NK(外線・内線トランク)とは?ビジネスフォンの専門用語を知ろう

専門用語集

ビジネスフォンは、一般の電話と違い、耳慣れない用語を用いている場合もあります。そのため、ビジネスフォンの設定をする際に説明書を読んだ時、用語の意味が分からずに調べた方も多いのではないでしょうか。ビジネスフォンには、一般の電話機にはない内線通話、保留転送、複数回線の接続など、さまざまな機能があります。そのため、専門用語も多くなっています。NKもビジネスフォンの専門用語の一つで、外線・内線トランクのことを意味します。本記事では、NKの概要や言葉の意味、設定方法などをご紹介します。

NK(外線・内線トランク)とは

NKは外線トランク番号のことを指します。主にNTTのビジネスフォンで用いられている用語です。ビジネスフォンにおける外線トランクは、NTTなどの電話通信業者からPBXに入る電話回線のことです。PBXから各ビジネスフォンの子機まで接続している配線も「電話回線」と呼んでいるため、あえてNK(外線トランク)という別の用語を使用して区別しているのです。つまり、NKはNTTビジネスフォンの電話番号や内線番号という意味になります。

この内線は端末の内線ではなく、主装置内部の仮想内線を指します。A1やLタイプの主装置では、EK(Extension(拡張内線) Key)と呼ばれることもあります。ダイヤルイン回線の場合、番号によって鳴り分ける装置や機能をつける必要があるとされています。たとえば、LK-1は外線で会社の電話番号とし、もう一つはFAX番号にしたいケースがあるとします。両方、LK-1を指定してしまうと、電話番号もFAX番号も鳴り分けることなく着信することになります。そのため、電話番号は電話、FAX番号の場合はFAXに着信するように振り分けることができます。この回線キー上で取り扱われるのが、NKとされています。

トランク・トランクグループの意味

ビジネスフォンにおけるトランク・トランクグループは、外線トランクグループのことを指します。

たとえば、PBXに以下のように電話番号を設定しているとします。

 

1.総務部の部長の直通回線…部長1 1回線

2.総務部の課長の直通回線…課長2 1回線

3.総務部の社員 部署回線…社員3、社員4、社員5 3回線

 

この場合、ビジネスフォン子機の台数は5台となります。しかし、社員3、4、5の電話番号は共通のため、外線の電話番号は、部長用、課長用、社員用の3回線が必要という計算になります。この3回線、3つの電話番号のことを「外線トランク」と呼び、NTTの用語で「NK」と呼ばれます。

そして、外線電話番号のことは、外線トランクグループ(NKG)と呼ばれます。

トランク(回線接続基盤)との違い 

NKの場合に使われるトランクと、PBX内での回線の接続を指すトランクでは意味が異なります。またトランクと呼ばれる用語は、使用される場面で少しずつ意味が異なるとされているので非常にややこしいものとなっています。ここでは、混同しやすいトランクについて解説します。

 

・接続箇所という意味のトランク

回路や回線を接続する基盤という意味で、トランクという用語が使用されることもあります。

 

・COT(Central Office Trunk)

COT(Central Office Trunk)とは、局線トランクの総称です。PBXのCOTインターフェースとは、NTTの電話回線とPBXが接続する箇所のことです。一般的なPBXの場合、外線トランクも内線トランクもCOTに接続されます。そして、着信番号の検出やパルス信号の送出などが行われます。これにより、着信があることを知らせてくれたり、電話の発信を行ったりすることができます。

 

・ORT/IRT(発信、着信レジスタトランク)、センダトランク

レジスタトランクは計数回路のことです。内線・専用線からダイヤル信号をカウントする際に用いられます。受話器を取ると、受話器から出る「ツー」という音は、レジスタトランクから「準備ができました」という合図です。この発信音を確認してからダイヤルします。

センダトランクは、内線のダイヤル種別と、局線と専用線のダイヤル種別が違う場合、PB信号→DP信号、DP信号→PB信号に変換することができます。

 

・LC(内線回路)

内線回路は、受話器の上げ下げの検出や呼出信号の送出、通話回路の電源の供給などを行う機能です。デジタル交換機では、音声のA/D・D/A変換などを行います。

 

・HWT(ハウラトランク)

ハウラトランクは、最近の交換機にはあまり搭載されていないとされています。受話器を上げたままにしてしばらくすると、受話器から大きな音がします。この警告音をハウラといいます。

 

・CFT(三者通話トランク)

