中小企業こそクラウドPBXを導入しよう!導入のメリット

電話業務の効率化

近年、従来よりも低コストでより柔軟な運用が可能な企業向けの電話システム「クラウドPBX」が話題を呼んでいます。

設定により数千台規模の一括管理も可能で、拠点間での内線通話や場所を問わない運用など、複数拠点や海外拠点を持ったある程度大規模な企業におすすめ、と評されることが多いのですが、中小企業においてもクラウドPBXはおすすめできます。

今回は、中小企業こそクラウドPBXを導入するべき理由にフォーカスしつつ、クラウドPBXの選び方や導入時の注意点も解説していきます。

クラウドPBXとは?

クラウドPBXは、従来の企業向けの電話運用として一般に広く普及していた「ビジネスフォン」の仕組みをクラウド環境に置き換えたものです。

ビジネスフォンは、簡単に言うと「電話回線を複数台の電話機で共有する仕組み」です。会社内に「主装置(PBX)」と呼ばれる構内交換機を物理的に設置したうえで、内線・外線といった複数の電話回線と、多数の固定電話機をすべて主装置に有線接続することで成り立っています。

このビジネスフォンの仕組みこそが、多くのビジネスマンが日常的に行っている電話の取次ぎや、複数台の電話機にて同じ電話番号宛ての着信に同時並行的に応対することや、社内の電話機同士での内線通話などを可能にしています。

クラウドPBXはビジネスフォンのように社内に主装置を設置するのではなく、クラウド上に主装置を設置します。そして、IP電話機や携帯電話やスマートフォン、パソコンといった端末を、インターネット回線を介してクラウド上の主装置と相互接続することでビジネスフォンの仕組みを再現しています。固定電話機だけでなく、持ち運び可能なデバイスでも利用できるため、拠点に縛られることなく、どこへでも持ち運べる電話運用が可能です

つまりクラウドPBXは、ビジネスフォンの仕組みを踏襲しながらも、ビジネスフォンを大きく超える利便性を持った、まさに新世代の画期的なサービスなのです。

中小企業こそクラウドPBXを導入するべき理由

冒頭でも触れた通り、クラウドPBXは、ある程度大きな規模の企業にこそおすすめと言われがちです。それは、規模が大きい企業であればあるほど、従来型のビジネスフォンなどの固定電話運用における導入・維持コストが非常に大きなものになるからで、クラウドPBXと比較した際に費用対効果が非常に大きくなるからです。

しかし、だからといって中小企業に向かないということはなく、中小企業でもクラウドPBXを導入するメリットは沢山あります。ここでは、中小企業こそクラウドPBXを導入するべき理由を解説していきます。

コストの削減につながる

クラウドPBXを導入することは、単純に大幅なコスト削減につながります。これは、大きな企業よりも資金力の面で弱い中小企業こそ享受すべきメリットではないでしょうか。

まず大きく削減できるのは導入にかかる費用、いわゆる初期費用です。従来型のビジネスフォンでは、社内に設置する主装置や固定電話機といった設備の購入あるいはリース、および設置工事が必要なため、それぞれに高額な費用がかかっていました。もちろん、必要な回線規模の大きな大企業に比べれば安いコストではありますが、それでも主装置の購入だけでも安くて数十万のコストがかかります。それに加えてランニングコストとして、メンテナンス含め保守管理費用もかさんできます。

それに対してクラウドPBXでは物理的設備が設置不要なため、そうした費用が全くかかりません。もちろんスマホなどの通話用デバイスは必要になりますが、社用スマホや社用携帯があればそれらを転用するだけでいいですし、社用PCを使った通話も可能なので、既にこうした資源を持っていれば導入に際してほとんどのコストをカットできます。仮にデバイス代が不要な場合、初期費用としてかかるのはサーバー側の設定作業等にかかる数万円のみとなっています。

また、クラウドPBXは電話回線ではなくインターネット回線を利用した通話のため、ベースとなる通話料金もアナログ固定電話よりも大幅に安くなりますし、場所を問わずに内線通話が可能なので、拠点間の連絡などをできる限り内線に置き換えることで、通話料を大幅に削減できます

