警察を騙る詐欺電話が増加中!具体的な手口と対策を解説

詐欺電話に引っかからないように、電話番号をよく見てから出るようにしている人は多いでしょう。それだけで、ある程度は詐欺の被害を防止できます。
しかし、ナンバーディスプレイに表示される電話番号は必ずしも正しいとは限りません、偽装された電話番号が表示されることもあります。最近では警察署の電話番号を表示させてかけてくる詐欺電話が増えており、以下のようにニュースにもなるほど深刻な状況です。
警察 代表番号と同番号からの不審電話 全国で確認 詐欺被害も|NHK
また、警視庁からもさまざまな呼びかけが行われています。
本記事ではこれらのニュースや警視庁からの呼びかけの内容をもとにしつつ、警察を騙る詐欺電話の手口や対策方法について解説していきます。
警察を騙る詐欺電話が増加中
さまざまな詐欺電話がありますが、最近増加中なのが警察を騙る詐欺電話です。他の詐欺電話に対してなら冷静に対処できる人でも、警察を騙られると焦ってしまう人もいるかもしれません。スプーフィングという仕組みを利用しているものが多く、本物の警察官だと思ってしまう人も多いです。では、どのような仕組みの詐欺電話なのか見ていきましょう。
警察の同じ番号からの詐欺電話が発生
最近増加している警察を騙る詐欺電話は、警察署と同じ電話番号からかかってくるのが特徴です。また、全国の警察署の代表番号は末尾が0110だということが広く知られています。そのため、スマホや固定電話のナンバーディスプレイに0110で終わる番号が表示されると、警察からだと分かる人は多いです。大半の人は何があったのか不安になって、出てみるでしょう。
そして、相手は警察官を騙ってデタラメな内容の説明を行い、金銭を支払うように要求してきます。発信元が警察署の電話番号だということで、疑うことなく要求に従ってしまう人も多いのが現状です。
スプーフィングとは
警察官を騙った詐欺電話で警察署の電話番号が表示されるのは、スプーフィングという仕組みが利用されています。スプーフィングとは、データの一部を改ざんして第三者になりすますことです。メールやIPアドレスなどさまざまな情報に関するスプーフィングがあり、電話番号のスプーフィングもあります。
電話番号のスプーフィングは、実際に発信に使用している電話の番号を表示させず、別の番号に偽装するものです。これまでも特殊詐欺などで、03番号に偽装するスプーフィングがありました。国内キャリアなど各社がスクーピングへの対策を施しているものの完全に防げないケースもあり、電話番号だけを見て安心せず、警戒する必要があります。
警察を騙る詐欺電話の手口・事例を紹介
警察を騙る詐欺電話の事例を2件紹介していきます。
参考:警察 代表番号と同番号からの不審電話 全国で確認 詐欺被害も|NHK
愛知県警察本部を騙る詐欺電話
1件目は、愛知県警察本部の警察官を騙る人物からかかってきた詐欺電話の事例です。資金洗浄事件の容疑者になっていることを理由に、口座の資金を全て確認すると伝えられました。そして、警察官を騙る人物の指示に従い250万円を指定口座に振り込んでしまったというものです。電話の後にSNSのビデオ通話を利用して、偽物の警察手帳の提示も行われていました。被害者は、お金を振り込んでしまった後に愛知県警察本部に自分で電話をかけて確認し、詐欺だったことに気づいたとのことです。
このような事例の対策方法としては、振り込みをする前の時点で、自分から警察に電話をかけて確認するようにしましょう。
新宿警察署を騙る詐欺電話
2件目は、新宿警察署の警察官を騙る人物から愛知県の女性にかかってきた詐欺電話の事例です。自分の口座が詐欺に利用され、奈良県警からの捜査要請があることを伝える内容でした。
奈良県まで来ることを求められましたが、この女性は怪しいと思って電話の録音を試みたら、相手は切ったとのことです。被害も受けずに済みました。
警察を騙る詐欺電話への対策方法
