緊急事態宣言が発令されたら。企業の対応方法まとめ

テレワーク・在宅勤務

2020年3月13日に参議院本会議で可決・成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づき2020年4月7日に東京、千葉、神奈川、埼玉、兵庫、大阪、福岡の7都府県を対象に緊急事態宣言が発令され、その後4月16日に対象が全国に拡大されました。

その後、新型コロナウイルスの流行が収束してきたとして、緊急事態宣言は順次解除されましたが、いまだ新型コロナウイルスの猛威は収まっていません。再び2021年1月8日に緊急事態宣言が発出されました。2度目の緊急事態宣言が解除となっても、再び緊急事態宣言が発令される可能性は考えられます。

この記事では、緊急事態宣言の定義や、発令時の企業の対応方法についてシステムの紹介を交えて解説します。

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緊急事態宣言とは?

緊急事態宣言とは、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第32条第1項の規定に基づいて発令された、新型コロナウイルス感染症(同法附則第1条の2第1項に規定する新型コロナウイルス感染症)緊急事態宣言を指します。

これは不要不急の外出を自粛し、三密(密集、密接、密閉)を避けるなどして自己への感染を回避すると共に、他人に感染させないように対策を徹底することを求めるものです。しかし、海外のロックダウン(都市封鎖)のような強制力はなく、罰則を伴う強制的な外出禁止や都市間の交通遮断を行うものではありません。

緊急事態宣言の解除は、緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認められるときに、新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第5項の規定に基づいて判断されます。

緊急事態宣言が発令されたときの対応方法

緊急事態宣言が発令されたときに企業が取るべき対応方法について以下に解説します。

就業規則を整備する

緊急事態宣言の発令を受けて急遽テレワークや時差通勤を開始したものの、制度の整備が追いつかず混乱するケースも見受けられました。緊急事態宣言が発令されたときに見直すべき終業規則のポイントとしては、テレワーク勤務の実施、時差出勤の実施、通勤手段の変更、就業禁止に関する規定の4つのポイントが挙げられます。そのなかでも大きなウェイトを占めるのが、テレワークの実施に伴う就業規則の整備です。

東京商工会議所が、所属する会員企業1万2555社を対象に2020年6月17日に実施したテレワークの実施状況に関する緊急アンケートによると、5月29日から6月5日までの間にテレワークを実施した企業は67.3%にのぼり、3月に実施した調査と比べて41.3ポイントの増加がみられました。

しかし、テレワークの実施にあたっては規定が就業規則に定められたうえで、従業員と個別の合意がなければ実施することはできません。テレワークを新しい勤務形態として導入する際には以下のことを定めておく必要があります。

  • テレワーク勤務を実施する目的
  • 適用する対象者は誰か
  • 申請・許可手続き方法の確立
  • 就労場所の規定
  • テレワーク勤務に適用する就労時間制
  • 休憩時間の取り決め
  • テレワーク勤務時の服務規律の策定
  • 情報通信機器に関する注意事項
  • 通信費・事務用品費等の費用負担割合
  • 情報漏洩の防止策の設定
  • テレワーク勤務時の連絡体制の確立

従業員にトラブルが生じた場合の対応ルールを定める

緊急事態宣言を発令するのは新型コロナウイルス感染拡大の場合だけではありません。自然災害、原発事故、テロなども緊急事態に含まれます。緊急事態が発生した場合に備えて有効なのがBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)です。これは企業が危機的な状況下に置かれても事業を継続できる方策を定め、危機を乗り越えるための戦略を関係者全員に共有することを目的に策定された計画書を指します。この戦略はBCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント)とも呼ばれています。

大規模な災害やテロなどの危機的状況が発生すると、オフィスや従業員といった事業の継続のために欠かせない経営資源が被災して企業としての活動能力が限定的なものになります。そして、全ての事業を平常時と同じレベルで継続させるのは困難になります。

限定された経営資源を事業継続のために効果的に活用するためには、事業が中断した場合に企業経営に及ぼす影響の度合いを具体的に評価することです。守るべき事業と守るべきレベルを目標として事前に明確に定義し、従業員にトラブルが生じた場合の対応ルールを定めておきます。また、目標の達成が困難だと判断された場合は、障壁となっている原因を見極めて必要な対策を施し、復旧に向けての戦略を練ります。

人事評価基準を策定する

緊急事態宣言下で従業員がテレワーク勤務になった場合、人事担当者が直面するのが人事評価の難しさです。オフィスに勤務しているときは従業員の働きぶりを目で見て確認できますが、テレワークでは姿が見えません。そのため、従業員の業務を評価するための新たな人事評価基準を策定する必要があります。

