クラウドPBXの通話料はいくら?ビジネスフォンとどちらが安い?

クラウドPBX

個人向けの電話の多様化が進む中、企業では今もなおデスク備え付けの固定電話を使った電話運用が主流です。しかし近年、「クラウドPBX」という新しい形の企業向けの電話運用が登場し、話題となっています。

クラウドPBXは、「ビジネスフォン」のような従来型の固定電話運用では到底なしえなかった利便性の高さでも注目を集めていますが、従来よりも遥かに安いコストで運用できる点も話題になっており、「コスト削減」を目的に導入する企業も増えています。クラウドPBXは色々な面でコスト削減が可能ですが、その中でもあまり知られていないのが「通話料の安さ」です。

今回は、「クラウドPBXの通話料の安さ」を主要なテーマとしつつ、通話料だけではないクラウドPBXがお得である理由や、そうしたクラウドPBXを導入する上で契約ベンダーを選ぶ際に意識するべきポイントも含めて網羅的に解説していきます。

通話料は何によって決まる?

結論から申し上げますと、通話料は「使用している回線の種類」によって決まります。つまり、従来型のビジネスフォンとクラウドPBXでは、通話に使っている回線がそもそも違うのです。

電話はこれまで、当然ながら「電話回線」を利用しての通話が一般的でした。一見無線で通話できているように思える携帯電話・スマートフォンも、最寄りの基地局から電波を飛ばすことで無線のように見えているだけで、基本的に通話音声の伝送は基地局同士をつなぐ電話回線を経由しています。ビジネスフォンは固定電話を利用しているため、当然ですが電話回線を使っています。

しかし近年は、「IP電話」や「LINE無料通話」などのようにインターネット回線を利用した通話(VoIP)も増えており、クラウドPBXもVoIPを利用したシステムになっています。VoIPは従来の電話回線とは全く違う方法で、物理的にも全く違う回線で伝送しているため、通話料も大きく異なります。

ここでは、クラウドPBXの通話料と、ビジネスフォンの通話料、それぞれどのように決まっているのかを解説していきます。

固定電話・ビジネスフォンの通話料

ビジネスフォンは、上述した通り固定電話を利用した運用であるため、固定電話(アナログ電話回線)の通話料が適用されます。

しかし、固定電話の通話料の算出方法は非常に難しいとされます。なぜかというと、固定電話の通話料は発信先の電話の種類や、発信先の電話番号までの距離や電話する時間帯に応じて細かく変動するからです。固定電話番号には市外局番という、会社の物理的位置(立地)にある程度紐づいた番号が割り振られるため、発信番号の市外局番から位置情報を割り出し、発信先の電話番号までの距離の遠さに応じた変動料金を採用できます。

固定電話の通話料金はざっくり「距離」と「時間帯」で決まります距離の基準は県内通話の場合でざっくり「区域内通話」「隣接区域内(~20km)通話」「区域外通話(20km~60km/60km~)」の3つに、時間帯の基準は「昼間(午前8時~午後7時)」「夜間(午後7時~午後11時)」「深夜(午後11時~午前8時)」の3つに分かれます。

時間帯の基準はシンプルですが、特に難しいのが距離の基準で、「同一県内への通話か県外通話か」で料金体系も違えば、「同じ市外局番内の県内・区域内通話であっても隣接区域内に該当しない場所」などもあり、番号や区域によってその範囲も異なるという、非常に複雑な体系になっています。

例を挙げると、「区域内通話(県内)」で「昼間・夜間(午前8時~午後11時)」の場合、通話料は3分9.35円で、「深夜」の場合は4分9.35円。同一県内への通話での「区域外通話(60km~)」で「昼間」の場合は45秒44円。県外通話の場合で「区域外通話(100km~)」で「昼間」の場合は22.5秒で88円・・・といったようになります。

ざっくりまとめれば、固定電話の場合では県内通話の場合、最安が3分9.35円~最高で45秒44円、県外通話では最安が90秒22円~最高で22.5秒で88円となります。大勢が使う「昼間」の時間帯で、距離が遠ければ遠いほど、通話料は高くなっていきます。

クラウドPBXの通話料

クラウドPBXは、先述の通りVoIPを利用した通話となるので、料金としてはベンダーが利用しているインターネット回線によって通話料金は異なります。なお、クラウドPBXを提供するベンダーの多くは光回線を利用しているので、光回線の通話料金が目安としての比較材料にはなってきます。

