VoIPとスマホの活用で企業活動はこんなに良くなる!

2021年7月31日VoIP

インターネットの登場以降、連絡手段が多様化したのは勿論、声でやり取りする「電話」もますます多様化し、現在では通常の電話回線ではなくインターネット回線を利用した通話も一般的です。そうした通話のことを「VoIP」と呼び、VoIPをスマホと掛け合わせて活用する人も増えていますが、これを企業活動と組み合わせる運用も話題となっています。

今回は、「VoIP」とは何かといった基本的なところから、VoIPを活用した企業向け電話システムの「クラウドPBX」の仕組みについても解説しながら、企業の電話運用においてVoIPとスマホを活用することのメリットを解き明かしていきます。

また、失敗しないクラウドPBXの選び方も併せて解説しますので、クラウドPBXの導入を検討されている企業担当者様もぜひ参考にしてみてください。

VoIPとは

「VoIP(ブイオーアイピー、ボイップ、ボイプ)」は、「インターネット回線を使った通話」を示す略語です。正式名称は「Voice over Internet Protocol」で、「Voice over」は「通話」を表し、「Internet Protocol」は、インターネット回線を使った通信の規格や通信手順を意味します。インターネット回線というのは別名IPネットワークといいますので、要は名前そのままの意味という事です。

VoIPは通話システムや通信技術そのものを意味して使われることが多く、VoIPを利用した電話のことは「IP電話」やVoIPアプリの名前で呼ばれることが多いです。そのため普段の会話でVoIPという言葉自体を使うことは少なくても、実際はVoIPを日々活用している、という方は非常に多いはずです。

VoIPは通話音声の伝送にインターネット回線を用いるので、電話回線を用いることはありません。大まかな仕組みとしては、通話音声をデジタルデータに変換し、インターネット回線を経由して伝送後、相手の電話機に届いたデータを再度通話音声に復元する、といったものとなっています。

VoIPとスマホを連携させる「クラウドPBX」とは?

このように、電話回線を利用することなくインターネット回線を経由して電話をすることができるVoIPですが、近年ではスマートフォンと組み合わせて企業向け電話システムとしてVoIPを活用するという、画期的なサービスが登場しています。それが、「クラウドPBX」です。

クラウドPBXとは、従来広く企業に導入されていた固定電話による企業向け電話システム「ビジネスフォン」の仕組みを、その名の通りクラウド環境に置き換えた新たなサービスです。

そしてビジネスフォンとは、会社内でごく当たり前に行っている電話業務、たとえば会社代表番号からの発信を複数の電話機で同時に行って案件のアポイントメントを取ったり、かかってきた電話を別部署の担当者へ取次ぎしたり、社内の固定電話機同士で内線通話したり、といったことができるようにするために必須のシステムです。

ビジネスフォンの仕組みは、電話機と電話回線を一元管理するために必要な「主装置(PBX)」と呼ばれる機器を社内に設置したうえで、電話回線と固定電話を主装置にすべて有線接続するというもの。このような構造を構築することで、主装置の半自動的な判断で回線を割り当てたり切り替えたり共有したりといった運用を可能にします。

クラウドPBXも、基本的な仕組みはこれと同じです。必要なものは「インターネット回線」と「スマートフォンなどの端末」、そして、会社内ではなくクラウド上(インターネット回線上)に設置された「主装置(PBX)」の3つだけです。ビジネスフォンと大きく違う点は、「運用の中枢となる主装置を社内に設置する必要がない」ことと、「有線でインターネット回線に接続できる電話機やパソコン以外に、無線で接続できるスマートフォンでも使用できる」ことの2つのみです。

しかしこのたった2つの違いによって、運用の幅はビジネスフォンに比べるとはるかに大きく広がります。そのことで生まれるメリットは沢山ありますが、そのほぼすべてが「場所を問わずに電話運用を維持できる」ことに集約されます。

VoIPとスマホを活用するメリット

インターネット回線を利用した通話技術であるVoIPと、VoIPとスマートフォンを活用した企業向け電話システムであるクラウドPBXについて説明しました。

肝心なのは、クラウドPBXのように「VoIPとスマホを活用する」ことにどんなメリットがあるのかということです。そのメリットのほぼすべてが「場所を問わずに電話運用を維持できる」ことに集約される、というのを先ほど書いたばかりですが、具体的にはどういったメリットがあるのでしょうか。

ここでは、VoIPとスマホを活用することが生み出す色々なメリットを紹介していきます。

外出中でも会社番号で電話できる

クラウドPBXでは、運用をつかさどる主装置(PBX)が文字通りクラウド上にあり、会社内外を問わずどこにいても、インターネット回線さえ繋がれば主装置との相互接続は途切れることはありません。そのため、従来であれば会社内に制限されていたビジネスフォンの仕組みを、場所を問わずに運用することができるという、非常に画期的な電話システムとなっています。

