クラウド電話のメリットとは?一般的な電話との違い

2021年4月30日電話業務の効率化

従来企業の電話システムとして導入されていたビジネスフォンの仕組みをクラウドに置き換えて使う「クラウド電話」は、主に複数の電話機を会社等の組織内で併用する場合に役立つ電話システムで、基本的にはビジネスシーンでの利用を前提としています。

クラウド電話は、ビジネスフォンの仕組みを基盤としつつも接続方法などに大きな改良を加えたことで、ビジネスフォンを遥かにしのぐ利便性を、ビジネスフォンよりもはるかに低いコストで実現できる、画期的な電話システムでもあります。業種によっては、業務効率が劇的に改善する、欠かせないシステムとなるでしょう。

今回は、クラウド電話のメリットに焦点を当てて解説しつつ、クラウド電話を導入するべき企業の例もご紹介します。この記事の例に当てはまる企業様はすぐにでもクラウド電話の導入の検討に入るべきでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

クラウド電話の仕組み

最初に、クラウド電話の仕組みについて簡単に説明します。とはいっても、クラウド電話の仕組みを説明する前に、まずはビジネスフォンの仕組みを説明するほうが理解が早いと思いますので、まずはビジネスフォンの仕組みをご説明します。

ビジネスフォンとは、たとえば会社代表番号などの主な回線を複数の電話機で並行して発着信に使用したり、担当者に電話を取り次いだり、社内の電話機同士で内線通話したりできるシステムのことです。つまり、会社で普段普通に行っている電話業務の大半がこのビジネスフォンによって維持されています。

ビジネスフォンの仕組みの要となるのは、社内に物理的に設置した主装置(PBX)と呼ばれる精密機器です。この主装置に対して複数の外線と内線、社内で使う複数の固定電話機をまとめて有線で接続することで、主装置が自動的に回線を割り当てたり、必要に応じて回線の切り替えや転送を行ったり、内線で繋がっている電話機同士を接続してくれたりします。

これに対し「クラウド電話」は、ビジネスフォンの仕組みの中心となる主装置を、社内など特定の場所ではなくクラウド上(インターネット回線上)に仮想的に設置します。クラウド上に主装置があるため、インターネット接続ができる端末であれば使用可能です。つまり固定電話機以外に携帯電話やスマートフォン、パソコン、タブレットなどのデバイスとインターネット接続することで、ビジネスフォンの仕組みと同等の環境を再現できます。

一般的な電話と比較したクラウド電話のメリットとは?

クラウド電話は、基本的にはビジネス利用が前提となっているシステムです。一般的な電話と比較すると全然違うものなのですが、わかりやすく一般的な電話との違いを述べると、「1つの電話番号を使って複数の電話機で応対できる」ことです。一般的な電話の場合、1つの電話番号に対し応対できる電話機は1つであり、応対できる人も1人です。しかしそれでは、会社に対して顧客から問い合わせが来ても、1つ1つ応対しなければならないのですぐに回線はパンクしてしまいます。

こうした状態では会社のように多くの取引先や顧客を持つ組織では電話システムが立ち行かないので、ビジネスフォンやクラウド電話では、「主装置」というものを設けて、主装置に複数の電話回線と電話機をまとめて接続することで、同じ電話番号に対して複数人が複数の電話機で応対できるようにしています。主装置が存在するだけでも、会社にとってははるかに円滑に電話応対が回るのです。

これが基本的な「一般的な電話との違い」ではありますが、クラウド電話にはビジネスフォンと比較しても更に大きな違いがあります。ここでは、クラウド電話のメリットを一般的な電話やビジネスフォンなどと比較しながら紹介していきます。

使用する場所の制限がない

クラウド電話が一般的な電話やビジネスフォンと大きく違うのは、システム維持に際して「場所の制限を受けない」ことでしょう。

まず、ビジネスフォンでは大いに場所の制限を受けます。何故かと言えば、システムの中枢を担う主装置を会社など特定の拠点内に物理的に設置し、電話機も固定で会社の主装置と有線接続されているからです。つまり、ビジネスフォンは会社内でしか使えず、電話を使うためには必ず会社内にいなければなりません。これは外線・内線共に共通しています。

一般的な電話でも固定電話であれば、ビジネスフォンと同様に場所の制限を受けます。とはいえ、一般的な電話でも今は携帯電話やスマートフォンがあるので、ある程度場所の制限を受けずに応対自体は可能ですが、全ての通話は外線通話となり一定以上の通話料の負担がかかります。また海外と連絡を取る場合には国際電話が必要ですし、そうした意味ではやはり場所の制限を受けてしまうことになります。

