国際電話とは?かけ方や利用料金について解説します
国際電話とは、国外と電話によるやり取りを行うことを指します。業種によっては仕事上で国際電話をかける機会もあると思いますが、かけ方や料金について不安に思っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、国際電話の概要やかけ方、料金の考え方などをご紹介します。
国際電話とは
国際電話とは海外と電話による通話を行うことです。国内通話でも海外を経由した場合は国際電話に含まれます。固定電話はもちろん、携帯電話から国際電話をかけることもできます。
国際電話のかけ方
国際電話は国内で電話をかける場合と、ダイヤル方法が異なります。ここでは、国際電話の基本的なかけ方についてご紹介します。
国際アクセス番号を知ろう
まず国際アクセス番号について知っておきましょう。国際アクセス番号は、これからかけようとしている電話が国際電話であることを知らせる番号のことです。代表的なサービス提供会社の国際アクセス番号は以下です。
固定電話からかけるケース
NTT:0033-010
KDDI:010
フレッツ(IP電話):010
携帯電話からかけるケース
docomo:010
au:010
softbank:010
国際アクセス番号は、利用サービスのホームページなどであらかじめ確認しておきましょう。
国番号を検索しよう
次に国番号を検索しましょう。国番号とは、国ごとに指定されている番号で、どこの国に電話をかけるのかを指定できます。国番号は主要電話会社のホームページなどで確認できます。
また電話番号が「+」から始まっているケースがあります。これは「+」の後の数字が国番号であることを表しています。たとえば、アメリカに電話をかける場合は国番号が「1」のため「+1-2××-××-××××」という風に表記されています。この番号にかける時には、国際アクセス番号の次に、「1-2××-××-××××」を押せばよいということになります。
自分の電話番号(日本国内)を知らせる場合は、日本の国番号である「+81」を相手に教えれば、相手は国番号を調べる手間が省けます。
相手の電話番号を入力しよう
次に相手の電話番号を入力します。電話番号は市外局番から必要です。また一部の例外を除き、0から始まる番号の場合は0を削除することが大切です。
たとえばアメリカの「0123-456-7890」という番号に、NTTの固定電話からかけるとします。NTTの国際アクセス番号は「0033-010」のため、以下の順番でプッシュしましょう。
・国際アクセス番号:0033-010
・相手の国番号:1(アメリカの国番号)
・相手の電話番号:123-456-7890
つまり、「0033-010-1-23-456-7890」となります。
国際電話の番号例
ここでは国番号の一部をご紹介します。
国 | ゾーン | 番号 |
アメリカ(本土) | アメリカ | 1 |
イギリス | ヨーロッパ | 44 |
インド | アジア | 91 |
オーストラリア | オセアニア | 61 |
オランダ | ヨーロッパ | 31 |
カナダ | アメリカ | 1 |
韓国 | アジア | 82 |
ギリシア | ヨーロッパ | 30 |
シンガポール | アジア | 65 |
スペイン | ヨーロッパ | 34 |
タイ | アジア | 66 |
台湾 | アジア | 886 |
中国 | アジア | 86 |
ハワイ | オセアニア | 1 |
フランス | ヨーロッパ | 33 |
スマホからもかけられる
国際電話はスマホからかけることもできます。スマホからかける場合も基本的に方法は変わりません。
1.国際アクセス番号を入力する
2.相手の国番号を入力する
3.相手の国内の電話番号を入力する
上記の手順で国際電話を利用することができます。大手キャリアの場合、普段使っているスマホから手続きなしで国際電話を利用することが可能です。ほとんどのキャリアで、毎月の携帯電話料金と合算請求されます。
海外から日本の携帯電話・一般電話にかける場合
「+」「81(日本の国番号)」「相手先の電話番号」を入力して発信します。
080 1234 5678の場合、+81-80-1234-5678となります。
相手の携帯電話番号や市外局番が0から始まる場合は、最初の0は抜いて入力しましょう。
海外の同行者など海外で日本の携帯電話を持っている人に電話をかける場合
「+」「81(日本の国番号)」「相手先の電話番号」を入力して発信します。
この場合、電話を日本から渡航先まで転送したことになるため、着信側に着信料が必要です。
滞在国の携帯電話や一般電話にかける場合
「相手先の電話番号」を入力して発信します。
たとえば、アメリカの一般電話は「212」から始まるため、「212-×××-××××」という風に入力します。
滞在先の携帯電話や一般電話にかける場合、滞在国内の通話料がかかります。
ほかの国や地域(日本と滞在国以外)の携帯電話や一般電話へかける場合
「+」「相手の国番号」「相手先の電話番号」を入力します。
たとえば、アメリカからイギリスの一般電話(020)に発信する場合は以下になります。
+44(イギリスの国番号)20(市外局番)×××-××××
この場合、ほかの国向けの通話料がかかります。
