iPhoneで内線を使用するには?iPhone内線化のメリット

特に企業にとって、内線は欠かせないものとなっています。内線通話は公衆電話網につながず、社内など同一拠点内にある複数の電話機同士で通話できる仕組みなので無料で通話できるだけでなく、同一ビル内でも歩いていくには遠い別部署ともすぐに相互通話ができるなど、便利な点がたくさんあります。
ビジネスフォンの場合では固定電話機を使いますので、当然ながら内線通話は会社でしか使用できません。仕事で頻繁に通話する人なら、一度は「iPhoneで内線が使えたら便利だろうな」と思ったことがあるはず。しかし実は、いつも手元にあるiPhoneを使って内線通話ができる方法が既にあるとしたら、すぐにでも知りたいですよね。
今回は、iPhoneを内線化する方法を、そのメリットや注意点とともに解説していきます。内線をiPhoneで使う方法を知れば必ずやビジネスの効率が飛躍的に向上するかと存じますので、ぜひとも参考にしてください。
iPhone(スマホ)を内線化する5つのメリット
iPhoneを内線化することは、詳細は後述しますが、技術的には既に可能ですし、一般的にサービスも始まっています。
しかし、その具体的な方法を説明する前に、iPhoneを内線化するとどういうことができるのかをまず知っておく必要があります。それは、iPhoneを内線化するにあたってどういう運用をしたいのかをあらかじめ考えておくと、導入もスムーズにいくからです。
ここでは、iPhone(スマホ)を内線化するメリットを5つ紹介します。内線をiPhoneで活用できると、従来の条件では思いもよらなかった効率的なやり取りが可能になりますし、従来の内線電話の限界を考えなくてよくなることで、業務フローも大幅に簡素化できるでしょう。
オフィス外で働く社員と通話料なしで連絡が取れる
1つめのメリットはオフィス外で働く社員と通話料なしで連絡が取れることです。
冒頭でも少し触れたように、これまで企業で内線電話を使うために取り入れていたビジネスフォンの仕組みでは、内線通話は会社内でしか使用できません。「そんなの当たり前だよ」と思っている方も少なくないでしょうから、これをそもそも「非効率」と感じない人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に使ってみると、オフィスの外にいる社員との連絡を取るうえで非常に効率的とわかります。企業には内勤者だけでなく、たとえば出張や外出の多い営業や、得意先へ常駐している出向社員、リモートワークで作業をしている業務委託スタッフなど、オフィスの外で働く人が多数存在します。
従来の仕組みでは、そういった人たちと連絡を取ろうと思うとどうしても外線を使う必要がありました。また、逆にオフィス外にいる社員たちが会社の内線電話を使おうと思うと、いったん会社に出勤あるいは帰社しないといけません。そうした手間をかけるくらいなら外線で通話料を負担したほうがいいくらいでしょう。
iPhoneで内線を使えれば、そうした手間が不要であるうえ、通話料の負担なくオフィス外の社員と会社から常時連絡を取り合えますし、オフィス外にいる人たちも手持ちのiPhoneで会社へ内線通話を行えます。そして何より便利なのが、「発信側・着信側双方が会社にいなくとも内線通話ができる」ということです。着信側・発信側双方が会社にいなくとも内線通話ができるというのは、これまでの常識では考えられない大きなメリットではないでしょうか。
拠点間の通話もiPhone経由で無料にできる
拠点間の通話もiPhone経由であれば無料にできるのもメリットの1つです。
iPhoneを内線化すれば、大阪と東京というように数百km離れた拠点同士でも内線設定が可能です。また、国内だけでなく海外拠点との間にも内線ネットワークを構築でき、国際電話を使わずとも内線通話できます。海外拠点と内線を構築できれば、大幅なコストカットになるでしょう。
オフィス外にいる社員に外線を取り次ぐことができる
ビジネスフォンでは、担当者に電話を取り次ぐ場合、担当者が会社内、しかも自分のデスクにいなければ取り次ぎができません。しかし、iPhoneで内線が利用できれば、会社から直接外出先の担当者のiPhoneに電話を取り次ぐことができます。
