オフィスの電話、クラウド化していますか?これからの時代は電話もクラウド化

電話業務の効率化

電話といえば、「電話回線を経由した通話」を想定する人がまだまだ多いように思います。しかし、特に企業向けやビジネス目的での電話運用に際しては、「インターネット回線を利用した通話」も普及しつつあることをご存知の方も多いのではないでしょうか。

インターネット回線を経由した通話技術を一般には「VoIP」といい、その技術を利用した「IP電話」や、既存のビジネスフォンなどの仕組みをクラウド化した「クラウドPBX」など、ビジネスフォンよりも便利かつ安価な電話サービスが次々に登場しています。これからの時代は、「電話のクラウド化」こそが重要なキーワードとなっていくでしょう。

そこで今回は、「電話のクラウド化」とは何か、オフィスの電話をクラウド化する方法、クラウド化する際の注意点などを解説していきます。

進むクラウド化。オフィスの電話もクラウド化していますか?

近年、「VoIP」を利用したアプリや電話システムが急速に普及していますが、VoIPという言葉を知らない人はまだまだ多いです。これは、VoIPの仕組みの普及こそ進んでいるものの、そうしたサービスが「VoIP」を名乗っているわけではないからです。

「VoIP」というのは「インターネット回線を利用した通話技術」を意味する言葉で、「ブイオーアイピー、ボイップ、ボイプ」などと読みます。これは、普段私たちがWebページへのアクセスやSNSへのアクセスに利用しているネット回線を使って電話音声をやり取りする仕組みです。たとえば、私たちが何気なく使っている「LINE無料通話」や「Skype」なども、この仕組みを利用したもので、単にアプリケーションの名前が先行しているから「VoIP」が知られていないというだけなのです。

勿論、VoIPにはそうしたアプリ間通話だけでなく、電話番号を発行して固定電話ともやり取りができるものも存在し、そうしたものを一般には「IP電話」と呼びます。IP電話は従来の固定電話と違い通話先の距離に応じて料金が変動せず一律料金となることや、大幅に安い通話料金となること、「050番号」同士なら無料で通話できるなど色々なメリットがあることから、小規模なスタートアップ企業やベンチャー企業でよく用いられています。

しかし、こうしたIP電話も含めて、固定電話や据え置き型電話では「会社内でしか電話が使えない」という制約がどうしても出てきてしまいます。そこで事業者が考えついたのが、「携帯電話やスマートフォンのような持ち運び可能な端末を使って、オフィス内のように内線電話や電話の取次ぎなどができる仕組みを作れないか」ということです。そんなことは無理だと思っている人は意外とまだ多いかもしれませんが、実はそれはもうサービスとして実現しています。それこそが「オフィス電話のクラウド化」なのです。

特に大きな企業を中心として、巷ではこの「オフィス電話のクラウド化」が進んでいます。このオフィス電話のクラウド化は、特に「社員の外出が多い企業」や「海外を含め拠点を沢山持っている企業」、「テレワークを導入している企業」などにとっては飛躍的に業務効率やコスト削減率を高め、非常に運用として都合がいい面が多いのです。

オフィスの電話をクラウド化するメリット

「オフィスの電話のクラウド化」に都合がいい面があると言いましたが、具体的にどのようなメリットがあるのかをこれから説明していきましょう。

「オフィス電話のクラウド化」によって得られるメリットは、「場所に縛られない運用」が可能になるという事です。従来のオフィス電話では、固定電話や主装置(PBX)といった設備を会社内に設置する必要があり、有線の電話回線でそれらを物理的にひとつなぎにしていたので、「電話運用が拠点に縛られる」=「会社内でしか会社の電話番号を使った電話や内線電話ができなかった」形となっていました。もし会社外で自由に内線や会社の電話番号が使えたとしたら、飛躍的に便利になるのは目に見えているはずです。

