海外拠点立ち上げの方法│必要な準備やポイントは?

電話業務の効率化

企業は事業を通して人々の需要を満たすべく商品やサービスを提供し続けるために存在しています。サービス内容や事業展開によっては、海外市場に打って出るため、もしくは製造拠点を海外に移すためなどの理由で海外拠点を立ち上げることもあるでしょう。

しかし、グローバル社会になり海外との距離が以前に比べると近くなっているとはいっても、海外に拠点を立ち上げるというのはそんなに簡単なことではありません。市場開拓から始まり人材や設備の調達、現地での経営管理など、様々な手順を踏む必要があります。

今回は、海外拠点を立ち上げる方法について、その理由や立ち上げる際チェックすべきポイント、撤退する際のシナリオも含め具体的に解説していきます。また、海外拠点を立ち上げるうえで必ずや役立つであろう電話システム「クラウドPBX」についても解説していくので、海外での電話システム構築に悩んでいる企業担当者様もぜひ参考にしてみてください。

海外拠点を立ち上げる理由

企業が海外拠点を立ち上げるのには、様々な理由があるものです。サービスをより多くの人に届けるため、事業規模を拡げて存在感を強めるためなど理念的な理由もあるはずですが、企業というのは基本的には営利組織なので、ビジネスをより円滑に回していく為の理由が主でしょう。そしてそれらの理由は同時に「海外に進出していく目的」にもなり得るものです。

ここでは、海外拠点を立ち上げる理由としてよくあるものを6つ取り上げていきます。海外拠点を立ち上げるには目的をはっきり見定めなければうまくいきませんので、以下を参考に自社の事業戦略上の位置づけや海外進出の目的を明確に考えていきましょう。

市場開拓

第一に挙げられるのは「市場開拓」です。変化の激しい現代社会においては盤石な市場というのは少なく、また安心して永続的に利益を得続けられる保証もないため、市場開拓は企業が常に行っていかなければならないことであるともいえます。特によく言われるのは「人口減少に転じた日本で、国内市場は頭打ちが目に見えている」ことを理由にした海外進出です。

これはある種合理的な理由ですが、こうした目的で海外拠点立ち上げを目指すのなら、実際の立ち上げの前にしっかりとした市場調査は欠かせません。海外では文化も市場の仕組みも人々の性格も全く違うので、国内で人気の商品であっても海外では全く需要がなかったという失敗は枚挙にいとまがありません。勇み足で海外拠点を立ち上げてしまう前に、海外企業との販売提携を行うなどして実際に海外で商品やサービスを受け入れてもらえるかをまずは確認しましょう。

生産コストの削減

近年増えているのが、人件費も含めた「生産コストの削減」を理由とした海外拠点立ち上げです。特にグローバル化している市場に身を置いていると、海外の安価な輸入商品とのしのぎ合いで競争力を削られるといったことが起きているため、コスト削減を目的に海外に目を向ける企業も多いでしょう。思うように利益が出なければコストの削減に意識を向けるのは当然のことです。海外の方が生産コストや人件費が少なく済むというイメージもあります。

しかしながら、日本の周辺諸国、特にアジア地域は新興国と呼ばれるように目覚ましい成長を遂げており、日本との差はどんどん縮まっています。人件費に関しては特に経済成長率に比例して上がっていくものなので、賃金上昇率などを確認し、本当に安く済むのかどうかをしっかり調査しておく必要があります。

生産コストに関しても、国内生産では発生しない関税・輸入出コストなどを考慮する必要がありますし、日本同様の品質を保てるよう管理することも求められます。こうした様々な手間や新たに発生するコストや手間を考え、きちんとペイできるか事業計画をしっかり立てる必要があるでしょう。

部品・商品の調達

特に買付・仕入れが重要な商売や、部品調達が必要な製造業の場合、海外製の安価な部品・商品を安定的に調達したいという目的もあるはずです。

こうした目的で海外拠点を立ち上げるのは非常に合理的ではありますが、こうした目的で海外拠点を立ち上げるには、海外の仕入れ先担当者(サプライヤー)としっかりとした交渉ができる人材が社内にいないといけません。最終的には部品・商品を長期的・安定的に供給してもらえる信頼関係をサプライヤーとの間に構築することが求められるからです。

