警察を騙る詐欺電話が増加中!具体的な手口と対策を解説

2025年12月19日お知らせ・その他

詐欺電話に引っかからないように、電話番号をよく見てから出るようにしている人は多いでしょう。それだけで、ある程度は詐欺の被害を防止できます。

しかし、ナンバーディスプレイに表示される電話番号は必ずしも正しいとは限りません、偽装された電話番号が表示されることもあります。最近では警察署の電話番号を表示させてかけてくる詐欺電話が増えており、以下のようにニュースにもなるほど深刻な状況です。

警察 代表番号と同番号からの不審電話 全国で確認 詐欺被害も|NHK

 

また、警視庁からもさまざまな呼びかけが行われています。

警察に偽装した電話番号に注意!|警視庁 特殊詐欺対策ページ

警察官をかたる詐欺|警視庁

 

本記事ではこれらのニュースや警視庁からの呼びかけの内容をもとにしつつ、警察を騙る詐欺電話の手口や対策方法について解説していきます。

 


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警察を騙る詐欺電話が増加中

さまざまな詐欺電話がありますが、最近増加中なのが警察を騙る詐欺電話です。他の詐欺電話に対してなら冷静に対処できる人でも、警察を騙られると焦ってしまう人もいるかもしれません。スプーフィングという仕組みを利用しているものが多く、本物の警察官だと思ってしまう人も多いです。では、どのような仕組みの詐欺電話なのか見ていきましょう。

 

警察の同じ番号からの詐欺電話が発生

最近増加している警察を騙る詐欺電話は、警察署と同じ電話番号からかかってくるのが特徴です。また、全国の警察署の代表番号は末尾が0110だということが広く知られています。そのため、スマホや固定電話のナンバーディスプレイに0110で終わる番号が表示されると、警察からだと分かる人は多いです。大半の人は何があったのか不安になって、出てみるでしょう。

そして、相手は警察官を騙ってデタラメな内容の説明を行い、金銭を支払うように要求してきます。発信元が警察署の電話番号だということで、疑うことなく要求に従ってしまう人も多いのが現状です。

 

スプーフィングとは

警察官を騙った詐欺電話で警察署の電話番号が表示されるのは、スプーフィングという仕組みが利用されています。スプーフィングとは、データの一部を改ざんして第三者になりすますことです。メールやIPアドレスなどさまざまな情報に関するスプーフィングがあり、電話番号のスプーフィングもあります。

電話番号のスプーフィングは、実際に発信に使用している電話の番号を表示させず、別の番号に偽装するものです。これまでも特殊詐欺などで、03番号に偽装するスプーフィングがありました。国内キャリアなど各社がスクーピングへの対策を施しているものの完全に防げないケースもあり、電話番号だけを見て安心せず、警戒する必要があります。

 

警察を騙る詐欺電話の手口・事例を紹介

警察を騙る詐欺電話の事例を2件紹介していきます。

参考:警察 代表番号と同番号からの不審電話 全国で確認 詐欺被害も|NHK

 

愛知県警察本部を騙る詐欺電話

1件目は、愛知県警察本部の警察官を騙る人物からかかってきた詐欺電話の事例です。資金洗浄事件の容疑者になっていることを理由に、口座の資金を全て確認すると伝えられました。そして、警察官を騙る人物の指示に従い250万円を指定口座に振り込んでしまったというものです。電話の後にSNSのビデオ通話を利用して、偽物の警察手帳の提示も行われていました。被害者は、お金を振り込んでしまった後に愛知県警察本部に自分で電話をかけて確認し、詐欺だったことに気づいたとのことです。

このような事例の対策方法としては、振り込みをする前の時点で、自分から警察に電話をかけて確認するようにしましょう。

 

新宿警察署を騙る詐欺電話

2件目は、新宿警察署の警察官を騙る人物から愛知県の女性にかかってきた詐欺電話の事例です。自分の口座が詐欺に利用され、奈良県警からの捜査要請があることを伝える内容でした。

奈良県まで来ることを求められましたが、この女性は怪しいと思って電話の録音を試みたら、相手は切ったとのことです。被害も受けずに済みました。

 

ビデオ通話を利用した詐欺

詐欺グループは、被害者に警察官であると信じ込ませるため、ビデオ通話機能を悪用するケースがあります。これは、音声だけの電話よりも視覚的な情報が加わるため、被害者が騙されやすいという心理を突いた手口です。

