VoIPアプリ10選!電話のコストは賢く削減

VoIP

近年、電話というものが大きく多様化していることをご存知でしょうか。 

従来、電話といえば、完全有線の固定電話回線を経由した通話と、携帯電話のように有線ケーブルで繋がった基地局を経由して、最寄りの基地局から電波を発することで成立する半無線通話といえる仕組みが一般的でした。その為、電話をするにはNTTあるいは大手携帯キャリアと契約するのが当たり前でした。

しかし現在はそれに加えて「インターネット回線を使った通話」という新たな手段が登場、台頭してきています。わかりやすい例としてはIP電話などがありますが、こうしたインターネット回線を使った通話システムのことを「VoIP」といい、それに対応したアプリも色々出ています。

今回は、そうした「VoIPアプリ」について主なものを10個選び、その特徴を3つの種類に分類し解説していきます。また、そもそもVoIPとは何なのか、VoIPとはどういったアプリなのかも含めて基本的なところから解説しますので、「VoIP?何それ?」と戸惑っておられる方もご安心ください。

VoIPとは

まずは、VoIPとは何かについて説明していきましょう。

VoIPとは、「ブイオーアイピー、ボイップ、ボイプ」などと読み、「Voice over Internet Protocol」を略した言葉です。そして「Internet Protocol」とは、インターネット回線を使った通信の規格や通信手順のことをいいます。細かいことを説明するときりがないので、ここでは簡単に文字通り「VoIP=インターネット回線を使った通話のこと」だとざっくり理解していただければ大丈夫です。

冒頭で述べた通り、従来の電話は公衆電話網を構築する電話回線を通して行うのが一般的でした。手元に引かれた電話回線を接続して通話する固定電話は勿論、携帯電話も厳密には有線の固定電話回線を使っている通話であることに変わりありません。

 

冒頭で携帯電話の無線通話を「半無線通話」と表現しましたが、一見無線で携帯電話間を直接やり取りしているように見える携帯電話も、実は完全には無線ではないのです。最寄りの基地局に発信電波が到着すると、有線通信に切り替えられ、基地局間を結ぶ有線の電話ケーブルを経由して(より正確に言えば交換局という場所も経由します)、相手の最寄りの基地局に到着してから再び無線の電波となって相手に通話が繋がる仕組みとなっています。

携帯電話のインターネット(モバイルデータ通信)も一見完全に無線で行えているようなイメージがあるかと思いますが、インターネット回線も電話回線と似たような仕組みを持っています。今では光ファイバーケーブルなどで通信が高速・大容量化していますが、そもそも昔のインターネットは電話回線を繋いで成立していたことを、世代によってはご存知の方も多いでしょう。

ともかくインターネットに接続する際にも、最寄りの基地局に電波が届き、それを光回線など有線ケーブルを経由してネットワーク事業者の管理するサーバーシステムへ送信し、そこからインターネット(電話回線でいう公衆網)へ接続します。情報受信の際にはこの逆を辿ってお手持ちの携帯電話に情報が表示されるというわけです。

インターネット回線を用いた通話ができるVoIPも仕組みとしては同じで、中心部分は光ファイバーケーブルなどの有線でやり取りされています。有線回線に載せる際に音声をデジタルデータに変換して、相手の最寄りの基地局に送信し、デジタルデータを再びアナログ音声として復元し相手に届けます。

仕組みを色々説明しましたが、固定電話や携帯電話との通話と異なり「電話回線でなくインターネット回線を使った電話なんだな」と理解していただければ特段困ることなく利用できるはずです。

VoIPアプリとはどんなアプリ?

このように、電話回線を利用することなくインターネット回線を通じて電話をすることができるVoIPですが、普通にスマートフォンなどの携帯電話を持っているだけでは使うことができません。普通にスマートフォンで電話をかけると、当たり前のことですが通常の電話回線を使った通話になってしまいます。

通常の状態ではVoIPを使えないスマートフォンなどのデバイスに対して、ソフトウェア的な設定を加えることでVoIPを使うことができるようになるのですが、そうしたソフトウェア的な設定をするために必要になるのが「VoIPアプリ」です。

ここでは、VoIPアプリとは何なのか、どういった種類のものがあるのかを解説していきます。

VoIPアプリとは?

