内線の使い方|賢い内線の運用方法とは

ビジネスフォン

広いオフィスやビルを持っているある程度大きな企業の場合、内線電話は非常に重要なツールです。広い会社内を駆けずり回って電話の応対に走っていると仕事が回るわけがありませんので、部署間で必要な連絡や外線からの取次ぎに関しては内線を利用するのが一番効率的です。

今回は、こうした便利な内線を賢く使うための運用方法について解説します。これまでのビジネスフォンよりも、より賢く内線を運用することが可能な画期的なサービス「クラウドPBX」の内線についても、従来の内線とどう違うのかを解説しますので、企業担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

内線と外線の違い

最初に、内線と外線の違いから簡単に説明していきましょう。

外線とは、会社の代表番号をはじめとする外部の公衆電話網と繋がる電話回線のことです。たとえば、東京の「03」や大阪の「06」のように市外局番がつくいわゆる「0ABJ型」の電話番号や、携帯電話に割り当てられる「090」「080」「070」、IP電話に割り振られる「050」で始まる番号など、これらの電話番号はすべて外線となっています。こうした外線への通話に対しては、電話会社ごとに所定の通話料がかかります。

これに対して内線とは、公衆電話網とは別に会社などの組織内でのみ通用する、いわゆる「私設電話」にあたる電話回線のことです。会社内の部署・部門別に割り振られている回線数に応じた1桁~4桁の番号はすべて内線です。内線通話は会社や組織の中だけでのやり取りになるので、通話料金はかかりません。

内線の使い方 

内線は、家庭内や社内や事務所などに専用線を引いたり、主装置・構内交換機(PBX)などを設置することで運用できます。内線は同じ屋内の複数の電話機同士であれば、離れた部署間でも気軽に通話ができる便利なシステムです。

ここでは、家庭や企業での内線の便利な使い方の具体例を簡潔に紹介します。これまであまり気に留めてなかったかもしれない内線の便利さを改めて整理してみましょう。

家庭での使い方:1階と2階

マンション住まいではあまり内線の恩恵は受けられないかもしれませんが、田舎などでお馴染みの大きな一軒家に暮らしていれば、内線は大きく活躍します。家庭内で使う内線と言えば、FAX機能なども搭載し外線とも接続している「親機」とコードレスの「子機」での運用が一般的です。

たとえば2階建てのマイホームに親子4人で暮らしているとします。一般的にはみんなが食事等で集まるリビング・キッチンのある1階に親機を置き、田舎であれば土地も比較的広めで1人1部屋用意することも難しくはないので、4人それぞれの部屋に子機を置くことも珍しくないでしょう。

そうした時に、夕食の時間にそれぞれの子機を鳴らしたり、朝子どもたちが起きてこない時には親機から子機を呼び出すことで起こしたりなど、そうした使い方が可能です。

家庭での使い方:母屋と離れ

一般的な家庭用の電話機でも、障害物がない場合で親機と子機の距離は100メートルほど離しても利用できる機種もあります。そうした親機を用意すれば、母屋と離れで内線を繋ぐというやり方もできます。

父親が離れを作業場にしていて、他の家族は母屋で暮らしているといった場合にも、親機・子機間で内線を構築すれば、離れで作業をしている父親宛ての電話を子機に回すこともできますし、家族間の私的な連絡も親機と子機のやり取りで完結します。

企業での使い方:離れた席の人への連絡

企業では、家庭とは比べ物にならないほどオフィスが広い場合が多いため、離れた場所にいる人に連絡を取るうえで内線は欠かせません。

たとえば階の違う担当者に電話をして仕事上のサポートをしてもらいたい場合や会議の連絡などをしたい場合に、自分のデスクから離れた席の担当者のデスクにつながる内線番号を入れれば、場所を移動せずともお互いに通話ができ、離れた席同士でも迅速かつ合理的な連携が可能になります。

企業での使い方:無人受付

企業において内線が特に役立っているのは「無人受付」ではないでしょうか。特にビル内にテナントとしてオフィスを置いている会社の場合、省スペース化を図る意味で受付を撤廃し無人で電話機だけ置いてある無人受付を採用している場合も多いでしょう。

そうした無人受付では、訪問者が電話を取り、自動音声ガイダンスに従って訪問目的を細分化していって、面接や営業の応対、会議など、切り分けられた目的に応じた最適な担当者に連絡がいくようになっています。そして担当者がそれぞれの目的に合った場所に訪問者を案内し、より少ない人数で最適な対応することができます。