ここでは、「オフィス電話のクラウド化」がもたらす画期的なメリットを3つ取り上げ、詳細に解説していきます。

電話業務の効率化

従来、企業に導入されていた固定電話での電話運用、通称「ビジネスフォン」には、どうしても避けて通れない制約がありました。それは、「電話機と回線を一元管理するために必要な設備が、全て会社拠点内におさまってしまっているため、会社拠点内でしか電話が使えない」というものでした。

これは、はるか昔、携帯電話がなかった時代には至極当然の制約でした。その時代には、プライベートであっても電話するには電話のある場所(家や公衆電話ボックス)にいかなければ電話ができませんでしたよね。しかし、今では携帯電話やスマートフォンの普及によって、会社の外にいようが中にいようが、旅行先にいようが出張先にいようが電話がどこでも出来てしまう時代です。

プライベートでは、手のひらサイズの電話と共に好きなだけ移動ができ、好きなタイミングで電話を掛けたり受けたりできるのに、仕事の電話は会社に行かないとできないなんて、あまりに時代遅れで非合理に感じたことはないでしょうか。こうした携帯電話やスマートフォンでの「オフィス電話の運用」を可能にした仕組みこそ「オフィス電話のクラウド化」なのです。

オフィス電話をクラウド化することで、私たちは普段プライベートで行っているのとほぼ同等の自由さで、「オフィスの電話を場所に縛られずに自由に持ち運ぶことが可能」になります。これこそがオフィス電話のクラウド化の最大のメリットと言えるでしょう。そして、このメリットが最も実感できるのが「電話の取次ぎ」です。

電話の取次ぎを行う際、従来のオフィス電話では取次ぎ先の担当者が会社のデスクにいないと取次ぎができません。もし外出していれば取次ぎが不可能なので、相手先から内勤者が用件を控えておき、担当者に伝える必要がありましたし、電話を折り返す際にも担当者は会社の番号を使わないといけないので会社に帰社するといった手間が発生していました。

しかし、場所に縛られないクラウド化されたオフィス電話なら、会社内から担当者の携帯電話へ直接電話の取次ぎができますし、折り返す際にも外出先から手持ちの携帯を使って、会社の電話番号で発信するだけで完結します

「電話するために電話のある場所に移動する」のではなく「自分と一緒にオフィス電話が移動できる」ので、会社への出社・帰社といった無駄な導線が不要になるのです。これだけでも電話業務の効率は飛躍的に向上します。

コストの削減

「オフィス電話のクラウド化」によって、「場所に縛られない運用」ができるということは、大幅なコスト削減をももたらします。

これは、オフィス電話をクラウド化すれば、従来のオフィス電話のように主装置等の設備を会社内に直接設置しなくてもよくなるということが大きく関係しています。クラウド化するということは、運用の要となる主装置をクラウド上に設置するということであり、どこか遠隔に設置されている主装置を借りて運用できるという事でもあります。

そして、主装置の設置が不要という事は、主装置の購入も不要であり、設置工事もメンテナンスも不要になるということも大きく関係しています。従来のオフィス電話の場合は主装置の購入や設置に数百万単位のコストがかかっていましたが、クラウド化すればそれらのコストを綺麗にゼロにできます。その代わり数万円程度の初期費用は必要ですが、難しい作業は全部クラウド化のサービスを提供するベンダーがやってくれます。

オフィス電話のクラウド化は、そうした初期費用の削減もそうですが、通話料のコスト削減をも実現してくれます。場所を問わずにオフィス電話を運用できるということは、「内線通話を会社の外で使える」ということでもありますし、「遠く離れた拠点同士で内線通話ができる」ことでもあります。これがどういうことか、勘のいい方はすでにお気づきかと思いますが、従来なら距離の離れた支社と本社の電話のやり取りは外線が普通でしたが、たとえ東京と大阪のように数百キロ離れた拠点同士であろうとも、クラウド化されたオフィス電話なら内線通話ができてしまい、その分の通話料は無料になるのです。

それに加えて、元々VoIP通話が固定電話の通話と比べて大幅に安いこと、固定電話と違って位置情報が問われないので全国一律の通話料金になることも相まって、オフィス電話をクラウド化すれば、通話料も大幅に安くなるのです。

