ナビダイヤル「0570」はフリーダイヤルとは違う?仕組みや料金体系を解説
近年、さまざまな企業などで導入されているのが「0570」から始まるナビダイヤルです。ナビダイヤルは、通常の電話番号と同様に、発信側が料金を支払います。では、なぜ企業は固定電話番号ではなく、ナビダイヤルを選ぶのでしょうか。それは、ナビダイヤルにしかないメリットがあるためです。本記事では、ナビダイヤルの概要やメリット・デメリット、料金体系などをご紹介します。
ナビダイヤル「0570」とは
ナビダイヤルとは「0570」から始まるNTTコミュニケーションズの電話サービスを指します。発信者課金の電話番号で、通常の電話のように発信者側がお金を払います。電話がつながった際に、「この通話に〇秒ごとに〇円かかります」とガイダンスとして流れるのが特徴です。
「ナビダイヤル」という名称は、NTTコミュニケーションズの商標となります。ロゴマークなども用意されており、名刺やホームページ、封筒などに記載することができます。
ナビダイヤル「0570」とフリーダイヤルの違い
ナビダイヤル「0570」は発信者課金の番号であり、フリーダイヤルとは異なります。フリーダイヤルは、「0120」から始まるNTTコミュニケーションズが提供する電話サービスを指します。もともとは「0120」のみでしたが、サービス開始から30年以上経過した現在、割り振る番号がなくなってきたため、「0800」などの番号もフリーダイヤルとして使われています。
フリーダイヤルは発信者ではなく、着信者が料金を負担する「着信課金」という仕組みです。そのため、顧客からの問い合わせ窓口や受注窓口などで用いられることが多いです。
「フリーダイヤル」という名称は、ナビダイヤルと同じくNTTコミュニケーションズの商標となります。そのため、NTT以外が提供する着信課金サービスは「フリーコール」や「フリーボイス」などの名称が付けられています。
また、携帯電話会社によっては「ナビダイヤル」にかけられるのに、「フリーダイヤル」」には電話がかけられないケースもあります。これは、スマホからフリーダイヤルにかける場合、導入している企業に固定電話のおよそ数倍の通話料金が発生するためです。そのため、フリーダイヤルを導入する際に「スマホからの着信を許可しない」という設定にしているケースがあります。
課金されるタイミング
ナビダイヤルは「ナビダイヤルにおつなぎします」というガイダンスが流れた時点では、料金は発生しません。その後、コールセンターにつながり「〇〇に関する問い合わせは1を押してください」などのガイダンスが流れた時には、料金が発生しています。その後すぐにコールセンターにつながらず、「ただいま電話が大変混みあっております」などのガイダンスの時点でも、料金が発生しているので注意が必要です。
ナビダイヤル「0570」の料金体系
ナビダイヤルは、通常の固定電話と料金体系が異なります。ここでは、ナビダイヤルの料金体系についてご紹介します。
通話料金は事業者ごとに異なる
ナビダイヤルに発信した時にかかる通話料は、事業者ごとに異なります。固定電話のように、通話料金に応じた料金が必要です。そのため、区域外であれば料金が高額になる可能性があります。また、固定電話からナビダイヤルにかけた場合と、スマホからナビダイヤルにかけた場合では料金が異なります。
料金の目安
ここでは、NTTコミュニケーションズの通話料金についてご紹介します。
通話料金(3分間・税込)※一般回線など固定電話から発信した場合
県内通話料金(区域内) | |||
距離区分 | 平日昼間 | 夜間・休日 | 深夜・早朝 |
区域内 | 9.35円 | 9.35円 |
県内通話料金(区域外) | |||
距離区分 | 平日昼間 | 夜間・休日 | 深夜・早朝 |
隣接・20kmまで | 22円 | 22円 | |
~60kmまで | 33円 | 33円 | 22円 |
60km超 | 44円 | 33円 |
県間通話料金(県と県をまたいで通話する場合) | |||
距離区分 | 平日昼間 | 夜間・休日 | 深夜・早朝 |
隣接・20kmまで | 22円 | 22円 | |
~30kmまで | 33円 | 33円 | |
~60kmまで | 44円 | 33円 | |
~100kmまで | 66円 | 44円 | 33円 |
100km超 | 88円 | 77円 | 44円 |
携帯・自動車電話から発信した場合(税込)
距離区分 | 平日昼間 | 夜間・休日 | 深夜・早朝 |
全国一律料金 | 99円 | 88円 | 88円 |
ナビダイヤル「0570」を取得するメリット
ナビダイヤル取得には、以下のようなメリットが挙げられます。
1つの番号で全国受付ができる
ナビダイヤルにすれば「0570」の番号に統一できます。たとえば、全国に複数の拠点がある企業の場合、各拠点ごとの電話番号を複数公開する必要があります。ナビダイヤルにすることで、1つの番号に統一できるので、電話番号の掲載をシンプルにすることができます。このため、顧客も「どこに電話をかけていいのか分からない」と悩まなくて済むでしょう。
IVR(音声自動応答)が利用できる
ナビダイヤルは時間帯や要件に応じて、IVR(音声自動応答)を使うことができます。IVRは、コールの振り分けが行える機能です。たとえば、「〇〇の問い合わせの方は1を」「〇〇の問い合わせについては2」をなど、発信者に番号を押してもらうことで振り分けが行えます。事前に、用件ごとに振り分けることができるため、迅速な対応が可能になります。対応が早くなるため、顧客側も企業側どちらにもメリットがあります。