企業での使い方:外線電話の取り次ぎ

外線電話の取次ぎに関しても、内線が役に立ちます。

たとえば、1階の部署のデスクで受けた電話が5階の部署の担当者でないと答えられないものだった場合、内線を使って電話の「取次ぎ」をすることで5階の部署にいる担当者に電話を転送することができます。内線において最も多い使い方はもしかしたらこれかもしれません。

1階で受けている受話者はまず相手先と話し、どのような用件かを伺います。一通り話を聞いたのち、「保留」ボタンを押します。そのあとで取り次ぎたい5階の担当者の内線番号を押すと、担当者と内線通話ができるようになります。

内線で「○○社の××様からこういうような用件で連絡が来ていますので、対応お願いします」というように要件と相手先の会社名と名前を告げて、対応可能であれば「転送」ボタンを押して受話器をおろし、その後5階の担当者が受話器をあげればそのまま相手先と転送先が繋がります。

内線の限界・デメリット

このように、外線が絡む場合にもそうでない場合にも非常に便利な内線という仕組みですが、ビジネスフォンなどの従来型(オンプレミス型)のPBXを利用した内線電話ではどうしても限界やデメリットが発生してしまいます。

ここでは、具体的にどのような限界があり、どのようなデメリットが発生するのかを解説していきます。

使用できる範囲に限界がある

ビジネスフォンの場合、外線や内線、複数の固定電話機を一手に接続する装置(主装置)を社内に設置することが前提となっています。内線・外線に接続する運用の要となる装置が社内にあるということなので、内線電話は同じ組織であっても1つの同一拠点内でしか使用できません

たとえば本社と支社がある場合でも、本社の内線は本社内でしか使用できませんし、支社内の内線は支社内でしか使用できません。内線は通話料がかからないため、ちょっとした連絡ならできれば内線を使いたい所ですが、連絡したい人が他の場所に出てしまっている場合には内線は使用できないのです。他の拠点や外出先など、場所を跨いで使用することができないのが内線の最大のデメリットといえるでしょう。

移動しながら使用できない

ビジネスフォンの場合では、内線・外線共に固定電話機での受発信になります。同一拠点内であっても、お互いが固定電話機同士で会話しなければならないので、移動しながらの電話機の使用ができません。

たとえば在庫の確認でちょっと離れた倉庫に行かないといけない場合や、内容的に電話が届かない範囲の場所にある契約書類を確認しなければならない連絡であったとしても、通話中はその場所から動けないのです。

これでは、離れたところにある書類などから具体的に何をどう確認するかを事前に通話で指示をもらって全てメモ書きしてから、移動して戻り、もう1回通話し直すという手間が発生してしまいます。これでは指示する側もされる側も大変です。

内線番号が席に固定される

電話を受ける側としても非常に不便な点があります。それは、内線番号が席に対して割り振られていることです。

オフィスでは定期的に、会社によっては頻繁に、席替えがあるものです。それでも内線番号は席に対して固定で割り振られているため、席が変わってしまうと自分と紐づく内線番号も全く違うものに変わってしまうのです。

こうした制限がある以上、席替えするたびに内線番号の名簿を全員分更新しなければなりませんし、近年流行りのフリーアドレス制(固定のデスクを持たず、毎日誰がどの席につくか自由に決められる制度)とも相性が非常に悪いと言わざるを得ません。もしそのままの状態でフリーアドレス制を導入すれば、誰に何番の内線で繋がるか全くわからなくなってしまいます。

賢い内線の運用ならクラウドPBX

このように従来型のビジネスフォンなどを使った内線電話には色々なデメリットがあることが分かりました。それでは、こうしたデメリットをうまく打ち消すことができるような、より賢くて合理的な内線の運用方法はあるのでしょうか。

実はそれこそが、企業向けの画期的な電話システムである「クラウドPBX」なのです。クラウドPBXを使えば、以上のような内線電話のデメリットをすべて解消できてしまいます。

ここからは、クラウドPBXとは何なのか、具体的に従来型の内線電話とどう違い、従来型の内線のデメリットをどう解決できるのかを解説していきます。

クラウドPBXとは

先ほど、内線の使い方のところで、「主装置・構内交換機(PBX)などを設置することで運用できます」と書きました。この中の主装置や構内交換機(PBX)というのが、まさにビジネスフォンやクラウドPBXの便利な仕組みを実現してくれるキーアイテムなのですが、従来型のビジネスフォンとクラウドPBXでは大きな違いがあります。

