IoT SIMとは?特徴やメリット、業界別の活用例について紹介
インターネットに接続されたモノが相互に通信する仕組みを「IoT」といいます。IoTは、さまざまな業界で活用され始めており、その活躍の場はますます広がっています。
「IoT SIM」とは、IoTデバイスに特化したSIMカードです。従来のSIMカードと比べて、低価格で、データ通信量や通信速度の制限が設けられているなどの特徴があります。本記事では、IoT SIMの特徴やメリット、業界別の活用例などをご紹介します。
IoTやSIMとは?
ここではまず、IoTやSIMについてご紹介します。
IoTとは
IoT(Internet of Things)とは、モノ(物)がインターネットに接続され、相互に通信する仕組みです。IoTは、さまざまな業界で活用されています。
例えば、製造業では、生産ラインの監視・制御、流通業では物流の効率化・安全性向上、建設業では安全管理・効率化、農業では農業生産の効率化・省力化などに活用されています。
M2Mとは
M2M(Machine to Machine)とは、機械同士が相互に通信する仕組みです。人間の介在なしに、機械同士が情報交換し、自動的に最適な制御を行うことができます。IoTはインターネットに機器を接続し通信を行いますが、M2Mは機器同士が直接通信をおこないます。インターネットにつながなくても利用できるため、オフラインでの接続方法も想定されています。
M2Mは、IoTの一部であり、IoTの普及に欠かせない技術です。IoTデバイスは、センサーやアクチュエーターなどのデバイスを搭載し、周囲の環境や状況を感知・制御することができます。
M2Mは、IoTデバイスが相互に通信するために必要な技術です。例えば、工場の生産ラインで故障を予期した場合、管理者にアラートを通知する仕組みなどがあります。さらに、自動運転で衝突の機器を検知し、自動でブレーキを検知する仕組みなども挙げられます。
SIMとは
SIM(Subscriber Identity Module)とは、携帯電話やスマートフォンなどの通信デバイスに挿入される、ICカードのことです。SIMカードには、加入者を識別するためのID番号や、通信会社との契約情報などが記録されています。このSIMカードをスマートフォンやタブレットなどに挿入することで、データ通信が可能になります。
SIMカードは、IoTデバイスをインターネットに接続するために必要なデバイスであり、IoTデバイスの普及に欠かすことのできないものです。IoTを利用するにはインターネット接続が必要なため、固定回線をひけない場合は、対象の機器にSIMを挿入しなくてはいけません。
SIMはスマートフォン用とIoT用のプランに分けられていることが多く、IoT SIMならではの特徴もあります。詳しくは次章にて解説します。
IoT SIMの特徴・メリット
IoT SIMとは、IoTデバイスに特化したSIMカードを指します。IoTデバイスをインターネットに接続し、データを収集・分析できるようにする役割を果たします。
IoT SIMは、従来のSIMカードと比べて、月額料金やデータ通信料金が安い傾向にあります。これは、IoTデバイスは個人向けデバイスと比べて、通信量が少ないためです。
また、IoTデバイスは、さまざまな通信方式に対応しています。そのためIoT SIMは、LTEや5G、LPWAなど、さまざまな通信方式に対応していることが多いです。
IoT SIMには以下のようなメリットがあります。
コスト削減
IoT SIMは、従来のSIMカードと比べて費用を抑えることができるため、コストが削減できます。これは、IoT SIMは低価格で、データ通信量や通信速度の制限が設けられているためです。
通信速度に制限があるといっても、多くの場合IoT機器で利用する分には問題のない速度に設定されています。
柔軟な運用
IoT SIMは、データ通信量や通信速度の制限を設けることができるため、IoTデバイスの用途に合わせて、柔軟に運用することができます。
国際展開のしやすさ
IoT SIMは、さまざまな通信方式に対応しているため、国際展開にも向いています。
IoTネットワークの種類
IoTネットワークは、大きく分けて「直接通信方式」と「デバイスゲートウェイ方式」「LPWA300」の3種類があります。
直接通信方式
直接通信方式は、IoTデバイスが直接インターネットに接続する方式です。IoTデバイスが1台あれば展開でき、固定回線や3G/4Gの回線を使用します。
費用や消費電力が大きくなりますが、通信可能な範囲を広くできるメリットがあります。
デバイスゲートウェイ方式
デバイスゲートウェイ方式は、IoTデバイスに搭載する機能を限定し、消費電力を抑えて通信を行う方法です。Wi-Fiや、Bluetoothなどを利用して通信します。
直接通信方式に比べると、扱うデータ量が少ないことなどからコストを抑えられるケースがあります。一方でカバーできる範囲が狭くなる傾向にあります。
