PHS終了!?終了後は何を使えばいいの?
日本で開発されたPHSは、ポケベルとの連携できる利便性の高さや通信費の安さから、当時の若者を中心に普及し、2年半で加入者が700万人近くになりました。その後、女子高生だけに留まらず電磁波の影響が少ないことや料金の安さから、病院や医療施設、一般オフィスで内線端末として広がりました。
しかし、携帯電話・スマートフォンとの競争に負けたPHSは、除々に衰退し2020年7月末でサービスを終了することが発表されました。2020年4月にコロナウイルスの影響でサービス終了日が2021年1月31日に延期となったものの、サービスが終了してしまうことには変わりありません。
この記事は、PHS終了後にどのような電話体制を導入すれば良いか検討している方に向けて、「クラウドBPX」というサービスをご紹介します。
PHSとは?
ここでは、PHSとはどのようなサービスなのかを改めてご紹介します。
PHSとは?スマホや携帯との違いは?
PHSとは、「Personal Handy-phone System」の頭文字を取ったものです。携帯電話との大きな違いは「利用できる通信エリア」、「搭載している機能の違い」、「料金帯」です。
PHSが得意とする通信エリアは近距離で、PHSと携帯電話では基地局の性能が異なります。PHSは、1つの基地局で数台しか処理することができず、PHSとその基地局は1対1の関係になっています。そのため、基地局がカバーできるエリアを移動すると通話が切れてしまうことがあります。
一方、携帯電話・スマホが得意とするエリアは遠距離で、使用できるエリアが格段に広いことが特徴です。これは、1つの基地局が処理できる台数が多いことや、携帯電話・スマホは複数の基地局と通信することで通信の安定化・高速化を図ることに成功しているためです。
また、PHSと携帯電話・スマホは、搭載している機能も異なります。PHSは通話とメールに特化しているのに対し、携帯電話やスマホは多機能なのが特徴です。例えば、インターネットを使ってWebサイトを閲覧したり、音楽をダウンロードできたり、電子マネーで決済ができたりといった豊富な用途に使用できます。
さらに、両者には料金による違いもあります。PHSは料金も携帯電話・スマホより比較的安いため、気軽に利用できます。ただし、通話が遠距離になればなるほど料金が高くなってしまい、場合によっては携帯電話・スマホより通信料が高くなるケースもあるので注意が必要です。一方、携帯電話やスマートフォンは、インターネットに接続するためパケット量が掛かり、料金負担がPHSよりも大きくなる傾向があります。
公衆PHSと構内PHS
PHSは「公衆PHS」と「構内PHS」の2つに分類することができます。個人契約しているものが公衆PHSで、法人契約しているものが構内PHSです。公衆PHSは、法人・個人を問わず利用することができ、構内PHSは電磁波の影響が少ないことから、主に医療現場で内線環境を構築するために使用されています。
PHSの終了はいつから?
PHSはいつ利用終了してしまうのでしょうか。また、すべてのPHSが使えなくなってしまうのでしょうか。ここでは、PHSの終了に伴うあらゆる疑問にお答えします。
公衆PHSは2020年7月末で終了
現状PHSを提供しているソフトバンクとウィルコム沖縄は、2018年4月19日に公衆PHSの料金プランの提供を2020年7月末(コロナウイルスの影響でサービス終了日が2021年1月31日に延期に変更)で終了する旨を発表しました。これにより、個人向けである公衆PHSは使用できなくなることになります。
サービス終了の背景には、基地局の設置が不十分なために繋がらないという声が多かったことと、その後登場した携帯電話やスマホの影響により、契約数の減少が加速したことがあります。
構内PHSは条件次第では使用可能
構内PHSは条件によっては公衆PHSのサービス終了後も使用可能です。スプリアス規格内であれば今後も使用できますが、旧規格の場合は2022年11月末で利用できなくなります。スプリアスとは、無線機器などが発する電波に含まれる不要な電波のことです。このスプリアスは電波障害をもたらすものと考えられるので、電波法によって規格が制限されています。スプリアス規格は2005年に改訂されたので、2007年以前に製造された製品は使用不可になってしまう可能性があります。その場合は2022年11月末までに新規格の機種へ買い替える必要があります。
現在利用している構内PHSの端末規格がどちらかを確認したい場合は、総務省のサイトを参照するとよいでしょう。
▼総務省:技術基準適合証明等を受けた機器の検索