従来型のビジネスフォンは、「主装置・構内交換機(PBX)」を物理的に社内に設置し、そこに外線と内線を一手に接続し、有線の固定電話回線を複数の固定電話機に配線接続する仕組みです。こうした仕組みによって、特定の電話番号への着信に対し複数の電話機で対応できたり、別の電話機に着信を転送したりすることが可能になるのです。

それに対してクラウドPBXは、「主装置・構内交換機(PBX)」をクラウド上に設置し、外線と内線、電話機との接続はすべて無線に置き換えたシステムとなっています。クラウドPBXの場合では、社内など特定の拠点内に主装置を設置する必要がなく、電話機はすべて無線通話が可能なスマートフォンや携帯電話、ノートパソコンなどの端末に置き換えられることで、ビジネスフォンと同じ機能が使えます。

この2つの最大の違いは、ビジネスフォンは「場所の制限を受ける」サービスで、クラウドPBXは「場所の制限を受けない」サービスであるということです。

クラウドPBXの内線はどう違う?

従来型のビジネスフォンでは、内線の限界・デメリットの章でも解説した通り、社内(特定の拠点内)に物理的に「主装置・構内交換機(PBX)」と「主装置に対応した固定電話機」を設置する必要がありました。そして電話回線も外線・内線共に有線接続で運用されているため、内線電話ができるのはその特定の拠点内だけでした。つまり「場所の制限を受ける」運用方法なのです。

それに対してクラウドPBXは、上記の通り主装置はクラウド上(インターネット回線上)に仮想的に存在しており、電話回線も外線・内線共に無線で、通話に使うのは携帯電話やスマートフォン、ノートPCやタブレットなどの持ち運べるデバイスです。そのため、場所の制限を受けずに内線を運用できます。

具体的に何ができるかというと、1つの会社の拠点が東京と大阪といったように遠く離れた場所にある場合でも、その離れた拠点間でも内線が構築でき、内線通話が可能です。それどころか、アメリカなど海外に拠点がある場合にも、設定を行えば海外拠点とも内線環境が構築できてしまうのです。

つまり、これまでは別拠点だからと仕方なく使っていた国内外線通話・国際電話が不要になり、通話料を大幅にカットすることができます。規模が大きく拠点の多い会社にとってはまさに夢のようなシステムです。

また、内線電話に使用するデバイスがそもそも携帯端末である以上移動しながらの通話ができますし、内線番号はデバイスそのものに紐づくため、いくら席替えしようと変わることがありません。そして、出先や出張先に担当者が出払っていても、場所を問わずに電話が取り次げるので、本人が通話できる環境にさえあればどこにいようと問題なく電話を取り次ぐことができます

内線を使うなら「ナイセンクラウド」

クラウドPBXを導入して内線環境をより良くするのであれば「ナイセンクラウド」をご検討ください。ナイセンクラウドはTVや新聞などの各種メディアにも取り上げられたことのなるクラウドPBXです。最近はテレワークの導入に伴い、ナイセンクラウドへ乗り換える企業様が増えています。

ナイセンクラウドの機能については、まずは1分で分かる動画をご覧ください。

登録した端末すべてで同時着信したり、一部の電話番号は一部の端末だけを呼び出したり、特定の時間帯には自動アナウンスを流すなど、着信ルールを細かく指定することができます。また特定番号や非通知番号からの電話を着信音が鳴らさずにブロックできる機能も備わっています。電話を受けるという業務は1日に何回もあり、1度の通話時間が短くても全通話時間は大きなものとなります。ナイセンクラウドを導入することで、電話業務の効率を改善させることができます。

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ナイセンクラウドで使用できる電話番号は、着信課金型番号・フリーダイヤルの0120や0800、東京03のような全国の局番、050番号となっており、大抵の電話番号に対応していますので、現在ビジネスフォンを使用していたり、他クラウドPBXを利用中でも、電話番号はそのままで乗り換えが可能です。

具体的な料金は自動見積もり機能で、また料金と現在使用中の電話番号を使用した乗り換え可否は個別問い合わせでご確認いただけます。お気軽にお問い合わせください。

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内線の使い方を見直そう

内線の使い方や従来型の内線電話の限界やデメリットに迫りつつ、より賢い運用方法である「クラウドPBX」も含めて解説しました。

このように、従来型の内線のデメリットはほぼ払しょくできるのではないかというくらいに、クラウドPBXの内線電話はメリットが大きいです。そしてこれまでは場所の制限というものがあってできなかった様々な合理的な通話方法を、クラウドPBXでは実現できるのです。

クラウドPBXに興味を持たれた方はぜひ他の記事も読んでみて、クラウドPBXの便利な点やデメリットなど色々な情報を集めつつ、導入を検討してみてください。