従業員数や拠点が増えても対応しやすい

企業では、組織として沢山の人が動いて経済活動を行っていますから、従業員数や回線数、拠点の数など定期的に事業規模が変化していくものです。特に中小企業では成長途上にあることから、業績によっては一気に人数を増やしたり、拠点を次々に増やしていったりすることもあるはずです。

クラウドPBXの多くは、回線数やデバイス数に応じて基本料金が従量的に加算されていくシンプルな料金体系が多いので、こうした回線数やデバイス数が一気に増えたりしても柔軟に対処しやすいのが特徴となっています。中小企業こそそうした振れ幅が大きくなることもあるでしょうし、クラウドPBXであればビジネスフォンと違って物理的設備の制約に左右されることなく数を増やすことができるので、むしろ中小企業の方がこうした柔軟な条件は有利に働くはずです。

働きやすさの改善が採用力につながる

クラウドPBXには、場所に関係なく運用を維持できるという特徴があります。運用に際して場所に縛られないということは、会社の外にいようが中にいようが、電話業務に関してはインターネットにさえアクセスできればどこででも行えるということです。

場所に縛られない運用ができるということは、会社に出勤しなくても手元にスマホさえあれば運用可能なので、出張先や得意先など仕事に関する場所だけでなく、自宅にいても電話応対ができます。昨今の情勢によってその重要性が叫ばれているテレワークやサテライトオフィスといった、オフィスへの出勤を伴わない多様な働き方を、電話という側面だけでも気軽に取り入れられる環境が整います

中小企業であれば、大きすぎてなかなか身動きがとりづらい大企業と違って、こうした柔軟な働き方を管理しやすいですし、在宅勤務・テレワークと一緒にサテライトオフィスやワーケーションなど自分に合った環境で働けることによって、働きやすさの大幅改善につながります。そして働きやすさの改善が、やがては将来の企業ブランド価値を大きく押し上げ、採用力を大きく引き上げることに繋がり、将来的な成長も大いに期待できるようになるでしょう。

クラウドPBXの選び方

クラウドPBXはこのように中小企業にとってもメリットが大きく非常に便利なシステムではありますが、業界としてまだまだ成長段階にあり、提供するベンダーによって使える機能やサービス品質が大きく異なることに注意しなければなりません。導入の際は以下に紹介するポイントを意識すべきです。

ここからは、クラウドPBXサービスの選び方を解説していきます。

必要な端末数(内線数)を検討する

先ほども説明した通り、クラウドPBXの料金体系はシンプルで、物理的設備に縛られることもないので、必要な内線数や端末数に関してはビジネスフォンよりは柔軟に変更できます。とはいえ、中には一定の台数ごとにプラン建てがされており、プラン制を採用しているベンダーと契約したほうがお得になるケースもあります。

そのため、そうしたプラン制のベンダーの条件もチェックしつつ、導入前に必要な端末数・内線数はしっかりシミュレーションしておいたほうがいいでしょう。必要な数だけ契約すれば無駄がないですし、あらかじめ現在または近い将来必要になる回線数等を想定しておけば、将来的な変更も加味しつつちょうどいいプランを発見できるかもしれません。

必要な機能を検討する

クラウドPBXは、仕組みとしては従来型のビジネスフォンを踏襲しているので、ビジネスフォンで使える機能の大半がそのまま使えます。しかし、ベンダーによって提供する機能は異なりますし、オプション機能なのか基本機能なのかも違ってくるので、適当にベンダーを決めてしまうと、使えると思っていた機能が実は使えなかったということになりかねません。

もし可能なら、クラウドPBXの導入を検討している段階で、社内で使いたい機能をリストアップしておくことをおすすめします。そして、そのリストにある機能をそもそも提供しているか、使いたい機能を基本機能として提供しているか、あるいはオプションなのか、そうした順番で絞り込んでいくと、使いたい機能をよりお得に提供してくれるベンダーに出会える確率が大きく上昇するといっていいでしょう。

