全通話録音(自動通話録音)のメリットとは?企業の電話に欠かせない機能

電話業務の効率化

個人間のやり取りはもとより、ビジネスにおいても、連絡手段は多様化し続けています。それにもかかわらず、音声だけを伝え合うシンプルなツールである電話が、未だにビジネスシーンでは重宝されています。音声情報というのは指示や周知連絡の手段として最も迅速かつ楽に伝えられるというのがその理由ではないでしょうか。

しかし、音声だけではどうしてもエビデンスが残しにくく、会社内の部署や社員同士、ないしはクライアント・取引先との間でトラブルが起きた際に、「言った言わない」の責任問題に発展するリスクもあります。そうした時に役に立つのが、クラウドPBXやビジネスフォンなどの企業向け電話システムに搭載されている「全通話録音(自動通話録音)機能」です。通話を自動的に録音しておくことにより、上記のようなトラブルの際のエビデンスにもなる他、色々な面で役立ってくれるはずです。

今回は、企業向け電話システム、特に「クラウドPBX」に搭載された全通話録音(自動通話録音)機能がなぜ役立つのかを解説していきます。

全通話録音(自動通話録音)とは

全通話録音(自動通話録音)機能とは、文字通り、電話での通話のやり取りを自動的に録音する機能のことです。録音して保存しておくことによって、後で何度でも通話内容を聞きなおすことができます。

中でもカスタマーサポート・テレフォンアポイント・ヘルプデスク等、商談や顧客との手続きに大きく関係する通話を担当するコールセンター業務においては非常に重要な機能であり、多くのコールセンターシステムでは電話の事前音声で「通話記録を取る」というアナウンスが流れ、電話の相手に対し通話音声を記録して電話のやり取りを最初から最後までそのまま保存する旨を告知しています。

この機能はビジネスフォンの多くで標準搭載されていますが、クラウドPBXにもこの機能を提供しているサービスが、全てとは言いませんが、少なからず存在します。

全通話録音(自動通話録音)のメリット

特に多数のお客様の声を直接聞いて、その都度お客様の声をサービスに反映させていくBtoCの企業にとって、この全通話録音機能は欠かせません。全通話録音機能にはそれだけのメリットがあるからです。ここでは、全通話録音機能を使うことによるメリットを紹介します。

通話記録を社員教育に利用できる

全通話録音機能を使うことで、社員教育など電話応対における人材育成に役立てることができます。特に定められたマニュアルを遵守しながらも臨機応変に対応を検討しなければならないコールセンターのオペレーターのように、日々現場の最前線で大量の問い合わせを捌いている仕事では、全通話録音機能による先輩オペレーターの対応術の記録は、後進にとっての大切な財産になります

コールセンターのオペレーター研修では、実際の対応例として先輩オペレーターの通話音声が参考資料として提示されることが多いです。全通話録音によって保存された先輩オペレーターによる、「マニュアルを遵守しながらもトラブルを回避する理想的な電話応対」の音声を参考にすることで、新人は電話応対のイロハを徐々に学んでいきます。一番効果的なのは実践を重ねることですが、あらかじめどのようなリスクがあり、そのリスクをどう回避するかを知っておくかどうかでは大きな差がでてきます。

聞き漏らしがあった場合に役立つ

どんなに優秀な社員であっても、通話の中で重要事項を聞き漏らしてしまうといったミスをすることはあります。本来あってはならないことですが、それでも人間である以上、電話中に隣から話しかけられて気が散ったり、いきなり大きな音が周辺で鳴ったりするなど、何らかの要因が重なって聞き漏らしにつながることがあります。

そうした時に全通話録音機能で音声を録音していれば、無理にその場で言い直してもらわなくても、後で聞き返すことで聞き漏らした箇所をちゃんと認識でき、順を追って話を再度整理できます。言い直しを求めると相手を苛つかせてしまうリスクがある以上、こうしたリスク回避は重要です。

トラブルがあった際の証拠になる

全通話録音機能が最もその効果を発揮するのはおそらく、トラブルやクレームといった、アクシデント・インシデントに直面した時です。もし取引先と共同で進めていたプロジェクトで損害を生んだ場合や、上司の無理な指示があった場合には責任問題が生じるので、どの会社の誰の判断で事が起こったのかを慎重に確認しなければなりません。