VoIPアプリとは、上記のようにVoIPを行う為の通信設定環境を提供してくれる、あるいはインストールすることで自動的にVoIPを実現してくれるアプリを指します。

ハードウェア的にはスマートフォンを手にした時点でVoIPを使える環境は整っているのですが、VoIPを行うにはソフトウェア的に特別な通信設定を行わないといけません。要は、スマホ内部でそうした設定を行う為に「VoIPアプリをインストールする」という工程を経ることで、通常では使えないVoIPを使えるようになる、ということです。

そもそも何故VoIPアプリを使ってまでVoIPを使う必要があるのかといえば、当然ながら相応のメリットがあるからです。たとえば、通常の電話回線を使った通話では発信相手によって指定の通話料金が発生し、場合によっては海外への通話など高額の通話料金を取られることもあります。しかしVoIPを使えば、そうした料金が無料あるいは格安になり、大手キャリアなどの携帯電話会社の細かいルールに縛られることなく、料金体系も非常にシンプルに管理できます。

VoIPアプリの種類

VoIPアプリには複数の種類があります。種類ごとに細かい通信設定が必要なものや不要なもの、電話番号を使うもの・使わないものなど、種類別に大きな特徴があります。

中には個別で通信設定を行う場合もあり、そうしたアプリでは入力フォームに指定の文字列を入れていく手間が発生しますが、VoIPには通話にインターネット回線を使うことで格安で通話ができるメリットがありますから、その手間をかける価値があります。

それに対しインストールするだけで使えるアプリはそうした手間が不要なので大変便利ですが、代わりに相手も同じアプリを使う必要があるなどの制限もあります。

ここでは、VoIPアプリにはどういった種類のものがあるのかを3つに分けて解説していきます。

同一アプリ間で無料通話可能なサービス

VoIPというと聞き馴染みがないかもしれませんが、「LINE」や「Skype」の音声通話のことだといえばピンとくる方も多いはずです。なんとなくアプリの名称で覚えてしまっているところはあるかと思いますが、これこそがVoIPの代表例といっていいでしょう。

しかしこうした同一アプリ間で無料通話が可能なサービスは、あくまでも同一アプリ間に限られる通話機能です。つまり、相手も同一アプリを持っていないと無料通話ができません。当然ではありますが、固定電話やアプリの入っていない携帯電話にもつながりません。

気心の知れた友人同士や、同一アプリを持っていることを知っている間柄ならいいですが、それ以外の大勢の知らない人との通話のやり取りには不向きなサービスです。

050番号を持つIP電話サービス

いわゆる「IP電話」と呼ばれるサービスがこれに該当します。同一アプリ間でのみ通話が可能なサービスと違い、050で始まる専用の電話番号が発行され、IP電話以外の固定電話や携帯電話・スマートフォンなどとも通話が可能です。

一般の電話とも通話可能ですが、VoIPを利用して通話するので一般の電話よりも格安で通話ができます。ただし100・109など緊急通報用番号やフリーダイヤル・ナビダイヤルにつながらなかったり、遅延やノイズが多いなどの弱点もあります。

090番号が通知される電話サービス

このサービスにはいくつか種類がありますので、便宜的に「090番号が相手に通知されるサービス」としておきます。

このサービスは、VoIPを利用したり、格安の電話回線を経由することで通常の電話回線よりも格安で電話が掛けられるサービスが該当しますが、最終的に相手に自分の持っている090番号が通知されるので発信元が明確になるメリットがあります。

ただし、種類によっては音声通話対応SIMでないと通話ができないなどの制限がありますので、格安SIMでデータSIMしか契約していない場合は注意が必要です。

VoIPアプリ10選

以上のように、VoIPをスマートフォンで使うにはVoIPアプリが必要であることが分かりました。VoIPアプリには、既に国民的ともいえるレベルで浸透しているアプリもありますし、そうでないものもあり、選択肢は豊富に用意されています。

先ほども述べた通り、VoIPを利用することで通話にかかる料金を格安あるいは無料にできるので、そうしたアプリをたくさん知っているに越したことはありません。

ここでは、代表的なVoIPアプリを上で紹介した種類別に10個紹介します。それぞれの特徴や利用条件(制限の有無など)を併せて解説しますので、VoIPアプリに詳しくない方はぜひ参考にしてみてください。

