テレワークの普及率はどれくらい?普及させるために重要なこととは
近年、テレワークを導入する企業は増えていますが、日本ではどのくらい普及しているのでしょうか。新型コロナウイルス感染症の流行以降、テレワークを急速に実施した企業も多いため、未だに環境が整っていない企業も多くあるとされています。そのため、テレワーク導入に向けた環境整備が大切となっています。
本記事では、テレワークの普及率や地域別の実施率、テレワークを普及させるために大切なことなどをご紹介します。
テレワークの普及状況
民間企業におけるテレワークは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、急速に導入が進んでいるとされています。
東京商工リサーチが企業を対象に実施した調査では、1回目の緊急事態宣言時には約17.6%から約56.4%に増加しており、その後緊急事態宣言解除によって低下します。
しかし、2回目の緊急事態宣言時には約38.4%に再上昇しています。
出典:厚生労働省「テレワークを巡る現状について」
参照:総務省「テレワークの実施状況」
地域別のテレワークの実施率
ここでは地域別のテレワーク実施率をご紹介します。
23区内
2021年11月に発表された内閣府のデータによると、東京都23区内のテレワーク実施率は約55.2%となっています。
全国の実施率が約32.2%のため、比較すると23区内の実施率はかなり高いといえます。
また「テレワーク実施頻度の変化」のデータによると、2019~2021年で以下のように変化しています。
2019年12月 約17.8%
2020年5月 約48.4%
2020年12月 約42.8%
2021年4~5月 約53.5%
2021年9月~10月 約55.2%
このデータを見ると、新型コロナウイルス感染症が流行した2020年以降、テレワーク実施率が大幅に増加したことが分かりました。
内閣府:「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
全国
同じデータを見ると、全国のテレワーク実施率は約32.2%です。東京都23区の実施率は約55.2%と高いですが、地方圏の実施率は約23.5%にとどまっており、全体の実施率としては伸び悩んでいると考えられます。
また「テレワーク実施頻度の変化」のデータによると、全国のテレワーク実施頻度は2019~2021年で以下のように変化しています。
2019年12月 約10.3%
2020年5月 約27.7%
2020年12月 約21.5%
2021年4~5月 約30.8%
2021年9月~10月 約32.2%
東京23区のデータと同様、新型コロナウイルス感染症が流行した2020年以降、実施頻度が増加しています。
さらに地域別に見ると、以下のような実施率となっています。
北海道・東北 約12.4%
関東 約36.3%
東海・北陸・甲信越 約15.9%
近畿 約20.8%
中国・四国・九州 約11.2%
内閣府:「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
業種別のテレワークの普及率
総務省が発表しているテレワークの実施率を見ると、テレワークは業種によっても実施率に差があるとしています。実施率が高いのは、情報通信業(約55.7%)、学術研究、専門・技術サービス業(約43.2%)、金融業、保険業(約30.2%)です。
テレワーク化することが難しいとされる業種では、実施率が低くなっています。たとえば、宿泊業、飲食サービス業(約11.1%)、運輸業、郵便業(約11.3%)、医療、介護、福祉(約4.3%)などが低めです。
参照:総務省「テレワークの実施状況」
内閣府:「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
従業員数別の普及率
従業員数別の普及率は以下のように発表されています。
・1,000人以上
2019年12月 約13.7%
2020年5月 約42.5%
2020年12月 約33.7%
2021年4~5月 約44.1%
2021年9月~10月 約46.7%
・300~999人
2019年12月 約7.8%
2020年5月 約25.2%
2020年12月 約19.3%
2021年4~5月 約30.8%
2021年9月~10月 約32.4%
・20~299人
2019年12月 約7.5%
2020年5月 約23.6%
2020年12月 約16.3%
2021年4~5月 約25.1%
2021年9月~10月 約26.7%
・2~29人
2019年12月 約7.8%
2020年5月 約15.8%
2020年12月 約12.5%
2021年4~5月 約19.8%
2021年9月~10月 約20.9%
従業員規模別に見ると、企業規模が大きくなるにつれ、テレワークの普及率が高くなる傾向にあります。
また緊急事態宣言発令を挟んだ2階の調査を比較すると、テレワークの実施率は従業員規模に関わらず増加しています。
内閣府:「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
テレワークが普及しない理由
では、なぜなかなかテレワークが普及しないのでしょうか。ここでは、テレワークの普及に際して課題となっている理由についてご紹介します。
コミュニケーション問題
テレワークの課題として挙げられることが多いのが、コミュニケーション問題です。
総務省の「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」の調査結果によると、テレワーク導入を検討している企業の約4割が「社員同士のコミュニケーション」を不安視しているとされています。
テレワークはオフィスのように顔を合わせて一緒に仕事をしないため、コミュニケーション不足になることが考えられます。
