内線電話とは?仕組みやメリット、デメリット、使い方など解説

2021年3月29日電話業務の効率化

企業などの組織において、内線電話は欠かせないものとなっています。内線電話はその名の通り会社内部で割り当てられた番号間での通話になるため通話料がかからないことが大きなメリットですが、それ以外にも様々な利便性があります。

今回は、普段何の気なしに使っている「内線電話」について、そのメリット・デメリットや使用例などを解説しつつ、内線電話について具体的に掘り下げていきます。

また、従来のビジネスフォンでの内線電話のデメリットを解消してくれる画期的なシステム「クラウドPBX」についても併せて解説しますので、企業担当者様は社内電話システムの刷新も含めて検討していただければ幸いです。

内線電話とは?

内線電話とは、会社組織で一般的に導入されているビジネスフォン等の会社用に特化した電話システムにおいて使える機能で、簡単に説明すれば「社内の電話ネットワークで繋がっている電話機同士で通話ができる」機能のことです。

こうした機能があることで会社内部の部署ごとの連携がより合理的かつ便利に行えるようになり、緊急時にも連絡が行き渡ることで組織が円滑に回るようになります。

ここでは、内線電話の仕組み・メリット・使用例・デメリットの4項目に分けて解説することで、内線電話とは何かをより具体的かつ詳細に掘り下げていきます。

内線電話の仕組み

内線電話とは具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか。

内線電話は別名で「私設電話」とも呼ばれており、専用線やビジネスフォンにおける主装置・構内交換機(PBX)などを設置し、そうした装置に内線用の電話回線を接続し各所の電話機に配線することで、公衆電話網を用いずに通話が行える仕組みとなっています。

大企業であれば、必ずしも物理的な内線網だけでなく、VPNといって仮想的な内線網を敷いている場合もありますが、中小企業の多くはビジネスフォン等の主装置を利用した固定電話回線の内線網を構築しています。

内線電話のメリット

内線電話のメリットの第一は、離れている部署にいる担当者に迅速に電話を取り次ぐことができるという点です。特に会社代表番号への着信はどこのデスクで受けるかわからないので、社内であればどこでも電話を取り次げる内線の仕組みは必須となります。

外線を受けた電話機から、相手方が求める担当者のデスクの電話機に着信を転送するには、内線がなければできません。まず通話を保留にしてから、内線通話であらかじめ電話があった旨と用件と相手方の名前、そして電話を替わってほしいという意思をしっかり伝える必要があります。了承が取れたら着信を担当者に転送できるのも、内線で電話機同士が繋がっているからです。

また、内線は基本的に会社内で通じる電話なので、異なる部署間での迅速な連携や仕事の引継ぎを行うとき、通達ミスや緊急の方針転換の際も、内線電話で連絡を入れることで迅速に対応したり作業内容を変えることができます。

第二のメリットは通話料が掛からない点です。大きな会社であれば部署間での通話に内線を使用する機会が増えますが、内線電話を使用すればいくら通話をしてもコストは掛かりません。

内線電話の使い方・使用例

日本初の私設電話は、坂本龍馬との交流でも有名なスコットランドの貿易商トーマス・グラバーが引いたと言われ、長崎のグラバー邸から高島のグラバー所有の別荘まで海底ケーブルを通すことで内線電話を構築したそうです。

さすがに通常の内線電話では海底ケーブルという大層なものを通すことはありませんが、内線は会社内だけでなく、家庭内でも便利な仕組みです。ここでは、様々なシチュエーションを想定した内線電話の使い方を、その使用例から詳しく見ていきます。

家庭での使い方・使用例

一般家庭における内線の使い方としては、いわゆる親機・子機を使った方法が挙げられます。

たとえば、両親と姉・弟の4人家族でそれぞれに部屋がある場合、リビングに親機を置いて、各部屋に子機を置くといったことが可能です。夕食時などで全員がリビングに集まっているときは別として、それぞれの部屋に戻ったあとに電話が来て、キッチンで夕食の後片付けをしている母親がリビングにある親機で電話を取ったとします。

そうした時にその電話が父親宛てだったとすると、母親は相手に一言、父親に電話を替わる旨をことわってから「保留/子機」ボタンを押し、父親に一声かけたうえで、父親の寝室にある子機の内線番号(一般的には1~4くらいで台数に応じて数字が増減する)を押すと、子機を呼び出せるので、父親が子機を取れば無事に電話の取次ぎができます。わざわざ父親の部屋まで呼びに行く必要はなく、父親も電話のためにリビングに戻る必要もありません。

