表示圏外の原因は?対策方法について知ろう!

専門用語集

ビジネスフォンのディスプレイには、相手の電話番号が表示するナンバーディスプレイ機能があります。この機能は、事前に電話番号が分かるので、相手に合わせた対応がしやすくなるなど、メリットがあります。しかし、時折「表示圏外」と表示されることがあります。この表示はいったいどのような意味なのか、知りたい方も多いのではないでしょうか。理由を知らないと、「電話が故障したのか」と不安になるかもしれません。本記事では、表示圏外とディスプレイに表示されてしまう原因や対策方法、ナンバーディスプレイ導入がおすすめの理由、導入方法などをご紹介します。

表示圏外の原因とは

基本的に、ビジネスフォンに表示圏外と表示される原因は、ナンバーディスプレイに対応していない通信事業者を利用した電話とされています。決して電話の故障ではなく、機能の一つです。ビジネスフォンのディスプレイパネルで、電話番号が表示されないのは以下のケースです。

・非通知

1.相手の電話機の設定が電話番号非通知になっているケース

2.相手の電話発信時に、電話番号の前に「184」をつけて発信したケース

この場合、相手が番号の表示をしない設定でコールしているので、非通知と表示されるのです。

 

・公衆電話

相手が公衆電話から発信している場合は、「公衆電話」と表示されます。

 

・表示圏外

「非通知」「公衆電話」以外の理由によって、相手の電話番号が表示できない場合に表示されます。

表示圏外となる原因には以下が考えられます。

国際電話

海外からかかってくる電話は番号が通知できません。そのため、ディスプレイには表示圏外と表示されます。外資系企業や海外とやり取りすることが多い企業で、表示圏外と表示される回数が多いのであれば、ほとんど海外からの電話と考えられます。

新幹線内、船舶内の公衆電話からの着信

新幹線内や船舶内の公衆電話から相手が発信した場合は、「公衆電話」ではなく「表示圏外」と表示されることが多いです。

一部のIP電話サービス

IP電話などで、表示されないように設定している、もしくは、そもそも番号が通知できないなどの理由もあります。日本国内の多くのプロバイダはナンバーディスプレイに対応しているため、「表示圏外」になる可能性は少ないです。しかし、非対応の業者の場合は、表示圏外となります。

たとえば、Skypeなどの無料通話アプリを利用したり、ケービルテレビ会社の提供する電話回線を使用したりした場合は、「表示圏外」となります。すべてのIP電話サービスが、表示圏外になるわけではなく、「非通知」と表示される場合もあります。

表示圏外への対策方法

では表示圏外にならないためには、どのような対策を取ればいいのではしょうか。ここでは、受信側、発信側それぞれの対策方法をご紹介します。

受信側の対策方法

受信側の場合、基本的には対応を取る必要はないとされています。表示圏外となるのは、海外からの電話か、電話表示に対応していないプロバイダのIP電話を利用していることがほとんどです。そのため、表示圏外となるのは、ビジネスフォンの機器が番号を識別できていないためだと、社員が理由を理解していれば十分でしょう。

ただし、まれにいたずら電話である可能性も考えられます。最近では少ないですが、ワン切り業者などが非通知拒否設定や電話番号拒否設定となる対策として、表示圏外となる電話から発信することがありました。表示圏外と表示される迷惑電話の数が多いのであれば、「表示圏外」の拒否設定もできます。ただし、この方法は迷惑電話ではない表示圏外の電話も拒否してしまうため、注意しましょう。

発信側の対策方法 

発信側も、「表示圏外」とディスプレイに表示されないように注意が必要です。表示圏外と相手側に表示されると、相手が電話に出てくれない場合もありますし、不信感を生じさせる可能性があります。特にBtoC企業の場合、顧客が電話を取ってくれる確率が大きく下がってしまうでしょう。

国際電話の場合は仕方ありませんが、表示圏外になるIP電話サービスやSkypeなどのソフトフォンを使っている場合は、発信手段を見直すことをおすすめします。表示圏外の設定は、ビジネスフォンの電話機やパソコンのソフトウェアでは対応できず、プロバイダがナンバーディスプレイに対応していなければ改善しません。そのため、IP電話を契約する際には、ナンバーディスプレイに対応しているサービスかどうか、しっかり確認しておきましょう。

 

・ナンバーディスプレイを申し込んだのに表示されない時

ナンバーディスプレイを契約したのに、相手に表示されないケースもあります。表示されない場合は、以下をチェックしてみましょう。

1.機能設定をしていない

ナンバーディスプレイは契約するだけでなく、機能設定をオンにする必要があります。標準でオンになっている場合が多いですが、オフになっているケースも考えられます。設定方法は機器ごとに異なるので、機器に合わせた設定が必要です。

