固定電話への着信をスマホで受ける方法をご紹介
外出先にいるときに、オフィスの固定電話に顧客から電話がかかってきたときには、帰社後にかけ直すでしょう。オフィスにいる時間よりも、顧客のところなどにいる時間が長いと人にとってはよくあることです。帰社するまでに時間がかかると、2回3回と電話がかかってきてしまうこともあるでしょう。
そのような場合に、固定電話への着信をスマホで受けられたら便利です。顧客を待たせることなく、迅速に対応できます。かけ直す手間もありません。
本記事では固定電話への着信をスマホで受ける方法について紹介していきます。
固定電話への着信をスマホで受けるメリット
最初に固定電話への着信をスマホで受けるメリットについて見ていきましょう。
スムーズな対応が可能になる
固定電話への着信をオフィスでしか受けられないと、電話をかけてきた顧客への対応がどうしても遅れてしまいます。すぐに対応できないことで、顧客が不満を抱いてしまうこともあるかもしれません。
その点、オフィスの固定電話にかかってきた電話をスマホで出られれば、出先でも対応できることが多いです。簡単な確認や質問などなら、オフィスに戻らなくても回答できるでしょう。
また、電話にすぐに出られないことで、大事なチャンスを逃すこともあるかもしれません。すぐに対応できないなら、別のところへ依頼しようと考える人もいるでしょう。スマホで固定電話への着信を受けられれば、そのような機会損失も防止できます。
ミスの防止につながる
オフィスの固定電話にかかってきた電話は、そのときにオフィスにいる社員が受けるでしょう。担当者が不在だと伝達などを頼まれることもあります。
しかし、たまたま電話に出ただけの社員は、詳しい事情について分かっていないことが多いでしょう。そのため、担当者が帰社した後に要件を伝達する際に、内容の一部が間違って伝わってしまう可能性もあります。それが原因でトラブルに発展することもあるかもしれません。
その点、固定電話にかかってきた着信をスマホで出られれば、担当者が外出中でも最初から対応できます。事情をよく知らない他の社員が対応することはありません。伝達をすることもなく、担当者が直接顧客から話を聞けるため、ミスの防止につながります。
オフィスに電話番を配置しなくて済む
大半の会社では、オフィスで電話にすぐ出られる社員が常にいる状態にしておくでしょう。いわゆる電話番です。電話番をする社員がいないと、オフィスに電話がかかってきたときに、誰も出られずに切れてしまうことになります。
しかし、電話番を配置することで、業務効率が悪くなっていることも多いです。人件費も無駄にかかってしまいます。
スマホで固定電話の着信に出られれば、そのような電話番を配置する必要もありません。外出先にいる社員が電話に出て対応できます。業務効率アップや人件費削減につながるでしょう。
固定電話を廃止するのはあり?
固定電話はオフィスにいるときにしか使えないため、廃止してしまおうと考える人もいるでしょう。仕事で使用するスマホを社員に貸与すれば、固定電話は使わなくて済みます。
しかし、固定電話を廃止するのはあまりおすすめできません。次のような点で不都合が生じてしまいます。
信用力の問題
企業でオフィスに固定電話を置いているのは、単にオフィスで電話を使いたいからという理由だけではありません。固定電話では市外局番が付いている電話番号を使用することができるためです。コーポレートサイトや名刺、パンフレットなどにも自社の電話番号として、市外局番で始める番号を載せられます。
そして、市外局番で始める固定電話の番号は、信用力が高いのが特徴です。固定電話の電話番号は所在がはっきりとしている企業でないと取得できず、市外局番が付いているため、番号を見ただけで地域も分かります。
携帯電話の番号だと取得するのは固定電話ほど難しくはありません。特に最近では、MVNOなど安く利用できる業者も多いため、いくつでも簡単に携帯電話の番号を取得できてしまいます。また、携帯電話の番号を見ただけでは地域などは分かりません。
そのような事情から、顧客から見れば、固定電話の番号を持っている企業の方が安心して取引ができるでしょう。
固定電話そのものを廃止すれば、会社の信用力が落ちてしまうかもしれません。
代表番号が使えなくなる
代表番号というのは、会社の窓口として機能している電話番号のことです。代表番号にかかってきた電話は、その用件に応じて、担当者に取り次がれます。
固定電話を廃止すれば、代表番号も使えなくなります。顧客が問い合わせをするときには、部署や担当者の直通番号にかけなければなりません。どこへかければいいのか分からなかったり、別の部署にかけてしまったりすることが増えるでしょう。そのため、顧客からの不満が増えてしまいます。
スマホで受ける方法1:通信会社の転送サービスを利用する