目安となる光回線の通話料に関しては、固定電話・携帯電話など発信する先の電話の種類によって細かく変動しますが、固定電話のように距離や時間帯によって細かく変動はせず、基本的には日本全国一律料金で設定されており、料金体系としては非常にシンプルです。

たとえば固定電話宛てに通話をする場合で全国一律で3分8.8円、NTT ドコモの携帯電話宛てに通話をする場合で全国一律で60秒17.6円ほどが目安です。市内通話の最安の価格としてはあまり差がありませんが、距離や時間帯に応じてそれより高くなることはありませんし、固定電話から発信した場合の最も高い通話料(3分換算でおよそ200円)に比べるとおよそ20分の1の通話料になります。

通話料だけではない!クラウドPBXがお得な理由

以上のように、通話料を単純に比較しただけでもクラウドPBXがお得であることはわかっていただけたかと思いますが、クラウドPBXは通話料以外にも色々な面で、従来型のビジネスフォンに比べるとお得です。そして、それだけお得でありながら、従来型のビジネスフォンでは不可能なくらい便利で柔軟な運用が可能で、その運用の柔軟さによって、結果として通話料もさらに削減できるなど、経済的なメリットは非常に大きいです。

ここからは、通話料以外にもクラウドPBXがお得である理由を解説していきます。

離れた拠点や外出先でも内線が使用できる

クラウドPBXの代表的なメリットとして「外出先や遠く離れた別拠点でも内線を使用できる」点にあります。

従来のビジネスフォンでは拠点ごとにシステムが独立完結してしまうため、会社内でしか内線が使えないうえ、別拠点との連絡にも内線は使えず、外線を利用しなければなりませんでした。しかし、クラウドPBXなら、システムが拠点に固定されることがないため、場所を問わずどこからでも内線が使えます。

たとえば、営業で外出先にいる社員が、手持ちのスマートフォンから別の得意先にいる社員のスマホ宛てに内線通話することが可能ですし、東京本社と福岡支社といったように数百km単位で離れている拠点にいる社員への連絡でも、内線通話ができます。そして更に、海外対応のクラウドPBXベンダーと契約すれば、海外拠点とも内線通話が可能です。

勿論、内線通話なら、ビジネスフォンの場合と同じように通話料は無料になります。拠点間で内線ネットワークを構築できるクラウドPBXのメリットをフル活用することで、通話料を大幅にカットできるのです。

海外での発着信を国内通話扱いにできる

上述の通り、海外でも内線通話ができるというクラウドPBXのメリットを説明しましたが、海外での「外線」の発着信においても、クラウドPBXではよりお得になります

当然ですが、法人の場合、電話するのは社内の人間や別拠点の人間だけではありません。お客さんや取引先との通話は当然外線になります。その際の日本国内から海外への発信や、海外から日本への発信には国際電話の利用が必要で、国によって違うものの非常に高額な通話料金がかかってしまいます。

しかし、場所を問わずどこからでも使えるうえ、発信する電話番号を国内の電話番号に設定でき、インターネット回線を利用して通話ができるクラウドPBXでは、たとえ海外にいたとしても、会社の電話番号を使った発着信が国内通話扱いになります。そのため、国際電話や海外ローミングを利用せずに、安い料金で通話が可能なのです。

初期費用や端末代を安く抑えられる

世間的にクラウドPBXが安いと言われる大きな理由として、「初期費用や端末代を安く抑えられる」というものがあります。

従来のビジネスフォンでは、仕組み的に物理的設備の購入および会社内への設置工事が必要でした。ビジネスフォンの場合では、システムの中枢として必要不可欠な「主装置(PBX)」と呼ばれる構内交換機や、デスクに設置する固定電話機といった設備を購入したうえで、設置するための工事も専門業者に頼む必要があり、購入と工事それぞれに高額な費用がかかっていました。ビジネスフォンでは、主装置の購入だけでも安くて20万円以上と高額で、工事費・固定電話機代も含めると安くても百万円単位のコストがかかり、高い場合は保守管理費用も含めて数百万円~数千万円になることもあります。

それに対してクラウドPBXでは、主装置をクラウド上に設置し、その設置や保守管理はすべてベンダー側が行うため、会社内への物理的設備の購入や設置が一切不要となります。専門的な物理的設備の設置が不要なので、その場には手元に利用人数分のスマホがあれば、すぐに導入できます。すなわち、上述したような主装置の購入費や設置工事費、保守管理費等の費用、安くとも100万円単位に上るコストを丸ごとカットできるのです。