ビジネスフォン的な仕組みは「会社番号での通話を複数の電話機で共有する」ことに大きな意味がありますが、従来のビジネスフォンでは、運用の中枢を担う主装置が会社内に設置されてしまっており、電話機とも有線で接続されてしまっているので、会社を出れば会社番号での通話を行うことができなくなってしまいます。まさに従来型の、出勤を強制するオフィスワークを前提とした運用だったわけです。

しかし、先ほども説明した通り、このビジネスフォン的な仕組みを「場所を問わずに運用する」ことができるように改良したのがクラウドPBXです。場所を問わずに運用できるということは、クラウドPBXを導入すれば、会社を出て外出先や出張先にいても、現地から会社の電話番号を使用した発着信が可能ということです。

こうした画期的なメリットにより、外出先から直接会社の番号を使った電話ができるので、従来のビジネスフォンのように会社の電話番号を使うためにわざわざいったん帰社するなど回りくどい工程を辿る必要がなくなります。

テレワークやワーケーションを取り入れやすい

先ほども書いた通り、クラウドPBXなら外出先にいても会社の電話番号を使った電話などができます。勘の鋭い方ならもう気づいたことでしょう、場所を問わずに運用ができるということは、外出先・出張先だけでなく、自宅にいても電話運用が問題なく行えるという事になります。

在宅でも問題なく会社の電話番号を運用できるということであれば、会社という拠点でしか電話運用ができないビジネスフォンのようにオフィスへの出勤を強制されるということはなくなります。すなわち、現在特に世界情勢的に必要性が叫ばれているテレワークやワーケーションといった、社員が密集しない新しい働き方の導入に際して支障がなくなるのです。

従来のように会社以外では社員個人の社用携帯等で対応するという手法では、顧客や取引先とのやり取りも番号が増えすぎて大変になります。しかし、自宅にいても会社の電話番号を使えるなら、やり取りもはるかにシンプルになりますしスムーズに進みます。そして当然ながら場所に関係なく他の社員とも内線で相互通話ができるので、社員同士の連携も問題ありません。

社内を移動しながらの電話も可能

特に物流業や製造業、在庫管理や出荷を担う倉庫を持つ企業の場合、頻繁に在庫の状況確認や急な出荷依頼など変則的な動きを求められることがしょっちゅうです。そうした様々な要望に応えるため、担当者は状況を共有・周知する目的から頻繁に移動しなければなりません。場合によっては遠く離れた倉庫まで移動しながら電話応対をしなければ追いつかないこともあるでしょう。

ビジネスフォンでは固定電話機での運用なので、電話から離れられません。あるいは、確認を取る間に電話を長時間保留にするか、いったん切って掛けなおす必要があります。これでは迅速に進めなければならない対応も一向に進みません。

そうした時も、「場所を問わずに運用できる」クラウドPBXであれば、全く問題ありません。普段持ち運んでいるスマートフォンで会社の電話番号を使った発着信や内線通話が問題なく使えるので、移動しながらでも電話応対ができ、非常に合理的です。仮にもし手が離せず移動が難しい場合でも、確認したい場所の近くにいる別の社員のスマホに直接電話を取り次いで、代わりに対応してもらうといったことも簡単です。

海外でも電話できる

「場所を問わない運用」が可能なクラウドPBXは、海外拠点とも内線で連絡ができます。これは、拠点間通話はたとえ国内同士であっても外線通話を使わざるをえないビジネスフォンでは考えられなかった、まさに夢のような運用です。

通話料節約のために海外とはなるべく連絡を取らないようにしよう、というのも1つの策ではありますが、それではさすがに組織が適切に回らない場合のほうが多くなってしまうでしょう。いくら海外に現地法人があるとはいっても、運用を丸投げできる場合はめったになく、クオリティチェックや組織運営のあれやこれやで頻繁に連絡を取らないといけないことも多いはずです。特に製造拠点を海外に移しているといった場合には常に製造状況を知るために頻繁に通話しなければなりません。

そうした時に、場所を問わずに運用できるクラウドPBXなら、設定すれば海外拠点との通話に内線通話が利用できますので、大幅にコストを削減できます。また、顧客や取引先など内線が使えない電話であっても、例えば海外から日本国内のお客様宛の通話、または逆に国内のお客様から海外拠点の担当者宛ての電話にも、クラウドPBXであれば国際電話を使用しない運用ができます

大幅なコスト削減につながる

クラウドPBXのメリットとしてWeb上で最も宣伝されているのが、「大幅なコスト削減」でしょう。これは、特に従来型のビジネスフォンと比較した場合によく言われることで、たとえば導入にかかる初期費用だけでも、クラウドPBXとビジネスフォンでは大きな差が生じます。

