無線LANルーターの設定方法や接続方法を徹底解説します
近年、仕事をするにはインターネット回線が欠かせません。またインターネットを無線化することで、より効率よく仕事ができるようになります。インターネットの無線化に欠かせないのが無線LANルーターです。本記事では、無線LANルーターの概要や選び方、設定のために必要なものや設定方法、接続方法などをご紹介します。
無線LANルーターとは
よく耳にするWi-Fiとは、無線LANと同様にケーブルがいらない接続システムで、無線LANの認定規格の1つです。無線LANという枠組みの中にWi-Fiがあるイメージです。日本ではWi-Fiが一般的になったことから、無線LANもWi-Fiも同じものという認識が一般的です。
無線LANルーターを使うと何ができるのか
無線LANルーターはケーブルがないため、ケーブルの長さにとらわれることなく作業ができます。そのため、オフィスのレイアウトも変更しやすくなるでしょう。またノートパソコンであれば、デスクで資料を作り、会議室にそのままパソコンを持ち込んでプレゼンすることができます。スマホ、タブレット、パソコンなど、複数の機器をインターネットに接続できるため、作業効率アップが期待できます。
またスマホを利用している場合、通信速度制限を気にせずに使うことができます。スマホやタブレットの場合、ほとんどが通信し放題のプランを契約しているのではないでしょうか。その場合、通信量は気にする必要はありませんが、多くのキャリアでは一定の期間内に一定の通信量を超えた場合、通信制限がかかります。通信制限がかかると仕事にも支障が出てしまうでしょう。無線LANであれば、こうした通信速度制限などを気にせずに使うことが可能です。
無線LANルーターの選び方
無線LANルーターの選び方にはさまざまな方法があります。例えば、接続可能な台数で選ぶ方法です。無線LANルーターは、接続可能な台数に上限があります。1人で複数台接続するケースもあるため、接続可能台数をチェックしておくことが大切です。家庭用の無線LANルーターは2~10台ほどですが、会社用のルーターであれば100台程度の同時接続が可能です。
また速度によって選ぶ方法もあります。インターネットを快適に使えるWi-Fiの速度は使い方によって異なります。Webページを閲覧するなどの基本的な使い方の場合、20~30Mbpsで充分といわれています。しかし高画質で動画を見たかったり、オンラインゲームをしたりする場合は快適な通信速度が違います。
シーン別に快適に使用できる速度の目安は以下です。
シーン | 快適な速度の目安 |
メールやLINE | 128~1000kbps |
Webページの閲覧 | 1~10Mbps |
YouTube動画(720p)やSNS | 1~3Mbps |
YouTube動画(1080p)やスマホのオンラインゲーム | 5~20Mbps |
4K動画の再生やパソコンのオンラインゲーム | 20Mbps~30Mbps |
ビジネスでストレスなく使えるようにするためには、少なくとも5~20Mbps、可能であれば20Mbps~30Mbpsを用意しておく必要があるでしょう。
無線LANルーターを設定するために必要なもの
無線LANルーターを設定するためには、以下が必要です。
インターネット回線
まず必要なのがインターネット回線です。インターネット回線には、光回線やCATV回線、ADSL回線などの種類がありますが、現在は光回線が一般的です。インターネット回線を契約していない場合は、契約・開通させる必要があります。
ONUやモデム
ONU(オー・エヌ・ユー)とは、光回線終端装置です。ONUは「Optical Network Unit」の頭文字です。光回線とパソコンの間に設置し、光信号とデジタル信号間の交換をするために用いられます。光回線でインターネットに接続するには、光ファイバーからの光信号とパソコンで送受信するためのデジタル信号間での翻訳が必要です。ONUはその2つの信号を変換する役割を持った機器です。近年では、ADSLよりも光回線が主流になっているため、ONUを設置するのが一般的です。
ONUとモデムはどちらも見た目は四角い箱型をしていることが多いです。実際に、ONUとモデムは役割もとても似ています。ONUが光信号をデジタル信号に翻訳するものですが、モデムは電話回線などのアナログ信号をデジタル信号に翻訳します。
・ONU:光信号とデジタル信号を交換
・モデム:アナログ信号とデジタル信号を交換
モデムはADSL回線やケーブルテレビ回線(CATV)の際に用いられます。そのためONUは「光モデム」と呼ばれるケースもあります。