また、オフィスでは気軽な相談や報告が可能ですが、テレワークは画面を通じた連絡が主となります。そのため、なかなか気軽に連絡をしにくい面があるとされています。
出典:総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」
労働時間
テレワークは働いている姿が見えないため、勤怠管理がしにくいとされています。オフィスで働く場合は、タイムカードを利用したり、出社する姿を見たりすることで管理が可能です。しかし、テレワークの場合、勤怠管理システムなどを導入していない場合は、自己申告しかありません。そのため、勤怠管理が難しいでしょう。
その結果、長時間労働が増えたり、逆に労働時間が減ったりなど、二極化しています。
厚生労働省の調査によると、テレワークの際に「通常の勤務よりも長時間労働になることがあった」と回答した人は約半数にのぼっています。またテレワークで残業代の支払いの対象となる時間外や休日労働があった人のうち、残業代を申告していないが「あった」と回答した人が6割を超え、残業したにも関わらず勤務先に認められないことが「あった」と回答した人も半数を超えています。
出典:厚生労働省「テレワークを巡る現状について」
環境整備
自宅はオフィスと違って、働くための環境が整えられていません。仕事をするための十分な作業スペースや、業務を行えるスペックのパソコンなどを用意する必要があります。しかし、一からこうした環境を整えるのは大変であり、機材や環境をそろえるまで生産性が落ちる可能性があります。
また自宅では他に家族などがいるケースもあり、隔離されたスペースを確保できない限り「仕事に集中できない」といった問題も出てくるでしょう。
さらにオンラインで作業する上で以下の課題も挙げられています。
・ネットワーク環境の整備やパソコンなどの機器の確保
・セキュリティ面の不安
・通信費の自己負担
・自宅にインターネット環境が整備されていない
・システムやツールの導入が不十分
自宅でそもそもインターネット環境が整っていない社員も多くいることが分かりました。そのため、回線を引くための費用やパソコンなどの機器の準備、通信費を自己負担するのか、会社側が負担するのかなど、決めておかなければいけないことが多く、普及に二の足を踏んでいる企業がいることが分かります。
社内制度
テレワークで感じた課題として挙げられているのが、以下です。
・社内の打ち合わせや意志決定の方法
・顧客や取引先との打ち合わせや交渉の仕方の改善
・書類のやり取りの電子化
・ペーパーレス化
・社内外の押印文化の見直し
オフィスにいれば書類のやり取りは手渡しなどで行えますが、テレワークではデータのやり取りとなります。さらに顧客や取引先との打ち合わせもオンラインで行う必要があるため、今までとは異なり戸惑う社員もいるようです。
テレワークを普及させるために必要なこととは
テレワークを普及させるために必要なことには以下が挙げられます。
ITツールの活用
テレワークの課題を解決するためには、適切なITツールの導入が効果的と考えられています。テレワークに適したコミュニケーションツールには、以下があります。
・Web会議ツール
インターネット回線を用いた会議システムのことです。遠隔地同士での会議や打ち合わせを行え、ファイル共有などが可能なツールもあります。
・チャットツール
社員同士の情報共有や会話が可能なツールです。SNSのように気軽な打ち合わせや会話などにも向いており、情報共有の促進が期待できます。
・情報共有用ツール
社内の情報やファイルなどを集約して社員同士で共有するツールです。プロジェクト管理ツールやタスク管理ツールと同期が可能なものも多いため、業務の進捗状況の把握に役立ちます。
・クラウドフォン
クラウドフォンは、インターネット回線を用いた電話です。クラウドPBXを用いて行うものが主流です。物理的にオフィスに設置する交換機(PBX)をクラウド化して提供することで、パソコンやスマホなどの機器とインターネット回線さえあれば電話として利用できます。そのため、テレワーク時でも円滑に電話業務が可能になります。
こうしたツールの導入によって、同じオフィス内にいなくても効率的にコミュニケーションが取れ、円滑な業務が可能になるでしょう。
インフラとハードの整備
テレワークを導入する際には、インフラ・ハードともに環境の整備が必要とされています。たとえば、上記で紹介したツールの導入や会社での評価制度の見直しなどテレワークに適した環境の整備を行いましょう。
また従業員側の環境整備に問題があるのなら、環境整備に関わる費用の一部を会社側で助成する方法もあります。会社から補助金などが出れば社員もテレワークのための環境が整えやすくなり、不満も減らせ、迅速に環境が整えられるでしょう。
テレワーク環境を整えるなら
ナイセンクラウドは、パソコン、電話機、スマホなどにも対応しており、既にお手元にある端末を活用してご利用いただけるクラウドPBXです。03や06などの全国の市外局番はもちろん、050番号や0120・0800のフリーダイヤルに対応しています。日本マーケティングリサーチ機構調べにおいて「テレワークに役立つサービス」「信頼と実績のクラウドPBX」「経営者が選ぶ電話サービス」において1位に選ばれています。
詳しい機能については次の動画やサービスサイトをご覧ください。
▼1分でわかるナイセンクラウド
プランは3つあり、内線数に応じて金額が変わります。内線数が多い場合はお得な割引もございます。詳しい料金は自動見積りや個別見積りでご確認ください。
また、2台のスマホでフリーダイヤルを利用することに特化した「スマフリ」もございます。ナイセンクラウドの機能を小規模に導入できるスマフリを先に導入してみて、使い勝手や機能を確認したのちにナイセンクラウドに切り替えることも可能です。
>>スマフリの詳細をチェックする<<
テレワーク普及のためには環境整備が重要
テレワークを普及させるためには、環境整備が大切です。従業員が無理なく働ける環境を作ることが、普及への第一歩といえるでしょう。