しかし人は自分可愛さに嘘をつくものですし、立場が上の方が客観的に有利になりますので、もしエビデンスが残っていなければ、言った言わないのトラブルは立場が強い方のごり押しで責任問題が整理されていって、最終的には立場が弱い子会社や部下などに責任がなすりつけられてしまうことが思いのほか多いものです。そうした時に通話録音機能を使ってエビデンスを取っておくことで、重要な通話のやり取りを順を追って聞き直すことができますので、どんなに立場が弱くとも、自信をもって自分や自分の会社がトラブルを生んだわけではないということを客観的に証明できます。さすがに証拠があれば、立場がどんなに強くても引き下がらざるを得ません。

これはお客様からのクレーム発生時や、執拗な迷惑電話があった時にも効果を発揮します。音声情報と言うのは法的に見ても非常に重要な証拠となりますから、録音音声で明らかにお客様の方が悪いことを立証できれば、業務妨害等で訴えることもできます。

全通話録音(自動通話録音)を導入するならクラウドPBX

以上のように、全通話録音(自動通話録音)機能には特に企業において大きなメリットがあることがわかりました。全通話録音機能は、従来固定電話機の運用として広く一般的に導入されていた「ビジネスフォン」にも搭載されていることが多いですが、近年注目されている画期的な企業向け電話システム「クラウドPBX」においても、全通話録音機能を備えたものが多く、これから導入するならクラウドPBXで全通話録音機能を利用することをおすすめします。

ここではクラウドPBXの仕組みやメリットについて説明していきます。

クラウドPBXとは

クラウドPBXは、前述の「ビジネスフォン」と同じく、企業向けに特化した電話システムの1つです。基本的な仕組みはビジネスフォンを踏襲しつつも、構造的な改良を重ねたことでビジネスフォンを大きく超えた利便性を持っています。

従来のビジネスフォンでは、「主装置(PBX)」と呼ばれる機械を会社内に設置し、主装置に対して電話回線や社内のすべての固定電話機を有線接続するという構造になっています。このような構造を作ることで、主装置が判断して回線を特定の電話機に割り当てたり、電話機側の操作に応じて回線を切り替えたりといった操作を行っています。

こうした仕組みでできる主なことは「多数の電話機で電話回線を共有する」ことです。たとえば会社代表番号への多数の着信を複数の電話機で捌いたり、社内の電話機同士で内線通話をしたりといったことが可能です。

クラウドPBXは簡潔に言えば「ビジネスフォンをクラウド化」したものです。「主装置を用いて電話機と回線を一元管理する」「多数の電話機で回線を共有する」といったおおまかな仕組みはビジネスフォンをそのまま踏襲していますが、クラウドPBXでは、主装置を社内に設置せず、クラウド上、すなわちインターネット回線上に設置しています。また、クラウド上に設置した主装置に対して、IP電話機、パソコン、携帯電話やスマートフォンといったインターネット回線を介した通信が可能なデバイスを使い通話します

こうした構造をとることで、どこへデバイスを持ち運んでもビジネスフォンと同じような電話運用を場所に縛られることなく管理・維持できるのが、クラウドPBXの大きな特徴です。

クラウドPBXのメリット

上述の通り、クラウドPBXの大きな特徴は場所に縛られることのない運用が可能であることで、それがそのままクラウドPBXの最大のメリットにもなっています。

場所に縛られない運用ができるおかげで、拠点内で電話運用が完結してしまうビジネスフォンと違って、会社の外でも他の社員と内線通話ができたり、東京と大阪など距離の離れた異なる拠点間においても内線通話ができたりします。その他、別の電話機への電話の取次ぎや、会社代表番号を使った通話なども、当然ながら会社にいなくても、外出先や出張先からでも行えるのです。

たとえば、取引先へ打ち合わせに出ている社員あてに電話が来たとしても、会社から直接外出先の社員のスマートフォンなどに電話の取次ぎが可能ですし、折り返しに会社用の電話番号を使う必要があったとしてもその場で対応でき、これまでのように先方と連絡を取るためにわざわざ会社に帰社する必要がありません。

また、会社外で電話運用が可能という事は、在宅勤務でも電話業務が可能ということですから、現在東京都などが推進しているテレワークやサテライトオフィスといった多様な働き方が簡単に導入できます。

