Bluetoothとwi-fiの違いは?使用用途や特徴についてご紹介します

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Bluetoothとwi-fiはどちらも無線の規格ですが、使用される場面が異なります。どのような仕組みなのか疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。Bluetoothとwi-fiは使用用途が異なり、それぞれ特徴があります。本記事では、Bluetoothとwi-fiの概要や違い、それぞれの使用用途についてご紹介します。

Bluetoothとwi-fiとは

ここでは、Bluetoothと wi-fiの概要について解説します。

Bluetooth とは

Bluetoothは「ブルートゥース」と呼びます。Wi-Fiと同じく無線LANの規格の一つです。Bluetoothという名前はスウェーデンのエリクソン社の技術者がつけたもので、「無線通信規格を統合したい」という思いから生まれたとされています。Bluetoothの主な規格名は「IEEE 802.15.1」です。Wi-Fiと異なり、Bluetoothは複数の企業がプロモーションに関わっているのが特徴です。日本で一般的に使われるようになったのは2000年代前半であるとされています。導入以降、さまざまなバージョンアップを経ています。

無線でデータの送受信ができるため、ケーブルが不要です。基本的に一つの端末と接続するための方法です。スマホとイヤホン、パソコンとマウスやキーボードなど、さまざまな製品がBluetoothで接続可能になっています。

Wi-Fi とは

Wi-Fiは無線LANの規格の一つで「Wireless Fidelity」の略称です。無線LANは電波でネットに接続できるので、ケーブルなどが不要。そのためケーブルなどが届かなかった場所でもネットに接続できるようになります。Bluetoothと違い、複数の端末を相互接続することが可能です。

Wi-Fiは回線の速度に依存します。回線の速度は1秒間に送れるデータ量のことで、送れるデータ量が多いほど、速度が速いということになります。速度が速ければ、大容量のデータを送受信している時でもカクつきがありません。反対にデータ量が少なければ速度が遅くなります。

Bluetoothとwi-fiの違い

ここではBluetoothとWi-Fiの違いについてご紹介します。

通信距離

BluetoothとWi-Fiでは通信距離が異なります。基本的にWi-Fiの方が通信距離が長く、ある程度(建物の1階と2階など)離れていても通信が可能です。屋内では最大約100mですが、屋外では約500mとされています。Bluetoothは、Classによって通信距離がそれぞれ異なるといわれています。Class1は最大100m、Class2は最大10m、Class3は最大1mと大きく差があります。一般的に利用されているBluetoothはClass2に該当するため、Wi-Fiの方が。通信距離が長いといえます。

Bluetooth機器を通信距離で選ぶ際に注意したいのが、Class1だからといって最大100mまで届くわけではないということです。通信距離が20m、50mの製品もClass1に分類されることがあります。つまり、「Class2以上かつ100m以内」ならすべてClass1に分類されています。そのため、同じClassの製品でも通信距離にばらつきが出る可能性があります。もし通信距離を重視したいのであれば、最大出力をチェックする必要があります。

さらに使用する国や地域でも、出力可能な電波の強度が異なるとされています。日本では50mWが上限とされていますが、海外では異なる場合もあります。さらに受信側のアンテナによっても距離が異なる場合があるため、注意が必要です。

通信規格

Wi-FiとBluetoothでは通信規格や使用するシチュエーションには大きな違いがあります。

Wi-Fiの規格には、11g、11a、11acなどがあります。11gと11aは54Mbps、11acは6.9Gbpsという速度が出ます。Bluetoothの通信速度は最大で24Mbpsとされています。これは、Bluetoothの方が近距離で、1対1で通信するため、あまり速い速度が必要されないからだと考えられています。

利便性

通信距離と通信規格などを見ると、Wi-Fiの方が優れているように感じます。しかし、Wi-FiとBluetoothは用途がまったく異なります。そのため、どちらの方がより利便性が高いかについては一概に決めることはできません。

たとえば、社内ネットワークを無線で構築するのはWi-Fiが適しています。これはWi-Fiスーターを通じて複数の機器を繋げることができるためです。対してBluetoothは、近距離にある対応機器と接続する際に用います。たとえば、パソコンとBluetooth対応のマウスやキーボード、ヘッドセットなどを接続できます。パソコン周りの機器を無線化できるのが特徴です。