働きやすさの向上

オフィス電話のクラウド化がもたらすのは「場所に縛られない運用」であると重ねて言ってきましたが、場所に縛られないということは、会社の外にいようが中にいようが、何なら社員全員在宅勤務であろうが、少なくとも電話業務に関しては通常通り回るという事です

もし、営業会社であったりコールセンターであったり、電話業務に特化した会社であれば尚のこと、電話業務を除けば家でもできるような業務であってもそうですが、電話運用さえ会社に行かなくてもできるようになれば在宅ワークやテレワークをすぐにでも導入できるのに、という会社は少なくないはずです。実際、東京都では約4割の企業が2020年からのコロナ禍で急速に在宅勤務やテレワークへの置き換えを進めました。

それこそ「他の業務はともかく、オフィスに電話番がいないと回らない」という企業であれば、オフィス電話をクラウド化することで、感染拡大防止策としてのテレワークをすぐにでも導入できるでしょう。

また、時期に応じてワーケーションやサテライトオフィスでの勤務を導入することで気分転換にもなり、拠点に縛られずどこででも働けるという事は、働きやすさの向上に大きく寄与するはずです。

オフィスの電話をクラウド化する方法

さて、以上のようにメリットばかり説明していると何やら夢物語を語っているように思えますが、もちろん現在ではサービスとして「オフィス電話のクラウド化」は実現しており、既に提供しているベンダーは沢山あります。これまでのメリットに魅力を感じた企業様であればすぐにでも導入を検討するべきですが、まずはオフィスの電話をクラウド化するその方法を知らないと話になりませんよね。

そこでここからは、オフィス電話をクラウド化する、その具体的手順を解説していきます。

クラウドPBXを導入する

オフィス電話をクラウド化するというと、専門知識を身に着けたエンジニアを呼び寄せて会社の電話を分解してああでもないこうでもないと高度な技術であちこちをいじらなければならないんじゃないか……と不安に思っている方がいらっしゃいましたら、ご安心ください。オフィス電話をクラウド化する、その一歩は非常に簡単です。一言でいってしまえば「クラウド化してくれるサービスと契約する」だけでOKだからです(もちろんその前に、既存の電話運用の設備の撤去等は別途必要にはなります)。

そして、その「オフィス電話をクラウド化してくれるサービス」こそが、近年話題となっている「クラウドPBX」です。言うなれば名前そのままのサービスが存在するので、そうしたサービスと契約しましょうという話です。契約するのもあまり難しい高度なやり取りはそこまで存在しません。

先ほども説明した通り、クラウドPBXでは主装置など専門的な設備の設置も不要なので、必要なのは、社員全員分の「スマートフォンやパソコンといったインターネット回線が繋がるデバイス」のみでOKです。その他に初期費用もかかりますが、現在では価格競争がある程度進んだため、諸々コミコミで数万円台という格安の値段に落ち着いています。

パソコンやスマホなどの端末にアプリをインストールする

多くのクラウドPBXでは、スマートフォンなどのデバイスでVoIPによる通話ができるようにするために、「ソフトフォン」と呼ばれるアプリをインストールして利用するのが一般的です。ソフトフォンは、オンライン会議アプリや無料通話アプリとは異なる仕様となっていて、固定電話機等への発信も可能となっています。

ベンダーとクラウドPBXの通信契約を締結し、開通のお知らせがきたら、使用する予定のデバイスに、ベンダー側から指定されたソフトフォンアプリをインストールしましょう。これも難しい手順はなく、スマホやパソコンであればインストール方法は他のオフィスアプリやゲームなどと同じなので、インストーラーの手順に従って自動的にインストールが進みます。

アプリはインストールしただけでは使えないので、別途通信設定もしなければなりませんが、アプリの設定に関しても別途ベンダーから詳細な手順書が送られることが多く、その説明の通りに進めていけばいいだけですので、難しくはありません。