また、法人向けの構内PHSを使ったテレメンタリングサービスは2019年3月末で受付は終了しているものの、既存顧客は使い続けることができます。テレメンタリングサービスとはガスメーターや自動販売機などの機器に通信用のモジュールを設置することで、機器のデータ収集やメンテナンスなどの管理が遠隔で可能になるシステムです。PHSを利用することで、電話回線や専用線より配線が少なくなるので、初期費用や運用コストの削減が図れます。
構内PHSもいつか使用できなくなる可能性はある
新規格のスプリアス規格の場合は、公衆PHS終了後もそのまま構内PHSとして利用できます。しかし、構内PHSもいつサービスが停止となっても不思議ではありません。
PHSの利用者の中には愛着を持って利用し続けているユーザーや、低コストなことから利用を継続しているユーザーも少なくありません。しかし、PHSは携帯電話やスマホと比べて使い勝手も非常に悪いです。サービス終了後は内線の役割しか持たなくなるため、外出時や休日に構内PHSを利用できなくなるデメリットがあります。また、何といってもデジタル化が進む昨今において、各種インターネットツールやアプリケーションが利用できない点は、ビジネス・プライベートの両観点においても大きな課題となるでしょう。
現状のPHSの機能から時代のニーズに即したプロダクトへと変わらない限り、需要の低下が進みPHSの端末そのものの生産が終了してしまい、入手困難となる可能性があります。さらに、買い替えのコストを踏まえても、そのまま構内PHSを維持する利点はないと言えるでしょう。そのため、なるべく早く別の内線環境を構築して移行するのがおすすめです。
PHS終了後はクラウドPBXが代役になる
ここまで、PHSを現在利用している場合は、なるべく迅速に別の内線端末に移行する必要があることがお分かりいただけたでしょう。それでは、具体的に何に移行すれば良いのでしょうか。
内線化を行う選択肢の1つとして「クラウドPBX」というものを採用するという方法があります。ここでは、クラウドPBXについてご紹介します。
クラウドPBXとは?
クラウドPBXをご紹介する前に、「PBX」とはどういうものなのかご紹介しましょう。PBXとはオフィスに設置するハードウェアです。PBXによって外線を社内の複数の内線電話に繋げたり、内線同士を相互接続したりすることを可能にしているのです。しかし、PBXのデメリットはハードウェアを購入またはレンタルして設置する必要があるところです。また、拠点が複数ある場合は、1拠点ごとにPBXを設置する必要があります。PBXは接続している電話機しか内線化することができないため、拠点間は外線扱いとなります。その他にも、回線の増減や設定変更の度に業者を呼ぶ必要がある、保守が切れた時の買い替えが必要な点も挙げられるでしょう。
一方、クラウドPBXは、従来のPBXを導入する際に生じていた機器の設置に係るコストの削減に貢献します。インターネットからサービスを提供するため、ハードウェアを購入する必要がないのです。また、拠点が分散してもサービスを利用でき、拠点間の通話を内線化できるのも大きな特徴です。回線の増減や設定もブラウザから簡単に行うことができます。
クラウドPBXは内線が無料
クラウドPBXを使うと登録したスマートフォンで内線が使えるようになるので、外出中やテレワーク下での通話料が無料になります。また、国内だけでなく海外でもクラウドPBXなら内線同士は通話料が無料になるので、国内外を問わず拠点を持つ企業や、社員の出張が多い企業に適したサービスです。
拠点間やスマートフォンが内線化されることで、指定した端末に外線を取り次ぐことも可能です。これにより、重要な取引先からの電話も外出中の担当者が持つスマートフォンへそのまま取り次げます。
クラウドPBXは外線も安くなる
通常の固定電話では市内で3分ごとに8.5円、県内ならば20~40円という具合に、距離に応じて通話料金も上がる仕組みでした。しかし、クラウドPBXは契約するサービスによって異なりますが、比較的安価な料金で通話が可能です。なお、距離が遠くなっても料金が一律な理由としては、インターネットを使用したデジタル通話網を使用しているからです。これにより、海外から外線を利用しても国内から電話を掛けているのと同じ扱いとなり、国内の通話料と同じ料金が適用されます。
クラウドPBXは電話の業務効率が高くなる
クラウドBPXに乗り換えるだけでも、電話業務における場所の制約がなくなることにより、業務効率が大幅に改善します。また、多くのクラウドPBXサービスには、電話業務を効率化するための便利な機能が多数搭載されています。例えば、「03・050・06」といった複数の電話番号を一括管理して複数の拠点で複数の番号を共有や使い分けできるようになったり、いつ誰から電話が掛かってきたのかを見える化できたりする機能です。
PHS終了にともないクラウドPBXに乗り換えることで、現在の内線環境を維持するだけでなく、電話業務の効率化も進めることができます。
PHS終了後にナイセンクラウドを導入してみませんか?