日本にいる方が海外の携帯電話に発信した場合
日本にいる人には日本での通話料が適用されます。
事前設定を確認しておこう
もし海外でいつも使っているスマホで電話をかける場合、事前の申し込みが必要な場合があります。そのため、海外に行く際には事前にどんな手続きが必要なのか確認しておきましょう。
公衆電話からもかけられる
国際電話は公衆電話からかけることもできます。硬貨、テレホンカードを使い、国際兼用公衆電話からかける方法です。
1.受話器をとります。
2.硬貨もしくはテレホンカードを入れます。
3.電話番号をプッシュします。
公衆電話の場合、先頭に「0033」をつけます。
「0033」+「010」+「相手の国番号」+「相手の国内の電話番号」とプッシュしましょう。
国際電話がかけられるのは、「国際通話兼用公衆電話」と記載のある公衆電話となります。
国際電話の料金の考え方
国際電話の場合、利用料金について気になる方も多いのではないでしょうか。国際電話は、時間帯と6秒毎の料金で計算されます。ここではNTTの例をとり、料金の計算方法についてご紹介します。
一般電話からアメリカにかける場合の料金(NTTの場合)
時間帯 | 6秒毎の料金(円) | 3分間の料金(円) | |
最初の1分まで | 1分経過後 | ||
昼間 | 6 | 5 | 160 |
夜間 | 5 | 5 | 150 |
深夜・早朝 | 4 | 3 | 150 |
携帯電話からアメリカにかける場合の料金(NTTの場合)
時間帯 | 6秒毎の料金(円) | 3分間の料金(円) | |
最初の1分まで | 1分経過後 | ||
昼間 | 12 | 11 | 340 |
夜間 | 10 | 10 | 300 |
深夜・早朝 | 6 | 6 | 180 |
PHSからアメリカにかける場合の料金(NTTの場合)
時間帯 | 6秒毎の料金(円) | 3分間の料金(円) | |
最初の1分まで | 1分経過後 | ||
昼間 | 8 | 7 | 220 |
夜間 | 7 | 6 | 190 |
深夜・早朝 | 6 | 5 | 160 |
公衆電話からアメリカにかける場合の料金(NTTの場合)
時間帯 | 1,000円で通話できる時間 |
昼間 | 7分25秒 |
夜間 | 9分10秒 |
深夜・早朝 | 9分45秒 |
IP電話からの国際電話
1分毎の料金(円) |
9 |
料金は国ごとに異なります。料金は利用するサービスのホームページに記載されていますので、あらかじめ国ごとの通話料金を調べておくことをおすすめします。
国際電話の受け方は?
では自分が海外にいる際に国際電話がかかってきた場合はどのように受ければいいのでしょうか。ここでは海外での電話の受け方についてご紹介します。
日本からの電話を受ける場合
携帯電話の場合、いつもの携帯電話にかけてもらえば繋がります。かかってくる電話は、日本から渡航先まで転送しているため、着信側に「着信料」がかかります。
日本以外からかけてもらう場合
携帯電話にかけてもらう場合は、以下の方法でかけてもらいましょう。
「発信国の国際電話アクセス番号」+「81(日本の国番号)」+「最初の0(ゼロ)を除いた自分の携帯番号」で発信します。
たとえば、イギリスからアメリカにいる自分の携帯電話「080 1234 5678」にかけてもらう場合は以下のようになります。
「00(イギリスの国際アクセス番号)」+「81(日本の国番号)」+「80 1234 5678」
かかってくる電話は、日本から渡航先まで転送したことになるため、着信側に着信料が必要です。
着信料とは
海外からかかってきた電話に出た場合、日本国内では着信料はかかりません。しかし海外で着信を受けた場合は着信料がかかります。着信料は国やエリアによって異なります。そのため、あらかじめ確認しておくと安心でしょう。
海外の電話番号には注意も必要
近年では、国際電話による詐欺が増えています。そのため、「+」から始まる国際電話には注意が必要です。「+」がついている電話番号はすべて国際電話となります。この国際電話を使った詐欺事件があるため、もし着信があっても安易にかけ直さないようにしましょう。
海外の電話番号を使った詐欺として多いのが「国際ワン切り詐欺」です。これは、「海外の知らない電話番号から電話がかかってきてすぐに切れる」という手口です。これは国際電話料金を詐取しようとする詐欺の一つです。折り返し電話をかけてしまうと、高額な通話料金の請求が届くなどの被害があります。
「+」のつく電話番号からかかってきた場合は、できるだけかけないようにするのがおすすめです。もし仕事で国際電話を使っている場合でも、知らない番号は詐欺電話の可能性が大きいです。どうしても気になる場合は向こうからかかってきた場合にのみ電話に出て、決してこちらからかけ直さないようにするのがおすすめです。
国際電話のかけ方・受け方を知ろう
国際電話をかけたり、受けたりする場合、初めてだと緊張してしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、一度仕組みを知ればどの国へも電話をかけられるようになるでしょう。また気になる料金も、キャリアなど電話サービスのホームページに記載されていますので、あらかじめ調べて不安をなくしておくことをおすすめします。