オフィスの電話をクラウド化する際の注意点

オフィス電話をクラウド化する「クラウドPBX」は大変便利で導入にも難しい手順こそありませんが、「導入の際にはベンダー選びも含めて非常に慎重に検討しなければならない」というのは否めません。

ここでは、オフィス電話をクラウド化する際の注意点について解説していきます。

利用中の電話番号をそのまま引き継げるクラウドPBXがおすすめ

クラウドPBXと一口に言っても、ベンダーによって違う種類の回線を使っている場合があります。

特に、既に固定電話運用によるオフィス電話を導入している場合、「03」「06」「042」などの市外局番がついた、会社名義の固定電話番号を持っているはずです。ベンダーが使う回線の種類によっては、IP電話専用の「050」番号しか使えず、こうした固定電話番号が使えない場合もあります。その場合、電話番号を変更しなければならなくなってしまいます。

固定電話番号は企業にとっては非常に大切で、一定の社会的信頼を担保するものです。固定電話番号を失いたくない場合には、クラウド化するにあたって「LNP」と呼ばれる番号ポータビリティサービスを使えるベンダーを選びましょう。中でも「光電話」を利用したクラウドPBXベンダーの場合では、固定電話番号を問題なく移行できる場合が多いです。

電話機リースの場合、クラウドへの乗り換えタイミングに注意

クラウドPBXを導入する前に、現在すでに会社が導入しているオフィス電話の回線契約がどうなっているのかを確認することはとても重要です。

もしすでに契約しているオフィス電話がリース契約だった場合は、現時点で契約期間がどのくらい経っているかに注意しなければなりません。リース契約は一般的には5年~7年が主流で、契約期間を満了せず解約してしまうと、違約金が発生するばかりか、残債分のリース代の一括支払いも求められます。そのうえ、解約の際にはすべての機材を急いで撤去し、リース会社に返却しなければなりません。リース契約で得た主装置や固定電話機の所有権は、リース会社にあるからです。

契約期間を確認せずにクラウドPBXを導入してしまうと、このようなコストが嵩む可能性に加え、間が悪い場合には撤去費用もかかったりするなど、契約満了した場合に比べて大幅にコストが増えてしまうリスクにさらされることになります。こうした強引な移行をすると、設備や回線の状況によっては、会社の電話が通じなくなる空白期間がどうしても発生してしまいますし、トラブルの素になってしまいます。リース契約がまだ満了になっていない場合には、できる限りスムーズに移行できるよう、契約期間満了を待っての導入を検討してみてください。

オフィスの電話をクラウド化するなら「ナイセンクラウド」

ナイセンクラウドは、03や06などの全国の市外局番はもちろん、050番号や0120・0800のフリーダイヤルに対応しているクラウドPBXです。多くの企業や個人事業主の方、クリニックなどで導入されています。外から内線を利用できるナイセンクラウドは、在宅勤務者が多い場合や拠点数が多い場合、また海外に拠点があるケースなどで利用されています。

詳しい機能については次の動画やサービスサイトをご覧ください。

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企業規模に応じて3つのプランから選ぶことができます。詳しい料金は自動見積りや個別見積りでご確認ください。

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また、2台のスマホでフリーダイヤルを利用することに特化した「スマフリ」もございます。ナイセンクラウドの機能を小規模に導入できるスマフリを先に導入してみて、使い勝手や機能を確認したのちにナイセンクラウドに切り替えることも可能です。

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オフィスの電話をクラウド化して賢い電話運用を! 

「オフィス電話のクラウド化」に焦点を当て、そのメリットや導入方法、導入の際の注意点などを解説しました。

クラウドPBXは導入・運用にかかるコストが少なく、また手間も設備も最低限でいいので、有り余るメリットに比べて払うコストが少なく、文句なしで導入するべきといえる一方で、既にある設備の契約状況や環境によっては、デメリットも生まれてしまいかねません。導入の際は現在取り入れている設備周りについてもきっちり確認をとって、できる限りコストやリスクが少ないタイミングで乗り換えることをおすすめします。