 

2.契約回線がアナログ回線になっている場合

アナログ回線を利用していたり、ひかり電話からアナログ回線に変化して利用したりする場合は、ナンバーディスプレイが利用できません。この場合、主装置にオプションユニットをつけることで、ナンバーディスプレイを利用可能になります。

ナンバーディスプレイを導入しておこう 

そもそも表示圏外かどうかは、ナンバーディスプレイを導入していないと分かりません。そのため、ナンバーディスプレイの導入がおすすめです。

ナンバーディスプレイとは、着信時にビジネスフォンや家庭用電話の電話番号表示箇所に、自社の電話番号を表示させる機能です。ナンバーディスプレイは、発信回線の電話番号や携帯電話番号の情報を、通話前に回線を通じて情報受信端末に信号を送出します。着信時に、情報受信端末の受信アダプタが動作し、交換機からモデム信号が送信されることで、情報受信端末が呼び出されます。この動作が、ナンバーディスプレイの仕組みです。

ビジネスフォンでナンバーディスプレイを導入する目的には以下が挙げられます。

 

・通話相手の電話番号を表示させたい

通話相手の電話番号を事前に把握できれば、それに合わせたてトークスクリプトを考えたり、担当部署への取り次ぎ業務をしたりなど、業務効率化につながります。また、電話をかけていた方も、いつも同じ人が電話口に出ることで、用件をすぐに伝えることができるでしょう。

 

・メモを取る手間を減らしたい

通話時に電話番号をメモする手間がなくなり、ミスの減少や業務効率化が期待できます。また機種によって差がありますが、過去数十件の着信履歴を残すことが可能です。そのため、万が一相手の電話番号を聞きもらした場合でも、着信履歴をさかのぼれば、簡単に確認できます。

 

・迷惑電話を減らしたい

ナンバーディスプレイがあれば、迷惑電話やしつこいセールスなどの電話番号の記録も残ります。そのため、その電話番号だけを着信拒否にすることも可能です。業務中に不必要な電話に出る必要がないため、業務効率化が期待できます。また、迷惑電話に対応しないことで、社員の心身の健康を守ることにもつながるでしょう。

ナンバーディスプレイの導入方法

一般的に、ナンバーディスプレイは申し込みをしないと利用できない有料の機能です。一般の固定電話やビジネスフォンの基本だけの契約では、ナンバーディスプレイの表示はできないので注意が必要です。

ただし、NTTのひかり電話のオフィスエースなど、無料でナンバーディスプレイが利用できるサービスもあります。そのため、導入しようとしているビジネスフォン、もしくは導入しているビジネスフォンにナンバーディスプレイの機能がついているのか、しっかり確認しましょう。

 

・月額費用と初期費用がかかる

ナンバーディスプレイ機能をオプションサービスで利用する場合、月額費用と初期費用がかかります。月額費用と初期費用は、1回線当たりにかかる料金です。そのため、回線数が多いと、その分支払う料金が増えてしまいます。どのビジネスフォンにナンバーディスプレイをつけるのか、すべての電話だけでなくつける電話を選ぶのかなど、事前に検討する必要があるでしょう。

利用を開始する場合は、現在契約している電話回線のキャリアに連絡をすると、契約手続きについての案内がありますので、連絡してみましょう。利用料金は一律ではなく、電話回線の種類によって異なります。ひかり電話、アナログ、デジタル(INS/ISDN)で料金体系が異なるので注意しましょう。

 

・ナンバーディスプレイに対応していない電話機もあるので注意

最新のビジネスフォンモデルであれば、ほとんどがナンバーディスプレイに対応しています。しかし、中古のビジネスフォンを購入した場合、ナンバーディスプレイ非対応の物もあります。中古品は新品と比較して導入コストが安いため、選ばれるケースも多いですが、ナンバーディスプレイ対応しているかどうか、確認することが大切です。

 

使用中の電話機のシリーズが分からない場合は、電話機本体で確認する方法があります。電話機の背面には型番シールが貼られており、型番を確認できます。

表示圏外の原因と対策を知ろう

「表示圏外」という表示は、電話を受ける際にはそれほど気にならないかもしれませんが、電話をかける「発信側」の場合、注意が必要です。表示圏外となると、誰から電話がかかってきているのか分からず、相手に不審がられてしまう可能性があります。特に営業手段として電話をよく使う業種の場合、こうした小さな部分に気つけることで、成功率を上げることにつながるのではないでしょうか。ビジネスフォンを契約する際には、ナンバーディスプレイに対応している業者なのかどうか、確認することをおすすめします。