ナビダイヤルとフリーダイヤルの違いは?それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説
電話番号にはいくつか種類があり、ナビダイヤルとフリーダイヤルもその一つです。ナビダイヤルとフリーダイヤルはどちらも企業のお問い合わせ窓口などに割り振られることの多い番号ですが、どのような違いがあるのでしょうか。本記事では、ナビダイヤルとフリーダイヤルの違いをそれぞれご紹介します。
ナビダイヤルとフリーダイヤルの違いとは
一般的な電話番号は市外局番から始まります。東京の場合は「03」、大阪の場合は「06」などです。こうした通常の電話番号とは異なり、企業の問い合わせ窓口などでは、ナビダイヤルやフリーダイヤルなどの番号が設定されていることもあります。ここでは、ナビダイヤルとフリーダイヤルのそれぞれの概要についてご紹介します。
ナビダイヤル
ナビダイヤルとは「0570」から始まるNTTコミュニケーションズの電話サービスです。発信者課金の電話番号となっており、発信者側に課金されます。電話がつながった際に、通話料金の目安が「この通話は○秒ごとに○円かかります」とガイダンスとして流れます。IP電話や一部の携帯電話からはかけられない場合もあります。
「ナビダイヤル」という名称は、NTTコミュニケーションズの商標です。ロゴマークなども用意されており、名刺やホームページ、封筒などに記載すればさらにアピールすることができます。
フリーダイヤル
フリーダイヤルは「0120」から始まる、NTTコミュニケーションズが提供する電話サービスです。もともとは「0120」のみでしたが、現在では割り振る番号がなくなってきたため「0800」もフリーダイヤルとして活用されています。
フリーダイヤルは発信者ではなく、着信者が料金を負担する仕組みです。そのため、問い合わせ窓口や受注窓口などで用いられています。
「フリーダイヤル」という名称は、ナビダイヤルと同様にNTTコミュニケーションズの商標です。そのため、NTT以外が提供するサービスの場合は「フリーコール」や「フリーボイス」と呼ばれる場合もあります。
ナビダイヤルのメリット・デメリット
ナビダイヤルのメリット
一つの番号で全国受付が可能
ナビダイヤルにすれば「0570」の一つの番号に統一できます。例えば、全国に複数の拠点がある企業の場合、それぞれの電話番号を公開しなくてはいけません。しかし、ナビダイヤルであれば一つの番号に統一できるため、電話番号の掲載がシンプルにできます。
多彩なルーティングが利用できる
ナビダイヤルでは、発信地域・発信端末や電話番号を受付先で変更できます。例えば、ナビダイヤルは発信者の発信地域に応じて、最適な拠点に電話を転送できる機能があります。顧客の発信地域に一番近い拠点に自動でつながるため、効率的な受付が可能です。またルーティングはオプションで以下の機能があります。
・発信地域ルーティング
・発信端末種別ルーティング
・発信電話番号ルーティング
・入力指示ルーティング
・音声認識プロンプトルーティング
こうした多彩なルーティングを活用することで、より効率的な電話対応が行えるようになるでしょう。
IVR(音声自動応答)が可能
ナビダイヤルは時間帯や要件に応じて、IVR(音声自動応答)によってコールの振り分けが行えます。
例えば「○○の要件の方は1を」「○○の問い合わせについては2を」と、発信者に番号を押してもらうことで振り分けを行います。用件ごとに振り分けることができるため、迅速な対応が可能になり、顧客側にも企業側にも、どちらにもメリットがあります。
また時間外には「ただいまの時間は営業を休ませていただいております」などの応答をさせることも可能です。
事務所の移転や統廃合も楽になる
ナビダイヤルの番号は接続先の切り替えが可能です。そのため、移転時には新しい事務所に受付先を切り替えることで、電話番号を変えることなくコールを受けられます。
トラフィックデータの把握ができる
ナビダイヤルでは、視覚的に状況を把握できるトラフィックデータを取得できます。管理部門ではコンタクトセンターで受けた電話をほぼリアルタイムに把握・分析し、発信者の状況や発信後の状況をレポート化することができます。データを蓄積・分析することで、適正な受付体制を構築できるでしょう。
ナビダイヤルのデメリット
発信者側の不満が溜まる可能性がある
発信者側が料金を支払う仕組みは通常の電話と一緒ですが、企業に電話をかける場合、待ち時間が発生する場合があります。コールセンターなどで混雑していれば、何分も待たなくてはならず、待ち時間も料金が発生してしまいます。その結果、顧客の不満が溜まる可能性があるでしょう。
入力項目が多いケースもある
