IP電話にかかる料金はどれくらい?機能や特徴もご紹介
IP電話は低料金が魅力となり、オフィスでも導入が進んでいます。IP電話はインターネット回線を経由するため、固定電話だけでなくスマホでも利用できるのが大きな特徴です。しかし、導入に際して料金が気になる企業も多いのではないでしょうか。本記事では、IP電話の概要や平均的な電話料金、導入のメリットなどをご紹介します。
IP電話とは
IP電話とは、インターネット回線を通じて通信や通話などを行うサービスです。インターネットの接続を行うプロバイダが提供しているサービスで、固定電話とスマホのどちらからでも利用が可能です。
IP電話は、インターネット回線を用いたVoIP(Voice over Internet Protocol)という通信技術を利用しているため、IP電話と呼ばれています。VoIPゲートウェイと呼ばれる装置が音声とデジタルデータに変換することで、相手側のVoIPゲートウェイに送信します。
IP電話が使用されるようになったのは、2000年を過ぎた頃とされています。この頃は、ADSLが主流でした。IP電話はもともと、ADSLの「おまけ」のようなサービスから始まりました。その後、光回線が主流になったことで、IP電話も光回線が使われるようになります。
IP電話の種類
IP電話は「0AB-J型」「050型」「電話番号不要型」の3種類に分けられます。
・0AB-J型
0AB-J型は、「03」や「06」等から始まる10桁の電話番号のことです。0AB-J型は総務省が定めた基準をクリアした業者のみが取得できます。IP電話ですが、固定電話と同様の通話品質が保証されているのが大きな特徴です。また0AB-J型は、プロバイダを変えても、同じ番号を利用することができます。顧客からの信頼性が高いため、ビジネスにも適している種類です。
・050型
「050」から始まる11桁の電話番号です。0AB-J型のように厳しい通話品質は求められないため、多くの事業者が提供しています。しかし、0AB-J型と比較すると、環境の影響を受けやすいとされています。プロバイダを変えると電話番号も変わります。
スマホでも利用が可能です。
・電話番号不要型
電話番号不要型は電話番号を持たないサービスのことです。VoIP上で音声や映像をデータ化し、それをやり取りすることで通話が行える仕組みです。LINE、Skype、Facebook Messengerなどが代表的な電話番号不要型です。
IP電話の電話料金
IP電話の平均的な電話料金はどれくらいなのでしょうか。ここでは総務省のデータ(2017年)を元に通話料金をご紹介します。
0AB-J IP電話
NTT東西 | フュージョン | NTTコム | KDDI | ケイ・オプティコム |
8円 | 8円 | 8円 | 8円 | 8円 |
050 IP電話
日本テレコム | フュージョン | NTTコム | KDDI | ケイ・オプティコム |
10.8円 | 10.5円 | 10.8円 | 10.8円 | 10.8円 |
※原則3分単位の料金(税別)
出典:総務省「主なIP電話通話料金一覧表」
固定電話回線との比較
固定電話回線の料金は以下の通りです。
固定電話
固定電話は距離によって通話料金が異なります。
県内への電話 (昼間)
・区域内 9.35円(税込)/3分
・隣接~20km 22円(税込)/90秒
・20km~60km 33円(税込)/1分
・60km~ 44円(税込)/45秒
県外への通話料金(昼間)
・隣接~20km 22円(税込)/90秒
・20km~30km 33円(税込)/1分
・30km~60km 44円(税込)/45秒
・60km~100km 66円(税込)/30秒
・100km~ 88円(税込)/22.5秒
さらに固定電話の回線を利用するには、導入費用として電話加入権である35,000円が必要です。そのため、距離に関係なく料金が一律なIP電話の方が料金が安くなります。
ただし、インターネット回線をまだ引いていない場合は、新しくインターネット回線を導入する費用が必要です。
IP電話の導入メリット
IP電話の導入には以下のようなメリットがあります。
料金が安い
IP電話の大きなメリットは基本料金や通話料金などが安い点です。IP電話を提供しているプロバイダのほとんどは、基本料金を導入していません。基本料金が設定されている場合でも数百円程度のため、従来の固定電話と比較すると料金を抑えることができます。
さらにIP電話はほとんどのプロバイダで一律料金を採用しており、距離や時間などで料金が変わることはありません。固定電話の場合、相手との距離によって料金が変わるため、遠方または全国へ電話をかけることの多い企業ほど得になるでしょう。
またIP電話の場合、プロバイダ間で提携がある場合は通話料金が不要なのが特徴です。そのため、通話する機会の多い企業ほどメリットを感じやすいです。
またIP電話は、既存の固定電話と併用も可能です。既に固定電話を導入していると、IP電話を導入する際に解約しなくてもよいのです。着信や発信などを用途ごとに切り替えられます。どちらかに絞るのではなく、柔軟に運用できる点もIP電話のメリットです。
電話番号が簡単に手に入る
IP電話は固定電話と比べて必要な手続きが少ないため、比較的簡単に手に入るのが特徴です。電話機もビジネスフォンを用意しなくても、スマホがあれば十分に利用できます。また回線の削除や増加なども容易なため、社員の増減にも対応しやすいのが特徴です。