通信会社では、転送サービスを提供しているところもあります。転送サービスを利用すれば、固定電話にかかってきた着信をスマホで受けることも可能です。
あらかじめ登録した電話番号へ転送できる
通信会社の転送サービスでは、あらかじめ転送先として電話番号を登録しておく必要があります。そうすると、オフィスの固定電話にかかってきた着信が登録済みの電話番号に自動的に転送される仕組みです。そうすれば、オフィスに置いている固定電話への着信をスマホで受けられます。
また、通信会社によっては転送する条件の設定も可能です。全ての着信を転送する設定の他に、一定時間呼び出して誰も出なかったときに転送される設定などもあります。
コストが多くかかる
通信会社の転送サービスは、オプションになっており、その分の料金が毎月発生します。また、オフィスの固定電話からスマホへの通話料も発生する仕組みです。そのため、コストが多くかかってしまいます。
スマホで受ける方法2:固定電話の外線転送機能を利用する
固定電話の中には外線転送機能が付いているものもあります。この機能を使って、オフィスの固定電話からスマホに転送することも可能です。
着信ごとに操作して転送するため、オフィスにいる社員だけで対応できる用事なら、転送しなくても問題ありません。外出中の社員宛にかかってきた電話だけ転送できます。
コストはかからない
外線転送機能は、固定電話に付いている機能であり、通信会社のサービスではありません。そのため、オプション料金などのコストはかからないのがメリットです。
ただし、オフィスからスマホへの通話料金はかかります。どちらかと言えば、いつもスマホで受けるのではなく、たまにスマホで受けたい場合に向いているでしょう。
誰かが受電する必要がある
固定電話の外線転送機能を使うには、固定電話にかかってきた電話に誰かがいったん出なければなりません。電話に出てから手動で操作をしてスマホに転送します。
そのため、最低でも1人はオフィスで待機している必要があります。オフィスに誰もいなかったり、いても電話に出られなかったりすれば、スマホへの転送はできません。
スマホで受ける方法3:クラウドPBXを導入する
クラウドPBXというのは、サーバー上にPBXを構築して利用できるサービスのことです。クラウドPBXを導入すれば、さまざまな面で電話を便利に使えるようになり、オフィスへの着信もスマホで受けられるようになります。
社員のスマートフォンを内線電話に設定できる
クラウドPBXでは、インターネットに接続できる端末のほとんどを内線電話として登録できます。社員のスマホを登録すれば、スマホで内線通話が可能になる仕組みです。スマホがオフィスにある固定電話と同じになると考えていいでしょう。
そのため、パーク保留機能を使えば、オフィスにかかってきた電話にスマホで出ることも可能です。この場合には、オフィスでいったん誰かが電話に出る必要があります。
場所を選ばず会社の電話番号を使える
クラウドPBXで内線化したスマホでは、会社の固定電話の番号が使えるようになります。そのため、外出先にいるときでも、会社の電話番号で発信可能です。
さらに、会社の電話番号宛にかかってきた電話に直接出ることもできます。もちろん転送しているわけではないため、通話料が余分にかかることもありません。自分宛ではなかった場合には、パーク保留で他の社員のスマホに切り替えることもできます。
インターネットに接続できる環境から、どこででも利用できるため、テレワークでも活用できるでしょう。
安価な導入コストで利用できる
クラウドPBXを利用するのにかかる費用は決して高くはありません。導入コストは1万〜3万円程度、月額料金は数千円程度が相場です。オプションを付ければ1つにつき2,000〜5,000円程度加算されますが、それでも安価なコストで利用できます。
規模の大きな企業だけでなく、小規模事業者にもおすすめです。
設置スペースも不要
クラウドPBXでは、物理的な装置を設置する必要はありません。そのため、大きな装置を設置するスペースを確保するのが難しい場合でも導入できます。工事を行う必要もないため、申し込みから導入開始まであまり時間がかからないのもメリットです。業者によってやや差がありますが、申し込み後数日から1週間程度で利用開始できます。
電話をかけ直す手間がなくなる
固定電話への着信をスマホで受けるのは、通信会社の転送サービスや外線転送機能、クラウドPBXなどでできます。その中でもクラウドPBXなら、低コストで利便性が高くおすすめできる方法です。
固定電話の着信をスマホで受けられるようになれば、電話をかけ直す手間がなくなります。顧客を待たせることなく、迅速な対応が可能になるでしょう。さらに、電話番を配置しなくて済むため人件費の削減や業務効率の向上にもつながります。