバイスは最も相性がいいからです。
ここからは、Android端末でクラウドPBXが使えることによるメリットを具体的に解説していきます。
スマートフォンでも会社番号が使える
クラウドPBXは、クラウド上に主装置を置くため、場所に関係なくどこでも使えます。そして、クラウドPBXはスマートフォンでも運用できます。つまり、「スマートフォンでも会社の電話が使える」ということであり、「会社外でも会社の電話が使える」ということでもあるので、会社の電話は会社でしか使えなかった、これまでのビジネスフォンの常識を大きくひっくり返す画期的なサービスです。
スマートフォンで会社の電話が使えることによって、営業先を回った後に先方に会社の電話を使って折り返したいとき、これまでのようにわざわざいったん帰社する必要がなくなり、出先でも会社の電話を使って別の顧客へ必要な連絡を行ったり、商談後に会社での検討結果を迅速に先方に伝えたりすることができるようになります。
通話コストを削減できる
クラウドPBXを導入すれば、Android端末をはじめとするスマートフォンでも、内線通話が使えます。そして、必ずしも会社にいる社員だけでなく、得意先に出払っている社員・出張中の社員などにも内線を使って連絡ができます。
そのため、例えば会社内から外出中の社員への連絡をする際にも外線を使わずに済み、通話コストを節約できます。また、外出中の社員への着信が内勤者にかかってきたとしても、外出中の社員のスマホへ直接電話の取次ぎ(内線転送)ができるので、転送通話料がかかりません。
また、場所に縛られないクラウドPBXであれば、例えば地方など離れた場所にある別拠点や、設定可能なベンダーであれば海外拠点とも内線ネットワークを構築できます。このように、クラウドPBXでは内線の活用範囲を飛躍的に広げることで、通話コストを大きく下げられます。
なお、固定電話回線ではなくインターネット回線を使うクラウドPBXでは、外線使用時の通話料金も安く済みます。距離が離れるほど通話料金が高くなる固定電話と違って全国一律での料金になりますし、時間ごとの通話料金も固定電話での通話の5分の1ほどになります。
配線工事が不要
クラウドPBXは、非常に身軽な環境のまま導入が可能という点も魅力的です。
先述の通り、クラウドPBXではビジネスフォンのように備え付けの大規模な物理的設備を設置する必要がなく、そうした設備の保守管理も不要です。そもそも物理的な設備の設置が必要ないため、配線工事も不要となります。
このように、クラウドPBX導入の際には面倒な工事も高価な機器も必要なく、最低限社員の人数分のスマホさえあれば導入できます。
公私の切り分けがしやすい
クラウドPBXでは、利用端末が幅広く、特に厳しい制限もないため、BYOD(社員のプライベート用のスマホを仕事用に転用させること)でも導入できます。しかし、そうした私用スマホでクラウドPBXを使うと、公私の切り分けができないのではと不安になる方も多いかもしれません。
しかし、基本的には仕事用の通話はクラウドPBX専用のアプリを使って行い、通常の電話とは全く違う通信規格での通話となります。一方で、私用の通話は通常通り電話回線を使って通話すればいいので、切り分けはアプリの使い分けで十分に明確になります。
海外でも利用できる
海外対応のクラウドPBXであれば、海外でもクラウドPBXが利用できます。クラウド上の主装置にはインターネット回線を介して海外からでもアクセスできるからです。なお、クラウドPBXでは海外拠点とも内線を構築できますので、内線通話を海外から行うことも可能です。また、国内の顧客や取引先相手の外線についても海外から利用でき、国内の電話番号で発信すれば国内通話扱いになり、国際電話を使わずとも外線通話が可能です。
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Android端末でクラウドPBXを使いこなそう
以上、Android端末でのクラウドPBXの活用について、基本的な仕組みから立ち返りつつ、Android端末で利用するまでの流れやAndroid端末で利用することによるメリットなどを網羅的に解説しました。
本記事を読んでいただいた皆さんは、クラウドPBXは意外に簡単に導入でき、メリットもたくさんあるということを十分ご理解いただけたはずです。場所を問わずにどこからでも使える運用は、場所を問わずにどこへでも持ち運べるAndroidスマホで運用するのが一番です。
もしクラウドPBXに興味を持っていただけましたら、ぜひ他の記事も読んでいただいて情報を集めていただきつつ、本格的にクラウドPBXの導入を検討してみてくださいね。