ユニバーサルサービス料とは?意外と知らない電話にまつわるコストの話
毎月発行される携帯電話の請求書。複雑な内訳をつぶさに見ていくと、「ユニバーサルサービス料」という項目があります。たった数円程度のわずかな金額ではありますが、一見すると何の費用で、何のために支払っているのかわからず、少しもやっとした気持ちになりますよね。
そこで今回は、携帯電話料金に加算されるユニバーサルサービス料とは何なのかを解説していきます。また特に企業様が少しでも電話にかかるコストを削減したい場合におすすめのサービスについても解説していきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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ユニバーサルサービス料とは?何のための費用?
ユニバーサルサービス料とは、簡単に説明すると、NTT西日本・東日本が全国的に提供する電話サービスを維持するために必要な費用を、全通信事業者で公平に負担しましょうというものです。
つまり、有り体にいえばユニバーサルサービス料は電話サービスの維持費用なので、当然ながら携帯電話や固定電話を使うための公衆電話サービス全般に対してかかります。また、お金を払って契約しなくても使える緊急通報や災害ダイヤルなどにも使われています。
ここでは、ユニバーサルサービス料が何のための費用なのか、請求の構造はどうなっているのかを詳しく解説していきます。
ユニバーサルサービス料とは
ユニバーサルサービス料とは、非常に簡単に説明すると、電気通信事業法により規定された「ユニバーサルサービス制度」に応じて発生する、電話サービス維持にかかる負担金のことです。
ユニバーサルサービス制度というのは、従来NTT西日本・東日本の負担となっていた公衆電話サービス(携帯電話や固定電話契約、公衆電話、緊急通報を含む)の維持費用について、電話事業を行うすべての事業者で負担するというものです。
日本における電話の歴史を知っていれば当然の話ではありますが、かつて電話サービスは国営で、NTT西日本・東日本の前身となる電電公社という、国の関連会社が運営していました。それが民営化・分割化され、NTT西日本・東日本になったのです。その為、電話サービスの根幹の維持については国に代わる形でNTT西日本・東日本が担っていました。
その後、時代の変化によって現在の携帯電話キャリアを中心に様々な通信事業者が参入しました。特に携帯電話サービスが1人1台以上となるなど爆発的に規模が拡大してくると同時に、各事業者の通信料金は大幅に安くなったため、NTT西日本・東日本の負担だけでは安定的な電話サービスの維持が難しくなっていきました。それを補おうというのが、このユニバーサルサービス制度です。
ユニバーサルサービス料はどのように請求されているのか
ユニバーサルサービス制度の根幹にあるのは「どの地域のどの世帯でも公平かつ快適に使用できるようにするために必要な電話サービス費用を、全通信事業者が公平に負担する」というものなので、本来負担するのは全ての電気通信事業者です。
しかし大手キャリアを中心に、殆どの事業者がその負担金を利用者負担という形にしています。事業者自身だけでは負担が賄いきれないため、広く利用者に利用料という形で徴収しているのが現状です。
構造としてはまず、負担分はNTT西日本・東日本が賄いきれない範囲(国が補填している部分)に対してのみである点に注意が必要です。その費用を元に、事業者が利用者に割り当てている電話番号1つに対していくら負担をしないといけないか(番号単価)を、支援機関が法律の規定に基づく公正な方法で算出します。
この番号単価に基づき、利用者1人の契約回線数に応じたユニバーサルサービス料が決定します。ユニバーサルサービス料の徴収対象になるサービスは事業者によって異なりますが、実質ほぼすべての電話サービスが該当すると考えてよいでしょう。利用者に請求されるのは、上記番号単価を元に算出された1電話番号あたりの金額です。2020年12月の場合では、月額2円となっています。
請求の構造としては、契約している通信事業者が利用者に対し月額で請求するという形となっています。そして、利用者が毎月支払うユニバーサルサービス料を一旦事業者が預かり、事業者がユニバーサルサービス制度支援機関を通して、NTT西日本・東日本へと支払うという流れになっています。
2021年1月に料金改定
ユニバーサルサービス料は半年に1回変更されています。それは、ユニバーサルサービス料の元となる番号単価が、半年に一回見直されるためです。そして直近では2021年1月、つまり令和3年となる今年の正月からの利用分について、ユニバーサルサービス料が変更されました。
今回の変更は2円から3円への値上げです。しかし先ほども述べた通りこれは半年に1回見直されるので、半年後にはまた値下がりする可能性もあります。
企業が支払うユニバーサルサービス料
以上の話は個人向けの話でしたが、電話を契約している企業・法人もユニバーサルサービス料を負担しています。個人では月額数円の世界ですが、数十・数百、企業の規模によっては数千・数万回線にも及ぶ契約数の中で負担するユニバーサルサービス料は相当な額となります。