使用するデバイスの種類や利用シーンを検討する

クラウドPBXの大きなメリットは、ビジネスフォンと違って多種多様な端末に対応していることです。携帯電話やスマートフォンだけでなく、デスクトップ・ノートのPCやタブレット端末、据え置き型IP電話機などでも利用できるという、対応端末の幅広さがよく話題に上ります。しかし、必ずしもすべてのベンダーがそうとは限らず、中には条件の違いから利用端末が制限されているケースもあります。

企業活動は色々な場所で行われます。会社内での受電がメインの場合、外出や移動が多い場合、PC内の顧客データベースとの掛け合わせが必要な場合、拠点間の内線連絡が多い場合など、様々な利用シーンに合った端末が使えるかどうかという視点でベンダーを選ぶといいでしょう。

デモやお試しキャンペーンを利用する

多くのベンダーでは、実際のお客様環境での試用を目的としたデモ機貸し出しを行っていたり、展示会で実際にデモ機を使用できたり、契約前に一定期間実際の利用環境での使い勝手を試せるお試しキャンペーンを設けていたりします。どんなに評判が良くても自分の環境では使い物にならなかったということも起こり得ますから、契約前にこうした機会が提供されていれば、絶対に一度は試しておきましょう。

クラウドPBX導入時の注意点

以上のように、クラウドPBXのベンダー選びにも色々なポイントがありますが、実際に契約・利用する際にもあらかじめ注意しておくべきこと、想定しておくべきことがあります。ここからは、クラウドPBXを導入する際の注意点の中でも、特に盲点になりがちなことを解説していきます。

リースのビジネスフォンの契約解除タイミング

クラウドPBXは魅力的ですから、すぐにでも導入したい気持ちは理解できます。しかしながらその前に、自社で既に導入している電話運用の契約がどうなっているのかは絶対に確認しましょう。

買い切りとなっている場合はともかくとして、注意するべきはリースで契約している場合です。リースでの契約の場合、契約期間が5年~7年というようにはっきり決まっており、そのうえ契約期間が終わると社内に設置している設備の所有権もなくなるので、全てを返却しなければなりません。また、中途解約する場合には高額な違約金と、残債分の機種代金を一括で請求されるケースも多いです。

もしも既存の電話運用にかかる契約期間を確認せずにクラウドPBXを導入してしまうと、従来の電話運用を無理矢理に解約しなければならなくなり、こうした不要なコストがかかってしまう可能性があります。そのうえ、間が悪い場合には会社の電話が使えなくなる空白期間が発生してしまったり、別途撤去費用もかかったりするなど、きちんと契約満了した場合に比べリスクが非常に大きくなります。

リース契約がまだ満了になっていない場合は、契約期間満了を待って移行できるように調整するか、あるいはVoIPゲートウェイを使って段階的に移行の準備をすすめるか、そうした手段を検討してみてください。

利用の際の社内ルールの周知

クラウドPBXには便利やメリットが大きいからこそ、大きなリスクをはらんでいます。特に、紛失・盗難は無視できない大きなリスクです。中でも顧客の機密情報を扱う企業の場合、情報漏洩は重大なインシデントとなるばかりか、社会的信用の意味でも非常に大きな影響が出てしまいます。

特に外出や移動が多い中でクラウドPBXを利用するには、組織をあげて社内ルールを明確に定めることが大切です。場合によっては定期的に端末を会社に預け、帳簿をつけるなどし、リスク管理を徹底しましょう。

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中小企業こそクラウドPBXを積極的に活用しよう

中小企業こそクラウドPBXを導入すべき理由を中心に、クラウドPBXのメリットや選び方、導入の際の注意点までを網羅的に解説しました。

より柔軟に動きやすい中小企業だからこそクラウドPBXを導入して、様々な環境での利便性向上につなげていくべきです。また、コスト削減や働きやすさの改善といったように企業としての将来性につながるメリットもあります。ただ、記事にも書いたように、ある程度ベンダー選びは慎重に行う必要があるので、焦って導入することは避けましょう。

既存の電話運用の契約期間もちゃんと確認して、いざ導入した時にトラブルにならないようにすることも大切です。慎重に適切なタイミングを見計らって、ここぞという時に導入できるよう、様々なリスクを含め慎重にシミュレートしておきましょう。