しかし「クラウド電話」は、場所の制限を受けることがありません。つまり、会社にいなくてもその固定電話の番号を使って、スマホから電話の発着信が行えるのです。また、海外の連絡に際しても国際電話ではなくクラウド電話の回線網をそのまま使うことができ、設定すれば海外拠点と国内拠点の間で内線通話も可能になります。これは、通常の電話回線網ではなくインターネット回線を使用しているためで、主装置もクラウド上にあり、接続もインターネット回線によって接続しているからです。

様々な面でコストカットできる

つい先ほど説明したばかりですが、クラウド電話では、従来のビジネスフォンや一般電話では外線を使うしかなかった局面で、場所を問わずに内線通話が行えるというのが非常に大きなメリットです。

ビジネスフォンは主装置が設置されている拠点内でしか内線通話ができませんし、一般的な電話では子機の電波が届く家の中でないと内線通話ができません。その為、会社が同じでも離れた拠点へ連絡する際には必ず外線を使わないといけないことになり、相応の高い通話料が必須となってしまいます。

しかし運用に際し場所の制限を受けないクラウド電話では、東京大阪間など離れた拠点間でも、設定すれば海外拠点との間でも内線ネットワークが構築できるので、場所を問わずに無料で内線通話が行えてしまうのです。内線にしておけば海外拠点からの発信が国内からの発信扱いとなり国際電話ではなくなるため、非常に通話料が安く済みます。

ビジネスフォンでは、主装置に対応した新しい電話機の購入が必要など導入にかかるコストも膨大になってしまいますが、クラウド電話では既存の社用スマホや社用タブレット端末、社用PCなどのデバイスがそのままクラウド電話でも利用できる点も大きなポイントです。

また、普通の電話であれば転送機能を使う際に転送サービスを経由し余計な時間やコストがかかりますが、クラウド電話であれば転送サービスを経由することなく直接電話を取り次ぐことができます

便利な機能が基本機能として備わっていることが多い

先ほど述べた通り、クラウド電話はビジネスフォンの仕組みをクラウド環境に置き換えたものなので、クラウド電話であってもビジネスフォンで使えていた便利な機能をそのまま使うことができます。

たとえば「着信保留転送」や「内線通話」、「留守電メッセージ送信」、などの機能は多くのクラウド電話ベンダーが基本機能として備えています。基本機能に含まれていれば、オプション機能のように追加料金を払うことなくそのまま利用可能です。

また、クラウド電話では登録している電話機の利用状況や着信履歴などの細かい履歴情報をWeb上の管理コンソールで確認することができるのも便利です。また社員の勤務状況に応じて着信割り当ての優先順位を細かく変更するなどの細かい調整も可能で、より社員の都合に合わせたシステム設計が可能な点も、クラウド電話の大きなメリットです。

工事やメンテナンスの工数・費用が省ける

ビジネスフォンを従来型の仕組みで導入しようとすると、高額なコストがかかります。ビジネスフォンに用いる主装置は社内に設置する為に購入する必要があり、通話に使用する電話機も主装置に対応した純正のものでないと機能しないので、1台あたり数十万円する主装置を購入して、更に1台あたり数万円する電話機も新たに購入しなければなりません。また、社内に設置した主装置の保守管理もユーザーが行わないといけないので、月に1回や半年に1回など、定期的に業者を呼んでメンテナンスを行う必要があり、メンテナンスにも費用が掛かります。

これに対しクラウド電話では、主装置を物理的に設置する必要がなく、ベンダーが設置した主装置を借りて利用するので、主装置の購入や保守メンテナンスに係る費用を丸ごとコストカットできます。通話に使用する電話機に関しても対応機種が幅広く、携帯電話やスマートフォンをはじめ、ノートPCやデスクトップPC、タブレット端末などにも対応しているので、既に社用スマホや社用PCなどデバイスを配布していればそれらを転用するだけでよく、電話機の購入も必要ありません。場合によってはBYOD(私用デバイスを仕事用に転用すること)を導入するのもいいでしょう。

拠点が複数あっても電話番号を統一できる

先ほども申し上げた通り、ビジネスフォンでは、「会社代表番号での発着信や内線通話をするのに会社内にいないといけない」という場所の制限がありました。そして、会社代表番号など特定の電話番号を使用できるのも拠点内に限られるうえ、主装置を拠点ごとに設置しなければならないので、拠点ごとに違う番号を持たなければなりませんでした。

しかしクラウド電話では、すでに説明したように拠点が複数あっても関係なく運用ができるので、拠点が複数あったとしても、同一の会社代表番号を、場所を跨いで使用することが可能なのです。電話番号を1つに統一できると外部からも問い合わせ先がわかりやすく、組織運営が非常にスマートになります。

別の拠点の社員が東京本社宛ての問い合わせを丸ごと対応することも可能になり、万が一災害発生で特定の拠点が機能不全に陥ったとしても、別拠点で問題なく電話応対を引き受けることができるなど、リスク分散にもつながります。