そして、クラウドPBXでは通話に際して多種多様な端末に対応しています。持ち運び可能なスマートフォンや携帯電話だけでなく、タブレット端末やノートパソコン・デスクトップパソコン・据え置き型IP電話機といった端末で通話が行えるので、仮に既に社用スマホや社用携帯・社用PC・タブレットなどを支給していれば、それらを転用するだけで通話に利用できます。もしスマホがなければ社員の私用スマホを仕事用に転用してもらう(=BYODを導入する)ことも可能です。

そうした手段が取れない場合は別途端末を購入して揃える必要がありますが、さすがにPCのない会社はないでしょうから、必要最小限の台数で済みますし、中古の端末でも古すぎなければクラウドPBX用として問題なく利用可能です。つまり、やりようによっていくらでもコスト削減が可能なのです。

業務効率改善・働き方改革につながる

クラウドPBXによる「場所に関係なくどこからでも使える運用」は、電話業務に際して劇的な業務効率改善につながります

従来のビジネスフォンでは、会社の電話番号での受発信に際し会社内のデスク前にいなければ利用できませんでした。ビジネスフォンの場合はそうした利用場所の制限があるうえ、固定電話機なので施設内を移動中の通話もできないという、移動の制限もあります。

クラウドPBXなら、そうした制限を全て取っ払った柔軟な運用が可能です。たとえばビジネスフォンの場合、出先に出払っていた社員がいたとして、出払っていた間の電話の留守電や取次ぎできなかった内勤者が控えてくれた用件を聞かねばなりませんし、会社の電話番号で折り返す必要もあるので、出先からいったん会社へ帰社する必要がありました。クラウドPBXなら会社に電話が来ても手持ちのスマートフォンで電話を取り次いで受けることが可能ですし、もし電話に出られなかったとしても外出先や移動中に手持ちのスマートフォンから会社の電話番号名義で発信ができるので、会社にわざわざ帰る必要がありません。また、会社内の別の場所を行き来して確認しながら逐一状況を報告する際にも、クラウドPBXならスマートフォンや携帯電話での運用が可能なので、社内フロアを移動しながらの通話もできます。

つまりクラウドPBXを導入すれば、ビジネスフォンの場所と移動の制限があるがゆえに発生していた無駄な移動を一気にカットできます。活用次第では、「オフィスへの通勤」も丸ごとカットできるのです。要は、在宅勤務やテレワーク、サテライトオフィスでの勤務などの多様な働き方や、オフィスでのフリーアドレス制など、いわゆる「働き方改革」の導入も簡単になります。

少なくとも、働き方改革に際してビジネスフォンという「会社に出勤しなければ使えない」運用に阻まれてきた会社は、クラウドPBXに置き換えるだけで働き方改革を簡単に実現できます。物理的設備の設置も不要なフットワークの軽い運用なので、準備にも手間がかかりません。活用次第では、都心における広いオフィスの設置自体が不要になるでしょう。

オフィスへの通勤はこれまで常識的に「大前提」となっていたことですから、もしオフィスそのものの維持費をバサッとカットできるとしたら、これまでに考えられなかった規模感でのコスト削減ができます。

クラウドPBXを選ぶ際のポイント

以上のように、クラウドPBXは従来の企業向け電話運用に比べると非常にお得に運用できます。前章までで紹介した通りコスト面を中心に得られるメリットが大きい上、運用形態が非常にシンプルで面倒な作業も挟まず簡単に導入できるとなれば、すぐにでも導入したくなるのではないでしょうか。

しかし、クラウドPBXは従来の電話と全く違った回線を用いる新しいシステムである以上、これまでとは全く違った条件や環境の違い、使い勝手の違いといったものが思わぬ壁となって立ちはだかったり、トラブルの原因になったりするものです。

ここからは、そうしたトラブルや失敗をあらかじめ避けられるよう、自社に最適なクラウドPBXを選ぶ上で意識するべきポイントを紹介していきます。

あらゆる電話番号に対応しているものを選ぶ

クラウドPBXは、通話において電話回線ではなくインターネット回線を利用するシステムです。そのため、従来の電話回線では問題視されなかったような問題も出てきます。その代表的な問題が、発信元として利用可能な番号が限られる場合があるという事です。