これだけでも内勤者の負担が大幅に減少します。
どこからでもiPhoneで会社の電話番号を使って発信できる
どこにいてもiPhoneから会社番号で発信できるのも大きなメリットです。
例えば、営業職の社員が外出先から電話で営業を行う場合、個人の携帯番号から電話をかければ電話を取ってさえもらえない可能性もあります。しかし、固定電話の番号であれば、電話に出てもらえる可能性も高まるでしょう。
また、取引先や顧客へ連絡を取る際も同様です。普段、取引のある会社の電話番号であれば、登録してもらっている可能性も高く、スムーズに連絡を取れるようになります。
BYODによって新規の機器購入が不要
BYODとはBring Your Own Deviceの略称で、私物のデバイスを業務用として利用することを指すものです。主に営業職のような外出の多い社員が持つiPhoneを内線化すれば、会社として新たに機器を購入する必要がありません。
また、社員側にとっては、私物のスマホと会社のスマホの2台持ちをする必要がなくなり、管理の手間が大幅に軽減します。
iPhoneを内線化する方法
iPhoneの内線化により、業務の大幅な効率化が実現する上、これまではできなかったことも行えるようになる可能性も高まります。特にiPhoneの内線化により、場所の制限を受けずに業務を行えるメリットにより、テレワークやサテライトオフィスといった新たな働き方にも対応可能です。
クラウドPBXの導入がおすすめ
実際にiPhoneを内線化するには、クラウドPBXの導入をおすすめします。クラウドPBXとは、従来、社内に主装置の設置が必要であったビジネスフォンとは異なり、クラウド上に主装置を設置し、パソコンや携帯電話、スマホなどとインターネット回線で接続するものです。
従来のビジネスフォンに比べ、主装置を自社内に設置する手間やコストがかからない点、スマホを内線化できる点など多くのメリットがあります。iPhoneを内線化する場合でも、このクラウドPBXを導入することで、コスト削減や効率化など多くのメリットを享受できるでしょう。
スマホ用アプリを提供しているクラウドPBXを選ぶ必要がある
iPhoneを内線化する上で、クラウドPBXを導入する際、一点だけ注意しなければならない点があります。それはスマホ用のアプリを提供しているクラウドPBXを選択することです。
専用アプリの提供がないクラウドPBXでもiPhoneの内線化は可能ではあるものの、使い勝手やセキュリティ面で不安が残ります。これに対し専用アプリを提供しているクラウドPBXであれば、機能の最適化、セキュリティの強化、スムーズな導入などが可能です。
iPhoneを内線化して使用する際の注意点
このように便利でメリットも大きく、手順もそこまで難しいことはなく簡単にiPhoneを内線化することができると聞いたら、すぐにでも導入したくなるのが人の性というものです。しかし、iPhoneの内線化には注意点や意識するべきポイントがいくつかあります。特に内線利用を目的としたBYOD(スマホ等の私用デバイスを仕事に利用すること)を導入する際には慎重に利用環境を整えていくことが求められます。
ここでは、iPhoneを内線化して使用する際に気を付けなければならない注意点や、「実はこんなことも可能です!」というお役立ちポイントを解説していきます。
内線化したiPhoneの利用や取り扱いに関するルールを周知・徹底させる
iPhoneを内線化した場合に最も気を付けなければならないのは、セキュリティ対策です。
セキュリティに関してはベンダーの方でもクライアント証明書を入れたりプロファイルを入れたり、クラウドPBXの設定の際にある程度対策を指示してくれることはあります。しかし、近年は自発的にiPhoneを操作させることで不正なプログラムを侵入させるトラップ型の不正アクセスが横行しています。
ユーザーが高いセキュリティ意識を持つことでセキュリティ上のリスクの多くを回避できますが、使うのは人間ですから、それにも限界があります。社用iPhoneであれば、利用する時間帯を明確に決めたり、定期的に所在を報告する、出勤が前提なら職場のロッカーに預けるといった所在管理を徹底し、ルールをしっかり周知しましょう。