同一アプリ間で無料通話可能なサービス

おそらく、最も一般層にポピュラーなのは「同一アプリ間で無料通話が可能なサービス」です。

先ほども説明した通り、VoIPというよりはアプリの名前で普及しているサービスが殆どですが、「インターネットで電話を掛けているので通話料がかからない」というのは若い人ならなんとなく認識があるはずです。こうしたアプリはVoIPのことを知らなくても簡単に使えるのが大きなメリットですが、逆に同一アプリ間での通話しかできないので使用条件はかなり限られます。

ここでは、「同一アプリ間で無料通話可能なサービス」に分類されるVoIPアプリの代表例をご紹介します。

LINE

若い人の中には、通常の電話で通話料をかけず、「LINE」の通話機能のみで済ませてしまっているという方も多いのではないでしょうか。LINEにはトーク画面やプロフィール画面などから経由して音声通話ができる機能があり、この機能はLINEで繋がっている相手のみと相互で通話が可能です

LINE同士の通話機能は特に細かい設定は不要で、お互いに友達登録していればいつでも電話が掛けられます。インターネット回線を利用するのでパケット通信料はかかりますが、通話料金は無料です。特に若年層を中心に、今ではLINEはスマホを持っていればほぼ確実にインストールされているというくらいに普及していますので、通話料金が発生する普通の電話よりもLINEの音声通話機能を使うという人も多いはずです。音声通話だけでなくビデオ通話にも対応していますが、グループ通話には対応していません。

なお、後述する「LINEでんわ」と紛らわしくなることが多いですが、こちらは電話履歴がトーク画面に残る無料通話機能です。

Skype

「Skype」もまた、昔からインターネットを経由した通話手段として一般的なソフトウェアで、特にパソコン同士でのメッセンジャーアプリとして発展してきた歴史があり、パソコンにヘッドセットマイクを繋げての通話が昔は主流でした。今ではスマホにもインストールして音声通話をすることが可能です。

Skypeの利用にはSkypeへの会員登録またはMicrosoftアカウントが必要になります。アカウント作成の手間はLINEより若干面倒ですが、アカウント名やパスワードを決めるなど簡素な手続きなので、そんなに難しくはないでしょう。音声・ビデオ通話だけでなくグループ通話にも対応していますが、スマートフォン経由では招待されて応答することでのみ参加が可能で、スマートフォンでグループ通話を開始することはできません。

Skypeは有料オプションで050で始まる「Skype番号」が貰える機能があって、IP電話のように使えるサービスもあります。また、月額課金のオプションプランに加入するか、プリペイドSkypeクレジットを購入すれば、携帯電話や固定電話宛てにも発信することができるようになるのが特徴的です。その場合は通話に際し所定の通話料金が加算され、国内固定電話では1分2円、国内携帯電話では1分10円となっています。

カカオトーク

「カカオトーク」はほぼLINEと同じ感覚で使える通話・メッセンジャーアプリですが、カカオトークの大きな特徴は、最大5人までのグループ通話に対応していることです。初期設定の方法もLINEとよく似ていて、携帯電話番号を登録し、その電話番号宛てに届いたSMSに書かれた4桁の認証番号を入力すれば使えるようになります。

SMSが届きさえすれば、カカオトークを使っているスマホにささったSIMカードでなくても、別の電話のSIMカードでもOKなので、LINEと同じく、利用するだけならスマホにささったSIMカードがデータ通信専用SIMであっても不都合はありません。通話の仕方もトーク画面か「カカとも」リストから無料通話ボタンをタップすればOKです。

なお、グループ通話のほか、自分の声をボイスチェンジャーのように加工して遊べる機能もあるのが特徴的です。

Viber

「Viber」は日本よりもむしろ海外で利用者が多く、それこそ世界中で利用されているVoIPアプリの代表格です。初期設定はLINEと似ており、SMSを経由した4桁の認証コードで認証することで登録が完了します。先ほどカカオトークで紹介したように、認証コードが記されたSMSが届くSIMさえ持っていれば、別のスマホにささったSIMでも登録可能です。

