病院・クリニックでクラウドPBXを活用するメリットとは?
近年、医療現場における業務効率化や患者満足度向上が求められています。そんな中、注目を集めているのが「クラウドPBX」です。従来の電話システムとは異なり、インターネット環境さえあれば導入できるクラウドPBXは、病院・クリニックにとってさまざまなメリットをもたらします。
本記事では、クラウドPBXが病院・クリニックにもたらす具体的なメリットについて紹介します。
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは、従来の企業内電話交換機能をクラウド上で提供するシステムです。従来のPBXシステムは物理的なハードウェアを必要とし、企業のオフィス内に設置されることが一般的でした。しかし、クラウドPBXはインターネット経由で提供されるため、物理的な設置が不要で、企業のさまざまなニーズに柔軟に対応できます。
・インターネットベースで使用できる
クラウドPBXはインターネットを介してサービスが提供されるため、オフィスの物理的な場所に依存しません。
・ソフトウェアで管理・運用
ハードウェアPBXとは異なり、ソフトウェアで管理・運用されるため、メンテナンスが容易です。
・簡単に拡張・縮小が可能
企業の成長に応じて、簡単に拡張・縮小が可能です。
・多機能性
通話転送、音声メール、通話録音、自動応答(IVR)など、従来のPBXと同様の機能が提供されます。
病院やクリニックでクラウドPBXを導入するメリットとは
病院やクリニックでクラウドPBXを導入する主なメリットには、以下が挙げられます。
どこにいてもスマホから代表電話で通話できる
病院やクリニックにクラウドPBXを導入することで、医師やスタッフはどこにいてもスマホを使って代表電話番号で通話できます。これにより、外出中でも患者や関係者からの重要な連絡を逃すことなく対応可能です。例えば、医師が学会や自宅にいる際でも、診療所の代表番号で直接連絡を取ることができ、業務の継続性を確保できます。さらに、代表番号で通話することで、患者や関係者は一貫した連絡先を利用できるため、信頼性が高まるでしょう。
無料で内線通話できる
クラウドPBXを導入することで、院内のスタッフ同士が無料で内線通話を行えます。これにより、コスト削減だけでなく、コミュニケーションの効率化が図れるでしょう。例えば、ナースステーションから診察室への連絡や、事務スタッフとのやり取りがスムーズに行えるため、業務の迅速化と効率化につながります。内線通話の利用は特に緊急時に有効で、迅速な対応が求められる医療現場において大きなメリットとなるでしょう。
工事不要で手軽に導入できる
クラウドPBXはインターネットベースのサービスであるため、従来のPBXシステムのような大規模な工事が不要です。これにより、導入のハードルが大幅に低くなります。例えば、新規クリニックの開業や既存施設のシステム更新時にも迅速に導入が可能です。配線工事や専用ハードウェアの設置が不要なため、コストと時間の両方を節約できます。また、クラウドPBXは設定や管理も容易であり、IT専門知識がなくても簡単に運用が開始できるのも利点です。
さまざまなシステムを1台で利用できる
クラウドPBXは、スマホでの利用が可能なため、ナースコールシステムや電子カルテなどの他のクラウドベースの医療システムとも連携が容易です。これにより、従来PHSが使われていた環境からスマホ1台で多くの機能を管理できるようになります。例えば、医師や看護師はスマホを使って患者の呼び出しやカルテの確認を行いながら、同時に電話の応対も可能です。これにより、デバイスの数を減らし、院内の管理をシンプルにします。
従来はPHSが主流でしたが、その場合他のシステムと連携することができませんでした。そのため、患者の状況を把握する際には、院内の他の端末からシステムにログインする必要があったのです。クラウドPBXなら、手元のスマホやタブレットから電子カルテを見たり、診察結果を記録したりすることも可能になります。
時間外の着信にも柔軟に対応できる
クラウドPBXは、自動音声応答システム(IVR)を活用して、診療時間外の着信にも柔軟に対応できます。時間外に着信があった場合、自動音声で対応したり、特定の電話番号からの着信を担当者に転送するなど、さまざまな設定が可能です。例えば、緊急時には担当医師の携帯電話に転送し、通常の問い合わせには自動応答メッセージを流すことで、患者に対する迅速かつ適切な対応が可能となります。院外から折り返す際も代表電話を利用できるため、患者は安心して連絡を取ることができるでしょう。
契約台数を柔軟に変更できる
クラウドPBXは、契約する電話台数を柔軟に変更できるため、病院やクリニックの規模やニーズに合わせて最適なプランを選択できます。例えば、スタッフの増減に応じて契約台数を簡単に調整できるため、過剰なコストを避けられるでしょう。また、急な増員が必要な場合でも迅速に対応でき、システム全体の柔軟性が高まります。これにより、常に最適な通信環境を維持しつつ、コスト効率を最大限に引き出すことが可能となります。
電話の内容を録音できる
クラウドPBXは、通話内容を録音する機能も提供しており、これにより電話での指示や患者の問い合わせ内容を記録できます。録音機能は医療の質を向上させる重要なツールであり、特に医療事故の防止やトラブル時の証拠として役立つでしょう。例えば、患者からの問い合わせ内容や診療に関する指示を後で確認できるため、正確な対応が可能になります。また、スタッフの電話応対の品質向上にもつながり、全体的なサービスレベルの向上が期待できます。
病院でよく利用されていた「構内PHS」とクラウドPBXを比較
病院でよく利用されていた「構内PHS」と「クラウドPBX」を比較すると、以下のような違いや利点が挙げられます。
導入コストとメンテナンス
・構内PHS
初期コスト:専用のPHS基地局や端末を設置するため、初期投資が高額。