これは、クラウドPBXの場合には主装置の購入や、社内への主装置の設置工事が不要だからです。ビジネスフォンでは、主装置の購入だけで数十万~数百万円、電話機の購入や主装置の設置工事や保守管理費用をプラスすればもっと高いコストがかかりますが、クラウドPBXでは主装置についてはコスト的には一切ノータッチで運用できますので、これらの費用がすべて無料で済みます。また、既に配っている社用スマホや社用PCを転用するなど運用を工夫すれば、電話機の購入費用すらかかりません

それに加えて、先ほども説明した通り、従来なら外線や国際電話を使う必要があった拠点間通話を全て内線にできるというメリットや、電話転送の際にも登録しているスマートフォンであればすべて内線転送にできるうえ、インターネット回線を利用した通話なのでそもそも転送費用が掛からないといったメリットが組み合わさると、それこそ大幅なコスト削減ができること間違いなしです。

失敗しないクラウドPBXの選び方

ここまでのメリットを聞くと、すぐにでもクラウドPBXを導入したくなったという方も多いのではないでしょうか。

ここからは、失敗しないクラウドPBXの選び方を解説していきます。

使用可能な電話番号をチェック

せっかくクラウドPBXを導入するなら、元々使っていた電話番号を使いたいですよね。しかし、クラウドPBXのベンダーが使用している回線の種類によっては、元々の会社の電話番号を使えず、電話番号の変更を余儀なくされる場合があります

企業がまるまる電話番号を変更すると周知が非常に大変ですし、特にビジネスフォンを運用していて固定電話番号を持っている場合には、固定電話番号を手放して「050」で始まるIP電話の番号にしてしまうと、電話番号に対する信頼感が減退してしまい、電話に出てもらえることも少なくなるかもしれません。

いずれにせよ、会社の電話番号を変えたくない場合には、今まで通りの電話番号がそのまま使えるかどうかはちゃんと念を入れて確認しましょう。

機能や操作性をチェック

クラウドPBXには、ビジネスフォンに備えられた大抵の機能が使えます。また、別途オプション料金を払うことでより高度な機能も利用できます。しかし、クラウドPBXはベンダーによって使える機能が異なります。そのため、クラウドPBXを導入する前に、クラウドPBXで使いたい機能を洗い出し、その機能を主軸にベンダーを選ぶことをおすすめします。

また、多くのベンダーが無料トライアルや無料デモといった、期間を制限して一部機能または全機能を一定期間無料で使えるキャンペーンを実施しています。あるいは、展示会のブースなどで実機のデモ機を使えることもありますので、そうしたデモや無料お試し期間などをフル活用して、実際の環境での機能や操作性をくまなくチェックすることをおすすめします。

複数パターンでの見積額をチェック

特に営利組織である企業運営においては、経営の見通しを立てるために通信インフラ等の料金シミュレーションを行うのが普通です。しかし、成長や規模の拡大だけを想定してシミュレーションするなど、1つのパターンだけを想定してシミュレーションするのは危険です。必ず、複数の見通しを想定した見積額をあらかじめシミュレートしておきましょう。

昨今のコロナ禍が象徴するように、会社経営は想定通りにうまくいくとは限りません。石橋を叩きすぎると壊れる、なんてネタがあるように手元にあるプランが多すぎても混乱してしまいますが、多くても4~5パターン、少なくとも3パターンくらいは想定しておくと、より柔軟に見積を変化させることができます

常に数か月先の目標を設定しつつ、規模の拡大・縮小どちらにも対応できるよう、複数のパターンで料金シミュレーションを行いましょう。

スマホでVoIPを利用するならクラウドPBX「ナイセンクラウド」

ナイセンクラウドは、スマートフォンはもちろん、固定電話機、パソコン、iPodなどの様々な端末で利用できるクラウドPBXです。03や06などの全国の市外局番はもちろん、050番号や0120・0800のフリーダイヤルに対応しており、3,000社以上の企業に導入されています。

細かな着信ルールの設定やアナウンス設定が可能で、IVR・ガイダンス機能やボイスウィスパリング機能などのオプションも追加することができます。次の「1分でわかるナイセンクラウド」の動画やサービスサイトをご覧ください。

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詳しい料金は自動見積りや個別見積りでご確認ください。内線数やオプションの有無によって料金が変わります。内線数が多い場合はお得な割引もございます。

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VoIPとスマホで今よりもっと便利に!

VoIPとスマホを活用するメリットや、失敗しないクラウドPBXの選び方について解説しました。

クラウドPBXの大きな強みは、やはり場所を問わずに運用できることと、大幅なコスト削減にあることは間違いありません。そして、その絶対的なメリットを知ったうえで、クラウドPBXを提供するベンダーに関しては一歩引いて客観的に見つつ、慎重に比較検討することが大切です。

料金シミュレーションも含めて会社の数か月~数年先の業績を見通し、それに見合った投資としてクラウドPBXの導入を検討していくべきでしょう。