そうした人材がいれば、今の時代は比較的有利に動くことができます。実際に海外に行かずともオンラインでのサプライヤーとの交渉も可能ですし、実際に足を運ぶ必要があれば拠点を立ち上げる前に複数回、出張でのサプライヤー探しや買付等を段階的に行っていく方法も可能です。

ただし、最近は新型コロナウイルスが問題になっているため、感染リスクを考えると実際に現地に行くには感染症の状況が落ち着く必要があるので、当面はオンラインでの商談となるでしょう。

海外人材の活用

海外拠点を立ち上げる目的の1つとして海外人材の活用を掲げている会社も少なくありません。特にITをはじめとする情報産業や、語学力が問われる業種においては日本人よりも優れた人材が海外に多く、そうした優れた人材を求めるケースもあるでしょう。

日本はビジネススタイル的にも非常に独特な文化を持っている場所であり、本社で海外人材を活用するよりも、現地に拠点を立ち上げてそこでパフォーマンスを発揮してもらうほうが慣れた環境で最適な仕事を行えますし、新たな販路の拡大にも大きく寄与してもらえるでしょう。こうした優れた海外の人材を会社で確保することで会社の成長が見込めます。信頼関係が確固たるものとなれば、将来的に日本の本社に異動してもらうことも期待できます。

取引先からの要請

主要な取引先が海外に進出するためそれに合わせてついていく、親会社から要請を受けて自分の会社も海外拠点を設立する、といったように取引先の都合に合わせて海外進出をするというケースもあるのではないでしょうか。

こうした場合は、将来的に取引先と安定したコネクションが保てるのか、それも対等かつ長期的にメリットのある関係性を続けられるのかをしっかり考え、検討する必要があるでしょう。取引先に振り回された結果、突然契約を切られてしまうこともあり得るのがビジネスの世界だからです。

新規事業の立ち上げ

国内での既存事業に行き詰まりを感じて心機一転海外で新規事業を、と海外拠点を立ち上げようとすることもあるでしょう。こうした目的での海外進出を考えているのなら、より一層慎重に判断する必要があります。

本当に海外で行う必要性があるのか、そもそも立ち上げようとしている事業が海外で可能なものなのか、また海外でその事業を立ち上げるメリットがあるのか。株主や顧客、社員などからも出る可能性があるこうした素朴な疑問、ビジネスの根本に立ち返った問いかけに応えられることがまず必要です。

海外拠点を立ち上げる際のチェックポイント

海外拠点を立ち上げる理由のところでも、目的を失敗なく遂げるうえで最低限必要なことについて付記しましたが、それ以前に、海外拠点を立ち上げる際に最低限意識するべきこと、考慮・検討するべきことはたくさんあります。海外でビジネスの拠点を立ち上げ、展開していくにあたっては、国内に比べるとより障壁やリスクが多い分、より慎重に判断をしなければなりません。

ここでは、海外拠点を立ち上げる決断をする前に意識するべき、考慮するべきことを4つ、例を挙げて紹介します。海外進出の目的と併せて、よく検討し考えてみてください。

立ち上げるべきタイミングは今か

海外拠点を立ち上げるには、そもそもタイミングをしっかりと見極める必要があります。海外現地に既に構築されている市場に他国から新たに打って出るわけですから、現地の市場のトレンドや風向きをしっかりと把握するための市場調査は勿論、現地の政治情勢や治安状況、法制度・規制など、多角的な側面から状況を見極め、「ここぞ」というところでビジネスが始められるように計画を整えないといけません。

国内市場の頭打ちや低迷などに直面して焦って勇み足で海外進出を決めていないでしょうか。日本国内では勿論、海外ならなおさら思うようにはいかないと考えるべきです。あくまでも慎重に、クレバーに手を打っていかないと失敗は目に見えています。その為にも、計画を進める前に改めて「立ち上げるタイミングは本当に今でいいのか」を今一度問い直すといいでしょう。