また、人事評価の基準策定だけではなく、基準の内容や結果を在宅勤務中の従業員とスムーズに共有できるような体制を作ることも大切です。たとえば、クラウドを利用してネット上で評価を共有できるようなシステムを事前に構築しておけば、テレワーク勤務に移行した後もオフィス勤務と同じ環境で人事評価を実施できます。

顧客との打ち合わせのルールを定める

緊急事態宣言発令中は外出自粛が求められ、企業活動に大きな影響がありました。顧客を訪問しての営業活動や顧客との打合せができなくなり、企業活動が停滞した事例も多くあります。

今後も新型コロナウイルスのような感染症や自然災害が再び起こることも考えられ、また1度目の緊急事態宣言解除後も新型コロナウイルスの感染拡大は続いています。そのため、コロナ以前のスタイルにこだわっていては企業活動の回復は困難です。アフターコロナ、Withコロナにふさわしい対応策として、顧客との新しい打ち合わせのルールを定める必要があります。

代表的な対応策は、非対面での打ち合わせを増やして行くことです。たとえば、外出自粛期間中は商談や打ち合わせの多くがWeb会議に取って代わりました。これは移動時間が要らないこと、そして時間調整もしやすいことから今後も利用が継続・増加することが見込まれます。

営業体制の変更について社外に周知する

緊急事態宣言下では多くの従業員がテレワーク勤務もしくは時差出勤となり、会議や研修会の中止、出張の禁止、顧客や取引先との対面による商談の禁止などが実施されます。これに伴って営業体制も変更され、打ち合わせや営業のための訪問は原則行わず、電話、メール、オンライン(Web会議)などで対応し、展覧会などの販売促進イベントも中止、延期、あるいはオンライン開催へ切り替えられます。

顧客からの問い合わせ窓口も電話による対応をやめ、メール、チャット、あるいはコールバック予約で対応することになります。出社が必要な従業員は感染対策を徹底したうえでの出社になりますが、社内滞在時間は必要最小限とします。

また、営業体制の変更範囲や具体的な内容については、自社ホームページでの案内掲載や顧客へのメール配信によって周知しておきましょう。

在宅勤務導入の場合はセキュリティ対策を

日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)とIT調査・ コンサルティング会社のアイ・ティ・アール(ITR)が2020年9月に実施した、緊急事態宣言下でのテレワークの実態に関する調査によると、在宅勤務を導入するうえで最も重視した点は、在宅勤務環境におけるセキュリティ対策と回答した企業が49.1%でした。

セキュリティ対策としては、在宅勤務用のセキュリティ規定の整備やコミュニケーションツールの導入、PC端末にデータを残さない環境の整備などが挙げられます。

社内の環境とは異なるため、在宅勤務では情報漏洩やマルウェア、不正アクセスなどといったセキュリティリスクに対して十分に注意を払う必要があります

助成金等の企業への公的支援の情報をチェックする

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けている事業者(個人事業主、フリーランスを含む)のために、公的機関が資金繰り、設備投資・販路開拓、経営環境の整備など幅広い分野を対象に、支援制度を設けています。

事業収入が50%以上減少したなどの要件を満たした対象者に、中小企業には最大200万円、個人事業主らには最大100万円の現金を支給する持続化給付金をはじめ、設備導入などのさまざまな補助金が展開されています。

これらの公的支援の情報は、各自治体のHPなどでチェックできます。社会情勢によって支援内容や申請期限が変わることもあるため、こまめにチェックしておきましょう

会社宛ての郵便や電話への対応方法を定める

郵便物に関しては、郵便物管理・転送サービスを提供する会社を利用することで、会社宛ての郵便を一時的に保管または、従業員の自宅に転送してもらって受け取ることができます。いずれの場合も一部の従業員に負担が集中しないように、役割分担して対応方法を事前に定める必要があります。

電話に関しては、電話のシステムを変更してテレワークに対応させる企業もありました。しかし、大規模な導入費用がかけられない企業は、会社の代表番号に着信した電話をテレワーク勤務中の従業員のスマートフォンに転送するサービスを利用する方法があります。ただし、転送サービスでは着信はできても発信時はスマートフォンの電話番号を使用することになるため、オフィスと同じような電話対応はできません。そのため、次章でご紹介するクラウドPBXへの切り替えがおすすめです。

緊急事態宣言下の企業の電話対応にはクラウドPBXがおすすめ

緊急事態宣言下で従業員が在宅勤務になると、電話対応をどうするのかが課題になります。その課題を解決する手段として「クラウドPBX」というものがあります。以下にクラウドPBXについて解説します。