ただし、同じ光回線でも、集合住宅などの場合はVDSL方式が採用されている場合もあります。VDSL方式は、共用場所に設置されたONUから、各部屋に置かれた宅内装置をモジュラーケーブルでつなぐ方式です。
回線の種類によって、ONUかモデムのどちらかを用意しましょう。
無線LANルーター本体
無線LANルーターは家庭向けと法人向けで以下の点に違いがあります。
・ルーター機能の有無
・同時接続台数
・セキュリティ機能
家庭用製品は、基本的にルーター機能とアクセスポイントが一体化しています。しかし、企業向けのものはアクセスポイント単体のものが多いです。これは社内にルーターが導入されることが前提だからです。
また同時接続台数も異なります。企業向けのものは、同時接続台数が数10台から100台以上の製品があるため、人数によって選びましょう。
LANケーブル
無線LANルーターにつなげるためのLANケーブルです。LANケーブルにも企業向けのものがあります。家庭用のものよりも耐久性に優れているのが特徴です。また業種によっては屋外にLANケーブルを設置しなくてはいけないケースもあります。そんな時には、防水、防塵、耐腐食、塩害、耐高低温など、屋外環境に適しているLANケーブルを選びましょう。
パソコンやスマホなどのデバイス
無線LANルーターを設置後は、無線LANにつなぎたい機器から設定を行います。そのため、あらかじめパソコンやスマホなどのデバイスを用意しておきましょう。
プロバイダ情報
無線LANルーターを設定するには「ユーザー名」と「パスワード」が必要です。これらの情報は、プロバイダから送付されてきた書面に記載されています。
無線LANルーターの設定方法
ここでは一般的な無線LANルーターの設定方法についてご紹介します。
LANケーブルで接続
無線ルーターと回線終端装置をLANケーブルで接続します。
無線LANルーターを設定モードにする
無線LANルーターをコンセントに挿し、電源を入れます。そして、無線LANルーターを設定モードに切り替えます。ルーターには設定モードボタンが搭載されており、それを押すことで設定モードに移行します。
ただし、設定モードにする方法は機種によって異なる場合があります。そのため、取り扱い説明書で確認しておくことをおすすめします。
パソコンやスマホを無線LANルーターに接続する
パソコンやスマホなどのデバイスを無線LANルーターに接続します。デバイスを無線LANルーターに接続するためには、手動と自動の方法があります。
・手動で接続
パソコンやスマホなどのデバイスで「SSID」を選択し、「パスワード」を入力する方法です。SSIDとパスワードはルーターに同梱されている説明書や本体に貼られているシールなどで確認できます。
・自動で接続
WPSなどの自動接続機能を用いて接続する方法です。基本的にはWPSボタンなどを押せば接続可能です。WPSを使うためには、接続する端末もWPSに対応していなくてはいけません。
WPSはほとんどのルーターに搭載されている規格です。WPSを利用すれば、パスワードを入力することなくインターネットに接続できます。
無線LANルーターをインターネットに接続する
接続したデバイスを使い、無線LANルーターをインターネットに接続します。
接続したデバイスの設定画面から接続設定を行う
パソコンやスマホの無線LANルーター設定画面から接続設定を行います。パソコンやスマホでブラウザを立ち上げて、アドレスバーにIPアドレスを入れます。IPアドレスは取り扱い説明書に記載されているので確認しましょう。
設定画面の指示に従い、プロバイダ情報を入力します。「接続完了」と出れば、インターネットに接続できるようになります。
無線LANルーターを設置する際の注意点
無線LANを快適に使うためには、電波干渉対策が必要です。企業で無線LANルーターを使う際に、大量のアクセスポイントを使うことも多いです。そのため、アクセスポイント同士の電波干渉を防がなくてはいけません。電波干渉を防ぐ方法は、周波数帯によって異なります。例えば2.4GHz帯を使う場合、隣のアクセスポイントと5チャネル以上離した方が良いとされています。
また1つのアクセスポイントで、何台接続できるかも確認しましょう。近年では、1人で複数のデバイスを利用することも珍しくないため、接続台数も確認しておきましょう。
無線LANルーターの役割と接続方法を理解しよう
無線LANルーターは、社内に無線LAN環境を構築するために欠かせない機器です。無線LANを導入することで、社内のどこからでもインターネットに接続できるようになります。その結果、業務効率化につながるでしょう。無線LAN環境を構築するには、無線LANルーターが欠かせませんので、自社に合った機器を選びましょう。