060電話番号とは?現在の用途・注意点・今後の動向

060で始まる電話番号を見たことがある人はほとんどいないでしょう。しかし、近い将来に060で始まる電話番号が使われ始めます。普段から電話をかけたり受けたりする機会の多い人にとっては、060で始まる電話番号がどのようなものなのか気になるかもしれません。今のうちから用途や注意点などを把握しておきたいでしょう。
本記事では060で始まる電話番号について解説します。
※なお本記事の情報は2025年5月30日時点のものです。
060で始まる電話番号とは
060で始まる電話番号は、現在ではどの用途にも使用されていません。そのため、060で始まる電話番号から電話がかかってくるということも現時点ではないはずです。
しかし、今後は060で始まる電話番号が開放されることが決まっています。では、どのような用途に開放されるのか見ていきましょう。
総務省によって新たに携帯電話用に割り当てられた番号帯
060で始まる電話番号は総務省によって新たに携帯電話の番号として割り当てられました。
これまでは090と080、070で始まる電話番号の3種類が携帯電話の番号として使用されています。もともと携帯電話のサービスが提供された当初は、090番号のみ使用されていました。しかし、契約者の増加に伴って080番号が開放され、次に070番号が開放されたという経緯があります。そして、今回は060番号が開放されました。
現在の日本では人口減少が進んでおり、高齢者も含め既にほとんどの人が携帯電話を使用しています。契約者が増える状況にはなりそうもないと思う人もいるかもしれません。
しかし、最近ではサブ回線として携帯電話を複数台持っている人が増えています。そのため、人口は減少していても携帯電話の契約数は今後も増える可能性が高いです。実際、070で始まる電話番号が開放された2013年以降は携帯電話の契約数は増加しており、現状では枯渇しそうな状況にあります。そのような状況を踏まえて、総務省では060で始まる電話番号の開放を決定しました。
060で始まる電話番号はいつから利用できるのか
060で始まる電話番号が携帯電話の番号としての割り当てが決定しているものの、まだ実際に使えるようにはなっていません。そのため、現段階では携帯電話を新規で契約して携帯番号を取得しても、060で始まる電話番号が割り当てられることはありません。090か080、070で始まる電話番号のいずれかが割り当てられます。
また、実際に060で始まる電話番号を利用できるようになるのは、2025年以降と計画されています。しかし、具体的な時期については、まだ発表されていません。ただ、070で始まる電話番号が既に枯渇寸前の状況のため、060で始まる電話番号が利用できるようになる時期も近いと考えられます。060で始まる電話番号を利用したい人は、もう少し待つのが良いでしょう。
060番号は怪しい?
060で始まる電話番号に対して怪しいと感じる人もいるかもしれません。060で始まる電話番号が携帯電話で使えるようになった後でも、怪しまれることを危惧して利用をためらう人もいるでしょう。しかし、060で始まる電話番号は決して怪しくはありません。携帯電話の番号として開放された後は、090や080、070で始まる電話番号などと同じ扱いです。携帯電話の番号のため、取得する際には通信会社の方で本人確認なども行われます。
ただ、これまで使用されていなかった電話番号のため、多くの人にとって見慣れていません。人によっては初めて見る電話番号を不審に感じることもあるでしょう。
また、マレーシアの国際電話番号は「+60」で060で始まる電話番号と似ています。そのため、060で始まる電話番号から着信があった際、マレーシアからの国際電話だと勘違いする人もいるかもしれません。
それでも060で始まる電話番号が携帯電話で使用されて数年程度経過すれば、次第に世間に浸透し、認知度も高まってくるでしょう。そうすれば怪しいと思われることもなくなってきます。
060で始まる電話番号の利用開始はビジネスに影響する?
企業では電話を使用することが多いため、060で始まる電話番号が利用できるようになることでのビジネスへの影響が気になるでしょう。対策が必要なら、まだ060で始まる電話番号が開放されていない今のうちから済ませておきたいところです。
では、060で始まる電話番号の利用開始に伴って、ビジネスにどのような影響があるのか見ていきましょう。
既存の電話番号への影響
現在使用している携帯電話や固定電話などの番号に関しては、060で始まる電話番号の開放後も目立った影響はありません。電話番号が変わることもなく、これまで通り携帯電話や固定電話で発着信できます。
多数の電話番号を使用する場合の影響
企業によっては、多数の電話番号を使用しているところもあるでしょう。例えば、営業で使用する携帯電話を営業担当者に配布して使用させている企業は多いです。その場合、既存の携帯電話への影響はなくても、新規で携帯電話を増やす場合に影響を受ける可能性があります。契約時に、060で始まる電話番号が割り当てられる可能性があるためです。自社のシステムなどで管理する際に060で始まる電話番号も扱えるようにしておく必要があります。
顧客情報の管理への影響
060で始まる電話番号の開放により顧客情報の管理にも影響が出る可能性があります。これまでは、携帯電話の番号は090か080、070で始まる電話番号の3パターンでしたが、060で始まる電話番号も加わるためです。060で始まる電話番号も携帯電話の番号として認識されるようにシステムを改修する必要があります。
060からの着信があった場合の対処法
060で始まる電話番号が携帯電話で使用できるようになると、060電話番号から着信を受ける機会も出てきます。では、実際に060で始まる電話番号から着信があったら、どのように対応すれば良いのか見ていきましょう。
他の携帯電話からの着信と同じ対応
060で始まる電話番号からの着信は携帯電話からかけている電話です。そのため、090や080、070で始まる電話番号からの着信と同じように対応して問題ありません。090や080、070で始まる電話番号からの着信に出ているのであれば、060で始まる電話番号からの着信にも出るのが良いでしょう。
知らない番号からの着信には出ないという対応を採っているのであれば、060で始まる電話番号からの着信にも出なくて問題ありません。
このように、060で始まる電話番号であっても特別に扱わず、090や080、070で始まる電話番号と同じように扱うとよいでしょう。
不審な内容だった場合の対応
060で始まる電話番号からの着信に出てみて、不審な内容だったということもあるかもしれません。悪質な営業電話や迷惑電話に対しては、明確に断って電話を切るようにしましょう。どこからの着信なのか気になる場合には、電話番号で検索して調べてみると分かる場合もあります。
同じ060で始まる電話番号からしつこく何度も電話がかかってくる場合は、着信拒否の設定をするのも一法です。犯罪に関係するような内容の電話の場合には警察へ通報しましょう。
まとめ
060で始まる電話番号は、携帯電話への割り当てが決定している番号帯です。現段階ではまだ使用されておらず、実際に携帯電話で使用できるようになる時期も具体的には決まっていません。しかし、そう遠くない時期に開放される見通しが高いため、今のうちから準備しておきましょう。
基本的に一般企業にはそう大きな影響はありません。顧客情報の管理や新規で携帯番号を取得する際に影響が出る程度です。新しく開放されるとはいっても、090や080、070で始まる電話番号と変わりません。060電話番号から着信があった場合も、他の携帯電話番号からの着信と同じように対応しましょう。