本当に海外でなくてはいけないのか

市場開拓を目指して海外進出する、というのは頭打ちが目に見えている国内市場を見れば自然な流れではあります。しかし、注意しなければならないのは「海外の市場に打って出られるほどの需要があるか」、つまり「日本で受けた商品やサービスが受け入れられるのか」をきちんと明確にするべきであるということです。つまり「本当に海外でないといけないのか」を含めて検討する必要があります。

海外向けに新たに事業計画を練り直すにしろ、既存事業をある程度そのままの形で海外に持っていくにしろ、部品等の調達場所を確保するための海外進出にしろ、まずは「国内で完結できることはないか」を検証しておくことは大切です。新興国で部品製造拠点を作るより、国内の町工場に任せたほうが部品代も人件費も安く済む上に品質も高いという場合も無きにしも非ずですし、内容によっては国内でビジネスをする方がうまく回る場合もあります。

その上で、市場における自社の商品の位置づけや、サービスの需要の度合いを把握するための市場調査もしっかり行っておきましょう。そうした多面的な検証を行うと、おのずと「海外でなければならない」と言えるポイントが見えてくるはずです。見えてこなければ、「今ではない」と潔く取り下げるのもビジネスにおいては大事なことです。

社内体制は万全か

海外に拠点を作るということは、現地に拠点を作るための諸手続きは勿論、現地のサプライヤーやエージェントとの交渉も必要ですし、そもそも海外の拠点の管理やマネージメントを任せられる担当がいないと到底スムーズにはいかないでしょう。特に人材の確保は急務で、拠点を設けたとしても優秀な人材を確保できなければなかなかビジネスを軌道に乗せるのが難しくなってしまいます

現地にコネクションの深い人材を日本の本社に派遣するにしても、現地で海外支社の立ち上げを担当してもらえるとしても、海外の同業法人での経験をもった人材をしっかりアサインしかつ育成することができる人事制度や研修制度を、しかも海外人材向けに整えておくことが求められるでしょう。海外の優れた人材は日本に比べ会社への忠誠心が少ないので、優れた人材を引き留めておけるだけの報酬や魅力的な環境を維持できる組織力も必要です。

海外拠点を立ち上げて軌道に乗せるだけの社内体制が整っていないのであれば、まずはそこを構築する必要があるでしょう。

万が一撤退するときのシナリオは?

勇み足で海外に出ようという場合にも、慎重に海外進出を狙っていく場合にも、最低限想定しておかないといけないのは「撤退時のシナリオ」です。海外に出たら必ず成功するとは限りませんし、ましてや従業員の雇用を引き受ける企業という立場では進退もそうスムーズにはいかないものです。

海外で事業撤退を行う際には、様々な障壁に悩まされることになります。たとえば、撤退にかかる従業員への補償やテナント明け渡しなど撤退にかかる費用もあり、現地の政府当局や取引先、従業員や労働組合、地域住民からの圧力なども懸念されます。また中国等では法制度上なかなか撤退の認可がおりず、撤退自体に何年もかかってしまう場合もあり、撤退自体が思うようにできないこともままあります。

こうしたことを想定して、事前に撤退に関する計画を明確に作成しておくことが大切です。その際のポイントとしては「自社の経営状態がどうなったら、どうするのか」という点を明確にしておくことです。たとえば「2年間赤字が続いたら事業計画を見直す」「5年経っても利益が最低目標に達しなかった場合は撤退も含め事業再編を検討する」というように時期の目安や目標利益の目安をしっかり定めておくと、現地パートナーや従業員、政府当局等、各方面へ認識が伝わり、何もない状態よりはスムーズに撤退を検討できるでしょう。

海外拠点立ち上げの手順

このように、海外拠点を立ち上げる際の目的を明確にするだけでなく、事前に意識するべきことも多々あり、それだけ海外拠点を立ち上げるには手間と時間がかかるものです。しかし、なるべく失敗しないためにはあらゆる手を打っておくことが求められ、その分だけ成功の可能性が上がるため、惜しみなく手間と時間をかけましょう。