クラウドBPXサービスを提供するベンダーは数多くありますが、ここでは当社の「ナイセンクラウド」についてご紹介します。
ナイセンクラウドはサービス開始から12年間以上安定稼働を継続している実績を持ちます。個人事業主から上場企業まで幅広い企業に導入され、導入企業は6,000社を突破しました。会社規模、業種関係なく、それぞれのニーズに合ったサービスが提供可能です。
そんなナイセンクラウドの特徴・機能を一部ご紹介します(動画でもナイセンクラウドの特徴・機能をご確認いただけます)。
1つ目は、03や06などの全国の局番、0120など日本で利用されているほとんどの番号で発着信ができる機能です。使用可能な電話番号は、03や06などの全国局番、050、0120、0800です。外出先や拠点別、さらには海外でも固定電話番号で発着信して内線を取り次ぐことができます。例えば、仙台支社で外線電話を取り、東京本社へ取り次ぐことも可能です。
2つ目は、複数端末で一斉着信ができる機能です。通常のビジネスフォン同様、着信時は設定した電話機・PC・スマホを一斉に呼び出すことができます。これで電話を取り逃がすこともないでしょう。特定の端末のみを呼び出す設定もあるので、柔軟な対応が可能です。また、電話番号も複数取得して設定できます。例えば代表番号はすべての電話機を着信設定しておき、顧客窓口は1つの電話機に絞って設定しておくことも可能です。
3つ目は、使える端末が複数あることです。対応端末はPC・スマホ・IP電話機です。社内ではIP電話機、外出先ではスマホ、コールセンター業務を行う拠点ではPC(WindowsとMac対応)でヘッドセットを使うことで運用するなどの方法が取れます。IP電話機もLANケーブルで接続するので、電話線を使用しないことも大きなメリットです。
4つ目は、内線電話はどこでも無料な点です。内線間の通話はもちろん、社外・拠点間同士・海外から本社など、いくら話しても通話料は掛かりません。
5つ目は、留守番電話メッセージをメール送信できる機能です。この機能では、録音された音声をMP3形式でメール添付して送信します。外出先でも、留守番電話センターなどに接続せず、情報をリアルタイムに確認できます。
これ以外にもまだまだナイセンクラウドの特徴・機能があります。ぜひサービスサイトにて詳細をご確認ください。
PHSは単なる内線端末としてしか活用できないうえに、今後は需要の低下から端末購入費が掛かるといった懸念もあります。しかし、ナイセンクラウドなら内線環境を構築するだけでなく、便利な機能が多数備わり、通常の電話環境を構築するよりも低コストで導入できます。現在PHSを利用している方は、ぜひナイセンクラウドの導入をご検討ください。
クラウドPBXがあればPHS終了後も安心です
公衆PHSサービスの終了日が発表された今、構内PHSもいつサービス終了になるか分かりません。また、通話だけに特化したPHSは昨今の需要に合わない可能性が高いでしょう。PHSサービス終了後の乗り換え先を検討している方は、クラウドBPXに切り替えてみましょう。電話にかかるコストを削減できるようになり、今よりももっと業務の効率化が進むでしょう。