Viberの大きな特徴は、スマートフォンの電話帳にアクセスしてViberユーザーを見つけ出してくれること。電話帳に登録された連絡先からViberユーザーを抽出し、通話可能なユーザーにはリストにViberマークを付けてくれますので非常にわかりやすいです。セキュリティ面を考慮し電話帳を読み込ませなくとも使えますが、その場合は非常に使い勝手が悪くなります。

通話拒否をしたい相手を選択してブロックできる機能がついているのも特徴的です。

050番号を持つIP電話サービス

先ほども説明した通り、IP電話サービスに該当するアプリでは、050で始まる電話番号が発行されるので、一般の固定電話や携帯電話宛てにも格安で発信が可能という点が特徴的です。なお、固定電話や携帯電話などに発信する際は通話料金がかかりますが、同じアプリ間での音声通話はLINEやSkypeなどと同じく無料です。

ここでは、「050番号を持つIP電話サービス」に分類されるVoIPアプリの代表例をご紹介します。

050 plus

「050 plus」はNTTコミュニケーションズが運営・提供しているIP電話サービスです。050番号が発行されるIP電話サービスの特徴をよく表している名前で、NTTが提供しているためかIP電話サービスでは最も知名度が高いアプリです。

LINEやSkypeなどと違い月額300円の利用料金がかかる有料サービスで、利用申し込みには個人情報の登録と支払い手続きのための有効なクレジットカード、本人確認の電話を着信可能な何らかの電話が必要になります。電話は自動音声応答で認証番号を発行するためのものなので、固定電話や携帯電話などでも大丈夫です。

1つのアプリにつき1つの050番号が発行され、候補から1つだけ選ぶことが可能というのが特徴的です。通話料は固定電話宛てで3分8円、携帯電話宛てで1分16円となっています。また、050plus同士の通話なら画像付きメッセージも送ることが可能です。

SMARTalk

「SMARTalk」は、フュージョンコミュニケーションズが運営・提供するIP電話サービスをアプリ化したものです。

SIPと呼ばれる通信規格を利用したIP電話サービスで、利用登録にはメールアドレスが必要です。メールアドレスを登録すると、よくあるメールアドレス認証のように仮登録メールが届き、仮登録メール内のリンクをクリックすることで本登録ができます。本登録時には細かい個人情報の入力やクレジットカード・デビットカードの情報入力が必要になりますが、メールアドレスがそのままIDになるので、ユーザーIDを決める必要がないのが便利です。

SMARTalkは「050 plus」と違って月額利用料金がかかりません。純粋に通話した分だけ料金が加算されるので、非常に合理的な料金設定です。通話料金に関しても固定電話・携帯電話など電話の発信先にかかわらず一律30秒8円となっているので、料金体系も分かりやすく無駄がありません。

また、留守電機能や着信転送機能、通話の録音機能などの便利な機能が無料で使える点も特徴的です。

LaLa Call

「LaLa Call」はケイ・オプティコムが運営・提供するIP電話サービスです。ケイ・オプティコムは格安SIMサービス「mineo」を提供していることでも広く知られています。

LaLa Callの利用には「eoID」の登録が必要ですが、特に登録に制限はなく、ID取得は誰でも無料でできます。eoID登録時に本人認証用の電話番号を登録し、ログイン時に画面に表示される暗証番号を、電話番号に電話が掛かってきた際に入力することで利用登録が完了します。

LaLa Callの利用には月額100円の利用料金がかかりますが、先ほど触れた「mineo」のユーザーや、ケイ・オプティコムが提供する光通信サービス「eo光」のユーザーであればこの月額100円の利用料金が無料になります。通話料金は固定電話宛ての場合は3分8円、携帯電話宛ての場合は1分18円となっています。

同一のアプリを利用している「フレンド」同士であれば「トーク」で文字や画像メッセージのやり取りも可能であることや、キャリアで通常の電話を行った場合と比べてどれだけ料金がお得になったかを表示するサービス「トクトク表示」の機能がある点は、LINEや050 plusなど既存サービスの良いところを取り入れているようです。

090番号が通知される電話サービス

先ほども便宜的に「090番号が相手に通知されるサービス」と定義しました。このサービスに分類されるアプリはその仕組みが種類ごとに異なっていますが、多くのサービスは090番号が相手に通知されます。基本的には自分が契約している090電話番号がそのまま使える、というのが共通した特徴です。ここでは、そうした分類がされる代表的なアプリの特徴を解説していきます。

