プリペイドSIMとは?便利な活用シーンやメリットを解説

電話業務の効率化

SIMカードには大手キャリアや格安SIMで契約者向けに発行されるものの他に、一時的な利用に最適なプリペイドSIMというものがあります。プリペイドSIM自体は知っているものの、実際に使ったことがない人は多いかもしれません。どのような特徴があるのか、どんな用途に使われるのか気になっている人もいるでしょう。

本記事ではプリペイドSIMについて、メリットや便利なシーンなどを中心に解説していきます。

 

プリペイドSIMとは?

プリペイドSIMは、買い切りで使用できるSIMカードのことです。有効期間と利用可能なデータ容量があらかじめ決められています。有効期間に達するか、データ容量を使い切ってしまうと、通信できなくなる仕組みです。

有効期間は3日程度のものから1年程度使えるものまであります。データ容量は少ないもので1GB程度から、大容量のもので100GB程度です。

また、国内用のプリペイドSIMだけでなく、海外で使用できるものもあります。

 

プリペイドSIMのメリット

プリペイドSIMには次のようなメリットがあります。

 

契約なしで使用できる

プリペイドSIMを使用する際に、通信会社との契約や申し込みなどは必要ありません。購入して設定を済ませれば、誰でも利用できます。契約がないため審査に落ちることもなく、手続きが済むまで待たされることもありません。非常に手軽に使用できます。

 

購入できる場所が多い

プリペイドSIMは、実店舗ならコンビニや家電量販店などで取り扱っています。街中で手軽に購入できて便利です。一部の携帯ショップでも、プリペイドSIMを取り扱っているところがあります。

また、ネット通販でも購入可能です。実店舗の場合には、有効期間やデータ容量などの種類が少ない場合もありますが、ネット通販なら種類が豊富で用途に合ったものを探せます。

このほか、空港でもプリペイドSIMを購入可能です。プリペイドSIMの自動販売機が設置されているところもあります。ただし街中の実店舗やネット通販に比べ、やや割高な場合もあるので注意が必要です。

 

一部プリペイドSIMは追加チャージが可能

プリペイドSIMの中には追加チャージに対応しているものもあります。追加チャージできるタイプのプリペイドSIMなら、通信容量を使いすぎてしまったときなどに便利です。新しいプリペイドSIMを購入するよりも手間がかかりません。

 

タブレット端末でも使える

タブレット端末の中には、セルラーモデルといってSIMカードスロットが付いているものもあります。その場合には、プリペイドSIMを入れて使用することも可能です。

普段はSIMカードを入れないで使用していて、SIMカードが一時的に必要になったときなどに便利です。

 

SIMフリールーターでも使える

SIMフリールーターは、通信会社を自分で選んで使用できるモバイルルーターです。スマホのようにSIMカードスロットが付いており、通信会社と契約せずにプリペイドSIMを入れても使用できます。

 

プリペイドSIMが便利なシーンは?

次のようなシーンでプリペイドSIMを使用すると便利です。

 

海外旅行に行くとき

海外旅行に行くときには、あらかじめ海外で使用できるプリペイドSIMを購入しておくと便利です。海外でも国内にいるときと同じような感覚でスマホを使用できます。

プリペイドSIMを使用しない場合、契約中の通信会社によっては国際ローミングサービスを利用できるため、スマホをそのまま海外へ持って行っても使用できるケースがあります。しかし、多くの場合国際ローミングサービスは通信料金が高額です。また、国際ローミングサービスに対応していない通信会社を利用している場合は、そもそも海外で使用できません。

そのため、海外に行くなら、プリペイドSIMを使用するのがおすすめです。

なお前述のとおり、プリペイドSIMを購入する際は、現地の空港よりも街中のコンビニや家電量販店などで購入した方が安く済みます。

 

海外から一時帰国するとき

海外赴任などで海外に長期間滞在している人が日本に一時帰国するときにも、プリペイドSIMが役立ちます。

海外赴任中の人なら、赴任先の国で使用できるSIMカードを持っていますが、それは日本では使えません。この場合、日本から海外に行くケースとは反対に、一時帰国中に日本国内向けのプリペイドSIMをスマホに入れて使用すると便利です。

 

海外の方が来日するとき

海外に住んでいる方が日本に来るときにも、プリペイドSIMが活躍します。自国で普段使用しているSIMカードは、国際ローミングサービスを利用しないとつながりません。日本人が海外旅行するときと同じように、国際ローミングサービスは使用せずプリペイドSIMを使用すれば、安く済みます。

もし自国で日本向けのプリペイドSIMを購入できなければ、来日してから日本で購入すると良いでしょう。

 

通信会社と契約ができない場合

通信会社に契約を申し込んだ場合には審査を経て契約に至ります。しかし、人によっては審査に落ちてしまい、契約したくてもできないこともあるかもしれません。例えば、スマホの料金を何度も滞納したことがある人や、短期間での解約を繰り返したことがある人などです。