 

手口の具体的な流れ

まず、警察官を名乗る人物から電話がかかってきます。「あなたの口座が犯罪に利用されている」「個人情報が流出している」といった、不安を煽る内容を告げられます。電話口で一定の信頼関係を築いた、あるいは被害者を混乱させた後、「証拠を見せる」「本人確認を行う」といった名目で、LINEやその他のメッセージアプリのビデオ通話機能に誘導します。

ビデオ通話に応じると、画面には警察官の制服を着た人物や、警察署内を模した背景(偽造されたポスターや看板が映り込む場合もあります)が映し出されます。中には、偽造した警察手帳や身分証を画面越しに見せてくるケースも確認されています。詐欺師は、この視覚的な「証拠」を利用して、被害者をさらに信用させます。「今、あなたの捜査会議をしている」「こちらが証拠の品だ」などと、もっともらしい嘘を並べ立てます。制服や警察手帳といった「権威の象徴」を目の当たりにすると、被害者は動揺し、冷静な判断が難しくなります。

最終的には、口座の暗証番号を聞き出そうとしたり、捜査協力と称してキャッシュカードを預かると言い出したり、あるいは「口座を凍結から守る」という名目で指定の口座(詐欺グループの口座)へ現金を振り込ませようとします。

 

警察庁からの注意喚起

警察庁は、こうしたビデオ通話を利用した手口について強く警告しています。警察官が、捜査の過程で突然一般市民にビデオ通話を要求するような事態は通常ありません。また、ビデオ通話越しに警察手帳を見せられたとしても、それが本物である保証はどこにもありません。精巧に偽造されたものである可能性が非常に高いです。画面の向こう側に制服姿の人物が映っていても、絶対に信用しないでください。相手がビデオ通話を要求してきた時点で、それは詐欺であると強く疑う必要があります。

参考:警察庁 特殊詐欺対策ページ「ビデオ通話を悪用した“偽警察官・検察官”の詐欺に注意!!」

 

ニセ警察による詐欺被害は増加傾向

警察官を名乗る者による詐欺(ニセ警察詐欺)は、社会的な信頼を悪用する極めて悪質な犯罪であり、警察庁も「SOS47(ストップ・オレオレ詐欺47)」などのプロジェクトを通じて、国民に広く注意を呼びかけています。この種の詐欺が増加している背景には、いくつかの要因が考えられます。

 

権威への信頼の悪用

多くの人々は「警察」という組織や「警察官」という職業に対して、強い信頼感と、ある種の畏敬の念を抱いています。詐欺グループは、この「警察が言うのだから間違いない」という市民の心理を巧みに利用します。突然「警察だ」と名乗る電話がかかってくると、多くの人は驚き、動揺してしまいます。その結果、普段なら疑うような不自然な要求にも応じてしまいやすくなるのです。

 

不安を煽るシナリオの多様化

詐欺の口実も多様化しています。「あなたの銀行口座がマネーロンダリングに使われた」「暴力団関係者の逮捕リストにあなたの名前があった」「あなたのキャッシュカードが不正に複製されている」など、聞かされた側が強い不安や恐怖を感じるようなシナリオが用意されています。これにより、被害者に「今すぐ対処しなければ大変な事態になる」と思い込ませ、冷静に考える時間を与えません。

 

警察庁の統計や注意喚起情報を見ても、ニセ警察官による詐欺は、オレオレ詐欺や還付金詐欺と並んで、依然として深刻な社会問題であることが分かります。被害に遭わないためには、「警察が電話でこんな話をするはずがない」という知識を身につけ、常に警戒を怠らない姿勢が求められています。

参考:警察庁 特殊詐欺対策ページ「ニセ警察詐欺に注意!」

 

警察を騙る詐欺電話への対策方法

もし、警察を騙る詐欺電話がかかってきた場合にはどうすべきなのか、主な対策方法を見ていきましょう。

 

相手の情報を確認してから一旦切って折り返す

不審な点がある場合には、警察署の代表番号からかかってきた電話でも、スプーフィングによる偽装を疑ってみる必要があります。まず、相手の氏名や所属部署、役職などを尋ねてみましょう。本物の警察官ならためらいなく回答するはずです。なかなか回答しようとしなかったり、あいまいな言い方をしている場合には詐欺と判断して良いでしょう。