LINE電話

「LINE通話は『同一アプリ間で無料通話可能なサービス』に分類していたような……」と思った方は鋭いですが、実はLINEにはトーク画面やプロフィール画面などを経由してLINEアプリ間で無料通話を行う機能のほかに、LINEに登録している電話番号を使って一般電話へ通話を行う通称「LINE電話」という機能があります。

現在では「LINE Out」という正式名称で呼ばれているこの機能ですが、固定電話やLINEをインストールしていない携帯電話宛てにも電話が掛けられます。つまり、LINEアプリを経由して、IP電話が使えるという、有料版Skypeのようなサービスです。登録には電話番号認証が必要で、あらかじめ「コールクレジット」というポイントを購入し、そのポイントを使うことで通常より安い値段で電話が掛けられるという仕組みになっています。

広告を見ることで通話回数1日最大5回まで、1回ごとの通話時間最大5分までという制限こそありますが、この機能が無料で利用できる「LINE Out Free」という無料版もあるのが助かりますよね。

LINE Outは他のサービスと違い電話回線を使用しないので、SMS認証さえできればデータ通信専用SIMでも電話が出来る点が特徴的ですが、注意点としては「発信は可能だが着信はできない」ことと、「相手には非通知で電話が掛かってしまう」ことです。非通知拒否をしている相手にはつながらないので気をつけましょう。

楽天でんわ

「楽天でんわ」は、格安SIM事業者である楽天モバイルが提供するサービスだけあって、通話料が高いことがネックとなる格安SIM事業者の多くが取り入れている仕組みと似ています。

楽天でんわの仕組みは、電話番号の先頭に「プレフィックス番号」と呼ばれる4桁の番号を付けて発信することで、複数の電話事業者の格安の回線を経由して電話が掛けられるというものです。このプレフィックス番号はアプリを使って電話を掛けることで自動的に付与されるので、自分で覚えておく必要はありません。

楽天でんわは電話回線を利用するのでパケット通信料などはかかりませんが、電話回線宛てに発信ができる「音声通話対応SIM」でないと利用することができません。格安SIM契約者に多い「データSIM」というモバイルデータ通信専用のSIMからは電話発信ができないので注意しましょう。

G-Call

「G-Call」は、株式会社ジーエーピーが運営する電話サービスの名称でもあり、会社の仕組みとしては大口契約しているソフトバンク株式会社の回線を借り受けてユーザーに提供している格安SIMと同様のもので、自社でも格安SIMサービスを提供しています。

仕組みとしては楽天でんわと同じように、G-Callアプリを経由して電話発信を行うとプレフィックス番号が自動で付与されることで、通常の電話よりも格安で通話ができるというもの。通話料金は国内通話料30秒10円と楽天でんわと同じですが、G-Callでは消費税が加算されないため10%お得になります。また、10分かけ放題プランが月800円とお得なのも特徴的です。

企業が利用するならクラウドPBXがおすすめ

以上、色々なVoIPアプリをご紹介しました。中にはSMARTalkのように着信転送機能や通話録音機能などの便利な機能が無料で搭載されているものもありますが、多くの場合、使える機能が少なく個人間の通話に留まり、グループ通話ができるものもカカオトークや有料版Skypeなど一部に限られています。そのため、ある程度規模の大きな法人などの組織でこうしたVoIPアプリをビジネス利用しようと思うとなかなか難しいのが現状です。

企業では、BtoBやBtoCといった違いこそあるものの「1対多」の一元管理的な電話システムを構築しないと問い合わせですぐに電話回線がパンクしてしまいます。特にコールセンターを設置する規模になると、単純にVoIPアプリを持っているだけではすぐに立ちいかなくなってしまいます。そうした企業におすすめの電話システムに「クラウドPBX」というものがあります。

ここでは、「クラウドPBX」とは何かについて、その仕組みやメリットを簡単に紹介していきます。

クラウドPBXとは?