IVRによる振り分けはメリットもある一方で、発信者側の負担になるケースもあります。特に入力項目が多い場合、発信者が目的の項目にたどり着くまでに時間がかかる可能性があるでしょう。発信者の負担が大きくなり、問い合わせ自体を辞めてしまうケースも考えられます。
フリーダイヤルのメリット・デメリット
フリーダイヤルは、着信者側に料金がかかる仕組みのため、顧客側はかけやすいという特徴があります。そのほかにもさまざまなメリットとデメリットがありますので、ご紹介します。
フリーダイヤルのメリット
発信者が心理的にかけやすい
フリーダイヤルは着信者が料金を負担する仕組みのため、発信者が心理的に電話をかけやすいというメリットがあります。そのため、通信販売の問い合わせ窓口や企業のコールセンターなど、受電が多い場所で使われることが多いです。
電話番号を覚えてもらいやすい
フリーダイヤルは「0120+6桁の電話番号」で、先頭は0120で変わらないため、あとの6桁だけを顧客に覚えてもらえば良いことになります。通常の固定電話番号は10桁ですから、フリーダイヤルの方が覚えやすいでしょう。
移転しても電話番号を変える必要がない
フリーダイヤルは、一度取得すれば、事務所を移転しても電話番号を変更する必要がありません。通常の固定電話番号の場合、住所が変更になれば番号を変更しなくてはいけません。そのため、都度、変更手続きや取引先の連絡などが必要です。フリーダイヤルであれば、住所を変更しても番号が変更されないため、こうした面倒な連絡作業が不要になります。
認知度が高い
フリーダイヤルは、1985年にサービスを開始した歴史あるサービスです。NTTコミュニケーションズによると、顧客の認知度は90.5%と非常に高いのが特徴です。フリーダイヤルがどのような電話番号か理解している人が多いため、導入することで企業のイメージアップにもつながるでしょう。
オプションサービスが豊富
フリーダイヤルはさまざまなオプションサービスも提供されています。例えば、発信の条件や顧客のニーズによって振り分けることができる振り分け機能や、迷惑電話対策、コールを制限する機能などがあります。自社の運用形態に合わせて選ぶことができ、より効率的な運用につながるでしょう。
フリーダイヤルのデメリット
企業側にコストがかかる
着信者側に料金が発生する仕組みは顧客にとってメリットがありますが、企業側にとっては大きなコストがかかります。特に問い合わせや注文数が多い、通話時間が長いなどの電話が多ければ、料金が高くなってしまいます。少しでもコストを抑えたい場合は、プランなどをしっかり検討しておきましょう。
架電側の電話番号に制限がある
フリーダイヤルは、全ての電話番号から発信できるわけではありません。かけられる番号に制限があります。
例えば、一般的に「050」から始まるIP電話は、フリーダイヤルにかけることができません。またフリーダイヤルの設定によっては、スマホからかけられないケースもあります。そのため、全ての電話番号に対応しようとした場合、別途固定電話番号を用意しなくてはいけません。
企業が導入するにはどちらが良い?
ナビダイヤルとフリーダイヤルは、発信者と着信者のどちらが料金を負担するかという大きな違いがあります。では企業が導入する場合はどちらを選べば良いのでしょうか。
顧客目線からみれば、フリーダイヤルの方がかけやすいため、企業への印象は上がるでしょう。ただし、フリーダイヤルは一般的にナビダイヤルよりもコストがかかります。さらに通話料も負担しなくてはいけないため、コスト面で多大な負担となるケースがあるでしょう。
そのため、導入前には費用対効果についてしっかり計算しておく必要があります。
またナビダイヤルはクレーマー対策にもなるとされています。通話料が企業負担のフリーダイヤルの場合、悪質なクレーマーは何時間も何度も電話をかけてくるケースもあります。しかしナビダイヤルであれば、発信者側に「この通話は○秒ごとに○円かかります」などのアナウンスが流れます。自分が料金を負担しなければならないと分かったら、悪質なクレームを減らすことができるでしょう。これまで、多くのクレームで悩んでいる企業の場合は、ナビダイヤルの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
フリーダイヤルなら「ナイセンクラウド」や「スマフリ」がおすすめ
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フリーダイヤルとナビダイヤルの違いを知ろう
フリーダイヤルとナビダイヤルの大きな違いは、料金の仕組みです。フリーダイヤルは着信者側が通話料金を負担しますが、ナビダイヤルは発信者側が料金を負担します。フリーダイヤルの方が顧客にとってはメリットが大きいですが、ナビダイヤルは企業に大きなメリットがあります。どちらの番号にもメリット・デメリットがありますので、自社の運用形態に合ったものを選びましょう。