そのような人でもプリペイドSIMなら使用できます。しばらく経過すれば、通信会社と契約できるようになることもあるため、それまではプリペイドSIMで凌ぐと良いでしょう。ある程度長く使うことになるため、有効期間が半年から1年程度のものを購入すると便利です。

 

子供にスマホを使わせたい場合

普段子供には、古い端末を自宅でのみ使わせている家庭も多いでしょう。自宅のWi-Fiに接続すれば、通信契約なしでもスマホを使用できます。しかし、たまに外出先でスマホを使いたいこともあるかもしれません。

外出先で使用する用事があるときだけ、プリペイドSIMを購入してモバイル回線に接続できるようにすると便利です。有効期間が3日程度でデータ容量が1GB程度のプリペイドSIMであれば、安く購入できますし使いすぎてしまう心配もありません。

 

プリペイドSIMのデメリット・注意点

プリペイドSIMは便利なものですが、使用する際には次のような点に注意が必要です。

 

価格が割高

通信会社と契約をしてスマホを使用する場合と比べて、プリペイドSIMの価格は割高です。必要なときだけ一時的に使用する分には便利ですが、普段使いには向きません。

 

容量を使い切ると全く通信できなくなる

一般的な通信契約では、契約プランのデータ容量を使い切ると通信速度に制限がかかります。このとき、速度が遅く不便ですが通信自体は可能です。

一方プリペイドSIMの場合は、容量を使い切るとモバイル回線に全くつながらなくなってしまいます。そのため、格安SIM以上に残りの通信容量には注意が必要です。

 

通常はデータ通信のみ

プリペイドSIMの大半はデータ通信のみ利用できるタイプのSIMカードです。音声通話やSMSに対応しているプリペイドSIMもありますが、そう多くはありません。音声通話やSMSを利用できるものが欲しい場合は、選択肢が限られてしまいます。

通信会社によっては、音声通話やSMS付きだとプリペイドSIMでも契約手続きが必要になる場合もあります。

また、音声通話でIP電話の回線を使用している場合がある点にも注意が必要です。IP電話の回線は、通常の電話回線と比べて通話品質が低い可能性もあります。

 

設定が必要

プリペイドSIMを購入後に使えるようにするためには、自分で設定を済ませなければなりません。設定の方法は格安SIMと共通している面が多いため、格安SIMを使ったことのある人なら、問題なくできるでしょう。

しかし、これまで大手キャリアしか使ったことがなく、スマホの設定を操作するのが苦手な人の場合は難しいかもしれません。

 

プリペイドSIMの使い方

プリペイドSIMを使用する際の手順について見ていきましょう。

 

用途と機種に合ったプリペイドSIMを購入する

まず、プリペイドSIMを購入します。用途に合わせて、最適な有効期間やデータ容量のものを選びましょう。海外で使用する場合は、対応している国や地域なども確認しておく必要があります。一部の国や地域のみに対応しているプリペイドSIMも多いためです。

また、SIMカードのサイズも確認しておきましょう。サイズは大きい順に標準SIMとmicro SIM、nano SIMの3種類です。現在出回っているスマホであれば、ほとんどがnano SIMのみの対応です。タブレット端末やSIMフリールーターの場合は、標準SIMやmicro SIMの場合もあります。

 

開通手続きを行う

開通手続きは電話をかけて行うタイプのものや、専用のアプリを使用して行うものなどがあります。手順はプリペイドSIMのパッケージに記載されているため、案内に沿って行いましょう。

開通手続きを済ませると、SIMが有効化されます。有効期間のカウントが開始されるのもこのときからです。

 

APN設定を済ませる

端末の電源を切った状態でSIMカードスロットを開けて、プリペイドSIMを挿入しましょう。SIMカードスロットを閉じてから電源を入れて、モバイルネットワークの設定画面を開きます。

プリペイドSIMのパッケージに、APN名やユーザ名、認証タイプなどが記載されているため、記載の通りに入力または選択しましょう。正常に設定すれば、モバイル回線につながるようになります。

なおスマホの機種によっては、SIMカードを挿入するとAPN設定が自動で行われる場合もあります。

 

まとめ

プリペイドSIMは、契約手続きなしで手軽に購入できます。有効期間や容量なども多様で、用途に合ったものを選択可能です。通信会社との契約が難しい人から、子供にスマホを使わせるときなどさまざまな場面で活用できます。

海外で使用できるものもあるため、海外旅行などでも便利でしょう。海外在住の人が日本に来るときにも使えます。

ただし、APN設定などは自分で行わなければなりません。契約してSIMを利用するよりも価格は割高で、容量を使い切ると全く接続できなくなるなどの点にも注意が必要です。

特徴を押さえた上で利用すれば非常に便利なため、機会があればぜひ利用してみましょう。