ここからは、具体的な海外拠点立ち上げの手順について、大まかに6つに分けて解説していきます。国内で事業を行う際にもある程度のプロセスを踏む必要がありますが、海外だと更に一手間、二手間かかります。国内よりも想定できない事態が起こるリスクが高いので、より具体的かつ詳細な策定・検討が求められるので、ぜひ以下を参考にしてみてください。

事前の情報収集

海外拠点を立ち上げるにあたって、事前の情報収集は欠かせません。しかも、海外拠点を立ち上げる目的を明確にしたうえで、現地がその目的にとって不都合のない状況にあるかを常に意識しながら情報を集めていく必要があります。特に法規制や治安状況、政治情勢など現地ならではの事情については、経営に深く関わってくる可能性が高いため、現地の状況に対し自社の経営資源のみで対応が可能かの事前検証は必ず行っておきましょう。

そして、具体的な調査方法として「FS調査(事業化可能性調査)」というものがあります。FS調査には国内予備調査と現地調査があり、予備調査では現地の各種公的機関やネットを経由した調査を行い、現地の法規制や政治情勢、市場のデータ、顧客候補、サプライヤー候補などを調べられる限り調べます。現地調査では、行政機関への訪問は勿論、実際に事業予定地や現地パートナー・サプライヤーへの訪問を行い、より具体的な情報収集と事業計画イメージを固めていきます。

スケジュールと数値目標の策定

海外での事業には国内よりもリスクが高いため、より具体的な数値目標とスケジューリングが求められます。たとえば、市場開拓が目的であるならば「何年後までにこれくらいの売上高を達成する」、「純利益はどのくらいで、市場シェアは何割くらいか」といったようなことを明確な数字として策定します。逆にコスト削減が目的ならば「製造コストが何年後にどのくらいになると見込めるのか」「国内製造コストの何割にあたるのか」といったことを数値目標としてしっかり示しておくことが大切です。

その上で具体的なスケジュールを立てていきましょう。「海外進出計画案作成」「国内調査・現地調査」「社内意思決定」「進出計画作成」から始まり、現地法人設立のための登記等の諸手続きを行い、拠点建設・原材料手配・人材採用といったように進めていきます。具体的には、JETRO(日本貿易振興機構)のサイトにある計画表が参考になります。

進出先の検討

特に初めての海外進出を図る場合、できる限りリスクを回避、あるいはリスクの懸念を考え、候補を分散している場合も多いことでしょう。進出先の国や地域が決まっていない、あるいは候補をいくつか決めてある場合には、実際に現地へ赴き、各国の経済的・政治的状況や市場の実態、競合他社の価格などをしっかりと調査して、どこに進出するかを比較検討していきましょう。

「自社で扱う商品がそもそも進出先で販売可能なものなのか」「自社で扱う商品を現地あるいは日本へ輸出・輸入できるのか、またその際の関税はどのくらいかかるのか」といったように扱う商品に関わる事情を調べておくのは当然として、それ以外にも調べる必要があります。

たとえば、外資規制の有無などの法規制や、現地の物流状況、現地人材にかかる人件費の相場、経済の安定度や経済成長率、カントリーリスク(戦争や暴動など)の有無、信頼できるパートナー企業の有無など、検討材料は山のようにあり、そうした多角的な側面からの比較が必要です。そして「先人に学ぶ」ことも大切で、これまでに日系企業や他国の外資系企業がどれくらい進出していて、同業において市場が形成されているのかといったことも調査し検討することが求められます。

現地パートナーの選定

海外で事業を展開していくには、設立形態によらず、現地パートナーが必要になるものです。現地でのコネクションがある程度あって、現地ならではの事情や商慣習に詳しいパートナーは、現地でのビジネス展開において非常に重要な位置を占める存在になります。その為、できれば経営者自らがパートナーと何度も会って、慎重に交渉しつつパートナーを選定しましょう。

特に日系人や日本人ではなく現地人である場合には、文化や慣習の違いから意思疎通がうまくいかない場合も少なくありません。こればかりはお互い「慣れ」も大切ですから、少なくとも複数回にわたって会い、人格の見極めやビジネス上の交渉といったことを行うのをおすすめします。