企業の場合、法人の代表電話番号と、個々の社用携帯の全回線に対してユニバーサルサービス料が発生します。たとえば、代表電話番号を含めて1,000回線契約しているとしましょう。昨年を例にとると、ユニバーサルサービス料は年間通して1回線あたり2円のままだったので、月額2円×1,000回線×12ヶ月で、24,000円となります。
そして企業の場合ネックとなるのが、契約年数が数年では済まないことです。それこそ10年・20年スパンは見積もっておかないといけません。ユニバーサルサービス料は、2012年後半以降8年間にわたりおおむね2円~3円を行き来している状態なので、今後10年も同様の価格帯であると推測し、平均して2.5円だったとして、10年分のユニバーサルサービス料を計算してみましょう。
この想定では、月額2.5円(平均値)×1,000回線×12ヶ月×10年間=30万円となります。塵も積もれば山となるというように、結構な大きさの出費になってしまうのです。
少しでもコストを削減したいなら「クラウドPBX」
このように、社用携帯や固定電話を1回線ずつ契約していると、電話番号1回線に対してユニバーサルサービス料が加算されることとなります。特に全国に支点を持つメガバンク等、数万回線を契約している会社ともなれば、その負担は計り知れないものがあります。
そこで、より低コストでの電話運用をしたい企業担当者様にご提案したいのが「クラウドPBX」です。ユニバーサルサービス料をはじめ様々なコストを少しでも削減したい場合に役立つ、企業向けの電話サービスとしておすすめできます。
ここでは、クラウドPBXとは何か、何ができるサービスなのか、何故クラウドPBXを使うとコストカットができるのかについて分かりやすく説明していきます。
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは何か、簡単に説明すると、「ビジネスフォンをクラウド化したもの」となりますが、少しわかりづらいので、まずビジネスフォンとは何かを簡潔に説明します。
ビジネスフォンとは、PBXと呼ばれる構内交換機を会社内に設置し、社外へ繋がる外線と、必要な数だけの固定電話機(内線)をPBXに有線接続し、限られた回線(電話番号)を複数の電話機で共有するシステムのことです。
クラウドPBXは、このビジネスフォンの仕組みを応用し、PBXを会社内ではなくクラウド上に設置し、複数の電話端末を有線ではなく無線で接続することで、ビジネスフォンと同じ仕組みを作っているサービスのことです。
クラウドPBXでできること
それでは、クラウドPBXは具体的に何ができるのかというと、たとえば以下のようなことができます。
- 会社にいなくても、会社名義の電話番号(代表番号など)を共有できる
- 出払っている担当者に掛かってきた電話をそのまま本人に取次ぎできる
- 代表番号に掛かってきた電話を限られた複数の携帯端末で鳴らし、複数回コールで誰も出なければ全員の携帯で鳴らすなど「鳴らし分け」ができる
- 東京と大阪、名古屋と福岡といったように離れている支社間でも内線が使える(設定すれば海外支社も内線に含めることが可能)
- オプション機能を使えば支社間の電話会議も可能
これらのような、従来なら場所の制限を受けてできなかったことも、場所を問わずにインターネットで接続されているクラウドPBXなら出来てしまうのです。特に取次ぎに関して言えば、これまでとは比較にならないほどの効率化が図れます。
クラウドPBXでカットできるコスト
クラウドPBXであれば、電話に関する様々なコストをカットできます。たとえば、ビジネスフォンなどの従来型のPBXの場合、物理的な交換機と、必要な台数分の固定電話機を設置工事する必要がありましたが、クラウドPBXなら物理的な交換機設置は不要で、携帯端末も既に持っているものを使えます。
また、本記事のテーマでもあるユニバーサルサービス料も、社用携帯として複数の端末を携帯会社と契約していると、1台につき1回線契約することになりますので、社用携帯の台数分のユニバーサルサービス料が加算されます。
それに対してクラウドPBXでは、1回線を複数の端末で共有することで、回線数に応じて加算されるユニバーサルサービス料も相対的に抑えることができるというわけです。
クラウドPBXなら「ナイセンクラウド」
様々なクラウドPBXがサービス提供されていますが、弊社の「ナイセンクラウド」は多くの企業様に導入され、多くの支持を集めています。
ナイセンクラウドでは複数端末の同時着信はもちろん、スマホやPC、iPodなどの様々な端末での使用、海外を含む離れた拠点間での内線通話、複数番号の共有など、企業にとって便利な機能を用意しています。ナイセンクラウドの機能を紹介する1分の動画をご覧ください。
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ユニバーサルサービス料の料金改定を機にクラウドPBXを検討してみては?
ユニバーサルサービス料とは何なのか、どのように請求されるのかを解説しました。
ユニバーサルサービス料は毎年のように見直され、運用開始当初の2007年よりは大幅に安くなっているとはいえ、今年は再び値上げに転じました。1円の値上げでも、数千・数万回線契約していることもある企業にとってはなかなかのコスト増になります。
企業にとって非常に便利な仕組みを提供してくれるクラウドPBXは、ユニバーサルサービス料の節約にも役立ってくれます。特に企業での社用携帯の運用コストに頭を悩ませているご担当者様はぜひクラウドPBXも含めて検討してみてください。