たとえば、多くの会社が既に持っているであろう、固定電話番号が使えない場合があります。これはベンダーが使っている回線の問題で、回線の種類によっては発信元として「03」や「042」といった市外局番付きの電話番号が利用できず、IP電話で払い出される「050」で始まる番号しか使えない場合があります。これはインターネット回線を利用する通話特有の弊害と言えるでしょう。

ひかり電話などの一部の回線なら市外局番付きの固定電話番号も使えますので、ベンダーを選ぶ際は固定電話番号を使えるかは特に念入りに確認しましょう。会社によってはフリーダイヤルを利用しているところも多いかと思いますが、フリーダイヤルとクラウドPBXを組み合わせると非常にお得ですので、フリーダイヤルが使えるかどうかもしっかり確認を取るようにしてください。

便利な機能・オプションのあるものを選ぶ

クラウドPBXは、ビジネスフォンの仕組みを基本的には踏襲している仕組みであるため、ビジネスフォンで使える機能の大半が使えます。しかし、ビジネスフォンで使える機能がそのまま使えるだろうとなんとなくのイメージを持ったままで契約してしまうと、使いたかった機能が使えないという問題が起こる可能性があります。クラウドPBXでは、ベンダーによって提供している機能が全然違うからです。

契約するベンダーを選ぶ際には、どういった機能を使いたいのか、あらかじめ社内の意見を取りまとめておき、そのリストを基準にリサーチをして、使いたい機能を提供しているベンダーを絞り込んでいくことを強くおすすめします。契約後に機能の変更や増加ができないベンダーも存在しますので、まずは機能を基準にベンダーを探していくほうがトラブルは少なくなるでしょう。

なお、提供する機能が基本料金のみで使える「基本機能」なのか、オプション料金が必要な「オプション機能」なのかもベンダーによって全然違います。もしなるべくお得に運用したいなら、求める機能が基本機能に含まれているベンダーを優先して検討するようにして下さい。かといって、そうしたことを優先するあまり基本機能にこだわりすぎるのも禁物です。あくまでも他の要素との比較検討による総合的判断が大事なので、多少はオプション料金を払っても仕方ないと考えましょう。

お試しキャンペーンや無料デモを利用する

便利で安いクラウドPBXには一見非の打ち所がなさそうですが、実はベンダーによってサービス品質がバラバラで、無線環境での運用がメインとなることで使い勝手が利用環境に大きく左右されてしまう、といった問題があります。

こうした問題はベンダー側も認識しているので、優良なベンダーの場合では契約前に実際の利用環境で使い勝手を試せる、「お試しキャンペーン」や「無料デモ機貸し出し」といったキャンペーンやサービスを提供していることがあります。あくまでも使い勝手は実際の利用環境で試してみないとわかりませんので、こうしたキャンペーンがある場合には、どんなに世間の評判が良いベンダーであっても必ず利用しましょう。

通話料やその他利用料などを比較する

以上のようなポイントがまず、クラウドPBX特有の問題や環境的な制限といった不安要素をクリアする上で重要となるのですが、そうした問題をクリアしたうえで、最後にコスト面を比較検討しましょう。

インターネットで殊更「安さ」を喧伝されがちなクラウドPBXだからこそ、安さをアピールするベンダーに惑わされてはいけません。「ただ安いだけで品質やサポートが杜撰」なベンダーと契約してしまっては、不具合によって途中解約し違約金を請求されるなど逆に損をする可能性もあります

以上に紹介した順番で手堅くベンダーを絞り込み、最後にコストパフォーマンスが高いベンダーを選ぶことで、契約後のトラブルや実際の運用と評判のギャップも少なく済むはずですし、自社にとって最適なベンダーを高い確率で選ぶことができるはずです。

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以上、「クラウドPBXの通話料の安さ」を主要なテーマとし、通話料以外にクラウドPBXがお得である理由や、クラウドPBXベンダーを選ぶ際のポイントも含めて解説しました。

クラウドPBXは確かに安いですし、それ以上に便利でもあります。しかし、クラウドPBX特有の環境や条件に起因する問題点をなるべく契約前に知っておいて、ベンダーと契約する前にそうした不安要素を解消しなければ、せっかくのクラウドPBXで逆に損をしてしまうことになりかねません。

本記事で紹介したポイントを参考に、あくまでも選ぶ際には慎重に検討してみてくださいね。