クラウド電話への乗り換えがおすすめな企業例

このように、色々と便利かつ柔軟なシステム運用が可能なクラウド電話。クラウド電話ならではの場所を問わない運用は、相対的に多くの企業に恩恵をもたらすことは間違いありませんが、企業によっては導入することでより顕著に利益が大きくなる場合もあります。

ここでは、クラウド電話への乗り換えがおすすめなのはどんな企業かということについて4つほど例を挙げて解説していきます。この例に当てはまる企業の担当者様はすぐにでもクラウド電話導入の検討を始めるべきといえるでしょう。

在宅勤務・テレワークを導入している

何度も説明している通り、クラウド電話は「場所の制限を受けない」ことが強みとなっているサービスです。

インターネット回線が繋がるところであればどこででもクラウド電話の運用は可能なので、在宅勤務・テレワークなどで自宅にいても会社用の電話番号を用いた電話応対や内線通話ができます。そのため、特に在宅勤務やテレワークを積極的に導入している企業に向いているサービスと言えるでしょう。

そして同時に、「電話番を置かないといけない」理由から在宅勤務やテレワークの導入をためらっている企業にも、クラウド電話を利用することで導入を促進できるという意味で向いているともいえます。

複数拠点・海外拠点がある

先ほども説明したように、「場所の制限を受けない」状態で離れた拠点とも簡単に内線ネットワークを構築できるクラウド電話のサービスは、拠点が多ければ多いほどお得となります。複数拠点・海外拠点がある企業に向いているといえるでしょう。

逆に拠点が多いほどコストがかさむビジネスフォンのサービスは長く続けていくとマイナスが大きくなる可能性もありますので、特にビジネスフォンを利用している場合はできる限り早急にクラウド電話に移れるように動いたほうがいいかもしれません。

コールセンターがある

クラウド電話の機能には、「自動音声応答(IVR)」や「ウィスパリング」「モニタリング」などコールセンター運用を前提とした機能もたくさん用意されているので、コールセンターを設置している企業にも向いていますし、新たにコールセンターを構築したい場合にも向いています。

クラウド電話が強いのは、コールセンターシステムのようにPCでの管理運用が前提となっていても、場所を問わず通話が可能であり、PCでも受発信が可能なことです。クラウド電話でコールセンターを設置すれば、オペレーターを全員在宅勤務にしたり、クラウドソーシングを使って在宅ワークのオペレーターを業務委託で集めることもできるようになります。

社員の外出・出張が多い

クラウド電話は既存のビジネスフォンと異なり、社員がどこにいても電話にさえ出られれば電話の取次ぎができます。社員の移動が多い会社の方がクラウド電話の「場所の制限を受けない」機能を最大限に活かすことができるでしょう。逆に全員が出社してきちんとデスクについてそのまま動かないのならビジネスフォンの方が運用的には合っていますが、そうした会社は現在では少なくなっているはずです。

出張や外出が多く、会社によってはフリーアドレス制度を設けているところもあるでしょう。また、会社の近くに倉庫を置いている会社などは頻繁に会社と倉庫を行き来しながら電話応対をすることも多いはずです。クラウド電話を導入すれば、決まったデスクごとに内線を割り振る必要もなくなりますし、移動中でも電話応対が可能になるので、流動的に社員が動き回る会社はクラウド電話の導入をおすすめします。

クラウド電話のメリットはたくさん!「ナイセンクラウド」のご紹介

クラウド電話「ナイセンクラウド」は、多くの企業様に導入されているクラウド電話です。最近はテレワーク需要の高まりも受け、テレビニュースでもとりあげられました。

使用できる電話番号は03番号などの全国の市外局番、フリーダイヤルの0120や0800、また050番号となっており、多くのケースで現在利用中の電話番号をそのまま利用することができます。

機能については動画やサービスサイトで詳しく説明しています。細かな着信ルールの設定や留守電音声のメール送信など便利な機能を用意しています。

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クラウド電話のメリットを理解して使いこなそう!

クラウド電話のメリットを、そもそものクラウド電話の仕組みやクラウド電話の導入をおすすめする企業例と共に解説・紹介しました。

基本的に本記事内で解説した通り、たくさんの拠点を持っていて社員が頻繁に外出や出張に出かける会社には、場所の制限を受けないクラウド電話をおすすめします。そうしたアクティブな会社でなくとも、感染症対策の必要性が叫ばれている昨今、テレワークの導入に向けてクラウド電話導入を検討するべきではありますが、特に拠点の多い会社ほどコスト削減や合理的な運用に際してクラウド電話は必ずや寄与するはずです。

クラウド電話については他にも多くの記事を発信しておりますので、よろしければ他の記事もぜひご覧になってみてください。