このように、クラウドPBXであれば、より合理的でシームレスな業務が可能になるだけでなく、既に述べた通り全通話録音機能も有していますから、多様なデバイスで逐一行ってきた色々な通話のすべてを自動録音で記録でき、いざというトラブルにも備えることができます

クラウドPBXの選び方

ここでは、全通話録音機能を目当てにクラウドPBXを導入しようと思っている方に向けて、クラウドPBXを選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。

全通話録音(自動通話録音)の機能があるものを選ぶ

せっかく全通話録音機能を活かすためにクラウドPBXを導入するのですから、「全通話録音機能がある」ということはベンダー選びの際の第一条件にしなければなりません。何故かといえば、「全通話録音機能を提供しているベンダーは多い」ということは言いましたが、「全てのベンダーが全通話録音機能を提供している」わけではないためです。ベンダーによっては提供していない可能性もあることをまず頭に入れておきましょう。

クラウドPBXを選ぶ際は、ベンダーの公式ホームページなど情報をチェックして、全通話録音機能をそもそも提供しているのかはもちろん、基本機能なのかそれとも追加料金が必要な「オプション機能」なのかも念入りに確認しましょう。

既存電話番号をそのまま利用できるものを選ぶ

特に、固定電話運用であるビジネスフォンからクラウドPBXに移行する場合には、これまで使ってきた固定電話番号に関しては極力そのまま引き継ぐことを前提とすることをおすすめします。なぜかと言えば、会社代表番号などこれまで使っていた固定電話番号というのは、市外局番などである程度の会社の位置が番号に反映されていて、それはすなわちちゃんと会社がそこにあるという、ある種の社会的信用が担保されるものでもあるからです。

それに対してIP電話専用の「050番号」などは取得も簡単で無料で発行できる場合もありますから、社会的信用の面では固定電話番号には遠く及びませんし、050番号では「110」や「119」など緊急通報用番号につながらないという制限もあります。クラウドPBXのベンダーが利用している回線によっては、固定電話番号を引き継いで使用できず、こうした制限のある050番号に変えなくてはならなくなることもあることを肝に銘じておきましょう。

勿論、みすみす固定電話番号を手放すくらいなら、固定電話番号を引き継げるベンダーを変えた方がいいのは自明の通り。そのため、「既存の電話番号、特に固定電話番号をそのまま引き継いで利用できる」ということは、ベンダー選びの際の絶対条件であると言っても過言ではありません。

デモやお試しキャンペーンを利用する

実際のお客様環境での試用を目的としたデモ機貸し出しを行っていたり、展示会等で実際にデモ機を使用できる機会を設けてくれていたりします。また、契約前に一定期間、実際のユーザーの利用環境で使い勝手を試せる、お試しキャンペーンを設けていたりもします。

どんなに客観的な評判が良かったとしても、契約前にこうしたキャンペーンがあるようであれば、絶対に一度は試しておきましょう。

全通話録音(自動通話録音)機能なら「ナイセンクラウド」

ナイセンクラウドは、全通話録音(自動通話録音)機能を利用できるクラウドPBXです。パソコン、電話機、スマホなどにも対応しており、既にお手元にある端末を活用してご利用いただけます。03や06などの全国の市外局番はもちろん、050番号や0120・0800のフリーダイヤルに対応しています。

詳しい機能については次の動画やサービスサイトをご覧ください。

▼1分でわかるナイセンクラウド

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プランは3つあり、内線数に応じて金額が変わります。内線数が多い場合はお得な割引もございます。詳しい料金は自動見積りや個別見積りでご確認ください。

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また、2台のスマホでフリーダイヤルを利用することに特化した「スマフリ」もございます。ナイセンクラウドの機能を小規模に導入できるスマフリを先に導入してみて、使い勝手や機能を確認したのちにナイセンクラウドに切り替えることも可能です。

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全通話録音(自動通話録音)で通話記録を活かそう

全通話録音機能について、仕組みやメリットを説明しつつ、通話録音機能の活用を行うならクラウドPBXがおすすめである理由、クラウドPBXのベンダー選びの際のポイントといったことをまとめて解説しました。

全通話録音機能はリスクヘッジはもちろん、それ以外にも色々なことに活用できますし、クラウドPBXであれば場所に縛られず他の拠点でも本社の電話応対の例を聞くことができるなど、より柔軟かつ幅広い環境で録音機能を役立てることができます。

全通話録音機能を活用するなら、ぜひクラウドPBXの導入をご検討下さい。