メンテナンス:基地局や端末のメンテナンスが必要で、故障時の対応も発生する。
運用コスト:ハードウェアの更新や修理に伴うコストが継続的にかかる。
・クラウドPBX
初期コスト:インターネット環境があればすぐに導入可能で、物理的な機器設置が不要。初期投資が少ない。
メンテナンス:クラウド上での管理が主であり、プロバイダーがメンテナンスを行うため、ユーザ側の負担が少ない。
運用コスト:サブスクリプション型で必要な機能だけを利用するため、コスト管理がしやすい。
利便性と柔軟性
・構内PHS
移動の自由度:構内のみでの利用が前提。エリア外に出ると通話ができない。
デバイス:PHS端末が必要で、スマートフォンなどの他のデバイスとの統合は困難。
柔軟性:構内での通信範囲や端末数に制限がある。拡張が必要な場合、物理的な設備追加が必要。
・クラウドPBX
移動の自由度:インターネット接続があればどこでも利用可能。リモートワークや外出先でも通話ができる。
デバイス:スマートフォン、PC、タブレットなど多様なデバイスで利用可能。既存のデバイスを活用できる。
柔軟性:ユーザ数や機能の増減が容易。短期間での拡張や縮小が可能。
機能と拡張性
・構内PHS
基本機能:音声通話や簡単なメッセージ機能が中心。高度な機能追加には限界がある。
拡張性:新しい機能の追加やシステムのアップデートが難しい。ハードウェアの制約が大きい。
・クラウドPBX
基本機能:通話転送、音声メール、通話録音、自動応答(IVR)など多機能。
拡張性:新機能の追加やシステムアップデートが迅速に行える。外部システム(ナースコール、電子カルテ)との連携も容易。
サポートと可用性
・構内PHS
可用性:構内の基地局の範囲内で高い可用性が期待できる。ただし、範囲外では通話不能。
サポート:メーカーや業者によるサポートが必要。緊急時の対応が遅れる可能性もある。
・クラウドPBX
可用性:インターネット接続が安定していれば高い可用性を持つ。災害時や障害時の冗長性も高い。
サポート:クラウドサービスのプロバイダーが24/7のサポートを提供することが多い。迅速な対応が期待できる。
クラウドPBXは、低コストでの導入や高い柔軟性、豊富な機能を持つため、特に現代の医療現場において有効です。リモートワークの普及やシステムの迅速な拡張が求められる中、クラウドPBXは構内PHSよりも多くの利点を提供します。従来の構内PHSは、構内限定の利用やハードウェアの制約があるため、現代の医療ニーズに対してはやや対応が難しいといえます。
病院で使うクラウドPBXはどう選ぶ?
ここでは、病院で使うクラウドPBXを選ぶ際のポイントを紹介します。
既存の電話番号を引き継げるか
病院でのクラウドPBX導入において、既存の電話番号を引き継げることは重要です。患者や関係者が既に覚えている番号を変更することは混乱を招くため、番号の引き継ぎが可能かどうかを確認する必要があります。クラウドPBXプロバイダーに問い合わせ、既存の電話番号をスムーズに移行できるかどうかを確認しましょう。移行の際の手続きや費用についても事前に明確にしておくことが大切です。
導入料金・月額料金
クラウドPBXの導入にかかる初期費用や月額料金も選定の重要なポイントです。導入料金には初期設定費用や機器費用が含まれる場合があり、月額料金には基本使用料や追加機能の利用料が含まれることがあります。病院の規模や必要な機能に応じて最適なプランを選択するため、複数のプロバイダーの料金プランを比較検討することが推奨されるでしょう。また、長期契約による割引や、導入後のサポート費用も考慮する必要があります。
業務に必要な機能が使えるか
病院の業務に必要な機能が提供されているかどうかも重要です。例えば、次のような機能が必要とされることが多いです。
- 内線通話:スタッフ間の連絡を迅速に行うための内線通話機能。
- 通話録音:通話内容を記録し、後で確認できる機能。
- 自動応答(IVR):診療時間外や多忙時に自動応答メッセージを設定できる機能。
- 通話転送:必要に応じて通話を他のスタッフや部署に転送する機能。
- 外部システムとの連携:電子カルテやナースコールシステムとの連携が可能なこと。
具体的な機能要件をリストアップし、各プロバイダーがこれらの要件を満たしているかを確認しましょう。また、将来的な拡張性やカスタマイズの可能性も考慮すると良いでしょう。
クラウドPBXなら「ナイセンクラウド」
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ナイセンクラウドの特徴
・既存の電話番号をそのまま利用可能
既存の電話番号をそのままクラウドPBXに移行できるため、顧客や患者に対する影響を最小限に抑えられます。
・多機能な通話管理
通話転送、音声メール、自動応答(IVR)などの高度な通話管理機能を提供します。
・柔軟なデバイス対応:
スマートフォン、PC、タブレットなど、さまざまなデバイスで利用可能です。専用アプリをインストールするだけで、どこからでも業務に対応できます。
・コスト効率
初期導入費用が低く、月額料金も明確でコスト管理がしやすいです。また、ハードウェアの設置やメンテナンスが不要なため、運用コストが大幅に削減されるでしょう。
ナイセンクラウドは、日本マーケティングリサーチ機構調べにおいて「テレワークに役立つサービス」「信頼と実績のクラウドPBX」「経営者が選ぶ電話サービス」において1位に選ばれています。詳しい機能については次の動画やサービスサイトをご覧ください。
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まとめ
病院でクラウドPBXを選ぶ際は、既存の電話番号を引き継げるかどうか、導入料金や月額料金、そして業務に必要な機能が使えるかを重視して選定することが重要です。これらのポイントを総合的に評価し、最適なクラウドPBXプロバイダーを選ぶのがおすすめです。