また、リビングで朝食中、なかなか起きてこない朝が苦手な弟に向けて、親機から弟の部屋の子機に対し内線で呼び出しを行い、起きるようにうながすなどといった使い方もできます。

企業での使い方・使用例

企業においては、家庭内よりも内線の役割が極めて重要になってきます。何故なら、所定の部署にいる担当者への電話の取次ぎや、別部署からの連絡を受ける際に、いちいち担当者が着信のあった電話機の元に走っていては仕事が全然回らないからです。

家庭内であれば距離はたかが知れたものですが、会社のオフィス等でビル一棟持っている場合ではただでさえフロアが広いのに、更に階数が違えばその距離はとんでもないものとなります。そうした時にこそ活躍するのが内線電話なのです。

たとえば、7階の西側に位置する部署で行っている仕事の処理を2階の東側に位置する部署に引き継ぐ場合、自分のデスクにある電話機の受話器を上げ、離れた部署に対応する内線番号を押して通話するだけで必要事項を連絡できます。

また、3階で着信を受け、相手先が6階の部署にいる担当者を求めているといった場合でも、内線を使うことで回線の切り替えもできるため、離れた部署間での電話の取次ぎも容易です。

そして、ビル1階にあることが多い受付ロビー、ビル内テナント型のオフィスに備え付けられていることの多い受付電話では、内線を使うことで訪問相手がアポを取っている担当者へ直接取次ぎができるようになっています。内線があることによって、状況に応じて担当者が直接降りてきたり、待合室や会議室にご案内してお待ちいただくなど臨機応変で合理的な対応が可能となります。

内線電話のデメリット

これだけ便利な内線電話ですが、従来のビジネスフォンを利用した内線電話には、どうしても利用範囲に限界があるという意味でデメリットがあります。

もちろん、会社内の離れた場所同士で気軽に連絡が取りあえるというのは非常に便利なのですが、ビジネスフォンのようなオンプレミス型PBXを使った内線電話の場合、「電話ができるのは社内だけ」なのです。社内にいる社員への取次ぎはできても、お得意先への営業や出張などで出先にいる社員への取次ぎはできません。

また、固定電話である以上仕方のないことではありますが、携帯電話のように「移動しながら使用できない」というのも大きなデメリットです。場合によっては在庫を確認するために倉庫とオフィスを行き来する必要があることも想定できますが、内線電話中は電話から離れられません。

内線電話のデメリットを解消するクラウドPBXとは?

このように、オンプレミス型PBXを利用したビジネスフォンなどの環境で使う内線電話には、デメリットとして利用範囲の限界がどうしても出てきてしまいます。こうしたデメリットを一手で解消する手段として代表的なものが「クラウドPBX」です。

ここでは、クラウドPBXとはどのようなものなのか、クラウドPBXで使える内線電話の特徴を解説しつつ、クラウドPBXのメリットについても具体的にご紹介いたします。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、非常に簡単に言えば、従来のビジネスフォンの環境をインターネットによって無線化したものです。そのため、クラウドPBXがどういう仕組みのものなのかを理解するにはまず、従来のオンプレミス型PBXを利用した「ビジネスフォン」の仕組みを理解していただく必要があります。

ビジネスフォンを利用するには、まず社内に「主装置」と呼ばれる構内交換機(PBX)を物理的に設置する必要があります。主装置を設置したら、公衆電話網につながる外線と、社内通話が可能な内線を必要な数だけ用意し有線接続します。そして、内線側に社内の複数の固定電話機に電話回線を配線して完成です。

このように複数の外線・内線を主装置に集約させることで、同じ電話番号での発着信を複数の電話機で共有出来たり、社内の固定電話機同士で内線電話ができるようになります。

クラウドPBXは、ビジネスフォンにおける「物理的な主装置」をクラウド上すなわちインターネット回線上に設置し、固定電話機をスマートフォンや携帯電話、ノートパソコンなどの端末に置き換え、外線・内線の有線接続を無線接続でも可能にします。もちろん固定電話機も使用可能です。

クラウドPBXとビジネスフォンの最大の違いは、「主装置を物理的に設置する必要がない」ことと、「無線環境でも利用できるためあらゆる運用において(インターネット回線が繋がる場所のみという制限はあるが)場所の制限を受けない」ということです。

クラウドPBXの内線電話

以上のような大きな違いはありつつも、クラウドPBXも運用の仕組み自体はビジネスフォンと似ているので、もちろん内線電話を使うことができます。しかし、内線電話だけを取り上げても、クラウドPBXではビジネスフォンとは比較にならないほどの利便性を発揮できるのです。