LPWA300
LPWA300とは、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークのひとつです。LPWA300は、低消費電力で長距離通信を可能にするネットワークで、IoTデバイスの通信量が少ない場合に適しています。他のLPWAネットワークと比べて低消費電力で動作するため、IoTデバイスのバッテリー寿命を延ばすことができます。
さらに、長距離通信を想定した規格のため、10km以上の通信が可能とされています。IoTデバイスの距離が離れていても、使いやすいのが特徴です。また、LPWA300は、暗号化技術によって通信を保護しているため、セキュリティ面でも安心して利用できるとされています。
IoTの主な機能
続いて、IoTの主な機能をご紹介します。
モノの状態や動きを把握する機能
IoTは搭載されたセンサーやアクチュエーターなどの働きにより、周囲の環境や状況を感知・制御することができます。これらのデータを収集・分析することで、モノの状態や動きを把握することができます。
モノを制御する機能
IoTは、アクチュエーターなどを介して、モノを制御することができます。例えば、工場の機器や設備の制御、交通の管理、農作物の生育管理などに活用できます。
モノ同士を連携する機能
IoTは、ネットワークを介して、モノ同士を連携することができます。例えば、工場の機器や設備を連携することで、生産効率を向上させることができます。
モノからデータを収集する機能
IoTデバイスは、搭載済のデバイスを介して、モノからデータを収集することができます。これらのデータを収集・分析することで、モノの状態や動きを把握したり、モノを制御したりすることができます。
IoTが活用されている業界とは?
IoTは、機能を組み合わせることで、さまざまな用途に活用できます。具体的な活用事例としては、以下のようなものが挙げられます。
製造業:生産ラインの監視・制御、機器の故障予測、在庫管理 など
IoTのAIなどの最新のICT技術を取り入れることで、製品の品質予測が可能になります。
流通業:商品の位置情報追跡、温度や湿度の監視、配送トラックの運行管理 など
例えば、荷物の運搬用のパレットにIoTを導入することで、最大数万個のパレット管理が可能になります。
農業:気象情報や土壌情報の収集、農機具の遠隔操作、農作物の生育状況の監視 など
例えば牛の行動記録を収集することで、疾病検知に役立つとされています。
医療業:健康状態のモニタリング、病気の予防・診断、医療の効率化 など
例えば、自宅では体重計、体温計、血圧計などの計測データなどを収集することで、利用者の健康管理や医師の診療に役立つとされています。
交通:交通状況の監視・管理、渋滞の解消、安全運転の支援 など
例えば、通信モジュールやGPSを内蔵した専用車を用意することで、位置情報や走行情報などを収集し、データセンターに集約できるようになります。
クラウドPBX「ナイセンクラウド」もIoT SIMで利用できます
ナイセンクラウドは、主装置や電話機を購入しなくても、スマートフォンやPC、IP電話機など、さまざまな端末からビジネスフォンの機能を利用できるクラウドPBXサービスです。
オプション機能が豊富なため、自社の状況に合わせた機能を付属させることもできます。従来のビジネスフォンよりも電話業務の質を向上させながら、コスト削減が期待できます。また低コストでありながら、業務に必要な機能を備えているため、業務効率化や生産性向上につながるでしょう。
IoT SIMの契約が今後可能に
ナイセンクラウドでも、IoT SIMの契約が今後可能になります。
ここまでにご紹介したように、IoT SIMは通信速度が遅いぶん低コストでの利用が可能です。
ナイセンクラウドで契約できるIoT SIMは、電話の利用には問題ない速度を備えつつ、費用は月額200円と圧倒的な低価格となっています。
ナイセンクラウドによって電話を便利に活用できるだけでなく、IoT SIMによって社用スマホにかかる費用を大きく抑えることができ、コスト削減などさまざまなメリットをもたらすでしょう。
詳細は決定次第発表いたしますので、ご期待ください。
ナイセンクラウドの詳しい機能については、次の動画やサービスサイトをご覧ください。
▼1分でわかるナイセンクラウド
プランは3つあり、内線数に応じて金額が変わります。内線数が多い場合はお得な割引もございます。
詳しい料金は自動見積りや個別見積りでご確認ください。
まとめ
IoT SIMは、IoTデバイスの普及に欠かせない存在です。IoT SIMは、低価格、データ通信量や通信速度の制限、さまざまな通信方式に対応などの特徴があり、IoTデバイスの用途に合わせて、柔軟に運用することができます。
IoT SIMは、さまざまな業界で活用されており、今後もその活用はさらに広がっていくと考えられます。