企業の電話システムは、基本的には複数の回線(外線・内線)と、複数の固定電話機(社員の人数分設置しているところもある)の共有が前提となっています。

なぜなら、企業においては会社代表番号など同じ番号宛てに大量の問い合わせが集まるのが普通であるためで、基本的には1つの電話番号を複数の固定電話機、すなわち複数ユーザーで並行して使い回せるようになっています。

そうした仕組みにすることで、同じ番号宛ての複数の問い合わせに同時に対応したり、問い合わせの内容によっては別の部署の担当者へ着信を取り次いだり、内線で連絡を取り合って仕事上の連携をよりしっかりと行うことができます。こうした私たちが当たり前のように利用している電話の機能の数々は、「ビジネスフォン」という仕組みを構築することで成り立っています。

企業の電話システムとして従来普及していた「ビジネスフォン」は、会社など特定の拠点内に「主装置(構内交換機・PBX)」と呼ばれる精密機器を物理的に設置する必要がありました。その装置に複数の電話回線と固定電話機を有線接続することによって1つの主装置による複数の回線・電話機の共有や一元管理を可能とし、それによって会社代表番号などの電話番号を複数の電話機で共有したり、社内の電話機同士で内線通話をするなど、より合理的で効率的な電話運用が可能となったのです。

「クラウドPBX」は、そうしたビジネスフォンの仕組みをそのまま、クラウド環境に置き換えたものです。クラウドPBXでは、主装置を社内に物理的に設置せず、クラウド上(インターネット回線上)に仮想的に設置された主装置を遠隔で使い、電話機だけでなくスマートフォン・携帯電話、パソコンなどのデバイスをインターネット回線で接続することでビジネスフォンと同じ仕組みを再現しています。

クラウドPBXのメリット

従来の仕組みでは、物理的な主装置と電話機・回線を有線接続することで成り立っていました。そうした物理的な主装置や固定電話機を拠点に設置するビジネスフォンの運用では、外線通話にしろ内線にしろ、設置拠点にいないと使えないなど、どうしても拠点に縛られてしまっていました。

しかしクラウドPBXでは、クラウド上にある主装置を借りて運用し、インターネット回線で複数のスマートフォンや携帯電話、パソコンなどの端末と接続することができるので、「場所の制限」を受けることがありません。そこにこそ、クラウドPBXの絶対的なメリットがあります。場所の制限を受けない運用であることで、これまでには絶対できなかった色々なことができるようになります。

たとえば、会社宛てに来た電話の相手が外出中の担当者との通話を求めている場合でも、用件控えや掛け直しなどをする必要がなく、会社からそのまま外出先の担当者のスマートフォンや携帯電話に着信を取り次げます。また、拠点内だけでなく東京本社と大阪支社のような離れた拠点間でも内線通話ができますし、設定すれば海外拠点とも内線通話ができます。これにより業務効率は大幅に改善するでしょう。

また、主装置の設置が不要であることで主装置購入や設置工事費用がかかりませんし、対応デバイスの幅が広く既に配布してある社用スマホや社用PC・タブレット端末などがそのまま使えますので、大きなコスト削減にもつながります。

今いる場所に関係なく会社番号での発着信がどこでもできるので、テレワークなど場所に縛られない新たな働き方の導入も柔軟に行えるようになりますし、場合によってはオフィス自体が不要になり、テナント料や設備費の節約にもなります。

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ナイセンクラウドは、テレビや新聞にもとりあげれ、今多くの企業が導入しているクラウドPBXです。全国の市外局番、050番号、0120・0800に対応しており、全国の複数拠点や海外拠点との間に内線を構築できます。

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VoIPアプリやクラウドPBXでコスト削減を実用しよう

VoIPとは何か、どういったアプリがあるのかにも触れながら、おすすめのVoIPアプリ10選を紹介しました。また、多くのVoIPアプリが個人や少人数での利用に留まる中で、多くの人や電話機を用いる企業向けの電話運用のおすすめとして注目されている「クラウドPBX」についても併せて紹介しました。

昔と違って、今は技術の発展によって選択肢が大幅に多様化し、個人でもスマホを使ってより安くより高品質な電話手段を自由に選べるようになったことは、あまり電話に詳しくなかったという方には非常に驚きであったのではないでしょうか。しかしそうした個人向けVoIPアプリでは、企業のように大規模な通信・通話を行うには向いていません。

もし企業で従来運用よりもコストを落としてより便利に電話運用をしたい場合には、クラウドPBXをご検討されてみてはいかがでしょうか。当メディアでは他にもクラウドPBXの情報を豊富に掲載しておりますので、よろしかったら他の記事も読んでみてください。