現地におけるネットワークの構築

海外において事業を運営していくにあたって、ビジネス上の課題や問題を相談できる先というのを確保しておくことは重要です。国内であれば同胞であることもあってネットワークも比較的構築しやすいですが、現地人から見ればこちらは得体の知れない外国人ですから、より積極的に働きかけて「横のつながり」を構築しておきましょう。

経営が行き詰まったときなどに手を差し伸べてくれるような横のつながりは、ビジネス上・あるいは人格上の信頼関係が基盤となる点は国内と同じです。自分ばかりお世話になるのではなく、近所の人々や企業が困っているとき、積極的に助けられる存在になることが理想です。近所にこうしたネットワークがあれば、万が一のトラブルなどの際に、快く力になってくれるかもしれません。

現地での経営管理の徹底

特に日本からの不動産投資などでよくありがちなのが、海外拠点の管理を現地のエージェントに任せきりにしてしまうことです。こうした状態が続くと、不動産の管理状況や運営状況を日本から把握できなくなってしまい、いつの間にか適切な管理が行われず価値が落ちてしまっていたなんてことが起こってしまいます。ビジネスも同じで、海外拠点の事業が軌道に乗ってくると現地に任せきりになって管理がおざなりになってしまうこともよくあるのですが、こうした状況を作るのはおすすめしません。

国内と海外では商慣習や文化が違うため、徹底した経営管理がなくなると品質やサービスのクオリティが落ちてしまうこともあり得ますし、最悪の場合不正が横行する危険性も否めません。ビジネスの基盤はお金ではなく信頼ですから、できれば本社の経営陣自らが、最低でも海外事業の担当者が常に、あるいは定期的に経営状況を把握し、自分の会社の名前に泥を塗らないような経営状態や品質を保つように管理を徹底するべきです。

海外拠点の立ち上げならクラウドPBXがおすすめ

このように海外拠点を立ち上げるためには、国内とは違った環境や文化をどうしても意識させられますし、日本人はあまり体験しにくい「自分が外国人である」という立場ならではの障壁を乗り越えないといけません。それに加えて、ビジネスに必須となるコミュニケーションツール「電話」に関しても、海外拠点と日本の本社との連絡や連携の際、国内拠点の外線と違い国際電話を使用しなければならないなど色々と苦労させられます。

しかしながら近年では、海外拠点の立ち上げの際に導入することで、こうした電話面での苦労をせずに済むツールがあります。それが「クラウドPBX」です。何故苦労しなくて済むのかというと、クラウドPBXを導入することで、海外拠点と日本拠点をスムーズに繋げて日本国内と変わらない環境を維持できるからです。

ここからは、国内拠点と海外拠点の連携に欠かせない画期的な電話システムであるクラウドPBXについて、どういうものなのか、なぜ海外拠点の立ち上げの際に導入すると最適なのかを解説していきます。結果的にクラウドPBXがいかに便利なサービスかがわかるように解説しますので、企業担当者の皆様はぜひ導入をご検討ください。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、簡単に説明すれば「ビジネスフォンの仕組みをクラウドに置き換えたもの」と定義できますが、それだけではわかりにくいかと思いますので、まずはビジネスフォンがどういう仕組みなのかをざっと振り返りましょう。

会社のデスクにある電話を日常的に使っている方は、どういうことをしているかを思い浮かべてください。多くの場合、会社の代表番号等に宛てられた外線や内線の問い合わせに対して「応対」し、用件が自分宛てでなければ「保留」ボタンを押し、担当者に「取次ぎ」を行っているでしょう。そうした機能を使えるようにしてくれるのが「ビジネスフォン」です。

そもそも会社の電話で外線・内線両方の通話ができるのはビジネスフォンの仕組みがあるからです。ビジネスフォンの仕組みは、会社内に「物理的に設置」された「主装置(構内交換機・PBX)」に、外線と内線、社内の固定電話機をまとめて「有線で接続」することで、1つの電話番号を複数の電話機で共有したり、内線で繋がっている社内の電話機同士で内線通話をしたりできるといったものです。