従来型のPBXとクラウドPBXの違い

PBXとはPrivate Branch eXchangeの略で、社内に設置する構内交換機というハードウェアを用いて自社内に電話網を構築し、電話局のような役割を果たすものです。加入している電話網と接続して外線着信電話を内線に発信したり、内線から外線へ発信したり、他の拠点に設置されているPBXと相互に接続したりします。このように従来のPBXは固定電話の回線網のなかでの運用となり、有線で繋がっている社内の電話機でしか利用できません。

一方、クラウドPBXの仕組みは、社内に設置されていたPBXをクラウド上で利用するもので、インターネットに繋がっていればスマートフォン、パソコンなど、どのような端末でもPBX機能を利用することができます。従来のPBXのように社内にハードウェアを設置する必要がなく、またハードウェアがないので機器の保全も必要がありません。クラウドPBXシステムのメンテナンスはPBXシステム提供会社が行うので、保守・運用に時間も不要です。

クラウドPBXのメリット

クラウドPBXは、従来のPBXのようにハードウェアをオフィス内に据え付けて電話線を配策するという設置工事が必要ないので、導入が容易です。ハードウェアが要らないのでそのための購入費用も必要ありません。インターネットに繋がる環境さえあれば場所を問わず導入できます。

クラウドPBXはスモールスタートに適しており、ベンチャー企業や新規事業を興す際に低リスク、低コストで導入・開設が可能です。導入からサービス開始まで最短即日で済むため、電話システムを素早く立ち上げられる点も大きなメリットです。緊急事態宣言を受けて急に電話環境を整えなければならなくなった際にも便利です。

また、事業の発展に合わせて電話番号を追加したり、削除・変更したりすることも容易にできます。設定は全てWebブラウザ上で行うので、新規拠点の開設やオフィスの移転などにも迅速に対応できます。

緊急事態宣言で導入企業増加!「ナイセンクラウド」

クラウドPBXを導入するなら、緊急事態宣言下のテレワーク勤務でもオフィスと同じ電話環境を構築できる「ナイセンクラウド」の導入をご検討ください。以下にナイセンクラウドについてご紹介します。

ナイセンクラウドとは

ナイセンクラウドはクラウドPBXで、オフィスでは固定電話、テレワークではPC・タブレット・スマートフォンなどの各種端末を内線電話として利用できます。クラウドを用いたサービスなので導入から運用までワンストップで利用可能です。

新たにビジネスフォンを購入したり、PBXの設置工事をしたりする必要はなく、契約するだけで端末を内線化して外線への発着信、電話転送ができるようになります。会社の固定電話に着信があった場合は、事前に内線として登録しておいた端末を一斉に鳴らして着信通知をしたり、特定の電話番号では特定の端末だけ鳴らしたり、あるいは着信拒否にしたりすることができます。

国内外を問わず、スマートフォンを用いた通話でもオフィスの固定電話の番号で発着信することができ、また社外から電話するときも内線電話として利用できるので最小限の電話代で運用できます。

ナイセンクラウドの機能については下記の動画やサービスサイトをご覧ください。

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ナイセンクラウドの3つのプラン

ナイセンクラウドの料金プランは、1人で運営している個人事業主向けのライト、1~2人で運営している小規模企業向けのペア、中規模以上の企業向けのプロの3つがあります。

ライトプランでは内線機能は使えませんが、外出先でオフィスの固定電話宛てに掛かって来た電話を取ったり、着信番号や時間別に着信ルールを設定したり、発着信の履歴をWebで確認したりすることができます。

ペアプランでは内線機能が使え、オフィスの固定電話宛ての着信を自宅や外出先でPCやスマートフォンで取り次ぐことができます。内線端末台数は2内線まで使用可能です。

プロプランでは内線機能がフルに使えて5内線~の内線端末が使えます。初期費用はいずれのプランも10,000円、月額費用はライトプランが2,000円、ペアプランが5,000円、プロプランが10,000円です。

具体的な金額は個別見積もりか自動見積もりをご利用ください。

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緊急事態宣言がいつ発令されてもいいように企業は対応しておきましょう

新型コロナウイルスの感染は長期に及ぶ可能性がありますが、収束後の売上の変動や人の動きを考えて備えをしておくことは必要でしょう。そして、今回の緊急事態宣言で多くの企業が導入したテレワークは、宣言下だけでなく事態収束後も継続されることが見込まれます。

この機会に、企業はテレワークでもオフィス勤務と同等の生産性を上げられるような環境を整備し、再び緊急事態宣言が発令されても継続的に事業を行える体制を整えておきましょう。