特に社員の私用iPhoneを仕事に導入する「BYOD」によってiPhoneを内線化する場合には、私用時のルールも決めなければなりません。コンプライアンス研修も組み合わせて徹底してルール決めを行い、セキュリティ的に危険な行動を慎むよう周知しましょう。
たとえば不用意なサイトアクセスや怪しげなアプリのインストールによりマルウェアに感染したり、プライベート用のメールに届いたリンクをクリックして情報入力をした結果個人情報や会社情報が抜き取られてしまうなどで情報が流出した例は枚挙にいとまがありません。怪しいアプリは入れない、メールのリンクはクリックする前に警戒するといった危機意識が必要です。
iPhoneの場合はGPSが発信できますので、リモートアクセス機能も備えたMDM(モバイル端末管理)というサービスの導入も検討してみましょう。MDMを使うことで、iPhoneの位置情報や利用状況をサーバー経由で一元管理でき、端末を万が一紛失したとしても、遠隔操作・データ消去などを行えます。
SIMなしiPhoneもWi-Fi接続で内線化できる
iPhoneは携帯電話なので通常利用する際には携帯会社等と契約してSIMカードを挿入して使います。しかし、クラウドPBXの運用の際はiPhoneが何らかの方法でインターネット回線につながりさえすればいいので、Wi-Fi環境のある場所ではSIMカードを契約せずともSIMなしのiPhoneで内線化が可能です。自宅の固定回線や会社内など安定したWi-Fiが飛んでいる場所では、あえてモバイルデータ通信を切って、機内モード→Wi-Fiオンをして通信量を節約する作戦も可能です。
iPhoneだけでなくAndroid端末でも内線化は可能
先ほどソフトフォンアプリの紹介の時に、いくつかAndroid対応のアプリがあったかと存じますが、もちろんiPhoneに限らず、Android端末でも内線化は可能です。iPhoneは動作の安定性では強みがありますが、近年では独自規格による充電の不便さや、最新機種では顔認証のみでコロナ禍のマスクをしている状態でのロック解除が煩わしいなどの問題もあります。本記事ではiPhoneでの内線化を紹介していますが、同じ手順でAndroid端末でも内線化が可能というのは覚えておくべきでしょう。
iPhoneを内線化するなら「ナイセンクラウド」
ナイセンクラウドは今多くの企業で導入されているクラウドPBXです。全国の市外局番はもちろん、050番号や0120・0800の着信課金型番号にも対応しており、既存の電話システムからクラウドPBXに乗り換える際に電話番号を変更する必要なく移行可能です。
詳細な着信ルール・アナウンスの設定や特定番号のブロック機能、電話履歴の管理機能など、企業に必要な機能を基本機能として備えています。
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料金は個別見積もりか自動見積もり機能でご確認ください。3パターンの料金プランを用意していますが、内線数を増やすことも可能です。内線数が増えるとお得な割引も適用されますので、ぜひ詳細はお問い合わせにてご確認ください。
お手持ちのiPhoneを内線化してみましょう
iPhoneを内線化する方法とそのメリット、運用する際の注意点などを具体的に解説しました。
iPhoneを内線化すると、同じ会社やグループで働く社員全員と内線ネットワークで相互接続することになります。これは便利ではありますが、持ち運びや使用の際にしっかりとしたセキュリティ意識をもっていないと、場合によってはチーム全体に迷惑がかかってしまいかねません。
iPhoneを内線化して使用することはとても便利です。便利であるからこそ、それを使う人間が思わぬ失敗をしてしまわないよう、しっかりと組織内でルール決めを行い、ルールをしっかり周知することが必須といえるでしょう。
クラウドPBXに関しては他の記事でも様々な情報を紹介していますので、ぜひ他の記事も読んでみてください。