ここでは、クラウドPBXならではの内線電話の特徴や利便性について簡単にご紹介します。

スマホやノートPCなどの端末でも内線が使用できる

クラウドPBXの大きな特徴は、通話に対応している機種が豊富であることです。先ほど、無線環境の例としてスマホ・携帯電話が利用できることを説明しましたが、クラウドPBXの場合はそれだけではありません。

普段持ち運んでいるノートPCやWi-Fiのみ対応のタブレット、iPod touchなど、あらゆる携帯デバイスで内線が利用できます。また、マイクさえ用意すれば、社内にあるデスクトップPCでも内線が使用できます。

拠点外・海外でも内線が使用できる

クラウドPBXは先ほども説明した通り、無線環境でも運用できるものなので基本的に「場所の制限を受けない」ものです。そしてまさにこれこそが、クラウドPBXが画期的である大きな理由でもあります。

従来の内線電話のデメリットとして、社内だけでしか内線電話ができないと説明しました。それは「内線だから当たり前じゃないか」と思うかもしれません。しかしクラウドPBXの内線電話は「場所の制限を受けない」のです。

具体的にどういうことかというと、たとえば、ある程度の規模がある企業の場合、拠点が東京と大阪にあるという場合もあるでしょう。東京と大阪では500km近く離れているので、従来のビジネスフォンであれば同じ組織間でも外線を使う必要があり、通話料も掛かっていました。

しかし主装置がクラウド上に存在するクラウドPBXであれば、「場所の制限を受けない」ので、東京と大阪のように離れた拠点間でも内線を構築でき、無料で通話できます。離れた拠点間でも社内にいるかのように連絡が取りあえるのです。

それだけではありません。インターネット回線が繋がる環境であればあらゆる場所で運用できるのがクラウドPBXなので、国内どころか海外の拠点とも、内線を構築できます。つまり、海外支社と連絡を行うときにも、国際電話を使う必要がないということです。

クラウドPBXのメリット

以上のように、クラウドPBXの内線電話には驚くべき利便性があることがわかりました。先ほども説明した通り「場所の制限を受けない」のはあらゆる運用においてですから、クラウドPBXには内線に限らずメリットがあります。

まずは、通話に対応している機種が豊富なので、ビジネスフォンのように主装置に対応した電話機を別途用意することなく既に持っているスマホや携帯電話やノートPCなどでも使えるので、大幅なコスト削減が可能です。ビジネスフォンでは非常に高額な設備投資が必要ですが、既に持っているもので代用すれば設備への投資が一切不要になることもあり得ます。

そして場所の制限を受けずに会社の電話番号での受発信が可能ですから、クラウドPBXを導入しておけば、昨今感染症拡大予防策として注目されているテレワークなど新たな働き方も導入しやすくなります

また、従来であれば出払っている社員に必要事項を連絡するのには伝言や掛け直しなどの手間がかかりましたが、クラウドPBXなら業務連絡が場所を問わずに取れるので、業務効率が大幅に改善します

更に言えば、電話の取次ぎに苦労することがないので内線に限らず顧客からの電話も誰でも取りやすくなりますし、そもそも自動応答機能を使うことで電話を内容によって振り分けられるので、しかるべき的を射た回答をくれる専門の担当者に直接電話を繋ぐこともできます。

内線電話を使用するならナイセンクラウド

ナイセンクラウドはテレビや新聞でも取り上げられたことのあるクラウドPBXです。まずは1分の紹介動画をご覧ください。

ナイセンクラウドは動画で説明したように、細かな着信ルールの設定や海外を含めた複数拠点での運用、複数電話番号の使用、コストを抑えた通話などを実現できるクラウドPBXです。IVR機能や電話会議機能など、便利なオプションもご用意しています。

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料金については3つのプランがあり、会社規模に応じて選ぶことができます。サービスサイトの自動見積もり機能や個別見積もりで料金をご確認いただけます。

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今よりもっと使いやすい内線電話ならクラウドPBX

内線電話とは何かを仕組み・メリット・デメリット・使用例など多角的な視点から解説したうえで、従来の内線電話のデメリットを取り払ってくれる画期的なシステム「クラウドPBX」の仕組みやメリットについても紹介しました。

クラウドPBXを導入することで、これまで複雑に分岐していた電話対応フローを必要最小限のやりとりで済ませられるようになることは間違いありません。もちろん操作に慣れるまでには時間はかかるでしょうが、ビジネスフォンに比べれば大幅に導入コストは安くなりますし、ベンダーによってはデモ版で使用感を試せる場合もあります。この記事を参考に、ぜひクラウドPBXの導入もご検討ください。