このように使用用途が違うため、利便性においてはどちらが優れているというわけではありません。

消費電力

消費電力はBluetoothの方が少ないとされています。消費電力が少ないほどバッテリーの減りも少なく、長時間利用することが可能です。そのため、長時間使用することを想定しているマウスやキーボード、ヘッドホンなどはBluetoothの方が一般的とされています。

通信周波数

BluetoothとWi-Fiは通信周波数帯も異なります。通信周波数帯が広いほど、多くの情報を送受信できます。Bluetoothの主な通信周波数帯は2.4GHz、Wi-Fiは2.4GHz、5GHzなどです。

Wi-Fiにある2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯にはそれぞれ特徴があります。2.4GHz帯は対応機器が多く、一度に多くの機器と接続することが可能です。また障害物に強いため、壁があっても途切れにくくなります。ただし対応機器が多く、混雑して速度が遅くなってしまう場合もあります。

5GHz帯は対応機器が少ないので、安定した通信ができるのが特徴です。ただし、通信速度も速いですが、場外物に弱いため壁越しだと接続しにくい場合もあります。そのため、Wi-Fi機器から離れた場所にいて、5GHz帯に繋がっている場合は、Wi-Fi速度が遅くなることがあるのです。

BluetoothとWi-Fiの通信周波数帯域は2.4GHzが重なっています。こうなるとお互いの電波が干渉して接続環境が悪化してしまう可能性があります。そのため、BluetoothとWi-Fiを同時に使うのであれば、Wi-Fiを2.4GHzから5GHzに切り替える方法もあります。

BluetoothとWi-Fiの主な使用用途

BluetoothとWi-Fiでは、使用用途が異なるため使い分けられています。ここでは、日常生活の中でどのように使い分けられているのかについてご紹介します。

Bluetooth

Bluetoothは、デバイス同士を近距離間で接続する際に用いられます。

・パソコンとマウス

・パソコンとキーボード

・スマホとイヤホン

・スマホとスピーカー など

消費電力が少ない製品にはBluetoothが多く用いられています。また店舗では、「ビーコン」と呼ばれる発信装置の利用も行われています。ビーコンを用いることで、店舗の情報をプッシュ通知で知らせたりすることが可能です。

また「Bluetooth 5.1」から方向探知機能が搭載されました。この機能は、Bluetooth機器から発信されるシグナルによって送信角度や受信確度を確認し、どこ方向にあるのか教えてくれる機能です。以前のBluetoothでも、機器が遠くにあるのか近くにあるのかは分かりましたが、Bluetooth5.1以降は機器がどの方向にあるのか㎝単位で割り出せるとされています。そのため、近くにある機器をすぐに見つけられるようになりました。

Wi-Fi

Wi-Fiは主にパソコンやスマホをインターネットに繋げる際に用いられます。スマホは4Gや5G回線でインターネットに接続できますが、Wi-Fiがあればデータ通信量を消費せずに接続できます。そのため、料金を気にすることなくインターネットを利用することができます。

また社内にローカルネットワークを構築する際にも用いられます。ローカルネットワークを構築すれば、同じネットワークに接続している機器でデータ共有ができるようになります。

テザリングにおすすめなのは?

テザリングとは使用端末をWi-Fiルーターのように利用し、他の端末にインターネットを接続させることを指します。テザリングにおすすめなのはどちらなのか、解説します。

Bluetoothテザリング

Bluetoothテザリングは、あまり通信速度が速い方法ではありません。Webページなどを表示するには問題ないとされていますが、動画などの大容量データの場合は通信速度が落ちます。大容量の通信を行いたい場合は、別の方法を使ってテザリングすることをおすすめします。ただし、Bluetoothテザリングはバッテリーの消費が少ないため、長時間使えるというメリットもあります。

Wi-Fiテザリング

Wi-Fiテザリングは比較的高速で通信できる方法です。Wi-Fiは多くの機種が対応しているため、接続しやすいのがメリットです。ただし、Wi-Fiテザリングは、バッテリーの消費量が大きいため、長時間の接続には不向きです。

BluetoothとWi-Fiの違いについて知ろう 

BluetoothとWi-Fiはどちらも無線の規格ですが、使用用途や特徴には大きな違いがあります。どちらも便利な技術であり、うまく使いこなせば社内のワイヤレス化をスムーズに進めることができます。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。