IVRの活用時に重要なコールフロー設定のポイントを解説!

IVRは自動音声応答システムのことで、一般企業で幅広く導入されています。まだIVRを導入していない企業の中には、導入を検討しているところもあるでしょう。既に導入していても、上手く活用できていない企業もあるかもしれません。
IVRを上手く活用するためにはコールフローの設定が重要です。コールフローの設定次第で利便性が大きく変わります。これからIVRを導入する企業や導入済みで上手く活用できていない企業では、コールフロー設定を理解しておくことが重要です。本記事ではIVRのコールフロー設定について解説します。
IVRで重要となるコールフローとは?
IVRを上手く活用したいと考えている企業でも、コールフローというのは何のことなのか良く分からない場合もあるでしょう。まずはIVRの仕組みとコールフローの役割について理解しておく必要があります。では、IVRとコールフローそれぞれについて見ていきましょう。
IVRとは
IVRとは、顧客からかかってきた電話に自動で出て、用件を尋ねて振り分けるシステムのことです。顧客に対して音声で質問を行い、複数の選択肢を提示してプッシュボタンで回答させます。例えば「新規契約を検討中のお客様なら1を、契約中のお客様なら2を押してください」のような具合です。そして、顧客が選んだ選択肢に応じた部署や担当者に引き継がれます。
複数の質問を行うことも可能です。例えば、契約中のお客様に対して、用件を尋ねて分岐させることなどができます。
IVRがない場合には、担当者に引き継がれるまでのやり取りを、スタッフが行わなければなりません。問い合わせの電話がかかってくるたびに業務が中断されてしまいます。電話受け専門のスタッフを雇うこともできますが、人件費がかさむでしょう。IVRを活用することで、コストを抑えた上で業務効率化を図れます。
コールフローとは
コールフローとは、IVRを活用する際に設定する質問の内容や選択肢、分岐のことです。
契約を検討中か既に契約中か尋ねてから、契約中なら用件を尋ねるという具合で枝分かれしていきます。契約を検討中の方を選んだ場合も、検討中のプランを選択するなど枝分かれを作成可能です。2段階だけでなく3段階や4段階などで枝分かれさせることもできます。
また、生年月日などを尋ねることも可能です。プッシュボタンで回答する仕組みのため、数字で入力して回答できます。契約者本人かどうかを確認する目的で生年月日の入力をコールフローの中に取り入れている企業も多いです。
顧客の回答内容だけでなく、スタッフの現在の対応状況などをコールフローに取り入れることもできます。例えば、スタッフが他の顧客の対応をしていてすぐに対応できない場合には、待ち時間が発生することを伝えるという具合です。待ち時間が長くなる場合には、しばらくしてからかけ直すようにアナウンスするような設定もあります。
コールフローを設定するメリット
コールフローを設定することでどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
業務効率化
IVRでコールフローを設定することで、企業側は電話の一次受けを行わずに済みます。電話に出るために業務が中断されることがなく、コア業務に注力できるのがメリットです。業務効率の向上が期待できます。
スタッフの専門性を強化できる
スタッフが電話の一次受けを行う場合には、どうしても広く浅い知識を習得しなければなりません。これに対して、コールフローを設定して対応できる環境を整えておけば、専門性に特化しやすくなるのがメリットです。企業全体でより良いサービスを提供できるようになります。
顧客満足度の向上
コールフローが適切に設定されていれば、問い合わせ内容に応じた知識のあるスタッフに引き継がれて対応してもらえます。待ち時間が少なく済み、スムーズに対応してもらえることで、顧客満足度の向上が期待できます。
コールフロー設定の際に重要な2つのシステム
コールフローを設定する際には、次の2つのシステムが重要です。では、それぞれのシステムの役割について詳しく見ていきましょう。
IVR
IVRは顧客に対して一次対応をするシステムです。設定されているコールフローの内容に従って、顧客に対して質問をしたり、質問の回答に応じて次の質問をしたりします。生年月日の入力を求めたり、混雑時の案内などをしたりするのもIVRの役割です。
ACD
ACDはIVRが行った対応に基づいて、スタッフに対して振り分けを行うシステムのことです。
問い合わせの内容ごとに担当者が決まっている場合にはその担当者に振り分けます。現在電話対応を行っているかどうかを考慮した判断も可能です。また、複雑な内容の問い合わせや、「その他」の選択肢を選んだ場合には対応スキルの高いスタッフに振り分けます。
ただし、このような振り分けが適切に行われるためには、あらかじめ設計をしておかなければなりません。設計が上手くできていないと、振り分けも適切に機能しない可能性があります。
コールフローを設計する際のポイント
コールフローを設計する際には次のようなポイントを押さえておきましょう。
枝分かれを複雑にしすぎない
質問や選択肢の数を多くすると、より細かく振り分けられます。しかし、いくつもの質問に回答したり選択肢を1つずつ読んだりするのは、顧客にとってストレスに感じることが多いです。そもそも、自社のサービスに関して不便なことがあって問い合わせをしている顧客が多い点を認識しておきましょう。
質問に回答する回数は3回までにしておき、選択肢は多くとも3つまでにしておくのが望ましいです。
音声ガイダンスの内容はシンプルにする
顧客は音声ガイダンスを聞いて質問に回答します。そのため、あまり複雑な内容や長々とした内容になってしまわないように注意しましょう。分かりづらいとストレスに感じてしまうことも多いです。スタッフにつながるまでの時間も長くかかってしまいます。
あいさつや前置きなどもできるだけ必要最小限のものだけにしておきましょう。キャンペーンの案内やおすすめ商品などについての内容を含めるのは良くありません。ストレスを助長させてしまいます。
選択肢の中に「その他」を設ける
自社で想定している内容以外のことで困りごとがあって問い合わせをする顧客もいます。自分の状況に合った選択肢がない場合には、とりあえずどれかの選択肢を選ばざるをえません。選んだ選択肢に基づいてスタッフに振り分けられますが、対応ができず、たらい回しにされたり長く待たされたりしてしまいます。
そのような事態にならないために、「その他」の項目を設置するようにしましょう。そして、対応力の高いスタッフに振り分けられるように設定しておくのが望ましいです。
ナイセンクラウドではIVRの設定も可能!
ナイセンクラウドは、クラウドPBXのサービスです。オフィス内に専用の装置を設置せず、ビジネスフォンを使用できます。PBXがクラウド上に設置されている仕組みのため、インターネット回線さえあれば、どこででも利用可能です。
電話機だけでなくスマホやPCなどでも発着信できて、接続している端末同士での内線通話にも対応しています。営業で外出中の社員やテレワーク中の社員も、オフィスにいるときと変わらない環境で電話を使用できます。
他にもさまざまな機能が備わっており、オプションでIVRも利用可能です。一次受けをする必要がないため業務効率化につながります。また、オフィスにいる社員以外にも振り分けできるため、より迅速な対応ができるでしょう。
IVRを活用したいと考えている場合には、ナイセンクラウドを検討してみてください。
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まとめ
IVRを活用すれば、電話の一次受けをスタッフが行わずに済み、業務効率化につながります。問い合わせ内容に応じて最適なスタッフに振り分けられるため、顧客の利便性向上も期待できます。
そして、上手く活用するためには、コールフローの設計が重要です。枝分かれがあまり複雑にならないようにし、音声ガイダンスの内容もシンプルなものに設計しましょう。また、「その他」の選択肢を設けて、対応力の高いスタッフに振り分けることで、複雑な問い合わせにも迅速に対応できます。
もし、上手くいかない場合には設計を見直すなどして試行錯誤しながら運用していきましょう。