電話の取り次ぎの際に、一時的に3人で通話する際に使われるトランクです。

NKの設定は業者が行う

NKの内容は難しいものも多いですが、一般的な設定作業や配線作業は電気工事業者や通信事業者の作業員が行います。そのため、ビジネスフォンを利用するユーザーは、細かい部分まで覚える必要がないので安心しましょう。

簡単にビジネスフォンを使いたいならクラウドPBX

もっと設定や機能や簡単なビジネスフォンを使いたいなら、クラウドPBXがおすすめです。クラウドPBXなら、PBX/主装置の設置が不要になるため、導入コストを大幅に削減できます。また設置工事のために、日程を調整する必要がありません。さらに、設置するスペースを作らなくてもよいため、オフィススペースの有効活用を実現できます。

 

・すでにビジネスフォンを導入している場合もおすすめ

すでにビジネスフォンを導入している場合でも、クラウドPBXへの乗り換えはおすすめです。NTTの固定電話で取得した番号もしくはひかり電話で取得した番号の場合、そのまま引き続きクラウドPBXで利用することができます。クラウド上のサーバーに電話番号を紐づけると、基地局外に移転しても電話番号を変える必要がありません。一度登録してしまえばオフィスの移転なしでも、電話番号を変えなくても済むため手間を削減できるでしょう。そのため、電話番号を変えたくない場合もクラウドPXBの利用がおすすめです。

 

・複数拠点にも導入できる

クラウドPBXなら、拠点間の通話も内線扱いになるため、通話コストを削減できます。また、これまでは各拠点に設置されていたビジネスフォンの主装置を、クラウド上で一時的に管理や保守コストも削減可能です。

 

・スマホを内線端末として利用できる

クラウドPBXを利用してスマホで受発信できるようになれば、さまざまなコストを削減が期待できます。一つ目は導入コストです。スマホで利用するならばビジネスフォンの導入が不要なため、高い導入コストを不要になります。また配線工事なども不要なため、工事コストも削減が可能です。

 

二つ目は通話コストです。従来のシステムであれば、会社にかかってきた電話を外出中の社員などに取り次ぐ際には、外線で社員のスマホにかける必要がありました。クラウドPBXは内線同士の通話は無料になるため、通話コストも削減できます。また転送サービスなどもありますが、転送機能を使うには料金が必要です。スマホでクラウドPBXを利用すれば転送料金も不要になります。

さらに、スマホを有効活用すれば、コストパフォーマンス向上も期待できます。たとえば、Wi-Fi環境と整えれば、テレワーク中の社員でも通話料金が無料になります。さらに個人のスマホを利用している場合、利用料金が問題になりますが、クラウドPBXなら社員が料金を支払う必要はありません。

また、電話業務が必須の職種では、テレワークの導入は難しいと考えられていました。クラウドPBXなら、インターネット環境さえ整っていればどこからでも業務ができるため、テレワークができるようになるでしょう。自宅でも顧客の電話に対応できるため、多様な働き方への対応が期待されます。

 

・会社の電話番号がスマホでも使える

クラウドPBXは利用するには、専用アプリをインストールすることが多いです。このアプリを使えば、スマホでも会社の電話番号を利用できるようになります。通常、私用のスマホを仕事で利用する場合、相手側に表示されるのはスマホの電話番号となります。そのため、場合によっては、誰か分からずに電話を取ってもらえない可能性も考えられます。会社の電話番号を利用できるようになれば、顧客側にも安心感を与えられるので、顧客満足度の向上も期待できます。

さらにPBXサービスによっては0210や0800などのフリーダイヤルも番号をスマホから利用することも可能です。フリーダイヤルはECサイトや問い合わせ窓口などの開設に適しているため、フリーダイヤルを必要としている場合は、対応しているサービスを選びましょう。

NK(外線・内線トランク)の意味について知ろう

ビジネスフォンには専門用語が多く、一見しただけでは何を指しているのか分からないものもあります。NKの場合は、NTTのビジネスフォンにおける外線・内線の電話番号と理解しておけば問題ないでしょう。一般的な設定方法や配線方法などは、業者が行いますので、利用者側は専門知識がなくても利用できるので安心です。また、さらに専門的な装置の設置や設定方法が必要ないビジネスフォンを使いたい場合は、クラウドPBXの利用がおすすめです。クラウドPBXとは、オフィスにある交換機PBX(Private Branch Exchange)をクラウド化したシステムで、インターネット上で通話環境が構築できます。物理的な電話機や配線を必要としないため、導入時のコストを抑えることができるのが大きな特徴です。これからビジネスフォンを導入する際には、どういったサービスが自社に適しているのか、比較検討してみてはいかがでしょうか。