電話リレーサービスとは?使い方・かかってきた時の対応方法

2026年10月6日専門用語集

電話リレーサービスは、聴覚や発話に困難のある人と、電話を利用する相手との会話を、通訳オペレーターが仲介するサービスです。手話や文字で伝えられた内容を音声に変換し、相手が話した内容は手話または文字で伝えます。

本記事では、電話リレーサービスの仕組みや利用の流れ、料金を解説します。電話リレーサービスから着信した場合の対応方法も紹介するため、個人だけでなく、店舗や企業の電話担当者も参考にしてください。

 


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電話リレーサービスとは

電話リレーサービスとは、聴覚や発話に困難のある人と、それ以外の人を電話でつなぐサービスです。通訳オペレーターが間に入り、手話または文字と音声の間をリアルタイムで通訳します。 サービスの主な特徴は次のとおりです。

項目 内容
対象となる通話 聴覚や発話に困難のある人と、聞こえる人との通話
通訳方法 手話通訳または文字通訳
利用時間 24時間365日
利用できる端末 スマートフォン、タブレット、パソコンなど
利用者用の電話番号 050から始まる専用電話番号
緊急通報 110、119、118への発信に対応
運営主体 一般財団法人日本財団電話リレーサービス

 

従来、聴覚や発話に困難のある人が電話で連絡する際には、家族や知人に代わりに電話をしてもらう方法などが取られていました。しかし、第三者へ依頼する方法では、自分の都合に合わせて電話をかけにくいうえ、個人的な用件を周囲に知られる可能性もあります。

電話リレーサービスを利用すれば、通訳オペレーターを介しながら、自分の意思で電話をかけたり受けたりできます。店舗の予約、勤務先との連絡、行政機関への問い合わせなど、さまざまな場面で電話によるやり取りが可能です。なお、通訳オペレーターには法律に基づく秘密保持義務があります。通話内容を外部へ漏らさないよう、情報管理やセキュリティに関するルールも設けられています。

出典:電話リレーサービス

 

電話リレーサービスの仕組み

電話リレーサービスでは、聴覚や発話に困難のある利用者、通訳オペレーター、通話相手の3者が同時につながります。

基本的な仕組みは、次の表のとおりです。

会話の方向 通訳の流れ
利用者から通話相手へ 利用者が手話または文字で伝え、通訳オペレーターが音声で読み上げる
通話相手から利用者へ 通話相手の音声を、通訳オペレーターが手話または文字で伝える

 

例えば、利用者が文字で「予約時間を変更したい」と入力すると、通訳オペレーターがその内容を相手へ音声で伝えます。電話を受けた側が回答すると、通訳オペレーターが手話や文字で、利用者に伝える仕組みです。

手話通訳を選択している場合は、利用者と通訳オペレーターが映像でつながります。利用者の手話を通訳オペレーターが音声に変え、相手の音声は手話で利用者へ伝えます。通訳オペレーターは、利用者の代理人や相談員ではありません。基本的には、利用者と通話相手が話した内容を、そのまま相互に伝える役割を担います。質問への回答を代わりに考えたり、契約などの判断を行ったりする立場ではない点を理解しておきましょう。

また、利用者ごとに050から始まる電話リレーサービス用の電話番号が付与されます。この番号は通訳オペレーターの共通番号ではなく、登録利用者本人の専用番号です。聞こえる人から利用者へ電話をかける際も、この050番号を使用します。

 

電話リレーサービス利用の流れ

聴覚や発話に困難のある人が電話リレーサービスを利用するには、利用登録が必要です。

一方、電話を受ける側や、登録利用者へ電話をかける側は、アプリのインストールや利用登録を行う必要はありません。利用する人の立場によって、手順が異なります。

 

利用者の立場 主な準備
聴覚や発話に困難のある人 利用登録、本人確認、アプリの準備などが必要
電話を受ける人 登録や専用アプリは不要
登録利用者へ電話をかける人 050から始まる専用番号へ通常どおり発信する

 

聴覚や発話に困難のある人が電話をかける場合は、電話リレーサービスのアプリやWebサイトへログインし、手話通訳または文字通訳を選択します。その後、相手の電話番号を入力すると通訳オペレーターにつながり、オペレーターが相手を呼び出します。電話を受けた側には、通訳オペレーターから電話リレーサービスを介した通話である旨が伝えられます。案内が終わった後は、通常の電話と同じように会話を始めてください。

反対に、聞こえる人から登録利用者へ電話をかける場合は、相手の050番号へ通常どおり発信します。専用アプリや特別な電話機は必要ありません。接続後、通訳オペレーターを介して会話を進めます。

 

登録利用者への電話の流れは、次のとおりです。

1.相手から案内された050番号へ電話をかける
2.通訳オペレーターにつながる
3.登録利用者が応答するまで待つ
4.通訳オペレーターを介して会話する
5.用件が終わったら電話を切る

 

登録利用者からの着信に出られなかった場合は、着信履歴に残った050番号へ折り返せます。折り返す際も、一般的な電話と同様に番号を選択して発信すれば通訳オペレーターにつながります。ただし、通訳を介するため、相手がすぐに応答できるとは限りません。接続や通訳に時間がかかっても、すぐに電話を切らずに待ちましょう。

 

電話リレーサービスにかかる料金

電話リレーサービスに関連する料金には、主に「登録利用者が支払う利用料金」と「電話契約者が負担する電話リレーサービス料」があります。名前が似ていますが、異なる料金です。まず、聴覚や発話に困難のある登録利用者が電話をかける場合は、選択した料金プランに応じて通話料が発生します。