IP電話の選び方
料金
IP電話は料金を安く抑えられますが、提供会社によって料金体系が異なります。たとえば、IP電話同士の通話は無料でも、固定電話や携帯電話、国際電話のいずれかを利用するかによって料金が異なってきます。さらに会社で利用するのであれば、料金体系の違いはコストに大きく影響してくることも考えられます。そのため、料金はしっかりチェックしておきましょう。
通話品質
ビジネスで利用するものですから、通話品質はとても大切です。IP電話の通話品質は、使用しているコーデック等に影響を受けるとされています。コーデックとは、信号やデータを一定の規則に従い符号化したり、符号化されたデータを元の状態に復元する装置やソフトウェアを指します。
回線が混雑していると音質が悪くなる場合もありますし、低速回線でIP電話を使用すると、大容量ファイルの送受信などを行う場合は急に通話品質が悪化する可能性があります。
特に050番号は、音声品質が最高品質でなくても販売が可能です。そのため、03や06から始まるIP電話と比較すると、音声品質が不安定になる可能性があります。サービスによっては通話品質や処理速度に不満が残ることもあるでしょう。さらに、接続する回線が切り替わると、電話が切れてしまいます。たとえば、外出中にスマホを利用している場合、Wi-Fi接続からモバイル接続に切り替える際などに注意が必要です。
機能
通話以外の機能が必要であれば、確認しておきましょう。たとえば、留守番電話機能、録音機能、プッシュ通知機能などの機能が必要であれば、提供しているベンダーを探す必要があります。
普段の業務を思い浮かべ、自社にどんな機能が必要か、どんな機能があれば業務効率化につながるかなどを想定することをおすすめします。
IP電話とクラウドPBXの違い
IP電話はメリットが多いですが、クラウドPBXの方がコスト面などで有利な場合もあります。
クラウドPBXとは、オフィスにあるPBX(Private Branch Exchange)をクラウド化したシステムのことです。IP電話と同様にインターネット上で通話環境が構築できるのが特徴です。
ただし、IP電話はオフィス内に物理的なサーバーを設置しなくてはいけませんが、クラウドPBXは物理的なサーバーを必要としません。そのため、クラウドPBXの方が導入時のコストを抑えることができます。さらに、クラウドPBXはPBXの管理をベンダーが行います。定期メンテナンス、故障、トラブルなどの対応をすべてベンダー側で行ってくれるため、IP電話に比べて管理が楽なことが挙げられます。
クラウドPBXは、通常のビジネスフォンと同様に、内線・保留・転送などの機能が使えます。会社にかかってきた電話を内線につないだり、内線同士をつないだり、保留転送や電話会議など、ビジネスにおいて欠かせない機能も備わっていることが多いです。
またクラウドPBXは、テレワークや営業職の社員など、オフィス外で仕事をする社員が多い会社にも向いています。インターネット回線があればどこでも利用できるため、テレワーク中や外出中の社員に電話を取り次ぎしやすいのが魅力です。またスマホに専用アプリを入れることで、スマホでも利用可能になるため、自宅でも外出中でも会社宛にかかってきた電話に対応することができます。
IP電話はオフィスで電話業務を行うことが多い企業、クラウドPBXはスタートアップ企業やオフィス外で仕事をする社員が多い企業に向いているといえます。
IP電話よりもお手頃価格なクラウドPBX
ナイセンクラウドは、パソコン、電話機、スマホなどにも対応しており、既にお手元にある端末を活用してご利用いただけるクラウドPBXです。03や06などの全国の市外局番はもちろん、050番号や0120・0800のフリーダイヤルに対応しています。日本マーケティングリサーチ機構調べにおいて「テレワークに役立つサービス」「信頼と実績のクラウドPBX」「経営者が選ぶ電話サービス」において1位に選ばれています。
詳しい機能については次の動画やサービスサイトをご覧ください。
▼1分でわかるナイセンクラウド
プランは3つあり、内線数に応じて金額が変わります。内線数が多い場合はお得な割引もございます。詳しい料金は自動見積りや個別見積りでご確認ください。
また、2台のスマホでフリーダイヤルを利用することに特化した「スマフリ」もございます。ナイセンクラウドの機能を小規模に導入できるスマフリを先に導入してみて、使い勝手や機能を確認したのちにナイセンクラウドに切り替えることも可能です。
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IP電話の料金とメリットを知ろう
IP電話は通常の電話回線と比べて料金が安いため、電話のコストを下げることができます。ただし料金が安いなどメリットも多いですが、注意したいポイントもあります。たとえば、インターネット回線を利用しているため停電時には使えない点です。そのため、停電時にはスマホを使うなど非常事態の用意もしておく必要があるでしょう。
またビジネスで使うならクラウドPBXと比較するのもおすすめです。クラウドPBXもインターネット回線を用いた電話サービスですが、物理的な装置をオフィス内に設置しなくても利用できます。今後テレワークをする社員が増えたり、営業などで外出する社員が多かったりするのであれば、クラウドPBXも選択肢に入ってくるでしょう。
自社に必要な機能やサービスを比較し、しっかりと選択しましょう。