また、営業時間外や休業日には「ただいまの時間は営業を休ませていただいております」など応答させることもできます。電話をかけたあと、一言案内があるだけでも、顧客は安心するでしょう。
多彩なルーティングが利用可能
ナビダイヤルは、発信者の発信地域に応じて、最適な拠点に電話を転送できる機能を利用できます。発信地域・発信端末や電話番号を受付先で変更でき、顧客の発信地域に一番近い拠点に自動でつながるため、効率的に受付ることができます。またルーディングはオプションで以下の機能を付けることが可能です。
・発信地域ルーティング
・発信端末種別ルーティング
・発信電話番号ルーティング
・入力指示ルーティング
・音声認識プロンプトルーティング
こうした多彩なルーティングを利用すれば、より効率的な電話対応が可能になります。
トラフィックデータを把握できる
ナビダイヤルでは、トラフィックデータを取得できます。トラフィックデータがあれば、視覚的に情報を管理できます。コンタクトセンターで受けた電話を把握・分析し、発信者の状況や発信後の状況をレポート化することが可能になります。こうしたデータを蓄積・分析することで、適正な受付体制を構築できるようになるでしょう。
ナビダイヤル「0570」のデメリット
メリットの多いナビダイヤルですが、デメリットもあります。ここでは、デメリットについてご紹介します。
発信者に不満が溜まる可能性がある
ナビダイヤルは、発信者が料金を支払う仕組みのため、不満が溜まってしまう可能性があります。発信者側が料金を支払う仕組みは通常の電話と変わりませんが、企業に電話をかける場合、待ち時間が発生することも少なくありません。たとえば、コールセンターが混雑していれば、何分、十数分待つ可能性もあります。待ち時間も、料金が発生してしまうめ、顧客の不満が溜まる可能性が高いでしょう。
さらに不満が溜まりやすい要因として挙げられるのが、スマホの「かけ放題プラン」の対象外であることです。最近では、スマホのプランには「5分間電話かけ放題」「電話かけ放題」などがあり、これらを利用している人は、通話料金を節約できます。しかし、ナビダイヤルはこうした「かけ放題プラン」の対象外になります。そのため、発信者は「かけ放題プランに加入しているのに料金を支払わなくてはいけない」という事態になり、不満が溜まりやすいでしょう。
料金がかかるかどうか分かりにくい
通常の「03」や「06」から始まる固定電話番号なら、電話をかけると料金がかかるのがすぐに分かります。しかし、「ナビダイヤル」というサービスはフリーダイヤルほど定着しておらず、一見どのくらいの料金がかかるか分かりにくいでしょう。そのため、顧客が電話をかけるかどうか迷ってしまう可能性があります。
入力項目が多い場合がある
顧客が企業の問い合わせ窓口に電話をかけた場合、IVRによる振り分けのため、何度も電話のボタンを押さなくてはいけないこともあります。入力項目が多い場合、目的の項目につくまでに時間がかかる場合もあるでしょう。そのため、発信者側に料金や手間の負担が増え、問い合わせ自体を諦めてしまうことも考えられます。
ナビダイヤルの導入方法
ナビダイヤルを導入するには、NTTコミュニケーションズに申し込む必要があります。ここでは、基本の申し込み方法についてご紹介します。
1.NTTに申し込む
NTTの公式Webサイトもしくは電話で申し込みを行います。
2.契約
サービス、料金の確認、ナビダイヤル番号の決定、工事日程の決定などを話し合います。問題がなければ契約になります。
3.工事
申し込みしてから5営業日ほどで開通します。場合によってはさらに時間がかかる場合もあるので確認しておきましょう。
フリーダイヤルを使うならクラウドPBXの「ナイセンクラウド」がおすすめ!
ナイセンクラウドは、パソコン、電話機、スマホなどにも対応しており、既にお手元にある端末を活用してご利用いただけるクラウドPBXです。03や06などの全国の市外局番はもちろん、050番号や0120・0800のフリーダイヤルに対応しています。日本マーケティングリサーチ機構調べにおいて「テレワークに役立つサービス」「信頼と実績のクラウドPBX」「経営者が選ぶ電話サービス」において1位に選ばれています。
詳しい機能については次の動画やサービスサイトをご覧ください。
▼1分でわかるナイセンクラウド
プランは3つあり、内線数に応じて金額が変わります。内線数が多い場合はお得な割引もございます。詳しい料金は自動見積りや個別見積りでご確認ください。
また、2台のスマホでフリーダイヤルを利用することに特化した「スマフリ」もございます。ナイセンクラウドの機能を小規模に導入できるスマフリを先に導入してみて、使い勝手や機能を確認したのちにナイセンクラウドに切り替えることも可能です。
>>スマフリの詳細をチェックする<<
ナビダイヤルについて知ろう
ナビダイヤルは、通常の固定電話と同様に発信者課金の番号です。ナビダイヤルにするメリットは、1つの番号だけで全国の窓口の受付ができる点です。複数の拠点がある企業でも、顧客はその地域の拠点をわざわざ探すことなく、楽に電話をかけることができます。企業側も、顧客から電話番号を聞かれた際に1つの電話番号を伝えるだけで済むなどのメリットがあります。ただし、ナビダイヤルはスマホの「かけ放題」プランの対象外になることから、顧客の不満が溜まりやすい可能性があります。そのため、電話番号を記載するページに、ナビダイヤルの料金について記載しておくことをおすすめします。