クラウドPBXは、先ほども述べた通り「ビジネスフォンの仕組みをクラウドに置き換えたもの」です。具体的にどういう仕組みかというと、ビジネスフォンのシステムの要となる「主装置」をクラウド上、すなわちネット回線上に「仮想的に設置」し、主装置に対して固定電話機だけでなくノートパソコンや携帯電話・スマホを「インターネット回線で接続」することで、ビジネスフォンの仕組みを無線環境でも利用できるようにしたものです。

なぜクラウドPBXが海外拠点の立ち上げに最適なのか

それでは何故クラウドPBXが海外拠点の立ち上げに最適なのでしょうか。その答えは、クラウドPBXが持つ、ビジネスフォンとの絶対的な違いにあります。その違いとは、ビジネスフォンは「場所の制限を受ける」サービスで、クラウドPBXは「場所の制限を受けない」サービスであるということです。

従来型のビジネスフォンでは、「主装置(構内交換機・PBX)」を社内(特定の拠点内)に物理的に設置、また電話機についても固定電話機を設置しているので、その仕組みを使えるのは会社内だけ、という場所の制限がありました。会社の電話番号を使うにはどうしても会社内のどこかにいなければならず、出先や取引先などでは会社の番号を使った通話はできませんでした。

それに対してクラウドPBXはクラウド上の主装置にインターネットを通して接続されている状態で、使う電話もスマホや携帯電話でいいので、どこででも通話ができ、場所の制限を受けません。その為、出先や取引先にいても、自宅にいても、海外にいても、会社の電話番号を使って顧客や取引先との通話が可能になります

従来のビジネスフォンでは、あくまでも内線が使えるのは主装置が設置された特定の拠点内だけでした。しかし場所の制限を受けないクラウドPBXなら、内線通話が別拠点同士でも行えるのです。つまり、国内の異なる拠点同士だけでなく「海外拠点と国内拠点の間でも内線通話が可能」なのです。普通のビジネスフォンなら外線かつ国際電話を使わないと行えない海外拠点との連絡も、内線通話なので通話料無料で行えます。この機能があるだけでも海外拠点への導入に最適なのはご理解いただけたでしょう。

他にも海外拠点で電話発信する際、日本の電話番号を使用して発信ができるため、海外拠点から日本国内の顧客に電話を掛ける際も国内通話として扱われ、通話料を抑えることが可能です。

海外拠点での利用にも対応した「ナイセンクラウド」

クラウドPBX「ナイセンクラウド」は、海外拠点の立ち上げやテレワークの導入、電話にかかるコスト削減、業務効率の向上などのために多くの企業様で導入されています。

ナイセンクラウドの機能については次の1分動画をご覧ください。

>>ナイセンクラウドの詳細をチェックする<<

ナイセンクラウドでは複数端末での同時着信、細かな着信ルールの設定、特定番号のブロック設定、電話相手情報のディスプレイ表示、通話履歴の確認などが基本機能として備わっています。その他に自動通話録音やIVRなどの便利なオプションも用意しております。

料金は企業規模に合わせて3つのプランを用意しており、割引が適用される条件もございます。まずはサービスサイトをご確認いただき、お気軽に自動見積もり機能や個別見積もりの問い合わせフォームごご利用ください。

>>自動見積もり・個別見積もりを依頼する<<

海外拠点を立ち上げるなら入念な準備を

海外拠点を立ち上げる具体的な方法を詳しく解説していきました。海外拠点立ち上げの際には、まずは目的をしっかりと明確にし、入念な準備をしましょう。そして、海外拠点の立ち上げを実現する為のプロセスをひとつひとつ確実にこなし、数多の障壁を乗り越えながら、リスクを確実に減らしていくことが大切です。

また、海外拠点でのビジネスを軌道に乗せていく為には、本社との密な連携が欠かせません。せっかく海外拠点を立ち上げるのなら、そうした際に役立つ便利な電話システム「クラウドPBX」の導入も検討してみましょう。