そして、相手の情報を確認したら一旦電話を切ってから折り返し警察署に電話をかけてみると、詐欺かどうかがはっきりします。

 

警察が電話ではしないことを把握しておく

警察庁や各都道府県警察が注意喚起している「見破るポイント」として、本物の警察官が電話で絶対にしないとされる対応があります。これらをしっかりと頭に入れておくことが、最強の防御策となります。

 

・本物の警察官は電話で金銭の話は絶対にしない

これが最も重要なポイントです。警察官が捜査や手続きに関連して、電話口で以下のような要求をすることは絶対にありません。

「口座を保全するために現金を預かる」

「捜査費用としてお金を振り込んでほしい」

「証拠品としてキャッシュカードや通帳を預かりに行く」

「口座が凍結されるので、安全な口座に資産を移してください」

いかなる名目であれ、警察官が電話で資産や金銭の移動を指示したり、キャッシュカードを要求したりした場合は、100%詐欺です。

 

・本物の警察官は電話口での個人情報の詳細な聴取はしない

警察官が事件の聞き込みなどで電話をかける場合はありますが、電話口でいきなり家族構成、資産状況、銀行の取引内容といった機微な個人情報を根掘り葉掘り聞く対応は通常ありません。特に「あなたの個人情報が漏れている」と不安を煽りながら、その「確認」と称してさらに詳細な情報を聞き出そうとする手口には注意が必要です。

 

・本物の警察官は自動音声ガイダンスや国際電話の使用はしない

警察署や警察官個人の電話から、自動音声ガイダンスで重要な連絡をすることもありません。「〇〇警察です。詳細は1番を押してください」といった電話は詐欺を疑ってください。また、日本の警察が捜査の連絡のために、海外の電話番号(着信表示が「+」で始まるものなど)を使って電話をかけてくる事態も、あり得ません。

 

お金の話が出たら特に注意

詐欺をする人の最終的な目的はお金を騙し盗ることです。詐欺電話ならどこかでお金の話が出てきます。例えば、資産状況を尋ねてきたり、口座のお金を移すために指定口座に振り込みを指示してきたりするケースが多いです。示談金や保釈金などの名目で金銭の支払いを指示してくるなどのパターンもあります。

警察を名乗る人物から電話がかかってきて、お金に関わる話をしてきたら、詐欺の可能性が非常に高いと捉えておきましょう。

通常、お金を支払わせる必要がある場合には、きちんと手続きを踏んで行われるため書面のやり取りがあるはずです。電話で振り込みを指示してその場ですぐに行わせるようなことはありません

 

家族や友人、最寄りの警察署へ相談する

警察を騙る詐欺電話がかかってくると、冷静に対応できない人も多いです。そのため、自分だけで解決しようとはせず、家族や友人に相談するようにしましょう。警察を騙る人物からの詐欺電話は、冷静に考えればおかしい点がいくつも見つかります。家族や友人に相談すれば、状況を冷静に判断して、詐欺だと判断できる根拠を指摘してくれることも多いです。

また、心配な場合には最寄りの警察署へ相談してみましょう。警察を騙る人物が言っている内容がデタラメだということを確認できます。

 

国際電話の着信拒否が有効な場合も

警察を騙る詐欺電話は、海外から発信されていることもあります。そのため、国際電話の着信拒否設定をしておきましょう。警察を騙る詐欺電話の全ては拒否できなくても、海外から発信されているものはブロックできます。

他の詐欺電話や迷惑電話なども、海外から発信されているケースは多いです。国際電話の着信拒否設定をすることで、そのような詐欺電話や迷惑電話もまとめてブロックできます。

また、「国際電話の利用休止」を申し込むことで、海外からの国際電話をブロックすることが可能です。日頃、国際電話を利用する機会がない場合は、こちらを申し込むとよいでしょう。

参考:外国からの電話の利用休止|警視庁 特殊詐欺対策ページ

 

まとめ

警察の代表番号を表示させてかかってくる詐欺電話は、スプーフィングという方法で番号を偽装しているものが多いです。警察を騙る人物が不安を煽るようなことを言って、金銭の支払いを要求してきます。警察の代表番号が表示されており焦って冷静な判断ができず、被害に遭ってしまう人も多いです。

もし、そのような詐欺電話がかかってきたら、一旦切って折り返し電話をかけるようにしましょう。友人や家族に相談して詐欺だと分かることもあります。何より冷静に落ち着いて判断することが大切です。