 

2026年7月時点で案内されている料金は次のとおりです。

料金項目 月額料なしプラン 月額料ありプラン
月額料 無料 178.2円
固定電話・特定IP電話への発信 16.5円/分 5.5円/分
携帯電話への発信 44円/分 33円/分
ナビダイヤルへの発信 33円/分 33円/分
緊急通報・フリーダイヤル 無料 無料

※料金は税込みです。

参照:電話リレーサービス「料金体系(通話料)」

https://www.nftrs.or.jp/

 

通話料は、原則として電話をかけた側が負担します。聞こえる人から登録利用者へ発信する場合は、発信者が契約している電話会社の料金プランに基づく通話料が発生します。

利用頻度が低い人は月額料なしプラン、頻繁に電話をかける人は月額料ありプランを選ぶと、負担を調整しやすいでしょう。ただし、通話先や利用時間によって料金が変わるため、実際の利用状況を確認したうえで選ぶ必要があります。

 

もうひとつが、携帯電話や固定電話などの契約者が負担する「電話リレーサービス料」です。電話リレーサービスの提供に必要な費用は、携帯電話や固定電話、IP電話などの電話番号を利用者へ割り当てている事業者が、番号数に応じて負担します。各電話会社は、その費用を「電話リレーサービス料」として利用者へ請求する場合があります。

2026年度の番号単価は、1電話番号当たり月額1円(税込1.1円)です。実際の請求額や請求方法は、契約している電話会社によって異なります。

 

料金の種類 負担する人 目的
電話リレーサービスの利用料金 主に登録利用者や電話をかけた人 実際の通話にかかる料金
電話リレーサービス料 携帯電話や固定電話などの契約者 公共インフラとしてサービスを維持するための費用

 

電話リレーサービスは、一部の利用者だけで運営費を負担するのではなく、電話を利用する多くの人が少額ずつ支える仕組みです。携帯電話などの利用明細に「電話リレーサービス料」と記載されている場合は、電話リレーサービス制度を維持するための料金と考えてください。なお、番号単価は年度ごとに算定されるため、今後変更される可能性があります。

 

電話リレーサービスからの電話を受ける際に知っておくべきことは?

電話リレーサービスから着信した場合は、通常の電話とは異なる点を理解したうえで対応しましょう。主な注意点を整理すると、次のとおりです。

注意点 対応方法
050番号から着信する 知らない番号でも、まずは応答して案内を聞く
最初にオペレーターが話す 電話リレーサービスを介した通話である旨の説明を聞く
通常より会話に時間がかかる 通訳が終わるまで待ってから話す
オペレーターが通訳する 利用者本人へ話しかけるように会話する
返答まで間が空く場合がある 急かしたり、無言と判断して切ったりしない
折り返しが必要になる 着信履歴の050番号へ通常どおり発信する

 

電話に出ると、まず通訳オペレーターから電話リレーサービスを介した着信である旨が伝えられます。説明の途中で迷惑電話と判断して切らず、案内を最後まで聞いてください。

会話が始まった後は、通訳オペレーターではなく、電話をかけてきた利用者本人と話しているという意識を持つのが大切です。「お名前を教えてください」「希望する日時をお伝えください」など、利用者へ向けて普段どおり話します。「利用者へ○○と伝えてください」とオペレーターに依頼する必要はありません。通訳オペレーターは話した内容を利用者へ伝えるため、利用者本人に対する言葉として話せば問題ありません。

一度に長く話すと、通訳に時間がかかったり、内容を正確に伝えにくくなったりする場合があります。短い文に区切り、通訳が終わったのを確認してから次の内容へ進むと、会話がスムーズです。

 

また、手話や文字による確認が入るため、質問してから返答が聞こえるまで間が空く場合もあります。無言になったと判断して電話を切らず、返答を待ちましょう。考える時間が必要な場合は、「確認しますので少しお待ちください」と伝えてから保留にします。

通訳オペレーターは、会話の内容を省略したり、本人に代わって回答したりする役割ではありません。店舗や企業側で本人確認が必要な場合も、通常の電話と同じ基準で、利用者本人へ氏名や生年月日などを確認します。通訳オペレーターに本人確認を求めるのではなく、自社の手順に沿って通話相手を確認してください。

折り返しが必要な場合は、着信履歴に表示された050番号へ発信します。この番号は登録利用者本人に割り当てられた電話リレーサービス用番号です。ただし、第三者が電話リレーサービス提供機関へ問い合わせても、利用者の番号を教えてもらうことはできません。必要に応じて、通話中に本人へ折り返し先を確認しておきましょう。

 

まとめ

電話リレーサービスは、聴覚や発話に困難のある人と聞こえる人との会話を、通訳オペレーターが手話または文字と音声に通訳してつなぐ公共サービスです。24時間365日利用でき、登録利用者には050から始まる専用電話番号が付与されます。電話リレーサービスから着信すると、最初に通訳オペレーターがサービスの説明を行います。見慣れない050番号だからといってすぐに切らず、案内を聞いてから会話を始めましょう。通話中はオペレーターではなく、電話をかけてきた利用者本人へ話しかけるように対応します。通訳を介する関係上、通常の電話よりも返答に時間がかかる場合があります。会話を短く区切り、通訳や相手の返答が終わるまで待つ姿勢が大切です。店舗や企業では、電話担当者へ対応方法を共有しておくと、電話リレーサービスから着信した際にも落ち着いて応対できます。