もし、警察を騙る詐欺電話がかかってきた場合にはどうすべきなのか、主な対策方法を見ていきましょう。
相手の情報を確認してから一旦切って折り返す
不審な点がある場合には、警察署の代表番号からかかってきた電話でも、スプーフィングによる偽装を疑ってみる必要があります。まず、相手の氏名や所属部署、役職などを尋ねてみましょう。本物の警察官ならためらいなく回答するはずです。なかなか回答しようとしなかったり、あいまいな言い方をしている場合には詐欺と判断して良いでしょう。
そして、相手の情報を確認したら一旦電話を切ってから折り返し警察署に電話をかけてみると、詐欺かどうかがはっきりします。
警察が電話ではしないことを把握しておく
警察は事件の容疑者や事情を聞きたい人に対して、電話をかけてくることは通常ありません。もし、本当に事件の容疑者になっているのであれば、事前に電話をかけることなく自宅などに直接来るはずです。
事件の容疑者や関係者になっているという理由で警察を名乗る人物から電話がかかってきたら、詐欺と判断して問題ありません。話を真に受けたり指示に従ったりするのは避けるようにしましょう。
また、電話からSNSに誘導して、ビデオチャット機能で警察手帳を提示するケースもよくあります。しかし、本物の警察官がそのような方法で警察手帳を提示することはありません。スマホの画面を通じて見るだけだと、偽物の警察手帳でも本物に見えてしまう可能性があるため、十分に注意しましょう。
お金の話が出たら特に注意
詐欺をする人の最終的な目的はお金を騙し盗ることです。詐欺電話ならどこかでお金の話が出てきます。例えば、資産状況を尋ねてきたり、口座のお金を移すために指定口座に振り込みを指示してきたりするケースが多いです。示談金や保釈金などの名目で金銭の支払いを指示してくるなどのパターンもあります。
警察を名乗る人物から電話がかかってきて、お金に関わる話をしてきたら、詐欺の可能性が非常に高いと捉えておきましょう。
通常、お金を支払わせる必要がある場合には、きちんと手続きを踏んで行われるため書面のやり取りがあるはずです。電話で振り込みを指示してその場ですぐに行わせるようなことはありません。
家族や友人、最寄りの警察署へ相談する
警察を騙る詐欺電話がかかってくると、冷静に対応できない人も多いです。そのため、自分だけで解決しようとはせず、家族や友人に相談するようにしましょう。警察を騙る人物からの詐欺電話は、冷静に考えればおかしい点がいくつも見つかります。家族や友人に相談すれば、状況を冷静に判断して、詐欺だと判断できる根拠を指摘してくれることも多いです。
また、心配な場合には最寄りの警察署へ相談してみましょう。警察を騙る人物が言っている内容がデタラメだということを確認できます。
国際電話の着信拒否が有効な場合も
警察を騙る詐欺電話は、海外から発信されていることもあります。そのため、国際電話の着信拒否設定をしておきましょう。警察を騙る詐欺電話の全ては拒否できなくても、海外から発信されているものはブロックできます。
他の詐欺電話や迷惑電話なども、海外から発信されているケースは多いです。国際電話の着信拒否設定をすることで、そのような詐欺電話や迷惑電話もまとめてブロックできます。
また、「国際電話の利用休止」を申し込むことで、海外からの国際電話をブロックすることが可能です。日頃、国際電話を利用する機会がない場合は、こちらを申し込むとよいでしょう。
まとめ
警察の代表番号を表示させてかかってくる詐欺電話は、スプーフィングという方法で番号を偽装しているものが多いです。警察を騙る人物が不安を煽るようなことを言って、金銭の支払いを要求してきます。警察の代表番号が表示されており焦って冷静な判断ができず、被害に遭ってしまう人も多いです。
もし、そのような詐欺電話がかかってきたら、一旦切って折り返し電話をかけるようにしましょう。友人や家族に相談して詐欺だと分かることもあります。何より冷静に落ち着いて判断することが大切です。